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the 24th day 目覚め

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 自室で待機していたカイたちの元に、レナが目を覚ましたという報告が入った。カイはシンとロキを連れてレナの元に向かう。目を覚ましたとはいえ、呪詛にやられているはずだ。

「ハウザー騎士団、参りました」
 カイがレナの部屋の前で声を掛けると、小さな声で、
「どうぞ」
 とレナの声がする。カイは扉を開けるとレナの姿を確認しようと急いだ。

 レナはベッドの中で身体を起こしていたが、部屋に入って来たカイの姿を捕らえると、人目もはばからずに涙を流す。

「カイ……どうしたら……私……」
 カイはまだレナの自我が残っていることにひとまず安堵するが、状況が何も変わっていないことに胸を痛めた。

「俺の……力不足だ……」
 カイはそう言ってレナの前で跪くと、
「護衛として、主人を護るはずが……」
 と静かに事態を噛み締めるようにレナに謝った。無念とはこういうことかと、カイは悔しさを抑えきれない。

「あなたには何の落ち度もないのよ。もともと、いつかは発動する呪いだったんだから……」
 レナはそう言いながら、自分の感情とうまく向き合えずに混乱していた。
 この先に起こることを考え、不安に駆られたまま強がっている。

「解決方法を探そう。あと、護衛には常に俺が付くようにする。呪術の対応が要るだろう」
 立ち上がったカイがハッキリと口に出した言葉で、周りにいた全ての人間に緊張が走った。呪術の対応が要る、とはレナが呪術を用いて加害者になる可能性を指しているのだ。

「ありがとう、カイ。そうね、こうなってしまったら……私の護衛は、あなたにしか頼めないわね」
 レナは涙の溜まった目で笑顔を浮かべ、なんとか周囲を心配させまいと振舞っているようだった。

「すまないが、殿下と2人にしてもらえないか?」
 カイは周りで働いていた使用人や、自分の部下を見回して言う。
「少し、込み入ったことを話しておきたい」
 カイの強い目を見ながら、その場にいた全員は仕方なくその場を離れて部屋を出て行く。
 なぜ自分たちが下がらなければならないのか、それぞれに納得が行っていないようだった。誰もがレナを心から心配している。

 今後の護衛についての話なのだろうかと、使用人たち、シン、ロキは後ろ髪を引かれるようにレナの部屋を後にした。
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