217 / 221
the 34th night そこにある感情
しおりを挟む
カイとレナは、城に向かって静かに歩いていた。
相変わらずレナはカイの腕にしがみついていたが、カイは特にそれを咎めることもしない。
レナは、いよいよ最後の夜が終わっていくのを受け入れきれず、ただ前に出る足を進めるように歩いた。
また再会できるとハッキリ言われたのに、当たり前のようにカイが側にいた日々は、もう二度とやってこないのではないかと漠然と思う。
明日、ルイスの手配した護衛が到着して、その後もずっとポテンシア兵が護衛に入ることになるのだろう。
「ねえ、聞かなかったことにしてくれてもいいんだけど」
「なんだ」
「あなたがいた1か月間で、分かったことがあるの」
レナは、そっとカイの腕に頭を預けている。
「私、誰かと心を通わせてみたくて、漠然と憧れを持っていたんだけど……。人と人には必ず別れが来るものなのね」
「ああ。でも、別れが全てを無くすわけじゃない」
カイの言葉に、レナは不思議そうな顔をした。
「例えば?」
「別れた人間の一緒にいた時間が、意外な形で蘇ったり自分を助けたりすることがある」
カイの言葉に、レナはそっと横目でカイを窺うように見ると、軽く頷いて耳を傾けていた。
最近蘇った母親の記憶は、薄っすらと記憶の奥でレナに愛情を注いでいる気がしていたのだ。
「あなたのことも、意外な形で蘇るかしらね。予算会議の最中とか」
「……何でそのタイミングなんだ」
「あと、食事中にも思い出しそう」
「随分と卑しい印象なんだな」
カイが白けた顔でレナを見る。目が合うと、レナはおどけた顔をして笑っていた。それを見て、カイも仕方がないなと微笑む。
「夜はいつも思い出してしまうでしょうね。あなたを訪ねて隣の部屋に行った時間は、忘れようと思っても忘れられそうにないわ。私がどんなに、あの時間に救われていたか……。あとは……風が吹いたときね」
「風……?」
レナは、カイを見つめながら寂しそうに頷く。
「この国に、あなたの風が吹いていた時があった。あなたが去ったら、これから私は風の術を使っても構わなくなるでしょ」
「術を使っていた時は、僅かだったが」
「でも、風はあなたのものだったから」
城下町を歩きながら、徐々に城が大きく見えてくる。レナはいよいよこの時間が終わってしまうのだと、胸の奥に何かがつかえたような痛みが襲う。
「遠くで生まれた風が、ここで吹くこともあるかもしれない」
カイは何気なく言った。風がどう生まれて、どう消えるかなど知らなかったが、レナに対する気休めのつもりだった。
「そんなことを言われたら、常にカイを思い出してしまうわよ」
「予算会議の最中でなくてもか」
「……当たり前でしょ」
城門が目の前に見えている。とうとう、最後の時間が終わってしまったのだ。レナは隣にいるカイを掴む腕に、自然と力が入った。
決して離されないよう頬を寄せてしがみつくレナを腕に感じ、カイは普段よりもゆっくりと歩く。
「殿下を最後まで護り切るのは、大変な仕事だったな」
カイは、ルリアーナに到着した日には到底想像もできなかった任務に、そう言って笑う。
「雇ったのがあなた以外の人だったら、私はもう、この世にはいなかったでしょうね」
「……どうだろうな」
2人は城門を通過した。月明かりを阻害するように佇む建物の影で、城へのアプローチは城下町よりも暗闇が深い。レナは足元の石に躓いた。
「きゃっ」
転びそうになったのを、カイが咄嗟に支える。レナは暗い夜道を歩くのに慣れていなかった。
「ご、ごめんなさい」
「王女殿下。こんな何もないところで怪我をされても困る」
カイは支えたレナの身体を軽々と抱き上げ、そのまま歩き出す。レナは何が起きたのか一瞬動揺したが、すぐにカイの胸にしがみつくと規則的な鼓動の音に耳を澄ませることにした。
(あなたが好きよ)
