剣も魔法も使えない【黒蝶少女】は、異世界に来ても無双する?

べるの

文字の大きさ
上 下
52 / 586
第6蝶 冒険者ギルド騒乱編

SSボクっ娘少女は見た!お姉ちゃんの悩み?

しおりを挟む

 ※今回は本編とはあまり関係ない、ユーア視点のお話です。



 ボクと一緒にいるスミカお姉ちゃんは凄いですっ!
 

 ボクより3つ歳上で、少し背が大きいだけなのにランクCの冒険者です。
 それも冒険者に登録して、最初からCランクなんて聞いたことありません。


 そして、あんなに強いのに毎日自分をいます。



 今日もスミカお姉ちゃんとお風呂から上がったら鍛錬を始めます。

『ん~~っ!』

 お布団の上に座って、両手の手の平を胸の前に合わせて肘を上げます。
 そのお祈りをしているポーズを何回か繰り返します。

『い~ち、に~い、さ~ん――――』

 そして、次に腕立て伏せをやります。
 ただ膝は床に付けて、スネから下は上にあげます。

 ちょっと変わった腕立て伏せです。


 ボクも強くなるために、その運動を真似してやってみたら、

『ユ、ユーアにはまだ早いから、もう少したってからねっ!』
「えっ? 早いの?」

 なぜかそう言われちゃいました。

 ボクもスミカお姉ちゃんみたいに鍛えて強くなりたかったのに。
 だけどそう言われちゃったのでボクは諦めます。



 ある日、

「ねえ、ユーア。メルウちゃんのとこの大豆食品まだできない?」

 夜のご飯を食べてる時に、ボクに聞いてきました。


「えっ? だってスミカお姉ちゃんが持ってたのも全部使っちゃったんですよね? マズナさんはもうちょっと時間かかるって言ってましたよ?」

「うん、そうなんだけどね………… はぁ」

 スミカお姉ちゃんは、メルウちゃんのところの大豆食品が食べられなくて落ち込んでいるみたいです。

 よっぽど大豆の食べ物が大好きなんだと思います。





「う~ん」

 ボクは伸びをして、今日もいつものように目を覚まします。
 まだちょっと暗いです。

 そして、まだ起きていないスミカお姉ちゃんを起こすのがボクの楽しみです。いつも自信満々でカッコいいスミカお姉ちゃんが、朝は寝ぼけているのが面白いのです。

 早起きしたのでスミカお姉ちゃんを起こそうとするんだけど、

「あれ?」

 もうスミカお姉ちゃんは、お布団にいなかったです。
 でもこういう時は、お風呂を先に入っていることが多いです。


「じゃ、ボクもっ!」

 なのでスミカお姉ちゃんと一緒に入ろうと思ってお風呂場に向かいます。

 トテテ

「スミカお姉ちゃん…… いたっ!』


 スミカお姉ちゃんを見つけました。
 お風呂場の前の鏡のある部屋で裸になっていました。

『きれいだなぁ、スミカお姉ちゃん……』

 開いた扉から見える、黒くて長い髪も、真っ白な肌も。
 そして、細い腰も小さなお胸も丸いお尻も、みんなみんなきれいでした。


 そんなスミカお姉ちゃんは、鏡に向かって横になってみたり、両腕を頭の上に乗せて、くるっと回ってみたりもして、自分の裸を見ているようです。

 そして、お胸の周りを丁寧に「グイグイ」と揉んでいます。
 そして鏡を見て、今度は「はぁ」とため息をついています。

 何かのマッサージでしょうか?


