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the 7th day 2日前 ルイス一行VSメイソン公爵
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メイソン公爵家の屋敷の前で、ルイスは部下に声を掛けた。
「いいか、中の人間ひとりとして、外に出さぬように捕らえるんだ。皆殺しにした方が楽なのは分かっているが、今回は多少手が掛かっても丁寧に頼むよ」
レオナルドは少し面倒くさそうに腕を回してウォーミングアップをして、
「ケガさせるくらいなら許容範囲ですよね」
と言って短剣を両手に持つ。
「随分、手間がかかる方法を選びましたね」
ブラッドはそう言うと腰に下げていた剣を構え、じっと屋敷を見つめる。
「はは、本当は皆殺しにしたいくらいだよ。いい夫になるための修行中なんだ」
とルイスは笑い、表情を変えた。
「さあ、やられた分をやり返そうじゃないか………!」
近衛兵たちは一斉に屋敷に向かって走り出した。
「貴様がメイソンか」
使用人も含め、屋敷の全員を捕らえると、メイソン公爵らしき人物の元へルイスはゆっくり歩いて行った。
ルイスの護衛達に取り押さえられ、床にうつぶせにさせられたまま、メイソン公爵はルイスを睨んでいる。
「出来損ないの第四王子が、何の用だ」
メイソン公爵は圧倒的に劣勢の状況でも、強気の姿勢を崩さなかった。
「何の用か………。へえ………教えて欲しいのか?」
ルイスはそう言うとしゃがんでメイソン公爵の顔を近くで覗き込む。
無表情のまま、ルイスは自身の剣を部下に抑え込まれているメイソン公爵の頬の前に突き出した。
「貴様は私の一番大切なものに、何をしてくれたのかな」
ルイスとメイソンは、至近距離で暫くお互いの顔を睨み続けていたが、次の瞬間、鈍い音と共に鮮血が舞い、ルイスの頬に小さな飛沫が模様を作った。
メイソン公爵の左手にルイスは剣を突き刺し貫通させると、更に手に力を込める。
「ぐあああああっ!」
メイソン公爵の声が屋敷に響き、捕らえられている使用人達に更に緊張が走っている。
「その手で、彼女を穢そうとしたのか」
ルイスは突き立てた剣を数回ひねって公爵から抜くと、出血は床に広がり、周りを赤く染めて行った。
メイソン公爵は痛みに悶え、暫く叫び続けている。
「その目を汚らわしい色に染めて、彼女を見つめたのか」
そう言うと、悶えるメイソン公爵の顔に向かって剣先を向ける。剣先はギラリと鋭く光り、赤い血が滴っていた。
「やめろ……………何か誤解しているのではないか………」
痛みと恐怖に顔を歪めたメイソン公爵を、ルイスは蔑むように見つめ、
「誤解をしているのは貴様の方だ」
と血の付いた剣をメイソン公爵の頬に当てる。メイソンの頬に血が移り、まるで頬を切られたようになっている。
「これ以上、調子に乗らせるつもりはないぞ」
噂とは違う隣国の王子の姿に、メイソンの屋敷にいた使用人の何人かがすすり泣きを始めた。負傷しているものもいるらしい。
「野蛮なポテンシア人め………。なぜこちらに介入する………」
メイソン公爵は震えながら、ふり絞るように言った。
「こうなる覚悟もせずに、悪事に手を染めたのか。おめでたいな」
返り血を浴びた美しい王子は、メイソン公爵を見下しながら怒りをそのまま隠さずにいたが、ふっと冷静になり、剣を軽く振って鞘にしまう。
「私としたことが………、やはり怒りを抑えきれなかった」
ルイスは目の前の光景を眺めながら、自分の行ったことを反省する羽目になる。
「まあ、我慢できた方じゃないですか」
レオナルドが言った。メイソン公爵の顔から眼球が無くならなかったのは、この人の忍耐力なのだろう、とルイスのことを理解していた。
「いいか、中の人間ひとりとして、外に出さぬように捕らえるんだ。皆殺しにした方が楽なのは分かっているが、今回は多少手が掛かっても丁寧に頼むよ」
レオナルドは少し面倒くさそうに腕を回してウォーミングアップをして、
「ケガさせるくらいなら許容範囲ですよね」
と言って短剣を両手に持つ。
「随分、手間がかかる方法を選びましたね」
ブラッドはそう言うと腰に下げていた剣を構え、じっと屋敷を見つめる。
「はは、本当は皆殺しにしたいくらいだよ。いい夫になるための修行中なんだ」
とルイスは笑い、表情を変えた。
「さあ、やられた分をやり返そうじゃないか………!」
近衛兵たちは一斉に屋敷に向かって走り出した。
「貴様がメイソンか」
使用人も含め、屋敷の全員を捕らえると、メイソン公爵らしき人物の元へルイスはゆっくり歩いて行った。
ルイスの護衛達に取り押さえられ、床にうつぶせにさせられたまま、メイソン公爵はルイスを睨んでいる。
「出来損ないの第四王子が、何の用だ」
メイソン公爵は圧倒的に劣勢の状況でも、強気の姿勢を崩さなかった。
「何の用か………。へえ………教えて欲しいのか?」
ルイスはそう言うとしゃがんでメイソン公爵の顔を近くで覗き込む。
無表情のまま、ルイスは自身の剣を部下に抑え込まれているメイソン公爵の頬の前に突き出した。
「貴様は私の一番大切なものに、何をしてくれたのかな」
ルイスとメイソンは、至近距離で暫くお互いの顔を睨み続けていたが、次の瞬間、鈍い音と共に鮮血が舞い、ルイスの頬に小さな飛沫が模様を作った。
メイソン公爵の左手にルイスは剣を突き刺し貫通させると、更に手に力を込める。
「ぐあああああっ!」
メイソン公爵の声が屋敷に響き、捕らえられている使用人達に更に緊張が走っている。
「その手で、彼女を穢そうとしたのか」
ルイスは突き立てた剣を数回ひねって公爵から抜くと、出血は床に広がり、周りを赤く染めて行った。
メイソン公爵は痛みに悶え、暫く叫び続けている。
「その目を汚らわしい色に染めて、彼女を見つめたのか」
そう言うと、悶えるメイソン公爵の顔に向かって剣先を向ける。剣先はギラリと鋭く光り、赤い血が滴っていた。
「やめろ……………何か誤解しているのではないか………」
痛みと恐怖に顔を歪めたメイソン公爵を、ルイスは蔑むように見つめ、
「誤解をしているのは貴様の方だ」
と血の付いた剣をメイソン公爵の頬に当てる。メイソンの頬に血が移り、まるで頬を切られたようになっている。
「これ以上、調子に乗らせるつもりはないぞ」
噂とは違う隣国の王子の姿に、メイソンの屋敷にいた使用人の何人かがすすり泣きを始めた。負傷しているものもいるらしい。
「野蛮なポテンシア人め………。なぜこちらに介入する………」
メイソン公爵は震えながら、ふり絞るように言った。
「こうなる覚悟もせずに、悪事に手を染めたのか。おめでたいな」
返り血を浴びた美しい王子は、メイソン公爵を見下しながら怒りをそのまま隠さずにいたが、ふっと冷静になり、剣を軽く振って鞘にしまう。
「私としたことが………、やはり怒りを抑えきれなかった」
ルイスは目の前の光景を眺めながら、自分の行ったことを反省する羽目になる。
「まあ、我慢できた方じゃないですか」
レオナルドが言った。メイソン公爵の顔から眼球が無くならなかったのは、この人の忍耐力なのだろう、とルイスのことを理解していた。
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