剣も魔法も使えない【黒蝶少女】は、異世界に来ても無双する?

べるの

文字の大きさ
上 下
63 / 586
第6蝶 冒険者ギルド騒乱編

SS美少女×少女×幼女=お風呂?

しおりを挟む

 今回は本編より少し離れたお話です。


 大豆工房サリューの一人娘のメルウちゃん(9)が、
 父にお使いを頼まれて、澄香たちの所に商品を届けに行きます。

 そこで見たものと、幼い少女が体験した、ある出来事とは…………


 ※少女同士のいちゃいちゃがあります。
 ※少し性的な表現があります。

 いずれも苦手な方は、ご遠慮くださいますようお願いいたします。





「おうっ! メルウ、悪いが、これをスミカさんたちに届けてくれねえかぁ?」

 今日も大繁盛だった、お父さんのお店の『大豆屋工房サリュー』
 スミカお姉さんとユーアお姉さんに助けてもらってから、ずっと忙しいの。
 
「はいなのっ!」

 その一人娘のわたしメルウは、
 お店のお片付けをしていると、お父さんにお願いされたの。


「メルウは確か、スミカさんたちが何処に住んでいるかわかるんだろう? 毎回取りに来てもらうのも悪いから、今日は届けてやりたいと思ってな」

「うん、いいの。それじゃこれから行ってくるの。帰りは暗くなちゃうかもだから、先にご飯は食べててなの。もしかしたら、またご馳走になっちゃうかもだから」

「おうっ! わかった、よろしくなっ!」
「うん」

 片付けをお父さんに任せて、わたしはお店を後にしたの。


「スミカお姉さんも、ユーアお姉さんも、喜んでくれるかな? わたしがいきなり来てびっくりしないかなっ!」

 ここから、街のはずれのスミカお姉さんの家までは10分くらいなの。
 ガラガラとお味噌の乗ってる台車を引きながら、ニヤニヤしちゃうの。

「♪♪」

 だっていきなり行って、驚く二人のお姉さんの顔を見るのが楽しみなんだもん。


 それが、あんな事になるなんて――――







「ユーア、もうお風呂入っちゃおうか?」

 私たちは一つの依頼を終えて、レストエリアに帰ってきて早々にそう声を掛けた。
 私は装備のせいで大丈夫だったけど、ユーアの髪の毛も手足も汚れていたからだ。

「うん、スミカお姉ちゃんっ!!」

 ユーアはそのままの格好で、タタタっと洗面所に向かって駆けていく。

「ちょっと、ユーア。汚れが家の中に落ちちゃうから、走らないでっ!」

 そう注意しながら、私もユーアの後を追って駆けていく。


――――

「ほうら、捕まえたっ!」

 ギュッ

「きゃっ!?」

 洗面所に先に行ったユーアが、ちょうど服を捲り上げて、顔で引っ掛かっているタイミングで、その白く小さい上半身に抱き着く。


「もう、スミカお姉ちゃんっ! くすぐったいよぉ~っ!」

 そんな可愛らしい声を上げるユーアに、私は更に、

「むふふっ。スベスベでツルツルだねっ! さすが若い体はいいねえっ!」

 胸やお腹に顔をべったりと付けて、ユーアの体の温もりを堪能していく。



※※


「さあ、着いたの。ここなの。あれれ?」


 孤児院の裏の雑木林に着いたわたしは、いつもと違う様子に驚くの。
 いつもは見えない筈のお家が見えたからなの。


「あれ? 今日はなんで隠れてないの。忘れちゃったのかな?」
 
 普段なら声を掛けて家の中に入れてもらうのに…… 
 なんでだろう?


「とりあえず、荷物を持っていくのっ!」

 荷台から小さい壺に入ったお味噌を持って、お家に近付くの。


 すると今度は――――


「あれ? 今度は扉も空いてるの? でもスミカお姉さん、わたしは『登録』したって言ってたから大丈夫なの」

 お味噌の入った壺を抱えて、家の中に入っていくの。


「本当に不思議な家なの。見たことないものが一杯あるの」

 明るい家の中を見渡しながら歩いていくの。

 白い冷える箱や、お水が出る鉄の筒。
 火が無くてもお料理が出来るテーブル。

 本当に不思議なものがたくさんあるの。
 

((もう、スミカお姉ちゃんっ!))
((ここか、ここがええのんかぁ?))


