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03 島田さんの誤解
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今日は朝の六時に起床してしまった。いつもは六時半に起きるのに、今日は三十分早く起きてしまった。だから私は熱いシャワーを浴びて気持ちを切り替えた。
しかし酷い夢だ。ベッドから転げ落ちるという事は、夢の中の行為と同じで自分の体を動かしていた事になる。天野に弄られ、岡本に貫かれて、それでその腰が動いて。
女性だって性欲があるのだからそういう夢を見る事もあるでしょうけれど。リアルすぎるったらない。
肩下まである髪の毛をアップにした首筋にシャワーをかけ、最後に顔全体に浴びる。
「痛っ」
床に着地したおでこが少し擦り剥いていたのでシャワーがしみた。
月曜日。いつもの駅で降り、徒歩十分。下着メーカーに勤めている私は、会社の入っているビルに到着する。一階でエレベーターを待っている間、近くのポスターを展示しているディスプレイケースに目が留まる。
ポスターに目が留まったわけではない。透明のディスプレイケースのガラスに映った自分の姿に目が留まった。比較的過ごしやすい季節になったが、夜は肌寒くなる。私はノースリーブのシャツにカーディガンを羽織る。
その服装が夢で着ていた服装と同じだった事に気がついたので、下着をつけているか思わず腰や胸の辺りを触り確かめてしまった。
まさかの下着をしていないなんて事は……ないわね。よし。
そう思った時、背中をポンと叩かれる。驚いて肩を上げてしまう。
「倉田さーん。おはようございまーす! って驚かせちゃいました?」
振り向くと島田さんがニッコリ笑って立っていた。
ハイビスカスの香りがする。島田さんはギャル系女子だった。日焼けした健康的な肌に、緩く巻いた髪。ギリギリ派手すぎないカールと、ゴテゴテしすぎないネイル。社会人として『よくないわよ』と言われない程度のミニスカートにヒール。
島田さんはサーファー系の天野に夢中な女性だ。
うん。全てがギリギリセーフだ。しかし島田さんはセルフプロデュースが上手い。自分に似合った物を組み合わせている。
「どうしたんすか? 朝っぱらから何だか怖い顔でポスターをジッと見つめて」
白い手入れしている歯を見せて笑う。
若いなぁ朝から爽やかだ。
「おはよう。べ、別に怖い顔で見つめてないわよ」
まさかポスターではなく反射するディスプレイに映る自分の姿を見ていましたとは言えず慌てて視線を逸らした。
そこへエレベーターが到着した。
「さ、行きましょう。逃すと待たないといけないわ」
私は人の波に流されながらエレベーターに乗り込んだ。
「ですよねぇ~はーい。ん?」
後ろから流れてくる人を先に行かせながら、島田さんは何度も目をパチパチさせてポスターを見つめていた。
ピンク色と赤い色のポスターにはこう書かれていた。
「婚活パーティー? へぇ~こういうのに興味あるんだ」
何か島田さんがポスターの前で立ち止まり呟いていた。早くしないと定員オーバーになってしまう。
「島田さん! 早く」
私はエレベーターに乗りながら手招きをする。すると島田さんが軽くスキップをしてニヤニヤしながら駆けて来た。
何故笑うの。最近の若者の行動はわけが分からないわね。ひとまず島田さんが一緒にエレベーターに乗り込んだので溜め息をついた。
二十人近く乗っているエレベーターの扉が閉まり、通勤電車と同じ様にギュウギュウ詰めになる。自然と島田さんと肩を寄せ合う事になった。
すると島田さんが私の耳元で囁く。
「倉田さんも色々大変ッスね」
ハイビスカスの香りがふわりと漂う。私は囁かれた意味が分からず首をかしげる。
「う、うん?」
私は瞳をキョロキョロと動かして、最近の仕事について考える。
大変って何の事だろう。仕事かな。
ああ……もしかして去年私が企画して販売を開始した『ナンテ。カルイブラ』の事かな。売り上げもいいし好調だ。デザインは地味だけれど機能的。それに安価なのも受けている。
今時の女性は普段使いの下着は機能を求めていると思う。だから企画も色々そぎ落として検討したのだ。しかし、デザインを変更した方がもっと売れるのではないかという話が上がっている。元の企画と違う方向に歩き出してしまうのは困る。
