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血も唾液も混ざり合って、黒に犯されたい。

7話 かわいい吸血鬼のクロ。

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「ーーーいってきます。」

たとえ、吸血鬼との共同生活が始まったとしても、学校は変わらずに登校する。

まだベッドで眠るクロードを起こさないようにして、玄関で静かに挨拶をしてから、家を出る。
...実家では歩いて20分ほどかかっていた学校も、このマンションだと5分とかからない。すぐ目の前が学校と、学校に通う分にはかなり立地がいい。

「あれ、なんでここにいるの?」
「あー...」

言葉に詰まる。

クラスメイトであり、隣の席の相葉アイバ静雅シズカだ。

悩みながらも、静雅の隣を歩く。

「実は引っ越ししたんだ。」
「えっ!?そうなんだ...えっ、どこからどこに?移動したの?」
「距離的には、10分くらい...」
「それ引っ越しする必要あるの?」
「えっと、一人暮らししたくて...」

静雅は「ふーん?」と俺の言葉を咀嚼する。

俺も変だと思う。もっとマシな言い訳考えておくべきだったな。

横断歩道が赤になる。

「今度、遊びに行ってもいい?」
「いや、まだ散らかってるからなぁ。」
「そうなんだ。」
「なにもない家だよ。」
「でも、一人暮らしならどれだけ騒いでも怒られないでしょ。」
「隣の家が怒るだろ。」
「もしかして壁とか薄い感じ?」
「薄くはないと思う。」

なにしろ、エレベーターもカードキーが必要なくらいのセキュリティだし、...俺に関しては吸血鬼がいる、万が一に備えての防音くらいあるんじゃないか?

信号が青になり、歩き出そうとした時ーーー左腕を掴まれて、グイッと後ろに引き寄せられる。

なにが...

「クロード?」

あの白いオーバサイズのシャツ一枚、裸足でクロードが外にいて、...なぜか俺を引き止めていた。

「康介?...あれ、その人どうしたの?」

いやマジで、なんて説明するんだよ。ってか、なんでここにいるんだよ!?

「さ、先行っててくれないか!?」
「う、うん。」

向こう側に行って、信号も赤になり、...渡った先で静雅がこちらを見ている気がするが、声までは聞こえないはずだ。
それでも俺は、今度は俺がクロードの腕を掴んで歩き出した。

「俺はこれから学校なんだよ、えっ、なんできたんだ?」
「起きたら、...いなくて。」
「起こすのが悪いと思って声をかけなかったんだけど、俺がいないだけで探しにきたのか?」
「うん。」

こんな服一枚で、裸足できたのか?

クロードの腕を掴んだ手をゆっくりとあげる。

白い肌の表面に黒い...焦げができていた。

「これ、どうしたんだよ。」
「太陽にあたったから。」
「痛くないのか?」
「すごくいたい。」

会ったばかりなのに、なんで、...クロードの腕を離す。

「俺は学校に行くから、クロードは家に帰ろ。」
「...帰ってくる?」
「17時...30分くらいには帰ると思うから。」
「うん、まってる。」

フッと笑みをこぼし、クロードの頭に手を伸ばした。

「テレビってわかるか?」
「うん。」
「あれ、つけて好きなの見て待ってろ。何もしないでジッとしてるのなんかつまんないだろ。」
「うん。」

よしよし、とクロードの頭を撫でる。

「クロって呼んでもいいか?」
「クロードじゃ長い?」
「クロの方がワンコみたいで可愛いだろ。」
「...ワンコ好きなの?」
「嫌いじゃないな。」

今度はちゃんと

「いってきます。」
「うん。」
「そこはいってらっしゃいって言うんだぞ。」
「う、...いってらっしゃい。」

クロに背を向けて、俺の頬は緩む。とても人に見せられない顔をしてるな。
だって、...俺がいないと探しにくるって...かわいすぎだろ。
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