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第3章
約束事、ひとつ
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赤堀が、ずっとよそよそしい。付き合っていることを社内に公表するかどうかの意見が合わなかったことが、俺はそこまで理解ができてない。
とっとと周りに公表しようぜ、なんてノリで言おうものなら、下手すると家出されてしまいそうな雰囲気すらある。俺たち一般人だぞ? 別に、社内で公にしたところで大して影響なんかない。なんでこんなことで・・。
一日の業務が終わったらしい赤堀は、俺が前に座っていることに居場所がなさそうに戸惑い、困った顔をした。こういう時、間取りが1LDKってのは都合が悪い。
仕方が無いので、俺は寝室に移動した。なんか、家庭内別居ってこんな感じなんだろうか。赤堀がいるってのに、いつもみたいにバカなことを言い合ったり、触れ合ったりできない。それも、別に喧嘩をしたわけでもないのに、だ。
暫くベッドの上でPCをいじっていたが、これはさすがにおかしいと気付く。リビングダイニングにいる赤堀のところに行くことにした。
扉を開けて、赤堀を見る。ちゃんと話そう、と言おうと思った。赤堀は、テーブルの席についたまま、静かに泣いていた。
「・・なんで泣いてるか聞く権利、俺にはあるよな?」
「私、やっぱり、みんなにどう思われるか怖いんです・・」
「怖い?」
「茶谷さんは、エースだし、見た目もかっこいいし・・それに比べると、私はまだまだ何にもできない新人で・・」
うーん、赤堀の自分に自信のないところが悪い形で出てるな・・。こういう時って何て言えば正解なんだ・・?
「それに・・私、いつか捨てられちゃうんだって・・。分かって付き合っているのに、それをみんなに知られるのは怖いって思って・・」
おいおい、話が飛躍しすぎじゃねえのか? え? なんで付き合って早々いつか捨てられるとか考えるんだ?
「うーん・・。赤堀の考えをまとめると、自信が無くてどう見られるかを気にしている、と。で、俺がお前を捨てるっていうのは、なんで急に出て来たわけ?」
「だって、茶谷さん、結婚願望ないじゃないですか。ってことは、いつかは私、捨てられるってことですよね?」
・・うーん、何かが、何かがすれ違っている。根本的に・・。
「いや、ちょっと待て。じゃあお前、捨てられると思って付き合ってんの?」
「・・はい」
「そこ簡単に諦めんなよ。なんで何度も振ったのを諦めない女が、そういうところだけ消極的になってんだよ」
「・・だって・・」
赤堀の目から、大粒の涙がポロポロと零れて来た。
「私ばっかりが、茶谷さんのこと好きで・・付き合ってもらってる関係なのに・・」
「・・は?」
「私に付き合ってくれてる茶谷さんの、足を引っ張りたくないです・・」
おい、溜息しか出ねえよ。何でこうなった? 理解が出来ない。赤堀のマイナス思考がどうやら頭の中で加速しているらしい。
「俺、いつも赤堀に好きって言ってるよな?」
「それは・・今だけですよね」
「お前だって、俺の気持ちが伝わったって、言ってたじゃねえか」
「それは、今が付き合い始めだから・・」
どうしてだろうか、俺は今、強烈に呆れている。何がどうしてそういう結論が導き出されるのか・・。赤堀という女を、俺は理解したつもりで全く理解できていなかったらしい。
「いや、一旦話を整理しよう。俺が社内で付き合ってるのを公表しようと言ったのは、赤堀と真剣に付き合ってるからなんだけど、ここは理解できるな?」
「はい・・」
よし、ここは理解が出来ているらしい。この調子で一個ずつ潰して行こう。間違えるな、俺。
「で、赤堀としては、何故か自分が俺と釣り合っていないと思っているわけだな? あんだけしつこく人に付きまとっておいて」
「なんと言いますか、私がどうしても付き合いたかったから付き合ってもらっていると言いますか・・」
「んなわけねえだろ! アホか」
「アホって言わないで下さいよおーー自分でも分かってますからーー」
