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the 19th night 護衛たち
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城にシンとロキが戻ったので、夜の護衛任務からサラが外れることになった。久しぶりの夜の護衛に、シンとロキは少し緊張している。特にロキは、またレナと直接話せる機会もあるのかもしれないと期待に似た緊張があった。
最初にカイが護衛に入ると、部屋に残ったシンがロキとブラッドに話しかける。
「ロキとブラッドさんは呪術を受けた経験者として・・呪術にどんな印象があります?」
ブラッドは読んでいた本を置くと、
「別に、矢や槍と変わらねーな、と思っている」
とサラッと答えた。
「目に見えます? 呪術って……」
シンが尋ねると、
「少なくとも、スウの爺さんから受けてる呪術はある程度は目に見えるからな。見えなかったら、どう思ったんだろう……」
とブラッドは考え込んでいた。
「俺は……呪術って言われても使い方なんだろうなとしか、思えないな。まだ怖い思いもしていないし、恩恵しか受けてないっていうか……」
ロキはそう言って呪術でレナの声を聴けたことや、自分の精神面が呪術によって安定したことを思い出していた。
「2人にとっては、そこまで怖いものじゃないわけか……」
シンがそう言って納得すると、
「お前のところの団長が使う術の方が、よっぽど怖いと思うけどな」
とブラッドは言った。
「団長の能力が?」
シンが驚いてブラッドに返すと、
「確かに、あの能力は怖いかもしれませんね」
とロキがブラッドの言葉に頷いている。
「ただでさえ、ハウザー殿は身体能力が高いのに、加えてあの術を見てしまうとな。しかも、ハウザー殿といい、お前らといい、金を積まれたら次は昨日の敵に雇われても働くんだろ?」
2人は、ブラッドの言わんとすることが十分理解ができた。
「団長の能力に関しては完全に同意だとしても、その、昨日の敵に雇われてもっていうのは大袈裟な気がするけどな……」
シンがそう言うと、
「まあ、概ね正しいことではあるよ、シン。団長はその辺、結構ドライだしね。お金で割り切って仕事するところは、否定できないんじゃないかな」
とロキはシンの言葉を制した。実際にカイのこと金の亡者だと言って騎士として評価しない者たちには、カイを騎士道精神に反すると批判する人間が多い。
「俺は、この先もずっとルイス様の傍に護衛として仕えることになるから、その感覚が理解できないんだよ」
ブラッドが頭を掻きながら複雑な顔をしている。
「結構、団長のこと気に入ってくれてるみたいですね」
ロキがそう言うと、ブラッドが図星のようにぎょっとしたので、
「あなたは、団長のこと嫌いなのかと思ってましたよ」
と付け加えて笑った。
「何で理由なくハウザー殿を嫌うと思ったんだ」
ブラッドは不本意だなとロキに反論したが、
「何でって、団長に嫉妬しそうだなと思っただけです」
とロキは何食わぬ顔で言い放った。
「ロキ、いくらなんでもそんな言い方……」
シンはさすがにロキの失礼な物言いに焦っていたが、
「まあ、最初はずるい見た目の男だなと思ったよ、そりゃ」
とブラッドが言ったので、
「思ったのかよ」
と思わず突っ込む。
「でも、ハウザー殿は、あれで大分不器用だし、女性にあまり興味もなさそうだからな」
ブラッドはサラ以外の女性を面倒だと言ったカイを思い出して頷きながら言う。
「それ、褒めてないですね」
「ってことは、団長が女性にある程度興味があったら、全然違う感想だったわけだ……」
2人は同時に呆れて、ブラッドの人となりを理解する。
「いや、あとは……一代で、しかもまだ若いのにあそこまで有名になる位の実力者だからな。やはり同じ戦いに身を置く立場としては、尊敬しないわけにはいかないだろ」
ブラッドの言葉に、シンとロキは初めて大きく納得していた。
最初にカイが護衛に入ると、部屋に残ったシンがロキとブラッドに話しかける。
「ロキとブラッドさんは呪術を受けた経験者として・・呪術にどんな印象があります?」
ブラッドは読んでいた本を置くと、
「別に、矢や槍と変わらねーな、と思っている」
とサラッと答えた。
「目に見えます? 呪術って……」
シンが尋ねると、
「少なくとも、スウの爺さんから受けてる呪術はある程度は目に見えるからな。見えなかったら、どう思ったんだろう……」
とブラッドは考え込んでいた。
「俺は……呪術って言われても使い方なんだろうなとしか、思えないな。まだ怖い思いもしていないし、恩恵しか受けてないっていうか……」
ロキはそう言って呪術でレナの声を聴けたことや、自分の精神面が呪術によって安定したことを思い出していた。
「2人にとっては、そこまで怖いものじゃないわけか……」
シンがそう言って納得すると、
「お前のところの団長が使う術の方が、よっぽど怖いと思うけどな」
とブラッドは言った。
「団長の能力が?」
シンが驚いてブラッドに返すと、
「確かに、あの能力は怖いかもしれませんね」
とロキがブラッドの言葉に頷いている。
「ただでさえ、ハウザー殿は身体能力が高いのに、加えてあの術を見てしまうとな。しかも、ハウザー殿といい、お前らといい、金を積まれたら次は昨日の敵に雇われても働くんだろ?」
2人は、ブラッドの言わんとすることが十分理解ができた。
「団長の能力に関しては完全に同意だとしても、その、昨日の敵に雇われてもっていうのは大袈裟な気がするけどな……」
シンがそう言うと、
「まあ、概ね正しいことではあるよ、シン。団長はその辺、結構ドライだしね。お金で割り切って仕事するところは、否定できないんじゃないかな」
とロキはシンの言葉を制した。実際にカイのこと金の亡者だと言って騎士として評価しない者たちには、カイを騎士道精神に反すると批判する人間が多い。
「俺は、この先もずっとルイス様の傍に護衛として仕えることになるから、その感覚が理解できないんだよ」
ブラッドが頭を掻きながら複雑な顔をしている。
「結構、団長のこと気に入ってくれてるみたいですね」
ロキがそう言うと、ブラッドが図星のようにぎょっとしたので、
「あなたは、団長のこと嫌いなのかと思ってましたよ」
と付け加えて笑った。
「何で理由なくハウザー殿を嫌うと思ったんだ」
ブラッドは不本意だなとロキに反論したが、
「何でって、団長に嫉妬しそうだなと思っただけです」
とロキは何食わぬ顔で言い放った。
「ロキ、いくらなんでもそんな言い方……」
シンはさすがにロキの失礼な物言いに焦っていたが、
「まあ、最初はずるい見た目の男だなと思ったよ、そりゃ」
とブラッドが言ったので、
「思ったのかよ」
と思わず突っ込む。
「でも、ハウザー殿は、あれで大分不器用だし、女性にあまり興味もなさそうだからな」
ブラッドはサラ以外の女性を面倒だと言ったカイを思い出して頷きながら言う。
「それ、褒めてないですね」
「ってことは、団長が女性にある程度興味があったら、全然違う感想だったわけだ……」
2人は同時に呆れて、ブラッドの人となりを理解する。
「いや、あとは……一代で、しかもまだ若いのにあそこまで有名になる位の実力者だからな。やはり同じ戦いに身を置く立場としては、尊敬しないわけにはいかないだろ」
ブラッドの言葉に、シンとロキは初めて大きく納得していた。
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