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the 27th day 追跡の準備
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その日、ルイス一行が国内から集めた聖職者たちを連れて城を出て行くと、ルリアーナ城は急に静かになり、物悲しい雰囲気が漂っているようだった。
カイは、いよいよミリーナを追う準備を始める。
自室の机を囲んで、シンとロキから呪術師のことやミリーナの情報を聞いていた。
さすが部下の2人は情報を聞き出すのが上手い。集められた聖職者たちに接触し、様々な情報を聞き出していた。
「正教会は、リブニケ王国の有力者との繋がりがありそうです」
シンが言うと、カイは嫌な名前が出たなと顔をしかめる。
「それは本当か? 昨日の話ではそういった情報は出ていなかった」
カイがシンに尋ねると、
「城下町や城に出た外国人兵士は、リブニケの私兵のようですし、正教会のパトロンにリブニケ王国が絡んでいるとか……」
とシンはあまり周りに聞こえないように小声で言った。
「道理で、戦い慣れた外国人兵が来たわけだ」
カイは納得した。ハウザー騎士団のあるブリステ公国は、何度もリブニケ王国の侵攻に遭っている。その際、リブニケ王国は外国人兵を使うことが多い。
「もし殿下が収穫祭の祭典に正教会の拠点を訪れていたら、恐らくあの兵士たちは殿下を狙ったんだと思います。何が狙いなのかは、今となっては分からないですが」
シンはそう言って大きなため息をついた。
「あと、ミリーナに関することですが……今は、単独行動をとっている可能性が高そうですが、一人で生きて行けるような生活力は持ち合わせていないらしく、誰かの世話になっているんじゃないかと」
ロキも独自に聞き出した情報を伝えた。
「ミリーナがどこにいるかまでは、分からなかったんだな?」
カイはロキに念を押すように尋ねる。
「それが……。恐らく、ミリーナは、そう遠くない場所にいる可能性が高いかもしれません」
ロキはそう言うと自分の推理を語り始めた。
「ミリーナは、修道院から姿を消しましたが、馬車や馬などを使ってはいないようです。ということは、徒歩で移動している。ミリーナはあまり体力のあるような話が聞こえてきませんので、少しずつしか移動できないとすると……」
ロキは地図を広げて修道院を指差した。
「ここから北側は山脈地帯が多く、東も険しい道です。そうすると、南か西……。特にこの辺りは、親切な道とは言えないですね」
ロキの言葉にシンも頷いた。
「確かに、この辺の徒歩移動はそれなりに大変でした。でも、馬車や馬を使っていないかどうかは、何とも言えないんじゃないか?」
シンがロキに尋ねると、
「昔、乗っていた馬車から拉致されて正教会に連れて行かれた経験から、ミリーナは馬車に乗れないんだそうです。乗馬も出来ないようですし、馬に乗ることも考えにくいような……」
とロキは静かに言った。
「随分詳しい情報が手に入ったんだな……」
カイが驚いて口を開くと、ロキはカイに向かって苦笑した。
「そりゃ、殿下のためですから」
ロキはそう言って辛そうな顔をしている。
「そうか。ありがとう。具体的な情報、助かる」
カイはそう言って地図をじっと見つめていた。
カイは、いよいよミリーナを追う準備を始める。
自室の机を囲んで、シンとロキから呪術師のことやミリーナの情報を聞いていた。
さすが部下の2人は情報を聞き出すのが上手い。集められた聖職者たちに接触し、様々な情報を聞き出していた。
「正教会は、リブニケ王国の有力者との繋がりがありそうです」
シンが言うと、カイは嫌な名前が出たなと顔をしかめる。
「それは本当か? 昨日の話ではそういった情報は出ていなかった」
カイがシンに尋ねると、
「城下町や城に出た外国人兵士は、リブニケの私兵のようですし、正教会のパトロンにリブニケ王国が絡んでいるとか……」
とシンはあまり周りに聞こえないように小声で言った。
「道理で、戦い慣れた外国人兵が来たわけだ」
カイは納得した。ハウザー騎士団のあるブリステ公国は、何度もリブニケ王国の侵攻に遭っている。その際、リブニケ王国は外国人兵を使うことが多い。
「もし殿下が収穫祭の祭典に正教会の拠点を訪れていたら、恐らくあの兵士たちは殿下を狙ったんだと思います。何が狙いなのかは、今となっては分からないですが」
シンはそう言って大きなため息をついた。
「あと、ミリーナに関することですが……今は、単独行動をとっている可能性が高そうですが、一人で生きて行けるような生活力は持ち合わせていないらしく、誰かの世話になっているんじゃないかと」
ロキも独自に聞き出した情報を伝えた。
「ミリーナがどこにいるかまでは、分からなかったんだな?」
カイはロキに念を押すように尋ねる。
「それが……。恐らく、ミリーナは、そう遠くない場所にいる可能性が高いかもしれません」
ロキはそう言うと自分の推理を語り始めた。
「ミリーナは、修道院から姿を消しましたが、馬車や馬などを使ってはいないようです。ということは、徒歩で移動している。ミリーナはあまり体力のあるような話が聞こえてきませんので、少しずつしか移動できないとすると……」
ロキは地図を広げて修道院を指差した。
「ここから北側は山脈地帯が多く、東も険しい道です。そうすると、南か西……。特にこの辺りは、親切な道とは言えないですね」
ロキの言葉にシンも頷いた。
「確かに、この辺の徒歩移動はそれなりに大変でした。でも、馬車や馬を使っていないかどうかは、何とも言えないんじゃないか?」
シンがロキに尋ねると、
「昔、乗っていた馬車から拉致されて正教会に連れて行かれた経験から、ミリーナは馬車に乗れないんだそうです。乗馬も出来ないようですし、馬に乗ることも考えにくいような……」
とロキは静かに言った。
「随分詳しい情報が手に入ったんだな……」
カイが驚いて口を開くと、ロキはカイに向かって苦笑した。
「そりゃ、殿下のためですから」
ロキはそう言って辛そうな顔をしている。
「そうか。ありがとう。具体的な情報、助かる」
カイはそう言って地図をじっと見つめていた。
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