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5章 四面楚歌の2章!?蛾に群がる蝶たち...魅惑の花園で殺人未遂発生!!
43話 助けてくれた恩、形を変えて相手に返すんだ。
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俺はハイドの部屋でベッドに座り、膝の上でギュッと拳を握って、正座待機していた。
サーシャが俺を庇って怪我を負ってしまった。
まさかこんなことになるなんて、...なにが起きたなんて今でもよく分かっていない。
強く握りしめる両手を持ち上げて、ゆっくりと力を抜いて、手の平に目線を落とす。
「サーシャ!?おいっ、目を閉じるなっ!」
俺の上に覆い被さるサーシャをゆっくりと床に寝かせた。
俺の手の平はもちろん、床にどんどんと赤い湖が広がってしまう。
「あぁっ、や、矢がぁっ」
サーシャの左腕には矢が刺さっていた。なんの知識もない俺はそれを抜くこともできず、ただアワアワと空中で両手を動かすことしかできなかった。
「俺、だっ、誰か呼んで...」
「僕が呼んでくるよ。」
「あぁっ、ありがとう。」
アンセルがこの場を後にする。
「うっ、っかがああぁっ!!?」
痛みで苦しみ出すサーシャ。サーシャの額には大粒の汗をかいており、それらが床に向かって落ちる。
「サーシャ!?だ、大丈夫!?大丈夫じゃないよね...おっ」
フィリアの演技を忘れてたっ!!
「私になにかできる?と、とりあえず汗を拭うね。」
そう言って、サーシャの額に手を伸ばそうとしたのだがーーーその手をバシッとサーシャに掴まれてしまう。
「サーシャ!?ど、どうしたの?」
「ぬ、いて...」
「え?」
「この刺さった矢を...すご、く、っ、痛いの。」
それ、なんの知識もない俺がやっちゃまずいだろ。
...とはいっても、サーシャの訴えだしと、矢が刺さった箇所を確認できるように、その近くの布を破く。薄い布地だから簡単に裂くことはできたが、...そこに現れた傷は...ただ矢が刺さっているだけではなかった。
素人の俺でも、なんとなく他のゲームや医療ドラマでそれとなく知っていた、たとえ刺されても無闇に抜くなと、傷に栓をしてるから抜かない場合があることを知ってはいた。でも、床に広がっていく赤の湖、赤は僅かな隙間からゴポゴポと流れ続けていた。そして、矢を中心にドクドクと血管が破裂しそうなほど浮き出ており、肌を黒色に変えてしまっていた。健康な肌を紫色の肌に変え、そして黒色に落ちているようだった。
まさか、...壊死だっていうのか。
「い、たい...の、フィリア、お願いっ、抜いて。」
アンセルが誰かを呼びに行ったから、余計なことはしちゃ...ダメなのは分かってるけど、多分この矢には毒が塗られていて、そこから肌がえ、壊死、しているんだ。
「いま、ぬ、抜くから。」
矢を引き抜いた瞬間、ビシャッと赤は噴き出て、フィリアの顔にかかる。
「っぐぅああああああぁああぁあっ!!?」
サーシャの叫びが響き、そして治療魔法が使える者たちが部屋に入ってきた。
ーーーそして、フィリアはサーシャの治療が終わるまで待機するように言われた。
こんなことになるなんて思いもしなかった。まさか、サーシャが俺を庇うなんて、それも今回のフィリアを、...いや、違うんだ。サーシャの根は優しいんだ、それが今回こんな形で現れただけ...っ、なんでこんな...
また、ギュッと拳を握りしめる。
あの矢を放ったやつを、俺がこの手で復讐してやる。
サーシャが俺を庇って怪我を負ってしまった。
まさかこんなことになるなんて、...なにが起きたなんて今でもよく分かっていない。
強く握りしめる両手を持ち上げて、ゆっくりと力を抜いて、手の平に目線を落とす。
「サーシャ!?おいっ、目を閉じるなっ!」
俺の上に覆い被さるサーシャをゆっくりと床に寝かせた。
俺の手の平はもちろん、床にどんどんと赤い湖が広がってしまう。
「あぁっ、や、矢がぁっ」
サーシャの左腕には矢が刺さっていた。なんの知識もない俺はそれを抜くこともできず、ただアワアワと空中で両手を動かすことしかできなかった。
「俺、だっ、誰か呼んで...」
「僕が呼んでくるよ。」
「あぁっ、ありがとう。」
アンセルがこの場を後にする。
「うっ、っかがああぁっ!!?」
痛みで苦しみ出すサーシャ。サーシャの額には大粒の汗をかいており、それらが床に向かって落ちる。
「サーシャ!?だ、大丈夫!?大丈夫じゃないよね...おっ」
フィリアの演技を忘れてたっ!!
「私になにかできる?と、とりあえず汗を拭うね。」
そう言って、サーシャの額に手を伸ばそうとしたのだがーーーその手をバシッとサーシャに掴まれてしまう。
「サーシャ!?ど、どうしたの?」
「ぬ、いて...」
「え?」
「この刺さった矢を...すご、く、っ、痛いの。」
それ、なんの知識もない俺がやっちゃまずいだろ。
...とはいっても、サーシャの訴えだしと、矢が刺さった箇所を確認できるように、その近くの布を破く。薄い布地だから簡単に裂くことはできたが、...そこに現れた傷は...ただ矢が刺さっているだけではなかった。
素人の俺でも、なんとなく他のゲームや医療ドラマでそれとなく知っていた、たとえ刺されても無闇に抜くなと、傷に栓をしてるから抜かない場合があることを知ってはいた。でも、床に広がっていく赤の湖、赤は僅かな隙間からゴポゴポと流れ続けていた。そして、矢を中心にドクドクと血管が破裂しそうなほど浮き出ており、肌を黒色に変えてしまっていた。健康な肌を紫色の肌に変え、そして黒色に落ちているようだった。
まさか、...壊死だっていうのか。
「い、たい...の、フィリア、お願いっ、抜いて。」
アンセルが誰かを呼びに行ったから、余計なことはしちゃ...ダメなのは分かってるけど、多分この矢には毒が塗られていて、そこから肌がえ、壊死、しているんだ。
「いま、ぬ、抜くから。」
矢を引き抜いた瞬間、ビシャッと赤は噴き出て、フィリアの顔にかかる。
「っぐぅああああああぁああぁあっ!!?」
サーシャの叫びが響き、そして治療魔法が使える者たちが部屋に入ってきた。
ーーーそして、フィリアはサーシャの治療が終わるまで待機するように言われた。
こんなことになるなんて思いもしなかった。まさか、サーシャが俺を庇うなんて、それも今回のフィリアを、...いや、違うんだ。サーシャの根は優しいんだ、それが今回こんな形で現れただけ...っ、なんでこんな...
また、ギュッと拳を握りしめる。
あの矢を放ったやつを、俺がこの手で復讐してやる。
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