あ、大泣きした。いきなりマズった・・。あーダメだ。全然だめだ。伝わらないって、どうも苛ついて・・。
「俺が赤堀を捨てるとか言われんの、マジで心外なんだよ。分かるか?」
「・・うう・・分かりませんん・・」
「捨てるつもりだったら、わざわざ社内の女と付き合ったりするかよ。で、社内に公表しようなんて言うか?」
「・・何をおっしゃってるんですか?」
「敬語やめろ、今すぐに。あと、あの・・例の呼び方に変えろ、今は」
例の呼び方っていうのは、その・・赤堀が甘える時に使うやつのことだ。
「吾郎くん、私に飽きたら別の人と付き合いたくなるでしょ?」
「付き合わねえよ。つーか、飽きるつもりで付き合ってねえし」
「何言ってるの?」
「おめーだよ。何言ってんだよ」
泣き顔の赤堀が、間抜けた顔をしている。そして、俺の意図を全く分かってくれない。ここまで自分を卑下されると、なんだかムカついて来る。赤堀は、そんな卑下されて良いような女じゃない。
「よく分かりません・・私と将来的なことを考えてくれてるなんて思えないし・・」
「思えよ。だからアホかっつってんだろ」
「え? ・・変な期待させないで欲しいのに」
「しろよって言ってんだよ。お前が期待しないで誰がするんだよ」
しょうがねえなあ、と呆れながら、おいで、と手招きして赤堀を膝の上に乗せた。顔が涙でぐしゃぐしゃで、仕方がないから手で拭ってみる。
「ずっと一緒にいたいって、言ってたつもりだったよ。俺は」
赤堀の濡れた目をじっと見る。付き合ってから、初めて泣かせたな。
「でも、人の気持ちは変わるものだから」
「そんなとこだけ大人になるなよ。諦めないんだろ? 俺を・・」
「諦めたことなんか、ありません・・」
「敬語やめろ、今は」
噛みつくような、キスをした。俺は、まだ怒ってるんだ。
「吾郎くん、なんか言ってることおかしい」
「おかしいのは赤堀だっつってんだろ」
「まるで、私と将来一緒になりたいみたいですよ?」
「だから、そう言ってんだろ。アホか」
「ええええええええええええええ?!」
「うるっせえな。耳元で叫ぶなよ」
しょうがねえなあ、と呆れたけど、仕方がないから口を塞いだ。暫く繋がっていると、赤堀も途中から積極的になった。
「吾郎くん、そんなに私のこと、好き?」
「だから、ずっと好きって言ってんだろ」
赤堀は泣き止んでいた。まあ、お前は切り替えも早いよな。そういうところ結構好きだ。
「信じられない・・」
「俺を何だと思ってんだよ」
「幸せ過ぎて、おかしくなりそう」
「気付くのが遅えわ」
その後はちゃんと仲直りをした。赤堀の方から「みなさんにも、ちゃんと言いましょうか。だって私たち・・将来その・・け、結婚するかも・・しれないし?」と言われたので、「赤堀が言いたかったら、そう言いふらしたっていいよ」と伝えると、膝の上に座ったまま何度も頭突きを食らわせてきた。浮かれすぎて攻撃力が上がっている。
今回のことで気付いた。ちゃんと相手が分かっているだろう、なんて、甘えは危険だということに。
「なあ、赤堀。ひとつ、お願いがあるんだけど」
「はい。死んでも浮気はしません」
「いや、そんなの心配してねえし・・。あのさ、今日みたいにいつの間にかすれ違ってる事があるかもしれないから・・1日の終わりに、言いたいことを言い合う時間を作ってくんねえかな」
赤堀の頬に触れる。涙は乾いていたのに、感触で痕がはっきりと分かった。
「言いたいことを、言い合う時間・・」
「一緒にいるのにすれ違うのも、理解し合えないのも、寂しいだろ?」
「はい」
そういうわけで、俺たちの1日の終わりには、敬語を止めた赤堀と本音を話すルーティンが加わった。毎日、ベッドに入って赤堀が「吾郎くん」と話し始めると、なんだか溶けそうなほど幸せを感じる。
会社の連中・・部長や一緒に仕事をしている人間には、俺たちの付き合いを話したけど、思っていたよりも案外あっさり「そうなんだ」程度の反応しかされなかった。
「吾郎くん、浅黄さんが『赤堀さんは茶谷さんには勿体ないですよ!』って言ってたの、どう思った?」
「ああ、俺もそう思うって言いそうになったけど?」
「や、やだもうっ!! 好き!!」