 なんて、キョロキョロと色んなものを見ていると、奥の部屋から声が聞こえたの。


「あっ! この声はスミカお姉さんとユーアお姉さんなのっ!」

 二人の声が聞こえた部屋に向かって行くの。
 
 
 そこには――――


「く、くふふっ、スミカお姉ちゃんっ! もう前が見えないよぉ! そ、それにくすぐったいよぉ~! あははっ!」

 素晴らしい反応を見せるユーア。

『うふふ』

 そんなユーアの反応が、面白&可愛くて、更に意地悪したくなる。

「はぁ、はぁ、ここか? ここがええのんかぁっ~」
「あははっ! もうやめてよ、スミカお姉ちゃんっ! じゃないとボク―――」
「ん?」
「ボ、ボクも仕返しするぞっ!」
「えっ!?」

 ユーアは頭に引っ掛かっていた服を脱ぎ棄て、私の服を捲り上げる。
 しかもちょうど顔の辺りで止めるから、まるで目隠しされてるみたいだ。


「ちょ、ユーアっ! 前が見えないし危ないっ! このぉ~っ! 今度は私の番だっ!」

 途中で引っ掛かっていた服を、無理やり脱ぎすて攻勢にでる。

「え、スミカお姉ちゃんだけずるいっ! 次はボクの番だったよっ!」
「ふふふ、甘い甘い。戦場ではやるかやられるかだからねっ!」

 そう、意味不明な事を言って、今度は両手を使ってサワサワする。


「ほら、脇でしょう? ユーアの弱い所は。もう降参したら?」

 小さく細い体のいたるところをムニムニサワサワしていく。
 特に脇は弱点だから念入りに。


「ぎゃははははっ! ス、スミカお姉ちゃんっ! ボク、わきはぁ!」
「参ったかっ! 弱点を責めるのは戦闘の基本だからね。さあ、お姉ちゃんに参ったしなさい」
「ボ、ボクだって、いつも負けてばかりじゃっ!」

 ユーアは半狂乱になりながらも、それでも手を伸ばし反撃してくる。

「えっ!? ちょ、ユーア、そこはダメだよ~っ! わきゃぁ~っ!」

 予想もしなかった反撃に、私は思わず変な声を上げてしまう。


 そ、そこは~~~~っ!!


「な、なにしてるの? 二人とも……」

 ピタッ

「えっ!?」
「はっ!?」

 突然聞こえた第三者の声に、私とユーアは正気に戻る。
 するとそこにいたのは、メルウちゃんだった。


「ね、ねえ。スミカお姉ちゃんとユーアお姉さんは何してるの?」

「~~~~~~っ!?」
「…………お風呂だよ」
「え?」

 ユーアが驚いて固まってるので、私がメルウちゃんに答える。


「お、お風呂入ろうと服を脱がしてただけだよ? それよりメルウちゃんは?」
「二人とも服は脱げてたの。でも裸でくっついてたの。なんでなの?」
「な、なんでって、それは――――」

