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1章
序列
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夕食をいただいた後、ユリシーズはそそくさと部屋に籠ってしまった。
夜のユリシーズがどんな人になっているのか気になる。今はディエスなの? それとも、ノクスになっているの?
でも、ユリシーズの部屋を訪ねるのはちょっとまずそう。
だって、まるで誘っているみたいじゃない?
昨日、ノクスに次はもっとかわいがってやるとか言われた手前……。
私が一人でもじもじしていたら、同室にいるエイミーが不思議そうにこちらを見ていた。
「どうかなさいましたか?」
「ううん。別に」
ノクスのかわいがるって、どんな感じなんだろう……。
ダメダメ、そんなこと考えちゃ。
「ガッシャーーン!!」
突然大きな音がした。
部屋の窓ガラスが派手に割れていて、室内にガラスの破片が散らばり人影が立っている。
茶色の髪が肩まで伸びていて、白い耳が頭から生えていた。
尻尾は……ああ、白いのが生えてる。
「お前が、ユリシーズのパートナーか」
……女性の人狼だわ。男性のような恰好をしているけれど、声が高い。
そして、目が銀色に光っている。
「そうですけど、どちら様です?」
怒らせるとまずそうな人ね。
挑戦的な目ををこちらに向けているし、まともな人だったら玄関から家に入ってくるはず。
「その、変な匂いは何なんだ! その匂いでユリシーズを惑わせたのか!?」
「いい加減、人を匂いで語るのは止めてくださいます??」
あ、しまった。この人に匂いのことを言われたのは初めてだった。
でも、人狼の人たちって口々に人の匂いについてどうこう言うじゃないの。止めていただきたいわ。
「どうした、アイリーン!!」
慌てたユリシーズが部屋に入ってきて、すぐに私を抱きしめるようにして女性の人狼から庇うようにする。
あとアイリーンって普通に呼ばれたけど、ここではクリスティーナだから本名をばらされるとややこしくなるわ。
「ユリシーズ! 人間の女と結婚するのは御免だって言っていたじゃないか! どういうつもりだ?!」
「うるせえ! 人間の女だがアイリーンは俺の女だ!」
「呆れたやつ! 狼の誇りをどこに落としてきた?!」
人狼同士で痴話げんかみたいなものが始まってしまった。
うーん、なんだか知り合い同士みたいだし、この感じって……。
「ユリシーズの元恋人?」
「ばっ……バカか! 生涯ひとりの伴侶しか作らないって言っただろうが! こいつは従妹だ!」
「ああ、従妹の方ね……」
「酷い! 結婚してくれると思ったのに!」
「ほら、あなたに気があるじゃないのよ」
「安心しろ、アイリーン以外の雌は要らない」
どうやら目の前の女性はユリシーズの従妹で、ユリシーズに気があるらしい。
でもユリシーズは私以外の女性? は要らないと言ってるし……。
ええと、さっきからユリシーズが頭をスリスリと肩にこすりつけてくるんだけど、これ、撫でればいい?? あ、黒い耳が頭から生えてる。
やだ、この耳、ふわふわしてて気持ちいい。
頭を撫でたらユリシーズの尻尾が振れた。か、かわいい。
「人前でいちゃいちゃするなあああ!!」
「え?」
しまった、すっかり犬を撫でている気分に。
従妹の方が涙目で睨んできてる。
「諦めろ。俺は既に結婚している。アイリーンと生涯を共にすると決めた」
「ユリシーズの、バカあああ!! 結婚生活で苦労しろ!!」
従妹だという女性の人狼は捨て台詞のようなものを残し、割れた窓から出て行った。
……だから、玄関を使いなさいって。
「なんだったの、あの人……」
「まあ、ほら、俺は人狼の中では族長みたいなもんだからさ」
「もてるってこと?」
「そりゃ、まあね」
私たちがそんな会話をしている時も、ユリシーズは私を離さなかった。
ずっと腕の中に入れられて、なんだか守られているような……。
「あの、お嬢様? これは一体……」
あ。エイミー。そういえば同室にいたんだった。
どこから説明するべき、これ……。
「あ、あのね、エイミー。これはユリシーズの人狼化した姿で」
「ひっ、化け物!」
あー……正常な反応が返ってきちゃったー……。
そうよね、人狼化した姿なんて言われたら、そういう反応になるわよね。
「とりあえず、この部屋で寝るのは無理だな。そこの女はゲストルームに行け。家の誰かに言えば案内する。アイリーンは俺と来い」
来い?? ユリシーズのところに?? 今から??
