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the 7th night 一日が終わる前に
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「いやー、以前付き合っていた女性が実は既婚者だったことがあって、危うく訴えられるところでしたね。なんで好きな人に裏切られた挙句に別れと訴訟が同時に来るんだろうって、ほんと落ち込んだな」
ロキが過去の話を思い出して言うと、
「そんなことも、あるの……」
とレナは目を見開いて感心している。
「いや、上流階級には起きない話なんで、話半分で聞いてください」
シンはそんなレナに慌ててフォローした。王女に求婚するような身分の者が、不倫目当てなど聞いたことがない。
「でも、好きな人に裏切られるとか、お互いに見栄を張って黙っていることがどんどん嘘として膨らんでいって、結果騙し合いみたいになっちゃうことはありますよ」
ロキは何かを思い出しながら、
「好きな人にはカッコつけたいんで、そういう嘘もあったりしますし」
と言って、つい苦笑いを浮かべる。
「うん、それ分かるな」
シンもそう言って穏やかに笑っている。
「素敵ね。人生で一度くらい、好きな人のことを考えて、心を通わせてみたりしたかったわ」
レナが憧れを隠さずにため息まじりで言うと、
「まあ、恋愛はしたいと思ってするものじゃないんで、流れに身を任せたらいいんじゃないですか?例えば、あの王子様に」
とロキはレナに言った。
「そうそう、一緒にいるうちに相手の意外な面を知って落ちてしまうのが恋愛ですから。あんまり深く考えなくていいんですよ」
とシンも楽しそうに付け加えた。
「今日は2人と話せて楽しかった。やっぱり20代の男性なら、恋愛にも積極的に生きているのね」
レナは満足そうに言うとソファから立ち上がり、横に置いてあったランタンを手に持った。
「団長は、参考にならないですからね」
シンがそう言って立つと、ロキも立ち上がって少しためらいがちに、
「殿下が気を悪くしたら申し訳ないですが、団長だけは男性としてお勧めできないですね」
と言って気まずそうにしている。
「そうなのね。参考に理由を教えてもらっても?」
レナが驚いて尋ねると、
「あの人、見た目は完璧ですけど、中身は欠陥品ですから」
とロキは笑って言った。
「あまり、その欠陥は分からないけど……」
レナが不思議そうに言う。確かにカイは見た目が良いことが目立つ人物だが、そこまで性格が悪いとも思えなかった。
「団長は、他人に対する興味が仕事以外で全くない。あの人は、仕事にとって邪魔になる感情を全て切り捨てて生きている人です」
ロキはハッキリ言い切った。自分の上司を貶めるわけでもなく、ただ、事実を述べた。
「つまり、この先も団長が誰かを好きになったり、誰かの好意を受け入れたりすることは、まずないってことです」
それを聞いたシンも、ロキに続いて言う。
「殿下は団長に対する憧れをお持ちなので、それを恋愛感情と勘違いしてしまうことがこの先あるかもしれませんが、あの人を選ぶということは色々ある恋愛のうちでも、片想いを選ぶってことです」
その言葉を聞いていたレナは、
「確かに、カイの今までの言動からして、そうかもしれないわね」
とすんなり納得して頷いていた。
「はー……俺、なんであんなこと言っちゃったんだろ……。それにしても殿下可愛かったわー……。いや、殿下に可愛いって絶対失礼だよなあ……でも可愛いは可愛いとしか言えないわー……」
部屋に戻ってシンはベッドに横たわると、先ほどまでの時間を回想しながらニヤニヤしていた。
カイが夜の護衛に部屋を出ているため、同室で別のベッドに入り本をパラパラめくっていたロキも、
「殿下、団長のこと既に好きなのかもしれないけど、あんなこと言って良かったのかな」
と言って自分の言動を反省している。
