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01 私の名はヴィヨレ
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私の名はヴィヨレ。瞳の色は紫色をしているからいつしか仲間の間でそう呼ばれる様になった。本当の名前? それは秘密よ。だって本当の名前を教えるのは心身共に結ばれる相手だけって、この世界では決まっているの。
私の職業は剣士。「女のくせに?」だなんて、馬鹿な事を言わないで。田舎者って言われるわよ。この世界は冒険者で溢れているの。懸賞金がかけられた魔物を倒して町から町へ、国から国へ旅をしながらお金を稼ぐ。職業は様々よ。剣士、闘士、暗殺者、傭兵、魔法使い、導師、槍使いに……うん、切りがないわね。面倒くさくなってきたわ。
剣士である私は、数ヶ月前からビキニアーマーを身にまとって戦っている。紫に輝くビキニアーマーは長身の私にピッタリで最高にきまってるのよ。
肌の露出は多いけど、寒くもないし暑くもないし。しかも毒耐性があるから、毒の沼にはまったって平気なの。毒に犯されると歩くだけで体力を奪われるの。知らないうちに命を落とすのよ。知ってた?
何故ビキニアーマーなのかって? このビキニアーマーはね、私が尊敬し大好きな勇者ルカがダンジョンで見つけた宝箱に入っていたものなの。当たり前よ最強に決まっているわよ。
ビキニアーマーを着ているせいか、よく男に声をかけられるわね。でも勘違いしないで、私は勇者ルカと旅をする女剣士よ。私より弱い男なんてお断りよ。
なんて──格好をつけているけれども、実は男性経験ゼロの二十歳なの。よく二十歳後半に間違われるけど違うわよ。本当に、二十歳なのよ。嘘じゃないから。
アッシュグレーの大きくカールした腰まである長い髪と、紫色の瞳のせいで迫力があるとよく言われる──コホン、分かったわよ。そうよそれだけじゃないわよ。身長は元々、百七十センチあるけど、ビキニアーマーとセットになっているブーツはヒールがあるから女性の中でも大きく見えるのよね。それに剣の腕は確かよ。何か依頼があるなら聞くわよ。
そんな私だけど実は今、大変な事になっているの。一回り年上のイサークにベッドの上で押し倒されているの。依頼どころじゃないわ。
寡黙な男、イサーク。三十代前半のイサークは背が高く鍛え抜かれた体にはいくつもの傷があった。黒髪は耳が隠れる長さでバサバサに切られている。長めの前髪から覗く瞳は一重で鋭かった。恐ろしく腕の立つ剣士だ。全く剣筋が読めない上にとにかく動きが速い。力も強く簡単な魔法なら使う事が出来る。更に薬草などの知識もある。
過去はあまり話してくれないけれども、国に仕える暗殺者だったそうなの。ね? 根掘り葉掘りは聞くものじゃないわ。冒険者や旅人はそれぞれ事情があるのだから。
そのイサークに押し倒されているのは何故かって? 事の起こりは──そうね媚薬よ媚薬。
私の職業は剣士。「女のくせに?」だなんて、馬鹿な事を言わないで。田舎者って言われるわよ。この世界は冒険者で溢れているの。懸賞金がかけられた魔物を倒して町から町へ、国から国へ旅をしながらお金を稼ぐ。職業は様々よ。剣士、闘士、暗殺者、傭兵、魔法使い、導師、槍使いに……うん、切りがないわね。面倒くさくなってきたわ。
剣士である私は、数ヶ月前からビキニアーマーを身にまとって戦っている。紫に輝くビキニアーマーは長身の私にピッタリで最高にきまってるのよ。
肌の露出は多いけど、寒くもないし暑くもないし。しかも毒耐性があるから、毒の沼にはまったって平気なの。毒に犯されると歩くだけで体力を奪われるの。知らないうちに命を落とすのよ。知ってた?
何故ビキニアーマーなのかって? このビキニアーマーはね、私が尊敬し大好きな勇者ルカがダンジョンで見つけた宝箱に入っていたものなの。当たり前よ最強に決まっているわよ。
ビキニアーマーを着ているせいか、よく男に声をかけられるわね。でも勘違いしないで、私は勇者ルカと旅をする女剣士よ。私より弱い男なんてお断りよ。
なんて──格好をつけているけれども、実は男性経験ゼロの二十歳なの。よく二十歳後半に間違われるけど違うわよ。本当に、二十歳なのよ。嘘じゃないから。
アッシュグレーの大きくカールした腰まである長い髪と、紫色の瞳のせいで迫力があるとよく言われる──コホン、分かったわよ。そうよそれだけじゃないわよ。身長は元々、百七十センチあるけど、ビキニアーマーとセットになっているブーツはヒールがあるから女性の中でも大きく見えるのよね。それに剣の腕は確かよ。何か依頼があるなら聞くわよ。
そんな私だけど実は今、大変な事になっているの。一回り年上のイサークにベッドの上で押し倒されているの。依頼どころじゃないわ。
寡黙な男、イサーク。三十代前半のイサークは背が高く鍛え抜かれた体にはいくつもの傷があった。黒髪は耳が隠れる長さでバサバサに切られている。長めの前髪から覗く瞳は一重で鋭かった。恐ろしく腕の立つ剣士だ。全く剣筋が読めない上にとにかく動きが速い。力も強く簡単な魔法なら使う事が出来る。更に薬草などの知識もある。
過去はあまり話してくれないけれども、国に仕える暗殺者だったそうなの。ね? 根掘り葉掘りは聞くものじゃないわ。冒険者や旅人はそれぞれ事情があるのだから。
そのイサークに押し倒されているのは何故かって? 事の起こりは──そうね媚薬よ媚薬。
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