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59 和馬の部屋で 3/5
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塞がれた唇を甘く囓ったり唇で挟んだり、そんな悪戯みたいな触れ合いを和馬は続ける。その次には、深くゆっくりと合わさるキスで何度も角度を変えて、そのまま溶けてしまいそうになる。舌が絡み合い、離れて近づいてそしてまた離れて。そんなキスの繰り返しに慣れたと思っても、やっぱりキスが深くなると心の奥が切なくてもっと欲しくなる。
キスを繰り返している間、和馬はゆっくりと動いて自分のシャツのボタンを外したり、私のデニムパンツのファスナーを下ろしたりと、少しずつ脱いで脱がされていく。ロングワンピースの下にデニムワイドパンツを穿いていたけど、和馬に脱がされる。更に、ロングワンピースはカシュクールタイプだったから、腰の紐を解くと下半身部分も合わせて前が開いてしまう作りだった。腰紐を解かれると、まるで着物襦袢の前がはだけたみたいになってしまった。
あられもない格好だと、顔から火が出る思いをするはずだが、今はそんな事など気にならなかった。体の奥に快楽が溜まって熱く燃えるのを待っている。
和馬は私の足をM字に開かせると、左膝の内側から足の付け根に向かって舌をゆっくり這わせる。付け根まで滑らせた舌は私の肌より熱い。和馬に熱があるのかと思うぐらいだ。ショーツも脱がせて欲しいのに。デニムワイドパンツを簡単に取り払った割には、下着には手をかけようとしない。
「ふっ……うっ」
漏れる声を抑える為に、私は手の甲で口元を押さえる。
「別に大声を上げてもいいぜ。この部屋は端にあるから誰にも聞こえやしないさ」
和馬は掠れた声でそう言うと、長い指でショーツの上から固くなりつつある小さな突起を押さえた。とっさの事で声をこらえてしまう。
「んんっ」
長く節々がはっきりしている指で、布の上から優しく押さえると上下に擦ってみせる。ショーツの下はじっとりと湿気が籠もりつつある。散々キスをしたおかげで、和馬を迎え入れようとゆっくりと濡れ始めている。ショーツの上からでもぬかるんでいるのが分かった和馬は、意地悪に笑ってショーツに手をかけた。
「キスだけで気持ちよかった?」
和馬はショーツを剥ぎ取るとベッドの下である畳の上に落とすと、上目遣いで私を見つめた。ゆっくりと両足を広げていく。
「うん……気持ちいいよ」
和馬を見つめながら素直に答える。『好きだ』とか直接の言葉はないけど、和馬も私を好きでいてくれる。私を見てくれている。そう思うと、余計に感じて気持ちがいい。『後片付けどうしよう?』とか『シーツとか大丈夫かな?』とか、細かい事も気になるけど……それよりも和馬と触れ合いたかった。そんな素直な私に、和馬はスッと瞳を細めて笑った。
足の付け根にある隠れた部分を晒す様に、茂みに長い指を添えると左右にゆっくりと広げる。敏感な部分を広げて和馬はゆっくりと顔を近づける。散々唇を吸ったり絡めたりした肉厚な舌で、濡れて雫が溢れる辺りから、固くなり始めた敏感な突起に向かって舐め上げる。
「ああっ」
興奮し始めたばかりでまだ閉じた分も、直接刺激を与えられると震えてしまう。何度か同じ道をたどり肉厚な舌で舐られると、お腹の奥に熱が籠もり腰が小さく跳ね上がる。
それを合図に和馬が赤く色づき始めた敏感な突起に、尖らせた舌を這わせる。下から上へ何度も行き来する。和馬の舌の動きに、熱が集まりじっとしていられなくなる。腰が勝手に動いてしまいそうだけど、和馬にしっかりと押さえつけられて自由に動く事が出来ない。
「あああっそこっ」
お腹の奥に溜まる熱は快感。逃す為に動きたくても動く事が出来ない。思わず両手を伸ばし私を押さえる和馬の手を握るけど、びくともしない。あっという間に昇っていこうとする私の体。腰をひねってみたり、顔を横に向けてみたり、色々動いてみるが和馬が手を緩める事はなかった。
「っっ、駄目、ヤダ、ああっ」
快楽に流される啼き声に、和馬が長い舌で舐りながら体液が溢れる入り口に、息を吹きかける。
(和馬……笑ってる)
私の声を聞く度に瞳を細めている和馬だった。私の反応を楽しんでいるのが分かった。
和馬は垂れた自分の唾液ごと優しく突起を吸い上げた。それはチュッ……と小さく音がする程度の刺激だった。
「あっ!」
