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4章 ようやく始まる1章、攻略キャラ全員集合!?周りは敵だらけで四面楚歌!!

25話 天使のお仕事とお漏らし。

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前回と違うのは、サーシャがとる態度...フィリアの接し方もそうだった。

前回はもっと優しい?寄り添ってくれる?感じだった。それこそ道場破りのようにやってきたフィリアに驚き戸惑いながらも、コミュ強なサーシャはフィリアを助けてくれた。

背丈は違えど、隣を歩き、微笑みながら話してくれたサーシャはいなかった。
背筋を伸ばし、肩で風を切るような強い歩み、俺の前をサーシャは歩いていた。

前回と比べ、前回に拘っているのは、それが安全だって分かってるから。ゲームの外に出られない今、大きなイベントを起こさず緩やかな道を歩みたい。

大浴場の脱衣所、ポツンと置かれた小箱に天使たちの制服であるキトンが仕舞われていた。 

「はいこれ」
「ありがとうございます。」

サーシャは天使の制服キトンを、フィリアの胸にグッと押しつけるように渡してきた。

「それに着替えて。」
「どこでですか?」
「今ここで、適当にどっか向いてるから早くして。」
「えっ...」

男と女のどちらでもない、ただただグロい傷を見られるわけにはいかないんだが。

「なにしてるの?恥ずかしいならあなたに天使なんて務まらないんだけど。」
「すみません、今着替えます。」
「なら早くして。」

サーシャは腕を組み、指でトントンと叩いていて苛立ちがこちらにも伝わってくる。

宣言通りこちらに背中を向けているが、万が一があってはならない。
俺もサーシャに背を向けて、急いで服を着替える。

「脱いだ服は適当に入れておいて、給仕の誰かが片してくれるから。」
「分かりました。」
「……本当に、勿体無い容姿ね。」
「え?」
「顔は一級品でも、高すぎる背、胸もなければお尻も出ていない。」
「……。」

衛兵と同じこと言ってんな。ってことは、ここで求められる美は、幼さ残る顔、低い背。もしくは大きな胸とお尻をもつ女。それが絶対なんだ。

俺の前を歩くサーシャ。その背中に流れる髪はクセのある強い巻き髪、背もそこまで160...あるかないかの決して低い背でもなければ、大きな胸とお尻があるわけでもない。
それになにより、プロローグをプレイした俺だから分かる。サーシャは黒髪と黒目、この黒目が赤目だったら、そう、サーシャは一歩間違えば魔女と畏怖される容姿の持ち主だ。結論...顔は整っているが、ここで求められる美からは外れている気がする。

「ここから先、絶対に無礼がないようにして。」
「は、はい!」

ーーーでも、フィリアはここで取り返しのつかない失敗を起こす。

「はぁあぁっん、んぅっ、はあぁっんん」

ベッドの上で淫らに混じり合う男女がいた。

これが女性の中でも美しい者にしか与えられない「天使」の名を持つ女たちの役割だと思うと、なんだか気が滅入る。
俺はベッドの側に置かれた椅子に座り、ただ二人のセックスを眺めていた。画面越しのAV鑑賞なんてものじゃなく、目の前でのセックスはそれはそれは生々しいもので、今すぐにでも手を上下に動かしたくなるが、残念ながら今の俺にはちんぽがついていない。あるのはグログロしい穴だけだ。

「彼女にも見てもらおうか。」
「えー?んぅうぅぅ、は、恥ずかしいわよ」
「ほら、動けって。」

主導権は男の方にあるみたいで、サーシャは渋々体の向きを変える。
サーシャは男にお尻を向け、俺に対して結合部がはっきりと見える背面騎乗位で、男が腰を浮かして、パンッ、パンッ、と音を奏でる。

「はんっ、んあぁっ、はあぁっん」
「っ、あぁ、もうイきそうだよ。おらっ、もっと締めるんだよっ!」

バチンッ、と男はサーシャのお尻を叩くと、両手でお尻を掴んで揉みしだく。

「んっ、ああぁっ、イっ、イクイクぅっ」

サーシャが絶頂を迎えるのと同時に、男はサーシャのお腹に両腕を回して強引に倒し、男の上で仰向けに寝かせ、サーシャの首に噛みつきながら男も絶頂を迎え、ドクドクとサーシャの中に白い精子を注ぎ込んだ。