「あ、ユリシーズ。人前でアイリーンはやめて。今はクリスティーナ姫ってことになっているのだから」
「なんでだよ。俺はアイリーンって呼びたい。そっちの名前の方が好きだ」
ああもう、いちいちドキドキさせないで。
無意識なのかもしれないけど、ときめいてしまう。
「だけど、誰かの前で呼ぶのはダメよ。ディエスだって私のことをクリスティーナ姫だと思っているんだから。ディエスはクリスティーナ姫にずっと焦がれていたの」
「それは知ってる。でも、クリスティーナは……あれはいい女じゃなかったぜ?」
ああ、それじゃまるで私がいい女だってことじゃないの。
ユリシーズ、そんな風に口説かれるとさすがに私だって揺らいでしまうわ。
違う違う、しっかりしてアイリーン。
エイミーは訝し気に私たちを見ながら部屋を出て行った。
ユリシーズは手を振ってにこやかに見届けると二人きりになった途端に私に頬ずりをする。
「ほら、俺たちも行くぞ」
「行くって、どこへ?」
「なに遠慮してんだ? 俺の部屋で寝ればいいだろ?」
「……それは」
朝、目が覚めてディエスが知ったら落ち込むんじゃないかしら……。
夜に会うのは控えましょうって言ったばかりだし。
それに、こんな軽い感じでユリシーズと同室で過ごすなんて想定外だし。
まだ心の準備ができてないっていうか……。
「色々とまずい気が」
私がユリシーズの部屋に入るのを躊躇すると、「昼間に一人で入ったくせに遠慮するな」と声を掛けられた。
そうか、ディエスの記憶も持ってるんだ、と気づいて不思議な感じがする。
「ディエスが後から知ったら、ショックを受けるでしょ?」
「変なことを気にするな。今はディエスの意識も入ってる」
「そうなの??」
「どのくらい記憶が残るかは分からないが」
そうなのね。だから、昨日よりもちょっと優しそうな雰囲気がするのかしら?
ディエスの意識が入っているとはいえ、こんな形でノクスと接近するのがディエスに悪い。
変な話だけれど、私は二人のユリシーズがなるべく傷つかないようにしたいというか、平等でありたいというか……。
「アイリーン」
部屋を開けて私に手を差し伸べる姿に、ドキ、と胸が音を立てる。
ノクスの中にいるディエスが聞いたらどうするのよと責めたいのに、私はずっとその声にその名前を呼ばれたかったのかもしれないと思う。
「いいから。あんな部屋で寝かせられない」
「でも」
「正式に俺の嫁になったんだから、遠慮をするな」
「……エイミーのところに行って、寝巻に着替えてきてもいい??」
「ああ、そうか。そのままじゃ寝づらそうだな。ドレスは一人じゃ着替えられないのか?」
うなずくと、ユリシーズは差し伸べた手を引っ込めて自分の首にあて、「分かった」と渋々言った。
「部屋で待ってる」
逃げられない。これ、逃げられないわーー。
夜のユリシーズがどんな人になっているのか気になる。今はディエスなの? それとも、ノクスになっているの?
でも、ユリシーズの部屋を訪ねるのはちょっとまずそう。
だって、まるで誘っているみたいじゃない?
昨日、ノクスに次はもっとかわいがってやるとか言われた手前……。
私が一人でもじもじしていたら、同室にいるエイミーが不思議そうにこちらを見ていた。
「どうかなさいましたか?」
「ううん。別に」
ノクスのかわいがるって、どんな感じなんだろう……。
ダメダメ、そんなこと考えちゃ。
「ガッシャーーン!!」
突然大きな音がした。
部屋の窓ガラスが派手に割れていて、室内にガラスの破片が散らばり人影が立っている。
茶色の髪が肩まで伸びていて、白い耳が頭から生えていた。
尻尾は……ああ、白いのが生えてる。
「お前が、ユリシーズのパートナーか」
……女性の人狼だわ。男性のような恰好をしているけれど、声が高い。
そして、目が銀色に光っている。
「そうですけど、どちら様です?」
怒らせるとまずそうな人ね。
挑戦的な目ををこちらに向けているし、まともな人だったら玄関から家に入ってくるはず。
「その、変な匂いは何なんだ! その匂いでユリシーズを惑わせたのか!?」
「いい加減、人を匂いで語るのは止めてくださいます??」
あ、しまった。この人に匂いのことを言われたのは初めてだった。
でも、人狼の人たちって口々に人の匂いについてどうこう言うじゃないの。止めていただきたいわ。
「どうした、アイリーン!!」
慌てたユリシーズが部屋に入ってきて、すぐに私を抱きしめるようにして女性の人狼から庇うようにする。
あとアイリーンって普通に呼ばれたけど、ここではクリスティーナだから本名をばらされるとややこしくなるわ。
「ユリシーズ! 人間の女と結婚するのは御免だって言っていたじゃないか! どういうつもりだ?!」
「うるせえ! 人間の女だがアイリーンは俺の女だ!」
「呆れたやつ! 狼の誇りをどこに落としてきた?!」
人狼同士で痴話げんかみたいなものが始まってしまった。
うーん、なんだか知り合い同士みたいだし、この感じって……。
