剣も魔法も使えない【黒蝶少女】は、異世界に来ても無双する?

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第6蝶 冒険者ギルド騒乱編

SSボクっ娘少女は見た!お姉ちゃんの悩み?

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 ※今回は本編とはあまり関係ない、ユーア視点のお話です。



 ボクと一緒にいるスミカお姉ちゃんは凄いですっ!
 

 ボクより3つ歳上で、少し背が大きいだけなのにランクCの冒険者です。
 それも冒険者に登録して、最初からCランクなんて聞いたことありません。


 そして、あんなに強いのに毎日自分をいます。



 今日もスミカお姉ちゃんとお風呂から上がったら鍛錬を始めます。

『ん~~っ!』

 お布団の上に座って、両手の手の平を胸の前に合わせて肘を上げます。
 そのお祈りをしているポーズを何回か繰り返します。

『い~ち、に~い、さ~ん――――』

 そして、次に腕立て伏せをやります。
 ただ膝は床に付けて、スネから下は上にあげます。

 ちょっと変わった腕立て伏せです。


 ボクも強くなるために、その運動を真似してやってみたら、

『ユ、ユーアにはまだ早いから、もう少したってからねっ!』
「えっ? 早いの?」

 なぜかそう言われちゃいました。

 ボクもスミカお姉ちゃんみたいに鍛えて強くなりたかったのに。
 だけどそう言われちゃったのでボクは諦めます。



 ある日、

「ねえ、ユーア。メルウちゃんのとこの大豆食品まだできない?」

 夜のご飯を食べてる時に、ボクに聞いてきました。


「えっ? だってスミカお姉ちゃんが持ってたのも全部使っちゃったんですよね? マズナさんはもうちょっと時間かかるって言ってましたよ?」

「うん、そうなんだけどね………… はぁ」

 スミカお姉ちゃんは、メルウちゃんのところの大豆食品が食べられなくて落ち込んでいるみたいです。

 よっぽど大豆の食べ物が大好きなんだと思います。





「う~ん」

 ボクは伸びをして、今日もいつものように目を覚まします。
 まだちょっと暗いです。

 そして、まだ起きていないスミカお姉ちゃんを起こすのがボクの楽しみです。いつも自信満々でカッコいいスミカお姉ちゃんが、朝は寝ぼけているのが面白いのです。

 早起きしたのでスミカお姉ちゃんを起こそうとするんだけど、

「あれ?」

 もうスミカお姉ちゃんは、お布団にいなかったです。
 でもこういう時は、お風呂を先に入っていることが多いです。


「じゃ、ボクもっ!」

 なのでスミカお姉ちゃんと一緒に入ろうと思ってお風呂場に向かいます。

 トテテ

「スミカお姉ちゃん…… いたっ!』


 スミカお姉ちゃんを見つけました。
 お風呂場の前の鏡のある部屋で裸になっていました。

『きれいだなぁ、スミカお姉ちゃん……』

 開いた扉から見える、黒くて長い髪も、真っ白な肌も。
 そして、細い腰も小さなお胸も丸いお尻も、みんなみんなきれいでした。


 そんなスミカお姉ちゃんは、鏡に向かって横になってみたり、両腕を頭の上に乗せて、くるっと回ってみたりもして、自分の裸を見ているようです。

 そして、お胸の周りを丁寧に「グイグイ」と揉んでいます。
 そして鏡を見て、今度は「はぁ」とため息をついています。

 何かのマッサージでしょうか?


「スミカお姉ちゃんっ!」

 ボクはスミカお姉ちゃんに声を掛けます。
 髪の毛が濡れていなかったから、もしかしてお風呂はまだかも。と思って。

「ユ、ユーアっ!?」

 ちょっと驚いてスミカお姉ちゃんは振り向きます。

「ど、どうしたの?」

「起きたらスミカお姉ちゃんいなかったから、お風呂かなぁ、と思って」
 そして「もう、あがっちゃった?」とボクは聞いてみます。

「まだ入ってないよ。だから一緒に入ろうか?」
「うんっ!」

 そう言って優しくパジャマを脱がしてくれます。

「ちょっとユーア。もう少し腕を上げて? それじゃ脱がせられないから。って、もしかしてわざと? もう、そういう悪い事をする子は――――」

 いたずらして、少ししか上げていなかった脇の下に手を入れて、

「ひゃっ!?」
「お仕置きしちゃうよぉ!」

 そう言って、笑いながらくすぐってきます。
 でもちょっとだけ悪い顔になっていました。

「ぐふふっ! スミカお姉ちゃんこれじゃ服脱げないよぉ! あははっ!」
「ユーアは悪い子だからもっと反省してもらわないとねっ!」


 スミカお姉ちゃんは、そうやってボクに意地悪をする時があります。
 でもそんなスミカお姉ちゃんは、誰よりも強くて優しくてカッコいいです。

 だからボクもスミカお姉ちゃんみたいになりたいですっ!
 憧れのスミカお姉ちゃんみたく強くなるんですっ!




 ※スミカがやっていた運動は鍛錬ではなく
 『バストアップ体操』や『バストアップマッサージ』です。

  大豆食品が欲しいのも、半分くらいそれが目的でした。

  姉には姉の悩みがあるのです。
  胸だけは妹に追い抜かされないように。
 
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