心の中で唱えると、レナの頬にまた涙が伝った。カイに抱えられ、いつまでも部屋に着かないで欲しいと願うのに、そんな時ほどあっという間に時間は過ぎる。
静まり返った城内をそのまま進み、階段を上ると2人はレナの自室前に到着した。
カイがレナを降ろそうとすると、レナは頭を振って嫌がった。カイは自分の服を必死に握ってしがみつくレナの手をそっと外すと、その掌に唇を当てる。
「どこにいても、殿下が笑っていられる毎日を願っている」
カイはそう呟いてレナを降ろした。扉を開けて部屋の中までレナを歩かせると、最後に一度だけ、その身体を包み込む。
「何かあれば、気軽に呼んでくれたらいい」
「カイが、無償で来てくれるの?」
「無償の範囲でな……護衛はしないぞ?」
「いてくれるだけでいいから」
カイはそっと離れるとレナの右頬に左頬で触れ、続いて左頬に右頬に触れる。それは、故郷のブリステ公国ではごくごく一般的な、親しい者同士がする挨拶だった。
「そんなに悲しそうな顔をするな。また、会おう」
レナは頷いた。動きで涙が床に落ちる。
(いなくならないで)
願うように、レナは心の中で強く叫んだ。
「どんなに脅威が無くなっても、国の王がそんなに落ち込んでいたら導ける人間も導けないぞ?」
カイは、そんなレナを見て意地悪く笑う。
「分かってるわよ。明日から、ちゃんとするわ」
「ちゃんとなどしなくていい。もしも悲しみに耽ることがあれば……風に身を任せて思い切り泣いてもいいんだ」
「あなたの風が……癒してくれる?」
その場で、ふわりと優しい風が湧き上がるようにレナを包む。レナの髪が空中で踊るように舞い、涙の通った頬が乾いていった。
「こういう繊細な術の使い方は、まだまだ難しい」
「ありがとう……。優しい、温かな風ね」
「髪が乱れてしまったな」
そろそろ終わらせなければ、と2人は同時に思った。この時間を延ばせば延ばすほど、明日の予定に響く。
レナは次の任務に向かうカイが、カイは公務に追われるレナのことが心配だった。
「この先も……ずっと、風が吹いたらあなたを思い出すから」
「それならば、風に殿下を託そう」
2人は、穏やかな表情で微笑み合った。最後に一度軽い抱擁を交わし、カイはレナの部屋を出る。扉が閉まる瞬間まで、レナはその姿を目に焼き付けた。
カイは、決して後ろを振り向かなかった。扉の閉まる音と共に身体の奥に痛みが走ったが、何事もなかったかのように自室に戻る。
ルリアーナの任務を全うしたカイは、当たり前のように次に向かうしかなかった。
相変わらずレナはカイの腕にしがみついていたが、カイは特にそれを咎めることもしない。
レナは、いよいよ最後の夜が終わっていくのを受け入れきれず、ただ前に出る足を進めるように歩いた。
また再会できるとハッキリ言われたのに、当たり前のようにカイが側にいた日々は、もう二度とやってこないのではないかと漠然と思う。
明日、ルイスの手配した護衛が到着して、その後もずっとポテンシア兵が護衛に入ることになるのだろう。
「ねえ、聞かなかったことにしてくれてもいいんだけど」
「なんだ」
「あなたがいた1か月間で、分かったことがあるの」
レナは、そっとカイの腕に頭を預けている。
「私、誰かと心を通わせてみたくて、漠然と憧れを持っていたんだけど……。人と人には必ず別れが来るものなのね」
「ああ。でも、別れが全てを無くすわけじゃない」
カイの言葉に、レナは不思議そうな顔をした。
「例えば?」
「別れた人間の一緒にいた時間が、意外な形で蘇ったり自分を助けたりすることがある」
カイの言葉に、レナはそっと横目でカイを窺うように見ると、軽く頷いて耳を傾けていた。
最近蘇った母親の記憶は、薄っすらと記憶の奥でレナに愛情を注いでいる気がしていたのだ。
「あなたのことも、意外な形で蘇るかしらね。予算会議の最中とか」
「……何でそのタイミングなんだ」
「あと、食事中にも思い出しそう」
「随分と卑しい印象なんだな」
