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the 23rd day 作戦会議
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城内は、朝食の時間が終わると収穫祭の準備に追われていた。毎年王女が城下町を練り歩いていた恒例のお祭りは、規模が大幅に縮小されたのだった。
「正教会の聖職者は、夜のパレードが行われる前にこちらに一度立ち寄ることになっているらしい。レジスタンスの方からは何の連絡も来ていないらしいから、恐らく来訪の予定はないだろうな。さて……」
カイは自室に集めた部下の3人を眺めると、
「レジスタンスの呪術師については、こちらには全く情報がない。ロキが経験した内容からして、牧師に呪術の心得があるらしいが、話を聞いている限りでは殿下やスウが使っている術に比べてもあまり害がなさそうだった。対して、正教会には当初から話を聞いている『先導士』という存在がいることが分かっている。王政を肯定しているとはいえ、得体が知れない」
と言って、暫く考え込んだ。
「あまり、単独行動はとらない方が良いですね」
シンが口を開くと、
「ああ、だが、城下町で何かが起こるかもしれないとなると、城内に籠るのが賢明なのかは判断に困るところだ」
と、カイは難しい顔をしている。こんなことなら、収穫祭についてもう少し情報を収集しておくべきだったと後悔するが、もう遅い。
「今、団長が悩んでいるのって、呪術が絡んでいるからですか? それとも、そうでなくても団長と行動を別にしない方がいい理由がありますか?」
ロキが尋ねると、
「そうだな……呪術が絡んでいなくても、別行動は取らない方が良い気がしている。理由は簡単だ。見ただけでそいつがどちらの宗教を信仰しているのか分からないし、どちらがどんな動きをしてくるかが分からない。そういう意味では、固まって殿下の近くにいなければ危険だろうと思っている」
と、カイは答えてため息をついた。
今回の護衛は宗教の全貌が分かっていないこともあり、カイにとっては都合の悪いことが多かった。ポテンシアの間諜であるレオナルドの動きも一切分からないでいる。
「殿下の傍を離れない方がいいのは確かですね。かといって、城下町で何が起きているかが分からないのも不安で、殿下を連れて城下町に出るのも危険ですしね」
ロキもどうしたものかと考えて、答えを出せずにいた。
「それなら、あたしが少しだけ城下町を偵察してきましょうか、単独で」
サラが穏やかに言ったのを、
「いや、それは危険だ。何があるか分からないんだぞ。サラが呪術に破れても助けられないかもしれない」
と、カイは止めた。
「あたしには、スウ様からいただいたコレがありますからね。2回程度は呪術を受けても大丈夫だとうかがっているし、危険を感じたら逃げてくるようにすれば……ほら、あたしがお城で王女殿下の護衛に入っていても、このメンツじゃお役に立てないから、その位はしないと」
サラはそう言って首から下げていたスウの指輪を見せる。
「団長、確かにサラさんだけに向かわせるのは危険ですが、昼間の明るい時間、少しだけ動いてみるのはどうですか?」
シンはサラの意見に賛成だった。カイは暫く考え込んでいたが、
「それでは、短時間だけサラに頼ってみるか。不安要素は拭えないが、何もせずに籠っているよりは良いかもしれない」
と言ってサラの首から掛かっている指輪を見た。
「スウの術で、どの程度の危険が防げるか試したわけではないからな。油断するなよ」
カイの言葉に、
「油断なんて、あたしの辞書にはないわよ」
と、サラは大きな声で笑った。
「正教会の聖職者は、夜のパレードが行われる前にこちらに一度立ち寄ることになっているらしい。レジスタンスの方からは何の連絡も来ていないらしいから、恐らく来訪の予定はないだろうな。さて……」
カイは自室に集めた部下の3人を眺めると、
「レジスタンスの呪術師については、こちらには全く情報がない。ロキが経験した内容からして、牧師に呪術の心得があるらしいが、話を聞いている限りでは殿下やスウが使っている術に比べてもあまり害がなさそうだった。対して、正教会には当初から話を聞いている『先導士』という存在がいることが分かっている。王政を肯定しているとはいえ、得体が知れない」
と言って、暫く考え込んだ。
「あまり、単独行動はとらない方が良いですね」
シンが口を開くと、
「ああ、だが、城下町で何かが起こるかもしれないとなると、城内に籠るのが賢明なのかは判断に困るところだ」
と、カイは難しい顔をしている。こんなことなら、収穫祭についてもう少し情報を収集しておくべきだったと後悔するが、もう遅い。
「今、団長が悩んでいるのって、呪術が絡んでいるからですか? それとも、そうでなくても団長と行動を別にしない方がいい理由がありますか?」
ロキが尋ねると、
「そうだな……呪術が絡んでいなくても、別行動は取らない方が良い気がしている。理由は簡単だ。見ただけでそいつがどちらの宗教を信仰しているのか分からないし、どちらがどんな動きをしてくるかが分からない。そういう意味では、固まって殿下の近くにいなければ危険だろうと思っている」
と、カイは答えてため息をついた。
今回の護衛は宗教の全貌が分かっていないこともあり、カイにとっては都合の悪いことが多かった。ポテンシアの間諜であるレオナルドの動きも一切分からないでいる。
「殿下の傍を離れない方がいいのは確かですね。かといって、城下町で何が起きているかが分からないのも不安で、殿下を連れて城下町に出るのも危険ですしね」
ロキもどうしたものかと考えて、答えを出せずにいた。
「それなら、あたしが少しだけ城下町を偵察してきましょうか、単独で」
サラが穏やかに言ったのを、
「いや、それは危険だ。何があるか分からないんだぞ。サラが呪術に破れても助けられないかもしれない」
と、カイは止めた。
「あたしには、スウ様からいただいたコレがありますからね。2回程度は呪術を受けても大丈夫だとうかがっているし、危険を感じたら逃げてくるようにすれば……ほら、あたしがお城で王女殿下の護衛に入っていても、このメンツじゃお役に立てないから、その位はしないと」
サラはそう言って首から下げていたスウの指輪を見せる。
「団長、確かにサラさんだけに向かわせるのは危険ですが、昼間の明るい時間、少しだけ動いてみるのはどうですか?」
シンはサラの意見に賛成だった。カイは暫く考え込んでいたが、
「それでは、短時間だけサラに頼ってみるか。不安要素は拭えないが、何もせずに籠っているよりは良いかもしれない」
と言ってサラの首から掛かっている指輪を見た。
「スウの術で、どの程度の危険が防げるか試したわけではないからな。油断するなよ」
カイの言葉に、
「油断なんて、あたしの辞書にはないわよ」
と、サラは大きな声で笑った。
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