「メルウちゃん聞いてっ! あのね、スミカお姉ちゃんがっ!」
「あ、ちょっとユーアっ! そんな事他の人に言ったら、私が変な人に…………」
 
 思われるじゃない。

 と、言いたかったがやめた。
 これ以上の言い訳しても埒が明かないからだ。

『み、見られたものは仕方ない。ならメルウちゃんもいっその事…………』


 同罪にしてやろう。


 私はそう決断し、両手をわきわきさせながら近づいていく。

 グフフ――――


「ちょ、スミカお姉さんっ! 目が怖いのっ! それにその手はなんなのっ!」

 悪い笑みを浮かべる私を見て、涙目で後ずさりする。
 私はジリジリと追い詰めていく。

「あっ!」

 扉にぶつかり、短い悲鳴を上げるメルウちゃん。
 そもそも私から逃げられるはずがない。


「ひゃははっ! お前もやっちまうぜっ! 覚悟しろやぁっ!」
「きゃぁっ!」

 動きの止まったメルウちゃんに接近し、服を剥ぎ取り、
 そしてひょいと持ち上げてお風呂場に連れ込む。

「あ、あれ~っ! やめてなのっ! 服を脱がせないでなのぉ! こ、今度はどこいくのっ! ちょっと濡らさないでなのぉっ!」

 お湯をかけられ、悲鳴を上げるメルウちゃんを見て、ユーアに目配せする。

 するとユーアはコクンと頷き、メルウちゃんに近付き、 

「メルウちゃん、ここ気持ちいいよね? ボクもやってもらうの好きなんだっ! だからボクがスミカお姉ちゃんの代わりにしてあげるねっ!」

 私の期待通りに、メルウちゃんを襲うユーア。
 姉妹だけあって、意思疎通はお手の物だ。


「なんでユーアお姉さんもっ! あ、そこはダメなのっ! スミカお姉さんもっ!」

「メルウ、観念して力抜きなよ。すぐに終わるから」
「そうだよ、メルウちゃん。この後で生まれ変わるからね」

「ああんっ!?」

「よしっ! 次にユーアは上を頼むよ。私は下から攻めるから」
「うんっわかった、スミカお姉ちゃんっ! 上は任せてっ!」

 更なる追撃の指示にもユーアもノリノリだった。
 きっとメルウちゃんの反応に楽しくなってきたんだろう。

 そんな私たち姉妹の攻撃に、涙目のメルウちゃんは……


「い、いや~っ! こんなのっはじめてなのぉ! わたしの体がわたしじゃないみたいなのぉ~~~~!」

 歓喜にも絶叫にも似た悲鳴を上げるのだった。


「ふふんっ!」
 よし、これで同罪だっ!





「ふわぁ~~ なの」

 わたしは生まれ変わったの。
 お姉さん二人に隅々まで洗われて。

 全身が、つやつや、ぴかぴか、さらさらになっていたの。
 本当に生まれ変わったかのようだったの。


「す、凄いの、こんなにすべすべなの。初めてなの…………」

 自分の腕や足に触ってそう感動したの。
 髪も信じられないぐらいさらさらだったの。


「ねえ、だから言ったでしょ? メルウちゃん。スミカお姉ちゃんの、しゃんぷーや、ぼでぃそーぷは凄いんだよっ! ボクもやってもらってるからねっ!」
「更に可愛くなったね。もうお客さんが黙っていないよ」

 驚いているわたしに、二人のお姉さんにそう言ってくれたの。
 
 だから、

「ありがとうなのっ! これもスミカお姉さんとユーアお姉さんのおかげなのっ! もう癖になっちゃうのっ!」

 玄関先まで送ってくれたお姉さんにお礼を言うの。
 しかも美味しいご飯までご馳走してくれたの。

「ならいつでもいいから、また来なよ。更に綺麗にしてあげるから」
「うん、ボクもまた頑張るね、メルウちゃんっ!」

「それじゃ、お味噌はここに置いて行くの。また来るのっ!」

「またね、メルウちゃん!」
「今度はお店に行くよ。マズナさんにもよろしく言っておいて」

「はいなのっ!」

 そうしてわたしは二人のお姉さんと別れたの。


――

「ご飯もごちそうになって、遅くなっちゃったの」

 お父さん心配してるかもとも思い、少し急いで家に向かうの。


「おうっ! 帰ったかメルウよ。配達ありがとなっ! んん? なんかいい匂いしないか? それに全身綺麗になってねえか? スミカさんの所で何かあったのか?」

「え?」

 帰って来たわたしを見て、ちょっと驚いてるお父さん。
 不思議そうな顔でわたしを見てるの。


 そんなお父さんに、訳を話そうとするんだけど――――


「う、ううん、なんでもないの。ご飯は食べてきたから、だ、大丈夫なの」
「そうか? なんか顔も赤いが平気なのか?」
「は、走ってきたから、それでだと思うの。大丈夫なのっ!」
「う~ん、ならいいんだが……」
「それじゃ、明日も早いから、わたしは寝るのっ! お休みなさいなの」
「お、おうっ!」

 首を傾げるお父さんにそう言って、急いで自分の部屋に入るの。

 だって本当の事を話したかったけど、

「うう~」

 あの事を思い出すと、顔が熱くなって、なんか恥ずかしくて言えなかったんだもん。きれいになったのに、なぜかイケない事をしたみたいで。

 それでも、

「次の配達はいつになるのかなっ!」

 さっき会ったばかりなのにもう楽しみにしてるの。

 だってまた二人のお姉さんにきれいにして欲しいから。

しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

今さら言われても・・・私は趣味に生きてますので

sherry
ファンタジー
ある日森に置き去りにされた少女はひょんな事から自分が前世の記憶を持ち、この世界に生まれ変わったことを思い出す。 早々に今世の家族に見切りをつけた少女は色んな出会いもあり、周りに呆れられながらも成長していく。 なのに・・・今更そんなこと言われても・・・出来ればそのまま放置しといてくれません?私は私で気楽にやってますので。 ※魔法と剣の世界です。 ※所々ご都合設定かもしれません。初ジャンルなので、暖かく見守っていただけたら幸いです。

