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一緒に生きていく
別れてみてわかったこと シン視点
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リリスという女の子を好きになって、分かったことがある。
世の中の男っていうのは、女の子が話している内容をそのまま受け止め、そういう性格だと決めつけるのが圧倒的多数らしい。
騎士団でのリリスの評判は、性格に難があってあれはなかなか厄介な子だというものだった。
団長に至っては、リリスはやかましいからなるべく最低限のやり取りにしたい、らしい。
俺にとってリリスは言葉以上に表情や態度が分かりやすいし、とても可愛かった。
リリスがこんなに可愛いのを知っているのは、どうやら俺しかいない。
実はこれが、ものすごく優越感に浸れるポイントだったりする。
今日、ようやくプロポーズをした。
これからはずっと、リリスといたい。
俺だけが知っているリリスの可愛さを、毎日毎日堪能していたい。
そう思って、リリスの両親にも挨拶を済ませた。
リリスの親は何だか涙もろい人たちで、泣きながら喜んで家に泊まって行けと言った。
そしてリリスのスイッチが入っているらしい。
要するに、今日はそういう関係になりたいようでーー。
うーん、嬉しいけどいいのかなあ……。
リリスが男を知っているとは思えない。
つまり、初めてをくれるという意味なんだと思う。
こんなに嬉しいことってないけど、今はどうしようかという気持ちばかりだ。
もう婚約者でもあるから、責任的なことに関しては問題がないにしても。
この半年はリリスへの気持ちをくすぶらせていた。
気持ちが高ぶっているこのタイミング、色々と自信がない。
*
リリスの部屋で、2人きりになっている。
ご両親の部屋とは離れていて、これなら色々聞かれる心配もないかもしれない。
いやしかし。
そういう問題ではない。いや、それはそれであるとしても。
この状況は想定外だった。
好きな子との初めては、それはもう緊張する。
気持ちが盛り上がりすぎると、身体は委縮する。
つまり、本当に好きな子を前に自信がない。
でも、したくないわけじゃなくて……。
リリスの上に乗って、彼女の自由を奪った。
ゆっくりと、なるべく丁寧なキスで繋がっていく。
吐息が耳を掠める度に、彼女を求める欲求が身体の奥から響きだす。
半年前にも、何度かこの感覚を覚えていた。
その時は、激しい欲求というよりもリリスが可愛くてもっと彼女の姿を見たかった。
欲求の赴くままにしてしまったら、リリスはきっと激しい痛みに苦しむことになる。
それを見たくないという気持ちと、徐々にリリスが俺を覚えていく過程を楽しみたいという欲求がせめぎ合って、ひどい行為にならないか心配だ。
「今日は、ここに泊まって行ってね?」
キスから解放されたリリスが恥ずかしそうに目線を泳がせる。仄暗い部屋で、誘うように。
残念ながら、甘い蜜を目の前に用意されて、それを拒めるような精神力は備わっていない。
隠すように会話を交わして、リリスの覚悟を確認した。
「リリスのことが、好きすぎて……多分、止まらないと思うけど?」
正直なところ、止めるつもりなんかとっくになかった。
「止まらないとどうなるのか……試してみれば良いじゃない……」
尻つぼみになりながら口を尖らせて困ったようにいうリリスが、精一杯誘ってくれているのが分かる。
ああ、なんだかなぁ。
「可愛い」
リリスを強く抱きしめながら、もうダメだ、と身体中が言っていた。
こんなに可愛い彼女にここまで言わせて、ぐっとこないわけがない。
俺は、リリスという子が実はとても愛情深くて包容力があるのをよく知っている。
だからもう、不安になるよりもそのまま受け入れてもらおうと決めた。
世の中の男っていうのは、女の子が話している内容をそのまま受け止め、そういう性格だと決めつけるのが圧倒的多数らしい。
騎士団でのリリスの評判は、性格に難があってあれはなかなか厄介な子だというものだった。
団長に至っては、リリスはやかましいからなるべく最低限のやり取りにしたい、らしい。
俺にとってリリスは言葉以上に表情や態度が分かりやすいし、とても可愛かった。
リリスがこんなに可愛いのを知っているのは、どうやら俺しかいない。
実はこれが、ものすごく優越感に浸れるポイントだったりする。
今日、ようやくプロポーズをした。
これからはずっと、リリスといたい。
俺だけが知っているリリスの可愛さを、毎日毎日堪能していたい。
そう思って、リリスの両親にも挨拶を済ませた。
リリスの親は何だか涙もろい人たちで、泣きながら喜んで家に泊まって行けと言った。
そしてリリスのスイッチが入っているらしい。
要するに、今日はそういう関係になりたいようでーー。
うーん、嬉しいけどいいのかなあ……。
リリスが男を知っているとは思えない。
つまり、初めてをくれるという意味なんだと思う。
こんなに嬉しいことってないけど、今はどうしようかという気持ちばかりだ。
もう婚約者でもあるから、責任的なことに関しては問題がないにしても。
この半年はリリスへの気持ちをくすぶらせていた。
気持ちが高ぶっているこのタイミング、色々と自信がない。
*
リリスの部屋で、2人きりになっている。
ご両親の部屋とは離れていて、これなら色々聞かれる心配もないかもしれない。
いやしかし。
そういう問題ではない。いや、それはそれであるとしても。
この状況は想定外だった。
好きな子との初めては、それはもう緊張する。
気持ちが盛り上がりすぎると、身体は委縮する。
つまり、本当に好きな子を前に自信がない。
でも、したくないわけじゃなくて……。
リリスの上に乗って、彼女の自由を奪った。
ゆっくりと、なるべく丁寧なキスで繋がっていく。
吐息が耳を掠める度に、彼女を求める欲求が身体の奥から響きだす。
半年前にも、何度かこの感覚を覚えていた。
その時は、激しい欲求というよりもリリスが可愛くてもっと彼女の姿を見たかった。
欲求の赴くままにしてしまったら、リリスはきっと激しい痛みに苦しむことになる。
それを見たくないという気持ちと、徐々にリリスが俺を覚えていく過程を楽しみたいという欲求がせめぎ合って、ひどい行為にならないか心配だ。
「今日は、ここに泊まって行ってね?」
キスから解放されたリリスが恥ずかしそうに目線を泳がせる。仄暗い部屋で、誘うように。
残念ながら、甘い蜜を目の前に用意されて、それを拒めるような精神力は備わっていない。
隠すように会話を交わして、リリスの覚悟を確認した。
「リリスのことが、好きすぎて……多分、止まらないと思うけど?」
正直なところ、止めるつもりなんかとっくになかった。
「止まらないとどうなるのか……試してみれば良いじゃない……」
尻つぼみになりながら口を尖らせて困ったようにいうリリスが、精一杯誘ってくれているのが分かる。
ああ、なんだかなぁ。
「可愛い」
リリスを強く抱きしめながら、もうダメだ、と身体中が言っていた。
こんなに可愛い彼女にここまで言わせて、ぐっとこないわけがない。
俺は、リリスという子が実はとても愛情深くて包容力があるのをよく知っている。
だからもう、不安になるよりもそのまま受け入れてもらおうと決めた。
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