とは言うものの、営業の意見なので取り入れて、完成されている物を更にブラッシュアップしていく事になるだろう。
「そ、そうねぇ。確かに難しいわね」
私は小さく呟いた。すると島田さんが囁きながらも力強く驚いていた。
「えっ、倉田さんでも難しいんですか。美人なのに」
「美人? それは関係ないでしょ?」
ブラッシュアップとは全く関係のない話だ。私は首をかしげてしまう。
そんな会話をしていると島田さんが降りるフロアにエレベーターが到着した。島田さんは広報部なので、私のいるフロアより一つ下で降りる。天野と岡本が所属している営業部と同じフロアだ。
「じゃぁ、倉田さん頑張ってください。私は応援していますからね」
島田さんがエレベーターをピョンと降りるなり手を振ってくれた。シルバーのブレスレットが揺れている。
「うん。ありがとう?」
私の企画の仕事を応援してくれているのだろうか。わけが分からず島田さんに手を振りながら、エレベーターのドアが閉まるのを見つめた。
私、島田エリカはエレベーターのドアが閉まっても少しの間手を振っていた。同じフロアに降りた社内の人が皆エレベーターの前から消えてもだ。
人が少なくなったタイミングで私は手を振るのを止めて鞄を右から左にかけ直した。そしてニヤリと笑う。
「どうしちゃったのかなぁ。そんな感じ今まで一度もなかったのに」
私は思わず呟いた。
あの、男性社員に人気の倉田さんが婚活かぁ。
慰安旅行の時、男性と部屋に引き籠もっている様子の倉田さんだったのに。相手は分からないままだったけれども、やはり不倫だったのかしら。その決別の為に婚活をはじめたとか?
しかも倉田さんってこの間の慰安旅行で見たときかなりの巨乳だった。今日は普通のサイズに見えたけれども。どうやってあの乳をしまっているのかな。下着メーカーだから詳しいとはいえあんなに上手く隠せるのね。
倉田さんの美貌とスタイルのよさ、更に隠れ巨乳って男性が放っておくはずない。と、なると婚活も引く手あまた? でもなぁ年齢がなぁ。確か三十代よね。
とは言うものの──
「ふふふ」
こんな面白いネタはない。
ランチタイムに皆と共有しなくては。あ、その前にメールアプリで連絡しておこうかな。思わずスマホを取り出す。
素早く文字を入力して送信ボタンを押そうとしたのだが手を止める。
やはり口頭で伝えたい。だって、驚いた顔が見たいしね。やめておこう。
「んふふふ~あの倉田さんが婚活かぁ~へぇ~やっぱり結婚とかしたいんだぁ意外かもぉ」
私は我慢出来ず小さな声で呟いてしまった。
丁度その時だった。
「え。今何て言った?」
既に出社していた憧れの彼、天野君が私の側を通り過ぎようとしていた。しかし、私の言葉に思わず反応していた。
「天野君じゃん。おっはよ~」
天野君はネイビーのスーツを着ていた。オーダースーツだろう。逆三角形の見事なバランスの体格には市販のスーツでは特に肩の辺りが窮屈で合わないと言っていた。
ラフにまとめた短めの髪。くせ毛風の緩いパーマに、明るめのブラウンの髪。サーファーだから日焼けして髪の毛の色も明るくなったと言っていた。
一見チャラそうだが、着崩していない服装や手の爪を見れば真面目に仕事をしている事が分かる。だって彼はいつも朝一番に出社して調べ物やメールチェックを済ませてしまうのだ。
「あ、おはよう。で? 確か倉……じゃなかった。婚活って聞こえた気がしたんだけど」
天野君が挨拶をする。そして長身を折り曲げる様に私の顔を覗き込む。
少し垂れ気味でブラウンの瞳が細くなった。顔が近づくと天野君の使っている香水、ダージリンの香りがした。
ぎゃー。近い近い、今世紀最大に近い! そして格好いい。何? 何? 何なのマジヤバイ。今日は朝からいい事だらけ。
「えっ? そんな事言ってないよ。気のせいだしぃ~じゃぁね」
私は赤くなった頬を押さえて耐えきれず天野君から離れる。そして、自分が所属する広報部のエリアに急いだ。
朝から嬉しいけれどもあんなに近づかれると心臓が持たない。もっと仲良くなるチャンスだったのに。度胸ないなぁ私も。大抵の男とは普通に話せるのに。
とにかく規格外って怖っ!