「ロキらしくないな。殿下が団長を好きなら好きで、お見合い相手と団長を比べているうちに団長の欠陥に気づいていくと思うし、あの団長だぞ?気にしなくていいだろ」
シンがそう言って「おやすみ」と声を掛けると、ロキは満足そうな顔で横になった。
ロキが過去の話を思い出して言うと、
「そんなことも、あるの……」
とレナは目を見開いて感心している。
「いや、上流階級には起きない話なんで、話半分で聞いてください」
シンはそんなレナに慌ててフォローした。王女に求婚するような身分の者が、不倫目当てなど聞いたことがない。
「でも、好きな人に裏切られるとか、お互いに見栄を張って黙っていることがどんどん嘘として膨らんでいって、結果騙し合いみたいになっちゃうことはありますよ」
ロキは何かを思い出しながら、
「好きな人にはカッコつけたいんで、そういう嘘もあったりしますし」
と言って、つい苦笑いを浮かべる。
「うん、それ分かるな」
シンもそう言って穏やかに笑っている。
「素敵ね。人生で一度くらい、好きな人のことを考えて、心を通わせてみたりしたかったわ」
レナが憧れを隠さずにため息まじりで言うと、
「まあ、恋愛はしたいと思ってするものじゃないんで、流れに身を任せたらいいんじゃないですか?例えば、あの王子様に」
とロキはレナに言った。
「そうそう、一緒にいるうちに相手の意外な面を知って落ちてしまうのが恋愛ですから。あんまり深く考えなくていいんですよ」
とシンも楽しそうに付け加えた。
「今日は2人と話せて楽しかった。やっぱり20代の男性なら、恋愛にも積極的に生きているのね」
レナは満足そうに言うとソファから立ち上がり、横に置いてあったランタンを手に持った。
「団長は、参考にならないですからね」
シンがそう言って立つと、ロキも立ち上がって少しためらいがちに、
「殿下が気を悪くしたら申し訳ないですが、団長だけは男性としてお勧めできないですね」
と言って気まずそうにしている。
「そうなのね。参考に理由を教えてもらっても?」
レナが驚いて尋ねると、
「あの人、見た目は完璧ですけど、中身は欠陥品ですから」
とロキは笑って言った。
「あまり、その欠陥は分からないけど……」
レナが不思議そうに言う。確かにカイは見た目が良いことが目立つ人物だが、そこまで性格が悪いとも思えなかった。
「団長は、他人に対する興味が仕事以外で全くない。あの人は、仕事にとって邪魔になる感情を全て切り捨てて生きている人です」
ロキはハッキリ言い切った。自分の上司を貶めるわけでもなく、ただ、事実を述べた。
「つまり、この先も団長が誰かを好きになったり、誰かの好意を受け入れたりすることは、まずないってことです」
それを聞いたシンも、ロキに続いて言う。
「殿下は団長に対する憧れをお持ちなので、それを恋愛感情と勘違いしてしまうことがこの先あるかもしれませんが、あの人を選ぶということは色々ある恋愛のうちでも、片想いを選ぶってことです」
その言葉を聞いていたレナは、
「確かに、カイの今までの言動からして、そうかもしれないわね」
とすんなり納得して頷いていた。
「はー……俺、なんであんなこと言っちゃったんだろ……。それにしても殿下可愛かったわー……。いや、殿下に可愛いって絶対失礼だよなあ……でも可愛いは可愛いとしか言えないわー……」
部屋に戻ってシンはベッドに横たわると、先ほどまでの時間を回想しながらニヤニヤしていた。
カイが夜の護衛に部屋を出ているため、同室で別のベッドに入り本をパラパラめくっていたロキも、
「殿下、団長のこと既に好きなのかもしれないけど、あんなこと言って良かったのかな」
と言って自分の言動を反省している。
「ロキらしくないな。殿下が団長を好きなら好きで、お見合い相手と団長を比べているうちに団長の欠陥に気づいていくと思うし、あの団長だぞ?気にしなくていいだろ」
シンがそう言って「おやすみ」と声を掛けると、ロキは満足そうな顔で横になった。
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