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the 34th day 鈍感だから勘違い
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朝の自室で、カイはロキを目に入れると思わず口を開いた。
「おい、なんだ。なんで髪が無くなった?」
「あーこれ、殿下にあげてきたんですよ。ほら、呪術で離れた人に話が出来るっていうやつ、身体の一部があれば距離が離れていても出来るらしいじゃないですか」
ロキは当然のように言うが、
「いや、今すぐ整えるぞ」
と言いながら、カイは首を横に振っていた。
「ほら、団長だってこんなみっともないロキ、堪えられませんよね?」
シンも当然のように言い、城の使用人からハサミを借りて来ていた。
「そもそも、無駄に整った顔と合わなすぎるだろ」
カイが当然のように言う。
「無駄ってのは、褒めてないだろ……」
ロキは、ハサミを持って側に寄られるのは得意じゃないのに……とぶつぶつ文句を言って2人を睨んだ。
カイはシンと共に気になったところにハサミを入れながら、少しずつロキの髪を整えて行く。
「それにしても酷いな」
「ナイフで切ってましたから」
2人がそんなことを言ってハサミを入れているので、ロキは身動きが取れずにイライラしていた。
暫くハサミの音が続いていたが、
「素人にできるのはこの位じゃないですか?」
とシンが確認するように言うと、
「まあ、そうだな。体裁は整ったな」
とカイも頷いた。
「ホントさあ……。2人は俺の何なの?」
ロキは手で髪の感触を確認すると、後ろに居た2人を振り返り、呆れながら笑っている。
「もうこの国を去るのに、最後の姿が残念なんじゃ、格好が付かないだろ?」
シンが当然のように言う。
「お前は見た目で得をするタイプなんだから、あえて悪くなることもないだろ」
カイも口角を上げてロキを眺めた。
「いや、それ、あんたにだけは言われたくないよ、カイ・ハウザー」
ロキは薄目になりながら「ふん」と言うと、
「まあでも、確かに最後の姿がみっともないんじゃ、殿下の印象に残る姿もみっともない男ってことになるんだよね。整っていた方が良いのか」
と納得して2人に「ありがと」と軽く礼を言う。
(それにしても、わざわざ髪を置いて来て連絡を取り合うことにしているとは……。殿下はロキとこれからも話をしたいといったやり取りがあったわけだ……)
カイは、昨晩にロキとレナの間に何かしらの約束があったのだろうと想像し、やはりレナはロキに惹かれていたのではないだろうかと疑った。
カイはその辺の感覚が、やはり人一倍鈍かった。
「おい、なんだ。なんで髪が無くなった?」
「あーこれ、殿下にあげてきたんですよ。ほら、呪術で離れた人に話が出来るっていうやつ、身体の一部があれば距離が離れていても出来るらしいじゃないですか」
ロキは当然のように言うが、
「いや、今すぐ整えるぞ」
と言いながら、カイは首を横に振っていた。
「ほら、団長だってこんなみっともないロキ、堪えられませんよね?」
シンも当然のように言い、城の使用人からハサミを借りて来ていた。
「そもそも、無駄に整った顔と合わなすぎるだろ」
カイが当然のように言う。
「無駄ってのは、褒めてないだろ……」
ロキは、ハサミを持って側に寄られるのは得意じゃないのに……とぶつぶつ文句を言って2人を睨んだ。
カイはシンと共に気になったところにハサミを入れながら、少しずつロキの髪を整えて行く。
「それにしても酷いな」
「ナイフで切ってましたから」
2人がそんなことを言ってハサミを入れているので、ロキは身動きが取れずにイライラしていた。
暫くハサミの音が続いていたが、
「素人にできるのはこの位じゃないですか?」
とシンが確認するように言うと、
「まあ、そうだな。体裁は整ったな」
とカイも頷いた。
「ホントさあ……。2人は俺の何なの?」
ロキは手で髪の感触を確認すると、後ろに居た2人を振り返り、呆れながら笑っている。
「もうこの国を去るのに、最後の姿が残念なんじゃ、格好が付かないだろ?」
シンが当然のように言う。
「お前は見た目で得をするタイプなんだから、あえて悪くなることもないだろ」
カイも口角を上げてロキを眺めた。
「いや、それ、あんたにだけは言われたくないよ、カイ・ハウザー」
ロキは薄目になりながら「ふん」と言うと、
「まあでも、確かに最後の姿がみっともないんじゃ、殿下の印象に残る姿もみっともない男ってことになるんだよね。整っていた方が良いのか」
と納得して2人に「ありがと」と軽く礼を言う。
(それにしても、わざわざ髪を置いて来て連絡を取り合うことにしているとは……。殿下はロキとこれからも話をしたいといったやり取りがあったわけだ……)
カイは、昨晩にロキとレナの間に何かしらの約束があったのだろうと想像し、やはりレナはロキに惹かれていたのではないだろうかと疑った。
カイはその辺の感覚が、やはり人一倍鈍かった。
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