剣も魔法も使えない【黒蝶少女】は、異世界に来ても無双する?

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SS バタフライシスターズの慰安旅行

水着パーティー(いもうと編)

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「うん、みんな可愛いねっ! 似合ってるよっ!」

 それぞれに、カラフルなに着替えたみんなを見て称賛の声を上げる。

「「「うう~~~~っ」」」

 そんなみんなはお互いを見やり、頬を赤く染め、体をモジモジと揺らしていた。
 きっと着慣れてなくて、恥ずかしいのだろう。


 そんな艶やかな、みんなの水着は――――


 第一のコース。

 最近、お肉が付き始めてちょっと悩んでいるユーア。
 
「ボ、ボク、こんなにお外でお腹出すの、初めて、かも……」

 胸に手を当て、ちょっと自信なさげなユーア。 
 そんな一番の妹の水着は、というと……

 ビキニ型で、胸の部分はピンクのリボンと花柄になっている。
 下は同じ色のフリルスカートになっていて、こっちも花柄になっている。

『うう、こ、これは…… ゴクリ』

 白い肌にピンクが映えて、肌の白さを更に引き出している。
 それに、紅潮して涙目なのもポイント高い。

 思わず抱きしめて、もっと赤くしたいと陵虐心が芽生えそうだ。
 まぁ、そんな事したら後が恐いからやらないけど。

「ユーアがロリ可愛くて、お姉ちゃん嬉しいよぉ~っ!」
「あ、ありがとうねっ! スミカお姉ちゃんっ! えへへ~」


 第二のコース。

 普段着のチョイスが謎過ぎる、106歳でも幼女なナジメ。

「ううむ、これはこれで中々着心地がいいのぉ。ちと、布地が足らないようじゃが」

 他のシスターズとは違い、水着の方に興味津々なナジメ。
 元々外でも着慣れているからか、その態度はいつもと変わらなかった。

 そんなナジメもユーアと一緒でビキニタイプだ。
 ただどちらかというと、体にぴったりとフィットしてる三角タイプ。

 胸の部分は△の形で、上下ともナジメの髪の色の青緑色のストライプ柄。

『うんっ! これもちょっと背伸びした感じでいいねっ!』

 無邪気なナジメの雰囲気と相まって、逆に大人な感じのギャップが素晴らしい。

「ナジメっ! 本当に100歳なの? 6歳ぐらいに見えて可愛いよぉっ!」
「ね、ねぇねっ!? それは褒めているのかわからないのじゃっ!」


 第三のコース。
 
 初対面で私にペッタンコとの妄言を吐いて、怒りを買った事があるラブナ。

「ま、まぁ、アタシは何着ても似合うから、み、水着でも気にならないわっ!」 

 独りだけ仁王立ちで胸を張り、何やら自信ありげなご様子。

 ただ、その言葉とは裏腹に、仁王立ちでありながら内股だ。
 何だかんだ言ってても恥ずかしいらしい。口元もヒクついてるし。

 そんなラブナの水着は片方の肩のみ露出した、ワンショルダーのビキニタイプ。
 上下とも白と赤のモザイク柄で、アダルトな感じのものだ。

『うん、大人と子供との間の、微妙な年齢だから、これはこれで…… うっ!』

 子供じゃないっ!? 大人……………… だとっ!?