「思わず思っている事を口走っちゃったけど気をつけなきゃ。この話は鈴木とも共有しなきゃね。ランチタイム楽しみぃ」
天野君に私が婚活すると思われても嫌だしね。だって私は天野君がいいのに。まだ朝礼もはじまっていないのにランチタイムの事ばかり考えてしまった。
「……婚活ってどういう事だよ」
エレベーター前に取り残された、天野は誰にも聞こえない声で呟いた。
しかし酷い夢だ。ベッドから転げ落ちるという事は、夢の中の行為と同じで自分の体を動かしていた事になる。天野に弄られ、岡本に貫かれて、それでその腰が動いて。
女性だって性欲があるのだからそういう夢を見る事もあるでしょうけれど。リアルすぎるったらない。
肩下まである髪の毛をアップにした首筋にシャワーをかけ、最後に顔全体に浴びる。
「痛っ」
床に着地したおでこが少し擦り剥いていたのでシャワーがしみた。
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その服装が夢で着ていた服装と同じだった事に気がついたので、下着をつけているか思わず腰や胸の辺りを触り確かめてしまった。
まさかの下着をしていないなんて事は……ないわね。よし。
そう思った時、背中をポンと叩かれる。驚いて肩を上げてしまう。
「倉田さーん。おはようございまーす! って驚かせちゃいました?」
振り向くと島田さんがニッコリ笑って立っていた。
ハイビスカスの香りがする。島田さんはギャル系女子だった。日焼けした健康的な肌に、緩く巻いた髪。ギリギリ派手すぎないカールと、ゴテゴテしすぎないネイル。社会人として『よくないわよ』と言われない程度のミニスカートにヒール。
島田さんはサーファー系の天野に夢中な女性だ。
うん。全てがギリギリセーフだ。しかし島田さんはセルフプロデュースが上手い。自分に似合った物を組み合わせている。
「どうしたんすか? 朝っぱらから何だか怖い顔でポスターをジッと見つめて」
白い手入れしている歯を見せて笑う。
若いなぁ朝から爽やかだ。
「おはよう。べ、別に怖い顔で見つめてないわよ」
まさかポスターではなく反射するディスプレイに映る自分の姿を見ていましたとは言えず慌てて視線を逸らした。
そこへエレベーターが到着した。
「さ、行きましょう。逃すと待たないといけないわ」
私は人の波に流されながらエレベーターに乗り込んだ。
「ですよねぇ~はーい。ん?」
後ろから流れてくる人を先に行かせながら、島田さんは何度も目をパチパチさせてポスターを見つめていた。
ピンク色と赤い色のポスターにはこう書かれていた。
「婚活パーティー? へぇ~こういうのに興味あるんだ」
何か島田さんがポスターの前で立ち止まり呟いていた。早くしないと定員オーバーになってしまう。
「島田さん! 早く」
私はエレベーターに乗りながら手招きをする。すると島田さんが軽くスキップをしてニヤニヤしながら駆けて来た。
何故笑うの。最近の若者の行動はわけが分からないわね。ひとまず島田さんが一緒にエレベーターに乗り込んだので溜め息をついた。
二十人近く乗っているエレベーターの扉が閉まり、通勤電車と同じ様にギュウギュウ詰めになる。自然と島田さんと肩を寄せ合う事になった。
すると島田さんが私の耳元で囁く。
「倉田さんも色々大変ッスね」
ハイビスカスの香りがふわりと漂う。私は囁かれた意味が分からず首をかしげる。
「う、うん?」
私は瞳をキョロキョロと動かして、最近の仕事について考える。
大変って何の事だろう。仕事かな。
ああ……もしかして去年私が企画して販売を開始した『ナンテ。カルイブラ』の事かな。売り上げもいいし好調だ。デザインは地味だけれど機能的。それに安価なのも受けている。
今時の女性は普段使いの下着は機能を求めていると思う。だから企画も色々そぎ落として検討したのだ。しかし、デザインを変更した方がもっと売れるのではないかという話が上がっている。元の企画と違う方向に歩き出してしまうのは困る。
とは言うものの、営業の意見なので取り入れて、完成されている物を更にブラッシュアップしていく事になるだろう。
「そ、そうねぇ。確かに難しいわね」
私は小さく呟いた。すると島田さんが囁きながらも力強く驚いていた。
「えっ、倉田さんでも難しいんですか。美人なのに」