カイが白けた顔でレナを見る。目が合うと、レナはおどけた顔をして笑っていた。それを見て、カイも仕方がないなと微笑む。
「夜はいつも思い出してしまうでしょうね。あなたを訪ねて隣の部屋に行った時間は、忘れようと思っても忘れられそうにないわ。私がどんなに、あの時間に救われていたか……。あとは……風が吹いたときね」
「風……?」
レナは、カイを見つめながら寂しそうに頷く。
「この国に、あなたの風が吹いていた時があった。あなたが去ったら、これから私は風の術を使っても構わなくなるでしょ」
「術を使っていた時は、僅かだったが」
「でも、風はあなたのものだったから」
城下町を歩きながら、徐々に城が大きく見えてくる。レナはいよいよこの時間が終わってしまうのだと、胸の奥に何かがつかえたような痛みが襲う。
「遠くで生まれた風が、ここで吹くこともあるかもしれない」
カイは何気なく言った。風がどう生まれて、どう消えるかなど知らなかったが、レナに対する気休めのつもりだった。
「そんなことを言われたら、常にカイを思い出してしまうわよ」
「予算会議の最中でなくてもか」
「……当たり前でしょ」
城門が目の前に見えている。とうとう、最後の時間が終わってしまったのだ。レナは隣にいるカイを掴む腕に、自然と力が入った。
決して離されないよう頬を寄せてしがみつくレナを腕に感じ、カイは普段よりもゆっくりと歩く。
「殿下を最後まで護り切るのは、大変な仕事だったな」
カイは、ルリアーナに到着した日には到底想像もできなかった任務に、そう言って笑う。
「雇ったのがあなた以外の人だったら、私はもう、この世にはいなかったでしょうね」
「……どうだろうな」
2人は城門を通過した。月明かりを阻害するように佇む建物の影で、城へのアプローチは城下町よりも暗闇が深い。レナは足元の石に躓いた。
「きゃっ」
転びそうになったのを、カイが咄嗟に支える。レナは暗い夜道を歩くのに慣れていなかった。
「ご、ごめんなさい」
「王女殿下。こんな何もないところで怪我をされても困る」
カイは支えたレナの身体を軽々と抱き上げ、そのまま歩き出す。レナは何が起きたのか一瞬動揺したが、すぐにカイの胸にしがみつくと規則的な鼓動の音に耳を澄ませることにした。
(あなたが好きよ)
心の中で唱えると、レナの頬にまた涙が伝った。カイに抱えられ、いつまでも部屋に着かないで欲しいと願うのに、そんな時ほどあっという間に時間は過ぎる。
静まり返った城内をそのまま進み、階段を上ると2人はレナの自室前に到着した。
カイがレナを降ろそうとすると、レナは頭を振って嫌がった。カイは自分の服を必死に握ってしがみつくレナの手をそっと外すと、その掌に唇を当てる。
「どこにいても、殿下が笑っていられる毎日を願っている」
カイはそう呟いてレナを降ろした。扉を開けて部屋の中までレナを歩かせると、最後に一度だけ、その身体を包み込む。
「何かあれば、気軽に呼んでくれたらいい」
「カイが、無償で来てくれるの?」
「無償の範囲でな……護衛はしないぞ?」
「いてくれるだけでいいから」
カイはそっと離れるとレナの右頬に左頬で触れ、続いて左頬に右頬に触れる。それは、故郷のブリステ公国ではごくごく一般的な、親しい者同士がする挨拶だった。
「そんなに悲しそうな顔をするな。また、会おう」
レナは頷いた。動きで涙が床に落ちる。
(いなくならないで)
願うように、レナは心の中で強く叫んだ。
「どんなに脅威が無くなっても、国の王がそんなに落ち込んでいたら導ける人間も導けないぞ?」
カイは、そんなレナを見て意地悪く笑う。
「分かってるわよ。明日から、ちゃんとするわ」
「ちゃんとなどしなくていい。もしも悲しみに耽ることがあれば……風に身を任せて思い切り泣いてもいいんだ」
「あなたの風が……癒してくれる?」
その場で、ふわりと優しい風が湧き上がるようにレナを包む。レナの髪が空中で踊るように舞い、涙の通った頬が乾いていった。
