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the 7th night 恋とか愛とか‐2
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「2人がこちらに加わる前に、カイに恋愛について質問したことがあったの」
レナが話し始めると、2人は一気に青ざめた。
(すげーこと聞いたな)
いかにその質問が間違っているのか、シンとロキにはよく分かる。
「そしたらね、結構イライラしながら自分には縁がない話だから、部下にでも聞いてくれって言ってくれちゃって」
レナがそう言うと、シンとロキは大きく頷いた。
「この人は、恋愛とかそういうのには全く興味がない人なのねって思ったの」
シンとロキは、もう一度大きく頷く。
「でも、それってちょっと変よね。やっぱり自分にとって特別な異性がいる方が毎日楽しそうだし、自分のことを特別に思ってくれる人と一緒にいるっていうのは素敵なことじゃないの?」
レナは、小説でしか知らない恋の話を思い出しながら、もっと恋愛とは楽しいものなのではないかと疑問を持っていた。
「その通りです」
「おっしゃる通り」
レナの言葉に、シンとロキは深く頷いた。
「やっぱり、恋愛っていいものなのかしら」
レナが純粋に尋ねると、
「いいものに決まってるじゃないですか」
「はっきり言って、モチベーションってそこに結び付いちゃったりしますからね」
と2人は言った。シンは少し咳ばらいをして床にあぐらをかいて座ったので、ロキもシンに合わせた。立ったままよりもレナの視線が近く、少し下から見上げる形になる。
「殿下、恋愛って一口に言っても、色々ですよ。実らない恋も、ただ想うだけのものも、通じ合うものも、良い恋愛も悪い恋愛も、本当に色々あります」
シンがそう話すと、レナは目を輝かせて聞いていた。
「私、小説の中でしか知らないから、実体験に伴う意見が聞きたいわ」
シンはレナの嬉しそうな表情に少し怯むが、話を続ける。
「さっきここに来る前にロキが同じようなことを言ってたんですが、恋愛をするのには、自分を肯定しなくちゃ始まりません。好きな人に、好きになってもらえるように」
シンが少し困った顔でそう言うと、
「そう、シンは自己評価が低くて付き合う相手が俺好みじゃないんですよ。シンほどいい男なら、もっといい子がいるだろって、いつも思ってる」
と、ロキはシンに説教でもするように言った。
「俺は、その辺にはいないレベルの美青年だからね。ちゃんと綺麗なお姉さんと楽しく生きてるけど」
と付け加えて得意気な顔をしている。
「ロキみたいに、自分に自信を持てるのも恋愛のいいところですね。モテたくて頑張れてしまうところもあるし……。あ、モテるっていうのは、別に色々な女性から言い寄られたいってことじゃないですよ。好きになった人に、心から好きになってもらいたいってことです」
シンが穏やかにそう言って微笑むと、
「女性に言い寄られるの悪くないって思ってるくせに」
とロキが付け足し、
「確かに悪くない」
とシンが頷いたのでレナは笑った。
「そうね、2人の話を聞いていると、好きな人がいるって楽しそう」
無邪気に言ったレナに、慌ててシンは、
「ただ、楽しいことと、そうじゃないことがいっぱい起きるのも恋愛なんです」
と付け足した。
レナが話し始めると、2人は一気に青ざめた。
(すげーこと聞いたな)
いかにその質問が間違っているのか、シンとロキにはよく分かる。
「そしたらね、結構イライラしながら自分には縁がない話だから、部下にでも聞いてくれって言ってくれちゃって」
レナがそう言うと、シンとロキは大きく頷いた。
「この人は、恋愛とかそういうのには全く興味がない人なのねって思ったの」
シンとロキは、もう一度大きく頷く。
「でも、それってちょっと変よね。やっぱり自分にとって特別な異性がいる方が毎日楽しそうだし、自分のことを特別に思ってくれる人と一緒にいるっていうのは素敵なことじゃないの?」
レナは、小説でしか知らない恋の話を思い出しながら、もっと恋愛とは楽しいものなのではないかと疑問を持っていた。
「その通りです」
「おっしゃる通り」
レナの言葉に、シンとロキは深く頷いた。
「やっぱり、恋愛っていいものなのかしら」
レナが純粋に尋ねると、
「いいものに決まってるじゃないですか」
「はっきり言って、モチベーションってそこに結び付いちゃったりしますからね」
と2人は言った。シンは少し咳ばらいをして床にあぐらをかいて座ったので、ロキもシンに合わせた。立ったままよりもレナの視線が近く、少し下から見上げる形になる。
「殿下、恋愛って一口に言っても、色々ですよ。実らない恋も、ただ想うだけのものも、通じ合うものも、良い恋愛も悪い恋愛も、本当に色々あります」
シンがそう話すと、レナは目を輝かせて聞いていた。
「私、小説の中でしか知らないから、実体験に伴う意見が聞きたいわ」
シンはレナの嬉しそうな表情に少し怯むが、話を続ける。
「さっきここに来る前にロキが同じようなことを言ってたんですが、恋愛をするのには、自分を肯定しなくちゃ始まりません。好きな人に、好きになってもらえるように」
シンが少し困った顔でそう言うと、
「そう、シンは自己評価が低くて付き合う相手が俺好みじゃないんですよ。シンほどいい男なら、もっといい子がいるだろって、いつも思ってる」
と、ロキはシンに説教でもするように言った。
「俺は、その辺にはいないレベルの美青年だからね。ちゃんと綺麗なお姉さんと楽しく生きてるけど」
と付け加えて得意気な顔をしている。
「ロキみたいに、自分に自信を持てるのも恋愛のいいところですね。モテたくて頑張れてしまうところもあるし……。あ、モテるっていうのは、別に色々な女性から言い寄られたいってことじゃないですよ。好きになった人に、心から好きになってもらいたいってことです」
シンが穏やかにそう言って微笑むと、
「女性に言い寄られるの悪くないって思ってるくせに」
とロキが付け足し、
「確かに悪くない」
とシンが頷いたのでレナは笑った。
「そうね、2人の話を聞いていると、好きな人がいるって楽しそう」
無邪気に言ったレナに、慌ててシンは、
「ただ、楽しいことと、そうじゃないことがいっぱい起きるのも恋愛なんです」
と付け足した。
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