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あとがき

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最後までお付き合いありがとうございました。作者の碧井夢夏(あおいむか)です。

ライト文芸というジャンルが面白いなーと思い、何か書いてみたいなと『鑑定士紅柄べんがら』を執筆しました。実は今まで短編を書いたことも無かったので、ここまで短い話も初挑戦です。

さて、このお話について。

日本は空き家問題が深刻化しています。2018年の総務省のデータでは、日本の家屋の13.6%が実に空き家だと発表されています。その数、848万9000戸。
都市部の方が空き家率は低くなるので、都市部を離れると空き家率が20%を超える地域もあります。5軒に1軒は空き家という現実。物語に出て来る朝比町のような場所に空き家が増えているのは、想像に難くありません。

少子高齢社会で、この問題が誰にとっても身近になっています。

本作の主人公である「紅柄耀」と、その友人「深山晃」は高齢になった町で人の役に立つ仕事に就いています。
早紀の祖母も亡くなり、空き家が1軒増えました。そこで、遺品整理を引き受けた耀と家電リサイクル法に基づいて、家電を引き取った晃。
当たり前の生活を支える若者と、滅びゆく様子を見せる町の対比。そこに『思い出鑑定』が現れます。

取捨選択をする時、そこに「思い出」が入ったら人はどんな行動を取るのか。

死ぬまでずっと側に置いておきたいものって何だろう?
大切な人が大切にしていたものに、自分はどう向き合うのだろう?
そんなことを考えるきっかけになりましたら、幸いです。

それでは、また。どこかでお会いできましたら。

2021.7碧井夢夏あおいむか
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