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the 5th day 情報収集と深まる謎
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カイは自室で部下からの報告を聞いていた。
「どうやら、ルリアーナの王族は建国の英雄の血を引いているとかで特別視されていて、その英雄が女性だったらしいんです。そこから、王女、女王信仰が始まったようですね」
シンは英雄信仰のタペストリーを町で買ってきていたので、広げながら説明する。
「鷹を従えて小国をまとめてルリアーナを建国すると、その鷹は不死鳥になったという伝説です」
宗教のマークにも国旗にも鳥のモチーフが掲げられている。
「国王夫妻が殺されたのは、外から妃を迎えたケースだったわけか?」
カイが尋ねると、
「そのようですね。ルリアーナ王室は側室を作らない文化なので、女性が産まれていない代もあります。兄弟も、若くして亡くなっていますね」
と、シンは言った。
「なるほど、王女信仰があるから王女は擁立するが、王子は邪魔だったのかもしれない」
可能性の話をするが、まだ宗教が黒幕かどうかは分からない。カイは引き続きの情報収集をシンに伝えた。
「こちらは、まだ全貌が掴めていませんが……12年前の国王逝去のニュースは、驚く程資料が残っていません。そればかりか、追悼の式典すら記録がないんです。妙ではありませんか? 国王と王妃が同時に亡くなって、国が騒がないわけがない」
ロキの報告に、カイとシンは言葉を失った。
「国王他殺の線に関しては、幼かった殿下の思い込みの可能性も疑っていたが……キナ臭いな」
カイが考え込みながらそう言うと、
「王女には兄がいたはずですが、その記録も残っていません」
と、ロキは付け加える。
「なんだそれ?! 王家の系譜にすら残っていないのか? なんの文献だ?」
と、シンが驚いて大きな声を上げた。
「シン、声がでかい」
カイはシンを諫めた。
「ルリアーナ王家の系譜という、国所蔵の資料ですね。国立図書館に1冊だけありました。貸出禁止で持って来られなかったんですけど」
ロキは静かに事実だけを語った。
「何なんだ?何が起こってる……? パースの件とも関係しているのか?」
騎士の3人は平和な国に潜む陰謀めいた謎に、薄気味悪さを感じていた。
すると、突然扉がノックされた。
静かに話をしていた3人は同時に驚いたが、
「皆さま、本日もレナ様が夕食をご一緒にどうかとのことです」
という侍女のサーヤの声がしたので、3人は我に返った。
「ああ、ありがとう、少ししたら向かう」
カイは少し戸惑いながら返事をした。
「ちょっと思ったんですけど、ご飯は安全なんですか?その……何か盛られたりとかは?」
シンが急に食事を心配し始めた。食事の席で王女にデレデレしていたのはどこのどいつだ、とカイは突っ込みたくなったのを抑えると、
「サーヤ殿が毒味を担当しているらしい。まぁ、今迄そういったことは起きたこともないようだし、俺は食すればいくつかの毒は分かると思うが、心配か?」
とシンに尋ねる。
「俺、さっきので急にこの城の中が怖くなったのに……団長は肝が座り過ぎです」
とシンは不満気味にカイに言った。
「戦場の護衛の方がよっぽど怖いと思うが……」
カイは、何故か自分は毒殺されない自信があった。そもそも、食事の時間を怖いと思ったことがない。
「戦場はもう少し敵が分かり易いじゃないですか。こういう得体の知れないやつは俺もちょっと苦手ですね」
と、ロキも気味悪がっていた。
「どうやら、ルリアーナの王族は建国の英雄の血を引いているとかで特別視されていて、その英雄が女性だったらしいんです。そこから、王女、女王信仰が始まったようですね」
シンは英雄信仰のタペストリーを町で買ってきていたので、広げながら説明する。
「鷹を従えて小国をまとめてルリアーナを建国すると、その鷹は不死鳥になったという伝説です」
宗教のマークにも国旗にも鳥のモチーフが掲げられている。
「国王夫妻が殺されたのは、外から妃を迎えたケースだったわけか?」
カイが尋ねると、
「そのようですね。ルリアーナ王室は側室を作らない文化なので、女性が産まれていない代もあります。兄弟も、若くして亡くなっていますね」
と、シンは言った。
「なるほど、王女信仰があるから王女は擁立するが、王子は邪魔だったのかもしれない」
可能性の話をするが、まだ宗教が黒幕かどうかは分からない。カイは引き続きの情報収集をシンに伝えた。
「こちらは、まだ全貌が掴めていませんが……12年前の国王逝去のニュースは、驚く程資料が残っていません。そればかりか、追悼の式典すら記録がないんです。妙ではありませんか? 国王と王妃が同時に亡くなって、国が騒がないわけがない」
ロキの報告に、カイとシンは言葉を失った。
「国王他殺の線に関しては、幼かった殿下の思い込みの可能性も疑っていたが……キナ臭いな」
カイが考え込みながらそう言うと、
「王女には兄がいたはずですが、その記録も残っていません」
と、ロキは付け加える。
「なんだそれ?! 王家の系譜にすら残っていないのか? なんの文献だ?」
と、シンが驚いて大きな声を上げた。
「シン、声がでかい」
カイはシンを諫めた。
「ルリアーナ王家の系譜という、国所蔵の資料ですね。国立図書館に1冊だけありました。貸出禁止で持って来られなかったんですけど」
ロキは静かに事実だけを語った。
「何なんだ?何が起こってる……? パースの件とも関係しているのか?」
騎士の3人は平和な国に潜む陰謀めいた謎に、薄気味悪さを感じていた。
すると、突然扉がノックされた。
静かに話をしていた3人は同時に驚いたが、
「皆さま、本日もレナ様が夕食をご一緒にどうかとのことです」
という侍女のサーヤの声がしたので、3人は我に返った。
「ああ、ありがとう、少ししたら向かう」
カイは少し戸惑いながら返事をした。
「ちょっと思ったんですけど、ご飯は安全なんですか?その……何か盛られたりとかは?」
シンが急に食事を心配し始めた。食事の席で王女にデレデレしていたのはどこのどいつだ、とカイは突っ込みたくなったのを抑えると、
「サーヤ殿が毒味を担当しているらしい。まぁ、今迄そういったことは起きたこともないようだし、俺は食すればいくつかの毒は分かると思うが、心配か?」
とシンに尋ねる。
「俺、さっきので急にこの城の中が怖くなったのに……団長は肝が座り過ぎです」
とシンは不満気味にカイに言った。
「戦場の護衛の方がよっぽど怖いと思うが……」
カイは、何故か自分は毒殺されない自信があった。そもそも、食事の時間を怖いと思ったことがない。
「戦場はもう少し敵が分かり易いじゃないですか。こういう得体の知れないやつは俺もちょっと苦手ですね」
と、ロキも気味悪がっていた。
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