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the 7th day 2日前 ルイス見合い後のブラッドとレオナルド‐2

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「さて、今日は色々あったな。俺にとっては初めてのルリアーナ王女だったが、それよりも横にいた色男にルリアーナの印象を持っていかれたのが悔しくてたまらない。そして俺は今、その男の下で働いていることになっているわけだ」
 ブラッドは無事に宿が取れると、荷物を降ろして宿のレストランで果実酒を飲むことにしたらしい。

「もう管巻いているんですか? まだ外は明るいじゃないですか」
 付き合わされるレオナルドは紅茶とパンで小腹を満たしている。
「ルイス様のところでは普通だぞ」
 ブラッドはルリアーナ特産の果実酒をナッツとともに味わっていた。

「だから第四王子のとこはたるんでるって思われるんですよ」
 レオナルドは、王の勅命で第四王子の実力を図るため任務に参加していたが、ブラッドもルイスも噂通り只者ではない印象がある。間違いなく第四王子は馬鹿なふりをしているだけのようだが、ブラッドは他の王子の護衛達に比べると緊張感が足りないように思えた。

「まあ、お前は国王陛下の仕事が多いから息が詰まることも多いだろ。ルイス様のところでやれているうちは、もっと肩の力を抜いても大丈夫だ」
 ブラッドはそういうと、2杯目の果実酒を注文した。アルコールの強いお酒を、こんな時間からそんなに飲むのかとレオナルドは呆れている。

「ほんと平和そうですね、第四王子のところは」
 ここ数日間、レオナルドはルイスとその部下と行動を共にした。先ほど簡単に殺されかけたブラッドといい、こんなに王族の中でも違いがあるものかと、王への報告をどうするか迷っている。
「まあ、ルイス殿下もルリアーナの王女のことは本気のようですね。報告できることがあって助かりましたよ」
 自分の心の声に答えるように、レオナルドは言った。

「本気なんてもんじゃないと思うよ、あの方は」
 ブラッドはそう言うと、
「ほら、俺をここに置いていく位だから」
 と冗談っぽく付け加えたので、レオナルドは「はいはい」と適当に返事をした。
「いや、ほんとに。俺が仕えてきた中で、あの方が主体的に動いてるの今回が初めてだから」
 ブラッドの言葉に、レオナルドは違和感の正体に気が付いた。

(そうか、それ)

「レオナルドは、それが知りたかったんだろ? 今迄無気力に生きてきた、王位継承権がないに等しい第四王子が、何で自分から他国に行くのを望んだのか。そして、王にわざわざ間諜の同行を要求したのか」
 ブラッドは2杯目の果実酒が入ったグラスを回して言った。

「あれ全部、どうなっても俺たちがこの国に留まるための計画だぜ。怖いだろ」
 レオナルドは、ブラッドの言葉に息をのんだ。
「そうか…………」
 レオナルドは、第四王子の思惑を読み、戦慄した。
「ああ、本気なんてもんじゃないですね……」
 ブラッドは愉快そうにレオナルドを見て言った。
「あの人を舐めない方がいい。今のところ、全てが殿下の計画通りだからな」
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