そんなやり取りをしているからか、一日の終わりのルーティンは大抵そのままイチャイチャが始まって止まらなくなることが多い。
なるべくこの時間の前に赤堀に手を出すまい、と心に決めていることは、格好悪いので黙っている。
とっとと周りに公表しようぜ、なんてノリで言おうものなら、下手すると家出されてしまいそうな雰囲気すらある。俺たち一般人だぞ? 別に、社内で公にしたところで大して影響なんかない。なんでこんなことで・・。
一日の業務が終わったらしい赤堀は、俺が前に座っていることに居場所がなさそうに戸惑い、困った顔をした。こういう時、間取りが1LDKってのは都合が悪い。
仕方が無いので、俺は寝室に移動した。なんか、家庭内別居ってこんな感じなんだろうか。赤堀がいるってのに、いつもみたいにバカなことを言い合ったり、触れ合ったりできない。それも、別に喧嘩をしたわけでもないのに、だ。
暫くベッドの上でPCをいじっていたが、これはさすがにおかしいと気付く。リビングダイニングにいる赤堀のところに行くことにした。
扉を開けて、赤堀を見る。ちゃんと話そう、と言おうと思った。赤堀は、テーブルの席についたまま、静かに泣いていた。
「・・なんで泣いてるか聞く権利、俺にはあるよな?」
「私、やっぱり、みんなにどう思われるか怖いんです・・」
「怖い?」
「茶谷さんは、エースだし、見た目もかっこいいし・・それに比べると、私はまだまだ何にもできない新人で・・」
うーん、赤堀の自分に自信のないところが悪い形で出てるな・・。こういう時って何て言えば正解なんだ・・?
「それに・・私、いつか捨てられちゃうんだって・・。分かって付き合っているのに、それをみんなに知られるのは怖いって思って・・」
おいおい、話が飛躍しすぎじゃねえのか? え? なんで付き合って早々いつか捨てられるとか考えるんだ?
「うーん・・。赤堀の考えをまとめると、自信が無くてどう見られるかを気にしている、と。で、俺がお前を捨てるっていうのは、なんで急に出て来たわけ?」
「だって、茶谷さん、結婚願望ないじゃないですか。ってことは、いつかは私、捨てられるってことですよね?」
・・うーん、何かが、何かがすれ違っている。根本的に・・。
「いや、ちょっと待て。じゃあお前、捨てられると思って付き合ってんの?」
「・・はい」
「そこ簡単に諦めんなよ。なんで何度も振ったのを諦めない女が、そういうところだけ消極的になってんだよ」
「・・だって・・」
赤堀の目から、大粒の涙がポロポロと零れて来た。
「私ばっかりが、茶谷さんのこと好きで・・付き合ってもらってる関係なのに・・」
「・・は?」
「私に付き合ってくれてる茶谷さんの、足を引っ張りたくないです・・」
おい、溜息しか出ねえよ。何でこうなった? 理解が出来ない。赤堀のマイナス思考がどうやら頭の中で加速しているらしい。
「俺、いつも赤堀に好きって言ってるよな?」
「それは・・今だけですよね」
「お前だって、俺の気持ちが伝わったって、言ってたじゃねえか」
「それは、今が付き合い始めだから・・」
どうしてだろうか、俺は今、強烈に呆れている。何がどうしてそういう結論が導き出されるのか・・。赤堀という女を、俺は理解したつもりで全く理解できていなかったらしい。
「いや、一旦話を整理しよう。俺が社内で付き合ってるのを公表しようと言ったのは、赤堀と真剣に付き合ってるからなんだけど、ここは理解できるな?」
「はい・・」
よし、ここは理解が出来ているらしい。この調子で一個ずつ潰して行こう。間違えるな、俺。
「で、赤堀としては、何故か自分が俺と釣り合っていないと思っているわけだな? あんだけしつこく人に付きまとっておいて」
「なんと言いますか、私がどうしても付き合いたかったから付き合ってもらっていると言いますか・・」
「んなわけねえだろ! アホか」
「アホって言わないで下さいよおーー自分でも分かってますからーー」
あ、大泣きした。いきなりマズった・・。あーダメだ。全然だめだ。伝わらないって、どうも苛ついて・・。
「俺が赤堀を捨てるとか言われんの、マジで心外なんだよ。分かるか?」
「・・うう・・分かりませんん・・」
