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the 3rd day 部下からの連絡

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 その日の日中の護衛業務を終え、カイは2日目の夕食を使用人向けの食堂でとって自室に戻ると、昨日の速達の返信が部下から戻ってきているのを確認した。

『ハウザー団長へ
 お疲れ様です。お姫様の護衛、至急の増員を確認し、こちらからは指示の通りシンとロキの2名を向かわせます。到着までの健闘を祈ります。
 追伸、ルリアーナは食と美人が有名ですね。僕も応援行きたいです。
 ファレル・グラツィアーニ』

 カイは無事に希望通りの部下が手配できたことに安心した。久しぶりに会う部下と一緒に任務にあたることが楽しみになっている。

 手紙を書いたのはポテンシア出身の部下だった。
 そういえばポテンシアとの外交問題もあったな、とカイは政治家たちの話を思い出す。外交問題など専門外だったが、今回に関してはあながち無関係とも言い切れない気がしていた。

 あと2日程度で応援が到着するだろう。手配が完了したと思った途端、部下の到着が待ち遠しい。

(まだ何も怪しい動きはないが、見合いに相手側の護衛が入ってくる場合には、こちらの護衛も2人体制が好ましいな)

 カイは今後の人員計画を作成していく。3人で効率的に業務にあたるために、まずは1週間の行動計画を練ってみた。

(国内と国外の情報収集がネックになるな……)

 まだ課題は多い。すっかり暗くなった外を眺める。
 戦争もなく、自然に恵まれた穏やかな国の王女に、脅迫相手はなぜ見合いの中止を求めているのか。
 簡単な推理をすれば過去の見合い相手が怪しいが、12年前の事件が引っかかる。2つの事件は果たして関係しているのか――。

(今回の仕事は謎が多い。煮詰まるな)

 協力先からの連絡もあと1両日はかかるだろう。明後日は部下も到着するが、明日はまだ進展がなさそうだ。

(人柄と信用と一緒にいたいと思えるか、か)

 ふと、レナの見合い相手に求める条件を思い出して、カイはペンを放り投げた。

(政略結婚にそういった条件を付けられるあたり、恵まれていることに変わりはないが、見合いで人柄や信用をはかるのは難しいだろうな)

 カイは、夜間の護衛に備えて支度を始めた。2日目の徹夜に何か起こらないことを願いつつ、昨夜のようにまた王女が現れるのではないかと気になった。

(ただ現れるだけならともかく、あの手の話を振られるのは二度と御免だな)

 これから到着する2名の部下は、カイと違い恋愛に器用で女性の扱いも心得ている。王女が恋愛関係の話を求めているのであれば、駆け付ける部下たちこそ適任だった。
 そもそも見合いについてのアドバイスも、自分のような人間が担当するのではなく、もう少しまともな人材がいるのではないかとカイは思わずにいられなかった。
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