思わず果ててしまいそうになり小さく叫ぶ。しかし吸い上げたのは小休止だったみたいで、私は中途半端に手放される事になる。散々嬲られた突起は、これでもかと赤く熟れ固くなったところでパッと和馬は離れてしまったのだ。
「あ……」
私が残念な声を上げると、和馬が自分の口を手の甲で拭いながら体を起こす。
「イキ損ねた?」
意地悪そうに笑った唇は赤く濡れていた。白い歯が見えて滴る色っぽさに益々興奮してくる。
「……急に止めなくったって、あっ」
私もカシュクールワンピースの前をはだけたまま、膝を立てて体を起こす。起こしながら、和馬の下半身に自然に視線を移した。
そこにはズボンの前を大きく突っ張って苦しそうにしている和馬の陰茎が見えた。和馬も私の痴態を見て興奮しているのだと思うと嬉しくなってくる。和馬は私の視線が何を見ているのか理解して、笑いながら顔を歪ませた。
「イテテ。ここまで勃起するとファスナーも下げづらいんだよな……っ」
そう言いながら息を止めたり溜め息をついたりしながら、腰を後ろに引くとズボンのファスナーを下げていく。目の前に派手なボクサーパンツが登場する。赤と紫の色をした三角が幾何学模様となっているデザインだった。
「……シャツとかズボンとかシンプルだったのに」
何故そんなに派手なパンツなのだろう。派手なボクサーパンツの下、はっきりと隆起した大きな陰茎が縁取られている。
「本当はさ、シャツもこれぐらい派手なのが好きなんだけどさ。着るとほらアレな感じで……まぁそんな話はいいや。まだまだ楽しもうぜ?」
和馬は苦労してズボンを脱ぐと、ボクサーパンツの上から自分の陰茎を根元から先まで二度ほど撫で、ベッドの上で立ち上がる。自分で自分の性器を撫でるその姿に思わずときめいて、じっくり見つめてしまった。そんな私を見て、和馬は笑う。今更恥ずかしいもないのだが、興奮している姿を見られてしまい、いたたまれなくなり俯く。
(じっくり見ちゃった……)
ボクサーパンツがどうとかそういう事じゃなくて、形そのものが縁取られてるのって丸見えよりいやらしい。そんな事を考えている私の後ろに和馬は回り込むと、壁に背中をも垂れかけ私を抱き込んでしまった。
(今度は後ろなの?)
途中で放り出された上に和馬の勃起を目の当たりにし、興奮冷めやらない私だった。それなのにまさか後ろに回り込まれると思っていなかったので、不満気味に和馬を見上げる。
「そんな顔をするなよ。ほら」
和馬は軽く笑いながら、ブラカップのついた黒のタンクトップをベロリと捲り上げ、私の小さな胸を解放した。
「あっ」
胸の突起は既に『触れて欲しい』と主張をしている。私の後ろからそれを見つけた和馬がゆっくりと胸を掬い上げる。
「あっ」
脇の下を撫でられる。胸のラインに大きな手が這うだけでビクンと体が動いてしまう。私は膝を立てて、腰を丸める様に座り背中にいる和馬に体重を預ける。和馬の鎖骨当たりに頭をもたれかけ、顔を上げる。そこには優しく笑う和馬の顔があった。
「口開けて、もう少し顎を上に……そう」
和馬に言われるがまま口を開いて顎を上げると、直ぐに和馬の顔が傾いて落ちてくる。私の唇の隙間から舌が差し込まれ、深くてゆっくりとしたキスが始まる。
(今日は凄くキスがたくさん。優しくて心地よくて……何だか……このままずっと、したい)
吸い付く様なキスだけじゃない。優しくて情熱的で離れがたいキス。乱暴なキスよりも威力が凄くて、ふやけてしまいそう。
「!」
うっとりした時だった。和馬の両手が私の胸をやわやわと掬い上げ、パッと離れる。そして右手で右乳房を持ち上げると、左手で中心にあるプクリと膨れた乳首の周り、乳輪を人差し指でくるくると撫でる。
円を描くので下の方を撫でた時少しだけ乳首に指が触れその度にビクリと体を震わせてしまう。指の腹だけでスッと撫でられ円を何度も描くのに、一番刺激が欲しい乳首には直接触れてくれない。ひたすら乳輪やその周りを撫でるだけだ。
「んっ、ふっ、んっ」
口はキスで塞がれているから溢れる声も和馬の口内に消えていく。私の籠もった声に合わせて、和馬も「ん」と返事をくれる。漏れる声も和馬の方が淫靡な感じがする。その声に私が鼻息が荒くなっていく。
(もっと触って欲しいのに……口も塞がれてたら何も言えない)
さっき下半身を弄られ達する事が出来なかった分、発散出来ない快楽が熱となりお腹の中に溜まっていく。私は腰をビクビクと前後に動かしてしまう。膝立てて擦り合わせるけれども、それだけではどうにもならない。かすかに触れる乳首への愛撫が突然止まる。それと同時に和馬の唇が、私から離れていく。
「何で……」
(何もかも止めちゃうのよ!)