「ユリシーズの元恋人?」
「ばっ……バカか! 生涯ひとりの伴侶しか作らないって言っただろうが! こいつは従妹だ!」
「ああ、従妹の方ね……」
「酷い! 結婚してくれると思ったのに!」
「ほら、あなたに気があるじゃないのよ」
「安心しろ、アイリーン以外の雌は要らない」
どうやら目の前の女性はユリシーズの従妹で、ユリシーズに気があるらしい。
でもユリシーズは私以外の女性? は要らないと言ってるし……。
ええと、さっきからユリシーズが頭をスリスリと肩にこすりつけてくるんだけど、これ、撫でればいい?? あ、黒い耳が頭から生えてる。
やだ、この耳、ふわふわしてて気持ちいい。
頭を撫でたらユリシーズの尻尾が振れた。か、かわいい。
「人前でいちゃいちゃするなあああ!!」
「え?」
しまった、すっかり犬を撫でている気分に。
従妹の方が涙目で睨んできてる。
「諦めろ。俺は既に結婚している。アイリーンと生涯を共にすると決めた」
「ユリシーズの、バカあああ!! 結婚生活で苦労しろ!!」
従妹だという女性の人狼は捨て台詞のようなものを残し、割れた窓から出て行った。
……だから、玄関を使いなさいって。
「なんだったの、あの人……」
「まあ、ほら、俺は人狼の中では族長みたいなもんだからさ」
「もてるってこと?」
「そりゃ、まあね」
私たちがそんな会話をしている時も、ユリシーズは私を離さなかった。
ずっと腕の中に入れられて、なんだか守られているような……。
「あの、お嬢様? これは一体……」
あ。エイミー。そういえば同室にいたんだった。
どこから説明するべき、これ……。
「あ、あのね、エイミー。これはユリシーズの人狼化した姿で」
「ひっ、化け物!」
あー……正常な反応が返ってきちゃったー……。
そうよね、人狼化した姿なんて言われたら、そういう反応になるわよね。
「とりあえず、この部屋で寝るのは無理だな。そこの女はゲストルームに行け。家の誰かに言えば案内する。アイリーンは俺と来い」
来い?? ユリシーズのところに?? 今から??
「あ、ユリシーズ。人前でアイリーンはやめて。今はクリスティーナ姫ってことになっているのだから」
「なんでだよ。俺はアイリーンって呼びたい。そっちの名前の方が好きだ」
ああもう、いちいちドキドキさせないで。
無意識なのかもしれないけど、ときめいてしまう。
「だけど、誰かの前で呼ぶのはダメよ。ディエスだって私のことをクリスティーナ姫だと思っているんだから。ディエスはクリスティーナ姫にずっと焦がれていたの」
「それは知ってる。でも、クリスティーナは……あれはいい女じゃなかったぜ?」
ああ、それじゃまるで私がいい女だってことじゃないの。
ユリシーズ、そんな風に口説かれるとさすがに私だって揺らいでしまうわ。
違う違う、しっかりしてアイリーン。
エイミーは訝し気に私たちを見ながら部屋を出て行った。
ユリシーズは手を振ってにこやかに見届けると二人きりになった途端に私に頬ずりをする。
「ほら、俺たちも行くぞ」
「行くって、どこへ?」
「なに遠慮してんだ? 俺の部屋で寝ればいいだろ?」
「……それは」
朝、目が覚めてディエスが知ったら落ち込むんじゃないかしら……。
夜に会うのは控えましょうって言ったばかりだし。
それに、こんな軽い感じでユリシーズと同室で過ごすなんて想定外だし。
まだ心の準備ができてないっていうか……。
「色々とまずい気が」
私がユリシーズの部屋に入るのを躊躇すると、「昼間に一人で入ったくせに遠慮するな」と声を掛けられた。
そうか、ディエスの記憶も持ってるんだ、と気づいて不思議な感じがする。
「ディエスが後から知ったら、ショックを受けるでしょ?」
「変なことを気にするな。今はディエスの意識も入ってる」
「そうなの??」
「どのくらい記憶が残るかは分からないが」
そうなのね。だから、昨日よりもちょっと優しそうな雰囲気がするのかしら?
ディエスの意識が入っているとはいえ、こんな形でノクスと接近するのがディエスに悪い。
変な話だけれど、私は二人のユリシーズがなるべく傷つかないようにしたいというか、平等でありたいというか……。
「アイリーン」
部屋を開けて私に手を差し伸べる姿に、ドキ、と胸が音を立てる。
ノクスの中にいるディエスが聞いたらどうするのよと責めたいのに、私はずっとその声にその名前を呼ばれたかったのかもしれないと思う。
「いいから。あんな部屋で寝かせられない」
「でも」
「正式に俺の嫁になったんだから、遠慮をするな」
「……エイミーのところに行って、寝巻に着替えてきてもいい??」
「ああ、そうか。そのままじゃ寝づらそうだな。ドレスは一人じゃ着替えられないのか?」
うなずくと、ユリシーズは差し伸べた手を引っ込めて自分の首にあて、「分かった」と渋々言った。
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