 ラブナの胸部ランクを目の当たりにし絶句する。
 服の上から分析した以上に、たわわに実っていたその膨らみに。

「このペテン師っ! 嘘つきっ! でも似合ってるっ!」
「はぁっ!? 何が嘘つきなのよっ! スミ姉っ!」


 第四のコース。

 不在。 


「それじゃ、着替えも終わったし、魔法でスライダーも作ったから、みんなで遊んできなよ。日暮れにはまだ時間あるしね。私は見張りでもしてるからさ」

「「「えっ!?」」」

 それぞれの水着姿も堪能したので、みんなにはそう提案する。

 因みに、みんなの水着は私が用意し、
 それぞれに似合いそうなものを見繕って配ったものだ。
 
 アイテムボックスの肥やしになっていた、記念日系の衣装の。

 これは毎年、8月14日の『水着の日』限定で入手できる衣装で、
 装備の上からでも装着できる代物だ。

 要は、見た目だけを変更できるネタ装備と呼ばれるもの。

 なんだけど、みんなにはそんな事を伝えないで、透明壁スキルで作った更衣室で生着替えしてもらった。だって、服の上から水着なんてシラケちゃうからね。


「じゃ、私はキューちゃんと遊んでるから、何かあったら――――」

「あ、あのぉ~ お、お姉さま? 私たちには何もないのですか……」
「お、お姉ぇっ! 待ってくれよぉ~っ!」

「………………な、なに?」

 みんなを見送って、椅子に戻ろうとしたところで呼び止められる。
 その二人を見て、上擦った声で返してしまう。

 なにせそこには、水着選びに姉妹がいるからだ。


『くっ! なんでこんな事に……』

 露出を減らそうと選んだはずのスクール水着タイプが、逆に……

「あ、あの、お姉さま? これはもっと大きなものはないのでしょうか?……」
「うう、なんで、こんなにキツイんだ~っ!」

 そんな二人は肌を隠そうと、しきりに胸元やお尻部分の生地を引っ張っている。

 上を引っ張れば、お尻の一部が、下を引っ張れば、今度は胸元が露出する。
 そんな嬉し恥ずかしの無限ループを繰り返していた。


『これは、絶対におかしいってっ! だってこの衣装は、サイズ変更機能が付いてるんだよ? なんでナゴタとゴナタには調整しないのっ!? 壊れちゃったの?』

 艶めかしい、と言うか、エロいと言うか、色々と目のやり場に困る。

 華奢な体つきで低身長の割に、女性特有の部分だけが、発達している姉妹を見て。

『ううう、世の中不公平だよっ! 私だって、努力してるのに……』

 ラブナは脱いだら予想以上だし、
 姉妹は調整機能が限界突破して、今にもはち切れそうだし。

 一体、なにが違うと言うのだろう……


 ツンツン

「スミカお姉ちゃん?」
「ん? どうしたの、ユーア」

 脇腹をつつき、私を呼ぶユーア。

「あのね、ナゴタさんとゴナタさんも、スミカお姉ちゃんから褒めて欲しいみたいなんだよ? だからよく見てあげて下さいね?」

「え?」

 傷心気味な私に、更に傷口に塩を塗ってくる、我が愛しの妹。

『うう~~』


 第四のコース。

 またまたランクアップしそうな、双子姉妹のナゴタとゴナタ。

「うう、生地の面積は多いのですが、色々と見えそうで、不安です……」
「あ、ナゴ姉ちゃんっ! お尻半分見えてるぞっ!」

 そんな破廉恥な二人の水着は、さっき説明したスクール水着タイプ。
 ただ、ナジメの普段着の旧型タイプではなく、競泳水着に近い物だ。


「あ~、え~と……、う~ん……」

 並んだ姉妹のスク水姿を見て、正直、言葉が出て来ない。
 いや、正確には考えてはいるけど、それを言っていいのかわからない。


「もう、スミカお姉ちゃんっ! ナゴタとゴナタさん、待ってるよっ!」
「うぇっ!? わ、わかったから」

 言葉に詰まっていると、業を煮やしたユーアに怒られてしまう。

『うう~、ユーアが怖い、なら早く終わらせようっ!』

 だったら仕方ない。
 嘘偽りなく、思った事を二人には伝えよう。


「エ、エロスっ!」

 なので、素直な感想を一言だけで伝えた。

「え? 『えろす』ってなんでしょうか? お姉さま」
「どこかの国の言葉かい? スミ姉ぇ?」

 ただし、幸か不幸か、そんな二人には伝わらなかった。


「そ、それじゃ、私は戻るからみんなで楽しんできなよっ!」

 これ以上要求されても困るので、逃げるように椅子に座る。

 すると、

「ダメだよ、スミカお姉ちゃんも水着にならないと」
「え?」

「そうよっ! アタシはスミ姉のも見たい…… じゃなくてズルいのよっ!」
「ズルいって、何でっ!?」

「そ、そうですよ、わ、私もお姉さまの照れるお姿を拝見…… ではなくっ!」
「お姉ぇもみんなと遊ぼうよっ! 可愛い水着着てさっ!」
「拝見っ!? 私も遊ぶのっ!?」

「ねぇね、見張りはハラミがしてくれるのじゃっ! じゃから着替えるのじゃっ!」
『わうっ!』
「マジでっ!?」

 シスターズ全員に囲まれて、水着になれとせがまれてしまう。
 そしてグイグイと手や足やらを引っ張られる。


「ちょ、危ないからっ! もう、わかったからっ! なら、私は装備の形を変えてそれっぽくするから、それでいいよねっ!?」

 今にも簡易更衣室に、強制的に運ばれそうな、私。
 なので、妥協案として『変態』での形状変更での提案をする。


「それじゃ、ダメだよぉ、スミカお姉ちゃん。みんなで同じの着ようよぉ~」

 すると、それを聞いたユーアが縋るよう目で懇願してくる。
 ちょっとだけ涙目だ。

「わ、わかったから、ユーアも泣かないでっ! お姉ちゃん困っちゃうからっ!」

 そんなユーアを宥めながら、着替える事を了承する。

『うう~』

 だって、ユーアにあんな風にお願いされたら、断れないんだもん。
 お姉ちゃんは、妹の涙とお願いには弱いのだ。

「それじゃ、着替えてくるから、先に準備運動してて待っててよ」

「「「はいっ!!!」」」

 そう言い残し、簡易更衣室の中に入る。


「うう~、何となく予想はしてたけど、やっぱりこうなったかぁ。発案者が着替えないのはおかしいもんね。やっぱり……」

 独りぼやきながら、アイテムボックスの中身を確認する。

「あれ? 可愛いのはみんなに配ったので、最後だったのかぁ。他には何かあったかな? 早くしないとまたユーアに泣かれちゃいそうだし…… あ、あったっ! え? でもこれって――――」

 最後の1着を出して固まる。

 確かに水着の日限定の衣装なんだけど、これはさすがに……


((スミカお姉ちゃん~っ! みんな待ってるよぉ~っ! 早く~っ!))

 着替えるのに躊躇していると、外のユーアから催促される。

「くっ! ああ、もうっ! どうにでもなれっ!」

 バババッっと着替えて、簡易更衣室のスキルを解除して、みんなの前に姿を現す。

「「「………………」」」

 そんなみんなは私の姿を凝視しながら、口を開け硬直している。


『ううう~っ! 誰だこれを水着ってカテゴリーに振り分けた奴はっ! こんなの着たらただの変態じゃんっ! これ絶対に水着じゃないってっ!』

 みんなの痛い視線を浴びながら、知らない運営の誰かを呪った。

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