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4章 ようやく始まる1章、攻略キャラ全員集合!?
24話 その名前が地雷なことに、美しき天使は気づかない。
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そう、俺はこの世界から出られなかった。また、この世界に閉じ込められてしまった。...いやマジで!?
【こちらの機能はロックがかけられています。】
ピコン、ピコン、ピコン、一度で懲りずに何度も試してみるが、同じメッセージが重ねられていくだけだった。
デバッグで入ったことを忘れ、俺はこのゲームに夢中になってしまった。何時間?か分からないが、もう少し小分けプレイだったらこんなことにならなかったのかと、たらればの思考で気分が落ち込んでしまう。
しかも今回、最悪なことに前回とは違って誰かに退出ボタンを押してもらうのは無理な気がする...。
あれはそう...牢屋に閉じ込められる前だ、なにかが起きて、俺は牢屋に閉じ込められていた。
フルダイブの機能で、プレイヤーの意識を奪うなんてことは安全面のリスクであるはずがない。いくら現実のようなゲームでもそれはできない、だから気絶は暗転になる。
それなのにあの時、俺はガチで気を失っていた。そう、あの瞬間...むしろあの瞬間しかない、外から退出ボタンを押され、会社の機体からどこか別の機体に移された可能性がある。正直そんな方法があり得るのか分からないが、会社の機体でこんなに長くプレイ出来るわけがない。
……そんな大がかりなことしてまで、俺をゲームに閉じ込めるのはなんなんだ?
「ここからが天使の住まうエリアとなります。この先は男子禁制となりますので、俺はここで失礼します。どこかの部屋をノックして、応じた天使に聞いてみてください。」
このエリアが彼女たちの唯一の休める場所か。
「あまりお勧めはしませんが、困ったらアンセル様の名前を出されるといいかもしれません。」
「わかったわ、案内ありがとうございます。」
衛兵はスッと頭を下げてから、こちらに背を向けて歩き出した。
騎士アンセルか。そもそも前回は騎士アンセルと城門の前で会わなかった、アンセルとはパーティー当日に見かけた程度だ...それが今はなんだ?天使に選んだのが騎士アンセルだって?話が変わりすぎだろ。...いや俺が変わったのか...。
なにしろ前回、俺はほとんど声を出さない天使の微笑みモード(ほぼ無言)で衛兵と喋った結果、衛兵が俺...というか、フィリアに落ちた。衛兵とはいえ、騎士でもある衛兵に天使として選ばれ、今みたいに案内されたというわけだ。
この先の展開はなんとなく分かってるつもりだ。
この天使エリアに入ってすぐの部屋、そこに前回お世話になった天使サーシャが住んでいる。
「コンコン」ノックをすると、すぐに中から扉が動き出す。ゆっくりと、こちらの様子を伺うように扉が開かれていく。
「……?」
隙間から、こちらを品定めするような眼差しが向けられる。
こちらからも彼女が視界に映り、...明かりのない部屋に溶け込む彼女、その暗闇のような髪色と瞳...そう、彼女の髪と瞳は黒かった。そして彼女は他の天使とは異なり、肩下まで伸びた髪は強い巻き髪であった。
「...なに?」
彼女の方から口を開いた。
「先ほど天使に選ばれたんですけど、部屋とか、色々...が分からなくて、とりあえず近くの部屋を叩いてみたんです。」
「さっき天使になったばかりね...誰に選ばれたというの?たしかに見目は優れているようだけど、ここに合っているように思えない。」
それはフィリアを選んだ人のセンスを侮辱してる発言に聞こえるが。
「えっと、...アンセル様です。」
「なっ...アンセル様!?アンセル様が?アンセル様があなたを?」
早速、アンセルの名前を使ってしまった。
彼女は驚き、疑い、先ほどよりもじっくりとフィリアの足先から頭の先まで目線を流す。
「ーーーサーシャよ。」
「フィリアです!」
「天使は基本2人で1つの部屋を使うのだけれど、今は私だけ1人部屋だから、あなたもここを使って。天使のお仕事についても私が流れで教えてあげる。」
「あ、ありがとうございます。」
「とりあえず私についてきて。」
「ど、どこに行くんですか?」
「今は夜、夜は天使の活動時間よ。」
じゃあ今から男とヤりにいくっていうのか!?