「こういう繊細な術の使い方は、まだまだ難しい」
「ありがとう……。優しい、温かな風ね」
「髪が乱れてしまったな」
そろそろ終わらせなければ、と2人は同時に思った。この時間を延ばせば延ばすほど、明日の予定に響く。
レナは次の任務に向かうカイが、カイは公務に追われるレナのことが心配だった。
「この先も……ずっと、風が吹いたらあなたを思い出すから」
「それならば、風に殿下を託そう」
2人は、穏やかな表情で微笑み合った。最後に一度軽い抱擁を交わし、カイはレナの部屋を出る。扉が閉まる瞬間まで、レナはその姿を目に焼き付けた。
カイは、決して後ろを振り向かなかった。扉の閉まる音と共に身体の奥に痛みが走ったが、何事もなかったかのように自室に戻る。
ルリアーナの任務を全うしたカイは、当たり前のように次に向かうしかなかった。
0
お気に入りに追加
92
あなたにおすすめの小説
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。
【書籍化進行中、完結】私だけが知らない
綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
ファンタジー
書籍化進行中です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/12/26……書籍化確定、公表
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした
結城芙由奈@12/27電子書籍配信中
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。
あなたが残した世界で
天海月
恋愛
「ロザリア様、あなたは俺が生涯をかけてお守りすると誓いましょう」王女であるロザリアに、そう約束した初恋の騎士アーロンは、ある事件の後、彼女との誓いを破り突然その姿を消してしまう。
八年後、生贄に選ばれてしまったロザリアは、最期に彼に一目会いたいとアーロンを探し、彼と再会を果たすが・・・。
聖女を騙った少女は、二度目の生を自由に生きる
夕立悠理
恋愛
ある日、聖女として異世界に召喚された美香。その国は、魔物と戦っているらしく、兵士たちを励まして欲しいと頼まれた。しかし、徐々に戦況もよくなってきたところで、魔法の力をもった本物の『聖女』様が現れてしまい、美香は、聖女を騙った罪で、処刑される。
しかし、ギロチンの刃が落とされた瞬間、時間が巻き戻り、美香が召喚された時に戻り、美香は二度目の生を得る。美香は今度は魔物の元へ行き、自由に生きることにすると、かつては敵だったはずの魔王に溺愛される。
しかし、なぜか、美香を見捨てたはずの護衛も執着してきて――。
※小説家になろう様にも投稿しています
※感想をいただけると、とても嬉しいです
※著作権は放棄してません
護国の鳥
凪子
ファンタジー
異世界×士官学校×サスペンス!!
サイクロイド士官学校はエスペラント帝国北西にある、国内最高峰の名門校である。
周囲を海に囲われた孤島を学び舎とするのは、十五歳の選りすぐりの少年達だった。
首席の問題児と呼ばれる美貌の少年ルート、天真爛漫で無邪気な子供フィン、軽薄で余裕綽々のレッド、大貴族の令息ユリシス。
同じ班に編成された彼らは、教官のルベリエや医務官のラグランジュ達と共に、士官候補生としての苛酷な訓練生活を送っていた。
外の世界から厳重に隔離され、治外法権下に置かれているサイクロイドでは、生徒の死すら明るみに出ることはない。
ある日同級生の突然死を目の当たりにし、ユリシスは不審を抱く。
校内に潜む闇と秘められた事実に近づいた四人は、否応なしに事件に巻き込まれていく……!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる