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5章 四面楚歌の2章!?蛾に群がる蝶たち...魅惑の花園で殺人未遂発生!!
42話 疑われて、逃げたくて、庇われて、
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いつの間にか眠ってしまったみたいで、俺はベッドから体を起こして背伸びをする。
ハイドの姿はない。
偽りの王、魔王を倒して俺が王様になったら出られる、か。
...元より、魔王を倒すために動いていたが、俺がこのゲームから出るためのルートとしてもあってたみたいだ。
ハイドに選ばれたことで、なにが変わるんだ?
「「レグルス国の建国記念日では、王族にだけ反応する魔道具を使った式が習わしにあった。それも18年前に廃止されてしまったけれど、あなたになら使えるはず。あなたは最後の王族、今の国王が偽りだということを証明できる唯一の手。」」
天使であるフィリアでは立ち入ることのできない場所に、その魔道具が隠されてるとか?
それに、魔道具を手に入れたとして、どうやって使うか、本当だったら建国記念日で使うわけだが...とにかく進めて、機を見て行動しないとな。
「はぁ。」
はっきりと、俺をここに閉じ込めたやつから
「お前が王様になったら出られるようになってる。」
なんて言われてしまったせいで、今まで向き合ってこなかった問題とマジマジと見つめ合うが、分からなすぎて頭に痛みさえ感じてきた気がする。
だめだな、と、具体的に何をすればいいのかも分からず、もう一度寝ようとしたところーーー
コンコン、ノックが聞こえる。
本当に小さなノック音が2度、その控えめな音は中にいる者を驚かせないようにする気配りのできる誰か...天使か給仕のどちらかだろうと予測する。
ハイドはいないし、ちょっと伝言でも聞いておくか。ハイドの親しい誰かなら、もしかしたらハイドを通してリアルプレイヤーの性格?とかがわかるかもしれない。
扉を開けると
「やぁ。」
そこにいたのはーーー騎士アンセルだった。
慌てて扉を閉めようとするが、ガッとアンセルに扉を掴まれてしまう。
「君、おもしろいね。」
「...どういうことですか?」
「ここにはどんな訳で潜り込んでるのかな?絢爛豪華なお城で優雅な暮らしを送りたい?まさか、そのために切り落とすかなぁ?」
だから、だから会いたくなかったんだよ。だってアンセルはフィリアが男だって知ってるし
「それだけでもびっくりなのに...ハイドに選ばれたね、もしかしてハイドとフィリアは同じ目的を持った同士とか?」
そんな女?男のフィリアがハイドに選ばれた。なにか高価な物を手にするのではなく、手軽な天使1人を選んだ。あの場で欲しいものなら何でも手に入れられたハイドが選んだもの...選ばれたフィリア。天使を体現する美しさを持つフィリアだから、だから選ばれたのではないかと思うものがほとんどかもしれない。
でもその中で、フィリアが男だということを知ってるアンセルには違うものが見えていたのだ。
フィリアとハイドには面識があり、なにかを企んでるのでは?
まずい、ちゃんとまずい展開になってる。アンセルにだけはバレちゃだめなのに、アンセルにどんどん知られてしまってる。
フィリアの正体が、あのガーデンの生き残りだと知られてしまったら...!!
どうすれば...なんて答えたらいいんだ?どんな言葉で逃げられる!?
「ーーーフィリア、私の部屋にあるあなたの私物を...アンセル様?お取り込み中のところ申し訳ございません。」
続いて、天使サーシャの登場だ。
ここにアンセルがいると思わなかったのだろう、サーシャは不躾な態度?をアンセルに詫びる。
サーシャとの仲は気まずいが、このままアンセルと話すのもまずい。アンセルだけには気づかれちゃまずいんだ。
「アンセル様、失礼します。」
サーシャに真似て、アンセルに向かって頭を下げてから、アンセルに背を向ける。
よし、逃げるんだ!
ピタッとサーシャと向かい合ってしまう。サーシャも一緒に戻るんじゃないのか?でもサーシャは...サーシャの目はどこか遠く?
【2章 陋セ縺ォ雖牙ヲャ縺吶k陜カ縺溘■】
な、んだこれ...?
俺にだけ見えるメッセージが...これは、バグなのか?それともこの表示で合ってるのか?ってか、マジでなんて書いてあるんだ!?
「フィリア!!」
え?
サーシャがこちらに飛び込んできた。俺の腰辺りに飛びつき、「ズンッ」という重みで体がのけ反り「グワン」と視界が揺れ、倒れる直前、上空を何かが通った。
「ッ!?」
短い悲鳴が聞こえる。
サーシャの左腕がフィリアの背中に、右手が後頭部へと回され、仰向けでフィリアは倒れるが、サーシャの配慮によってどこも打つことはなかった。
なにが起こったかまだ分かってない。
「サーシャ?」
仰向けで倒れるフィリアに、覆い被さるサーシャはビクとも体を動かさない。
サーシャの肩に触れたとき
「...おいっ...サーシャ!?」
その手が濡れた。手が真っ赤に濡れた。
サーシャが...サーシャが俺を助けた?俺を庇って...。
ハイドの姿はない。
偽りの王、魔王を倒して俺が王様になったら出られる、か。
...元より、魔王を倒すために動いていたが、俺がこのゲームから出るためのルートとしてもあってたみたいだ。
ハイドに選ばれたことで、なにが変わるんだ?