【こちらの機能はロックがかけられています。】
ピコン、ピコン、ピコン、一度で懲りずに何度も試してみるが、同じメッセージが重ねられていくだけだった。
デバッグで入ったことを忘れ、俺はこのゲームに夢中になってしまった。何時間?か分からないが、もう少し小分けプレイだったらこんなことにならなかったのかと、たらればの思考で気分が落ち込んでしまう。
しかも今回、最悪なことに前回とは違って誰かに退出ボタンを押してもらうのは無理な気がする...。
あれはそう...牢屋に閉じ込められる前だ、なにかが起きて、俺は牢屋に閉じ込められていた。
フルダイブの機能で、プレイヤーの意識を奪うなんてことは安全面のリスクであるはずがない。いくら現実のようなゲームでもそれはできない、だから気絶は暗転になる。
それなのにあの時、俺はガチで気を失っていた。そう、あの瞬間...むしろあの瞬間しかない、外から退出ボタンを押され、会社の機体からどこか別の機体に移された可能性がある。正直そんな方法があり得るのか分からないが、会社の機体でこんなに長くプレイ出来るわけがない。
……そんな大がかりなことしてまで、俺をゲームに閉じ込めるのはなんなんだ?
「ここからが天使の住まうエリアとなります。この先は男子禁制となりますので、俺はここで失礼します。どこかの部屋をノックして、応じた天使に聞いてみてください。」
このエリアが彼女たちの唯一の休める場所か。
「あまりお勧めはしませんが、困ったらアンセル様の名前を出されるといいかもしれません。」
「わかったわ、案内ありがとうございます。」
衛兵はスッと頭を下げてから、こちらに背を向けて歩き出した。
騎士アンセルか。そもそも前回は騎士アンセルと城門の前で会わなかった、アンセルとはパーティー当日に見かけた程度だ...それが今はなんだ?天使に選んだのが騎士アンセルだって?話が変わりすぎだろ。...いや俺が変わったのか...。
なにしろ前回、俺はほとんど声を出さない天使の微笑みモード(ほぼ無言)で衛兵と喋った結果、衛兵が俺...というか、フィリアに落ちた。衛兵とはいえ、騎士でもある衛兵に天使として選ばれ、今みたいに案内されたというわけだ。
この先の展開はなんとなく分かってるつもりだ。
この天使エリアに入ってすぐの部屋、そこに前回お世話になった天使サーシャが住んでいる。
「コンコン」ノックをすると、すぐに中から扉が動き出す。ゆっくりと、こちらの様子を伺うように扉が開かれていく。
「……?」
隙間から、こちらを品定めするような眼差しが向けられる。
こちらからも彼女が視界に映り、...明かりのない部屋に溶け込む彼女、その暗闇のような髪色と瞳...そう、彼女の髪と瞳は黒かった。そして彼女は他の天使とは異なり、肩下まで伸びた髪は強い巻き髪であった。
「...なに?」
彼女の方から口を開いた。
「先ほど天使に選ばれたんですけど、部屋とか、色々...が分からなくて、とりあえず近くの部屋を叩いてみたんです。」
「さっき天使になったばかりね...誰に選ばれたというの?たしかに見目は優れているようだけど、ここに合っているように思えない。」
それはフィリアを選んだ人のセンスを侮辱してる発言に聞こえるが。
「えっと、...アンセル様です。」
「なっ...アンセル様!?アンセル様が?アンセル様があなたを?」
早速、アンセルの名前を使ってしまった。
彼女は驚き、疑い、先ほどよりもじっくりとフィリアの足先から頭の先まで目線を流す。
「ーーーサーシャよ。」
「フィリアです!」
「天使は基本2人で1つの部屋を使うのだけれど、今は私だけ1人部屋だから、あなたもここを使って。天使のお仕事についても私が流れで教えてあげる。」
「あ、ありがとうございます。」
「とりあえず私についてきて。」
「ど、どこに行くんですか?」
「今は夜、夜は天使の活動時間よ。」
じゃあ今から男とヤりにいくっていうのか!?
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