ジワァ。

その瞬間、俺は、ーーーフィリアはおしっこを漏らしていた。

「おい、なんか臭くないか?」

フィリアのちんぽはドラシオン神父の手によって切断された。
治療という治療が施されていないソレは壊れた蛇口のよう。尿道は確保したものの、あまりコントロールが効かないのだ。

...ちなみに切断方法は魔法があるこの世界のものではなく、現実でも行われた方法の1つ。1つ違うのは、フィリアのちんぽは切ったとしても元に治せる魔道具の鋏で切られたこと。
それ以外は「腐刑ふけい」に近いだろう。陰茎、睾丸、陰嚢、の全てを切断されるこの刑が有名なのは中国で、男性器を排除された男たちは宮廷で宦官として仕えたという。

そしてこの方法によってフィリアには後遺症が生まれてしまったのだ。

臭いの原因をサーシャは見つけ、口角をあげて嘲笑う。

「やだぁー、私たちのセックスを見てお漏らししちゃったの?」
「……ちっ、マジで臭えんだけど。萎える。」

膿んだ傷口から排出された尿はとてつもなく臭う。

「ごめんねぇ。病気持ちなんて知らなくって。まだ夜は長いんだから、部屋を変えましょう?」
「あぁ、サービスしろよ。」
「ふふっ、頑張っちゃおうかしら」

サーシャのコミニュケーション力に救われ、難を逃れることができた。俺を置いて二人は部屋を後にした。

これは前回と同じ、これで俺は天使でありながらも、誰とも夜を過ごしたことのない天使になってしまった...俺としては有難い話だが。
それにしても、これどうすんだよ。着ていたキトンはもちろん、椅子、床までビシャビシャに黄色い水で濡れていた。自分の尿とはいえど、鼻をツーンと刺激するほどの悪臭を放っている。

なにか拭くものを、……どこからか取ってくるしかないのか。

部屋を出て、暗くなった王宮内を一人歩く。部屋の中では気にもしなかったし、聞こえなかったのだが、夜の静けさも相まってなのか、女性の喘ぎ声と蜜音が至るところから聞こえていた。常に、あんあん、ふわあぁん、んっんっ、といった風に抑えている声から激しめな声まで様々な喘ぎ声が響き合っていた。

ここまでくると、逆に興奮しないな。

「ねぇお願いっ!私のなにが悪かったの?私もっと頑張るからっ、ねぇって、私を置いていかないでっ!あなたが最後の希望なのよ!」

なんだ痴話喧嘩か?喘ぎ声とは違う、女性の切羽詰まった声が聞こえてきた。
相手の声は聞こえないが、もし今部屋から出ようとしてるなら鉢合わせになってしまう!俺は慌てて柱の影に隠れて、話の内容もまぁ気になるから聞き耳を立てる。

「あっ、あまり経験がないから、へ、下手でごめんなさい。でっ、でも今夜は最後まで一緒にいて、もっと頑張る、頑張りますから!」
「……お前は私に嘘をついただろ。」
「だってぇ、嘘をつかないと夜を過ごしてくれないんでしょ?」
「お前は私利私欲のために嘘をついた。どうして私がそんな女の言うことを聞かないといけないんだ?……まともな謝罪の一つもできないのか?」

たった1つの嘘?で男が女の誘いにのったのか?いやいや、どんな嘘があるっていうんだよ。

「ご、ごめんなさい。」
「謝るときには、自分がなにをしたのかも言うべきだろう。」
「……アンセル様に抱かれたと嘘をついてごめんなさい。」

はぁあぁっ!!?どんな嘘ついてんだよ、しかもその嘘がセックスの決め手になんのかよ!?

それでも男は女を残して部屋から出てしまう。

ーーーその男は...アンセルとは幼馴染で騎士でもある男...騎士セーロスだった!?
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