「「レグルス国の建国記念日では、王族にだけ反応する魔道具を使った式が習わしにあった。それも18年前に廃止されてしまったけれど、あなたになら使えるはず。あなたは最後の王族、今の国王が偽りだということを証明できる唯一の手。」」
天使であるフィリアでは立ち入ることのできない場所に、その魔道具が隠されてるとか?
それに、魔道具を手に入れたとして、どうやって使うか、本当だったら建国記念日で使うわけだが...とにかく進めて、機を見て行動しないとな。
「はぁ。」
はっきりと、俺をここに閉じ込めたやつから
「お前が王様になったら出られるようになってる。」
なんて言われてしまったせいで、今まで向き合ってこなかった問題とマジマジと見つめ合うが、分からなすぎて頭に痛みさえ感じてきた気がする。
だめだな、と、具体的に何をすればいいのかも分からず、もう一度寝ようとしたところーーー
コンコン、ノックが聞こえる。
本当に小さなノック音が2度、その控えめな音は中にいる者を驚かせないようにする気配りのできる誰か...天使か給仕のどちらかだろうと予測する。
ハイドはいないし、ちょっと伝言でも聞いておくか。ハイドの親しい誰かなら、もしかしたらハイドを通してリアルプレイヤーの性格?とかがわかるかもしれない。
扉を開けると
「やぁ。」
そこにいたのはーーー騎士アンセルだった。
慌てて扉を閉めようとするが、ガッとアンセルに扉を掴まれてしまう。
「君、おもしろいね。」
「...どういうことですか?」
「ここにはどんな訳で潜り込んでるのかな?絢爛豪華なお城で優雅な暮らしを送りたい?まさか、そのために切り落とすかなぁ?」
だから、だから会いたくなかったんだよ。だってアンセルはフィリアが男だって知ってるし
「それだけでもびっくりなのに...ハイドに選ばれたね、もしかしてハイドとフィリアは同じ目的を持った同士とか?」
そんな女?男のフィリアがハイドに選ばれた。なにか高価な物を手にするのではなく、手軽な天使1人を選んだ。あの場で欲しいものなら何でも手に入れられたハイドが選んだもの...選ばれたフィリア。天使を体現する美しさを持つフィリアだから、だから選ばれたのではないかと思うものがほとんどかもしれない。
でもその中で、フィリアが男だということを知ってるアンセルには違うものが見えていたのだ。
フィリアとハイドには面識があり、なにかを企んでるのでは?
まずい、ちゃんとまずい展開になってる。アンセルにだけはバレちゃだめなのに、アンセルにどんどん知られてしまってる。
フィリアの正体が、あのガーデンの生き残りだと知られてしまったら...!!
どうすれば...なんて答えたらいいんだ?どんな言葉で逃げられる!?
「ーーーフィリア、私の部屋にあるあなたの私物を...アンセル様?お取り込み中のところ申し訳ございません。」
続いて、天使サーシャの登場だ。
ここにアンセルがいると思わなかったのだろう、サーシャは不躾な態度?をアンセルに詫びる。
サーシャとの仲は気まずいが、このままアンセルと話すのもまずい。アンセルだけには気づかれちゃまずいんだ。
「アンセル様、失礼します。」
サーシャに真似て、アンセルに向かって頭を下げてから、アンセルに背を向ける。
よし、逃げるんだ!
ピタッとサーシャと向かい合ってしまう。サーシャも一緒に戻るんじゃないのか?でもサーシャは...サーシャの目はどこか遠く?
【2章 陋セ縺ォ雖牙ヲャ縺吶k陜カ縺溘■】
な、んだこれ...?
俺にだけ見えるメッセージが...これは、バグなのか?それともこの表示で合ってるのか?ってか、マジでなんて書いてあるんだ!?
「フィリア!!」
え?
サーシャがこちらに飛び込んできた。俺の腰辺りに飛びつき、「ズンッ」という重みで体がのけ反り「グワン」と視界が揺れ、倒れる直前、上空を何かが通った。
「ッ!?」
短い悲鳴が聞こえる。
サーシャの左腕がフィリアの背中に、右手が後頭部へと回され、仰向けでフィリアは倒れるが、サーシャの配慮によってどこも打つことはなかった。
なにが起こったかまだ分かってない。
「サーシャ?」
仰向けで倒れるフィリアに、覆い被さるサーシャはビクとも体を動かさない。
サーシャの肩に触れたとき
「...おいっ...サーシャ!?」
その手が濡れた。手が真っ赤に濡れた。
サーシャが...サーシャが俺を助けた?俺を庇って...。
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