「スミカお姉ちゃんっ!」

 ボクはスミカお姉ちゃんに声を掛けます。
 髪の毛が濡れていなかったから、もしかしてお風呂はまだかも。と思って。

「ユ、ユーアっ!?」

 ちょっと驚いてスミカお姉ちゃんは振り向きます。

「ど、どうしたの?」

「起きたらスミカお姉ちゃんいなかったから、お風呂かなぁ、と思って」
 そして「もう、あがっちゃった?」とボクは聞いてみます。

「まだ入ってないよ。だから一緒に入ろうか?」
「うんっ!」

 そう言って優しくパジャマを脱がしてくれます。

「ちょっとユーア。もう少し腕を上げて? それじゃ脱がせられないから。って、もしかしてわざと? もう、そういう悪い事をする子は――――」

 いたずらして、少ししか上げていなかった脇の下に手を入れて、

「ひゃっ!?」
「お仕置きしちゃうよぉ!」

 そう言って、笑いながらくすぐってきます。
 でもちょっとだけ悪い顔になっていました。

「ぐふふっ! スミカお姉ちゃんこれじゃ服脱げないよぉ! あははっ!」
「ユーアは悪い子だからもっと反省してもらわないとねっ!」


 スミカお姉ちゃんは、そうやってボクに意地悪をする時があります。
 でもそんなスミカお姉ちゃんは、誰よりも強くて優しくてカッコいいです。

 だからボクもスミカお姉ちゃんみたいになりたいですっ!
 憧れのスミカお姉ちゃんみたく強くなるんですっ!




 ※スミカがやっていた運動は鍛錬ではなく
 『バストアップ体操』や『バストアップマッサージ』です。

  大豆食品が欲しいのも、半分くらいそれが目的でした。

  姉には姉の悩みがあるのです。
  胸だけは妹に追い抜かされないように。
 
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

魅了が解けた貴男から私へ

砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。 彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。 そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。 しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。 男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。 元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。 しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。 三話完結です。

追放された引きこもり聖女は女神様の加護で快適な旅を満喫中

四馬㋟
ファンタジー
幸福をもたらす聖女として民に崇められ、何不自由のない暮らしを送るアネーシャ。19歳になった年、本物の聖女が現れたという理由で神殿を追い出されてしまう。しかし月の女神の姿を見、声を聞くことができるアネーシャは、正真正銘本物の聖女で――孤児院育ちゆえに頼るあてもなく、途方に暮れるアネーシャに、女神は告げる。『大丈夫大丈夫、あたしがついてるから』「……軽っ」かくして、女二人のぶらり旅……もとい巡礼の旅が始まる。

今さら言われても・・・私は趣味に生きてますので

sherry
ファンタジー
ある日森に置き去りにされた少女はひょんな事から自分が前世の記憶を持ち、この世界に生まれ変わったことを思い出す。 早々に今世の家族に見切りをつけた少女は色んな出会いもあり、周りに呆れられながらも成長していく。 なのに・・・今更そんなこと言われても・・・出来ればそのまま放置しといてくれません?私は私で気楽にやってますので。 ※魔法と剣の世界です。 ※所々ご都合設定かもしれません。初ジャンルなので、暖かく見守っていただけたら幸いです。

私はもう必要ないらしいので、国を護る秘術を解くことにした〜気づいた頃には、もう遅いですよ?〜

AK
ファンタジー
ランドロール公爵家は、数百年前に王国を大地震の脅威から護った『要の巫女』の子孫として王国に名を残している。 そして15歳になったリシア・ランドロールも一族の慣しに従って『要の巫女』の座を受け継ぐこととなる。 さらに王太子がリシアを婚約者に選んだことで二人は婚約を結ぶことが決定した。 しかし本物の巫女としての力を持っていたのは初代のみで、それ以降はただ形式上の祈りを捧げる名ばかりの巫女ばかりであった。 それ故に時代とともにランドロール公爵家を敬う者は減っていき、遂に王太子アストラはリシアとの婚約破棄を宣言すると共にランドロール家の爵位を剥奪する事を決定してしまう。 だが彼らは知らなかった。リシアこそが初代『要の巫女』の生まれ変わりであり、これから王国で発生する大地震を予兆し鎮めていたと言う事実を。 そして「もう私は必要ないんですよね?」と、そっと術を解き、リシアは国を後にする決意をするのだった。 ※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。

前世の記憶さん。こんにちは。

満月
ファンタジー
断罪中に前世の記憶を思い出し主人公が、ハチャメチャな魔法とスキルを活かして、人生を全力で楽しむ話。 周りはそんな主人公をあたたかく見守り、時には被害を被り···それでも皆主人公が大好きです。 主に前半は冒険をしたり、料理を作ったりと楽しく過ごしています。時折シリアスになりますが、基本的に笑える内容になっています。 恋愛は当分先に入れる予定です。 主人公は今までの時間を取り戻すかのように人生を楽しみます!もちろんこの話はハッピーエンドです! 小説になろう様にも掲載しています。

処理中です...