「捨てるつもりだったら、わざわざ社内の女と付き合ったりするかよ。で、社内に公表しようなんて言うか?」
「・・何をおっしゃってるんですか?」
「敬語やめろ、今すぐに。あと、あの・・例の呼び方に変えろ、今は」
例の呼び方っていうのは、その・・赤堀が甘える時に使うやつのことだ。
「吾郎くん、私に飽きたら別の人と付き合いたくなるでしょ?」
「付き合わねえよ。つーか、飽きるつもりで付き合ってねえし」
「何言ってるの?」
「おめーだよ。何言ってんだよ」
泣き顔の赤堀が、間抜けた顔をしている。そして、俺の意図を全く分かってくれない。ここまで自分を卑下されると、なんだかムカついて来る。赤堀は、そんな卑下されて良いような女じゃない。
「よく分かりません・・私と将来的なことを考えてくれてるなんて思えないし・・」
「思えよ。だからアホかっつってんだろ」
「え? ・・変な期待させないで欲しいのに」
「しろよって言ってんだよ。お前が期待しないで誰がするんだよ」
しょうがねえなあ、と呆れながら、おいで、と手招きして赤堀を膝の上に乗せた。顔が涙でぐしゃぐしゃで、仕方がないから手で拭ってみる。
「ずっと一緒にいたいって、言ってたつもりだったよ。俺は」
赤堀の濡れた目をじっと見る。付き合ってから、初めて泣かせたな。
「でも、人の気持ちは変わるものだから」
「そんなとこだけ大人になるなよ。諦めないんだろ? 俺を・・」
「諦めたことなんか、ありません・・」
「敬語やめろ、今は」
噛みつくような、キスをした。俺は、まだ怒ってるんだ。
「吾郎くん、なんか言ってることおかしい」
「おかしいのは赤堀だっつってんだろ」
「まるで、私と将来一緒になりたいみたいですよ?」
「だから、そう言ってんだろ。アホか」
「ええええええええええええええ?!」
「うるっせえな。耳元で叫ぶなよ」
しょうがねえなあ、と呆れたけど、仕方がないから口を塞いだ。暫く繋がっていると、赤堀も途中から積極的になった。
「吾郎くん、そんなに私のこと、好き?」
「だから、ずっと好きって言ってんだろ」
赤堀は泣き止んでいた。まあ、お前は切り替えも早いよな。そういうところ結構好きだ。
「信じられない・・」
「俺を何だと思ってんだよ」
「幸せ過ぎて、おかしくなりそう」
「気付くのが遅えわ」
その後はちゃんと仲直りをした。赤堀の方から「みなさんにも、ちゃんと言いましょうか。だって私たち・・将来その・・け、結婚するかも・・しれないし?」と言われたので、「赤堀が言いたかったら、そう言いふらしたっていいよ」と伝えると、膝の上に座ったまま何度も頭突きを食らわせてきた。浮かれすぎて攻撃力が上がっている。
今回のことで気付いた。ちゃんと相手が分かっているだろう、なんて、甘えは危険だということに。
「なあ、赤堀。ひとつ、お願いがあるんだけど」
「はい。死んでも浮気はしません」
「いや、そんなの心配してねえし・・。あのさ、今日みたいにいつの間にかすれ違ってる事があるかもしれないから・・1日の終わりに、言いたいことを言い合う時間を作ってくんねえかな」
赤堀の頬に触れる。涙は乾いていたのに、感触で痕がはっきりと分かった。
「言いたいことを、言い合う時間・・」
「一緒にいるのにすれ違うのも、理解し合えないのも、寂しいだろ?」
「はい」
そういうわけで、俺たちの1日の終わりには、敬語を止めた赤堀と本音を話すルーティンが加わった。毎日、ベッドに入って赤堀が「吾郎くん」と話し始めると、なんだか溶けそうなほど幸せを感じる。
会社の連中・・部長や一緒に仕事をしている人間には、俺たちの付き合いを話したけど、思っていたよりも案外あっさり「そうなんだ」程度の反応しかされなかった。
「吾郎くん、浅黄さんが『赤堀さんは茶谷さんには勿体ないですよ!』って言ってたの、どう思った?」
「ああ、俺もそう思うって言いそうになったけど?」
「や、やだもうっ!! 好き!!」
そんなやり取りをしているからか、一日の終わりのルーティンは大抵そのままイチャイチャが始まって止まらなくなることが多い。
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