魅了が解けた貴男から私へ

砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。 彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。 そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。 しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。 男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。 元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。 しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。 三話完結です。

前世の記憶さん。こんにちは。

満月
ファンタジー
断罪中に前世の記憶を思い出し主人公が、ハチャメチャな魔法とスキルを活かして、人生を全力で楽しむ話。 周りはそんな主人公をあたたかく見守り、時には被害を被り···それでも皆主人公が大好きです。 主に前半は冒険をしたり、料理を作ったりと楽しく過ごしています。時折シリアスになりますが、基本的に笑える内容になっています。 恋愛は当分先に入れる予定です。 主人公は今までの時間を取り戻すかのように人生を楽しみます!もちろんこの話はハッピーエンドです! 小説になろう様にも掲載しています。

5歳で前世の記憶が混入してきた  --スキルや知識を手に入れましたが、なんで中身入ってるんですか?--

ばふぉりん
ファンタジー
 「啞"?!@#&〆々☆¥$€%????」   〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  五歳の誕生日を迎えた男の子は家族から捨てられた。理由は 「お前は我が家の恥だ!占星の儀で訳の分からないスキルを貰って、しかも使い方がわからない?これ以上お前を育てる義務も義理もないわ!」    この世界では五歳の誕生日に教会で『占星の儀』というスキルを授かることができ、そのスキルによってその後の人生が決まるといっても過言では無い。  剣聖 聖女 影朧といった上位スキルから、剣士 闘士 弓手といった一般的なスキル、そして家事 農耕 牧畜といったもうそれスキルじゃないよね?といったものまで。  そんな中、この五歳児が得たスキルは  □□□□  もはや文字ですら無かった ~~~~~~~~~~~~~~~~~  本文中に顔文字を使用しますので、できれば横読み推奨します。  本作中のいかなる個人・団体名は実在するものとは一切関係ありません。  

追放された引きこもり聖女は女神様の加護で快適な旅を満喫中

四馬㋟
ファンタジー
幸福をもたらす聖女として民に崇められ、何不自由のない暮らしを送るアネーシャ。19歳になった年、本物の聖女が現れたという理由で神殿を追い出されてしまう。しかし月の女神の姿を見、声を聞くことができるアネーシャは、正真正銘本物の聖女で――孤児院育ちゆえに頼るあてもなく、途方に暮れるアネーシャに、女神は告げる。『大丈夫大丈夫、あたしがついてるから』「……軽っ」かくして、女二人のぶらり旅……もとい巡礼の旅が始まる。

婚約破棄された上に国外追放された聖女はチート級冒険者として生きていきます~私を追放した王国が大変なことになっている?へぇ、そうですか~

夏芽空
ファンタジー
無茶な仕事量を押し付けられる日々に、聖女マリアはすっかり嫌気が指していた。 「聖女なんてやってられないわよ!」 勢いで聖女の杖を叩きつけるが、跳ね返ってきた杖の先端がマリアの顎にクリーンヒット。 そのまま意識を失う。 意識を失ったマリアは、暗闇の中で前世の記憶を思い出した。 そのことがきっかけで、マリアは強い相手との戦いを望むようになる。 そしてさらには、チート級の力を手に入れる。 目を覚ましたマリアは、婚約者である第一王子から婚約破棄&国外追放を命じられた。 その言葉に、マリアは大歓喜。 (国外追放されれば、聖女という辛いだけの役目から解放されるわ!) そんな訳で、大はしゃぎで国を出ていくのだった。 外の世界で冒険者という存在を知ったマリアは、『強い相手と戦いたい』という前世の自分の願いを叶えるべく自らも冒険者となり、チート級の力を使って、順調にのし上がっていく。 一方、マリアを追放した王国は、その軽率な行いのせいで異常事態が発生していた……。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

処理中です...