「美人? それは関係ないでしょ?」
ブラッシュアップとは全く関係のない話だ。私は首をかしげてしまう。
そんな会話をしていると島田さんが降りるフロアにエレベーターが到着した。島田さんは広報部なので、私のいるフロアより一つ下で降りる。天野と岡本が所属している営業部と同じフロアだ。
「じゃぁ、倉田さん頑張ってください。私は応援していますからね」
島田さんがエレベーターをピョンと降りるなり手を振ってくれた。シルバーのブレスレットが揺れている。
「うん。ありがとう?」
私の企画の仕事を応援してくれているのだろうか。わけが分からず島田さんに手を振りながら、エレベーターのドアが閉まるのを見つめた。
私、島田エリカはエレベーターのドアが閉まっても少しの間手を振っていた。同じフロアに降りた社内の人が皆エレベーターの前から消えてもだ。
人が少なくなったタイミングで私は手を振るのを止めて鞄を右から左にかけ直した。そしてニヤリと笑う。
「どうしちゃったのかなぁ。そんな感じ今まで一度もなかったのに」
私は思わず呟いた。
あの、男性社員に人気の倉田さんが婚活かぁ。
慰安旅行の時、男性と部屋に引き籠もっている様子の倉田さんだったのに。相手は分からないままだったけれども、やはり不倫だったのかしら。その決別の為に婚活をはじめたとか?
しかも倉田さんってこの間の慰安旅行で見たときかなりの巨乳だった。今日は普通のサイズに見えたけれども。どうやってあの乳をしまっているのかな。下着メーカーだから詳しいとはいえあんなに上手く隠せるのね。
倉田さんの美貌とスタイルのよさ、更に隠れ巨乳って男性が放っておくはずない。と、なると婚活も引く手あまた? でもなぁ年齢がなぁ。確か三十代よね。
とは言うものの──
「ふふふ」
こんな面白いネタはない。
ランチタイムに皆と共有しなくては。あ、その前にメールアプリで連絡しておこうかな。思わずスマホを取り出す。
素早く文字を入力して送信ボタンを押そうとしたのだが手を止める。
やはり口頭で伝えたい。だって、驚いた顔が見たいしね。やめておこう。
「んふふふ~あの倉田さんが婚活かぁ~へぇ~やっぱり結婚とかしたいんだぁ意外かもぉ」
私は我慢出来ず小さな声で呟いてしまった。
丁度その時だった。
「え。今何て言った?」
既に出社していた憧れの彼、天野君が私の側を通り過ぎようとしていた。しかし、私の言葉に思わず反応していた。
「天野君じゃん。おっはよ~」
天野君はネイビーのスーツを着ていた。オーダースーツだろう。逆三角形の見事なバランスの体格には市販のスーツでは特に肩の辺りが窮屈で合わないと言っていた。
ラフにまとめた短めの髪。くせ毛風の緩いパーマに、明るめのブラウンの髪。サーファーだから日焼けして髪の毛の色も明るくなったと言っていた。
一見チャラそうだが、着崩していない服装や手の爪を見れば真面目に仕事をしている事が分かる。だって彼はいつも朝一番に出社して調べ物やメールチェックを済ませてしまうのだ。
「あ、おはよう。で? 確か倉……じゃなかった。婚活って聞こえた気がしたんだけど」
天野君が挨拶をする。そして長身を折り曲げる様に私の顔を覗き込む。
少し垂れ気味でブラウンの瞳が細くなった。顔が近づくと天野君の使っている香水、ダージリンの香りがした。
ぎゃー。近い近い、今世紀最大に近い! そして格好いい。何? 何? 何なのマジヤバイ。今日は朝からいい事だらけ。
「えっ? そんな事言ってないよ。気のせいだしぃ~じゃぁね」
私は赤くなった頬を押さえて耐えきれず天野君から離れる。そして、自分が所属する広報部のエリアに急いだ。
朝から嬉しいけれどもあんなに近づかれると心臓が持たない。もっと仲良くなるチャンスだったのに。度胸ないなぁ私も。大抵の男とは普通に話せるのに。
とにかく規格外って怖っ!
「思わず思っている事を口走っちゃったけど気をつけなきゃ。この話は鈴木とも共有しなきゃね。ランチタイム楽しみぃ」
天野君に私が婚活すると思われても嫌だしね。だって私は天野君がいいのに。まだ朝礼もはじまっていないのにランチタイムの事ばかり考えてしまった。
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