そんな風に恨みがましく和馬を見上げる。和馬は軽く笑って熱の籠もった溜め息をついた。
「はぁ。睨むなよ。ゆっくり、じっくりだよ」
「だってこんなの恥ずかしいよ。一人だけどうにかなりそうだし……」
私が恨みがましく呟くと、和馬は頭を優しく撫でた。
「そっか、じゃぁさ……那波の良いところたくさん触ってやるさ」
熱の籠もった瞳で見つめられると、それだけで見惚れてしまう。和馬が私の立てている膝を両手で割る。そして大胆に足の付け根を広げてみせる。
「あっ!」
再び大きく開脚させ、私の足の付け根に和馬は右手を伸ばした。和馬の手は掌も大きく、何よりその指が細くて長い。そのくせ節々だけははっきりしている男らしい指。その指がひどくぬかるんだ部分に少し埋まる様に入り込む。
「ああっ! ちょっと急には」
突然入り口を指で掻き出される様に撫でられ、私は背中を丸める。思わず和馬の足の付け根に伸ばされた腕を両手で握りしめる。
「ヌルヌルだな、ほら」
粘着のある水音が聞こえて掻き出す様な指の動き。するとその粘液を指に纏って、上にある敏感な突起に擦りつける。
「あああー!」
まさかそんなに突起が潰される程、押さえ込まれると思っていなかった。だから思わず大声を上げてしまう。甘い刺激を与える和馬は、ぷっくり熟れた部分を確かながら押さえる。
「ココとココ、那波のイイところだろ?」
「え? あっああ!」
そう言うと突然和馬は潰したはずの膨らみを優しくつまむと、形を確かめながら上下に左右に指で弾き擦り始めた。
手放されてしまった愛撫とは違う刺激だけど、触れる様な触れない様な微妙な触り方は、体液が塗り込まれて滑りをよくして、直ぐに快感に繋がった。何度も小声を上げて小さく喘ぐ事だけを繰り返していく私。そんな私を見ながら和馬は左手で乳房を持ち上げると、乳首を人差し指で転がす様に擦り始める。
「あっ、そこ、駄目っ、駄目っ」
同時に擦られるなんて! 私は首を反って和馬の肩口に頭部を押さえつける様に預けた。私の体重を預けるけれど、和馬はびくともしない。私の小さな悲鳴の様な呟きを聞いた和馬は、喉の辺りを鳴らしていた。その和馬の喉仏が視界に入る。少し視線を上げると興奮して恍惚としている和馬の顔が見えた。嬉しそうにも見えるけど、細められた瞳がとても淫らだった。
おかしいぐらい尖った乳首に、パンパンに膨れた敏感な下半身を同時に弄られ私は腰をガクガクと震わせる。
「ヤダ、イヤ、イッちゃう、イッちゃう、イク、イクっ」
壊れた機械みたいにイヤとイクを繰り返す私に、和馬は耳元に唇を這わせる。そして、今まで聞いた事がない艶っぽい声で呟いた。
「いいぜ。ほら」
そう言って右手も左手もどちらの指も同じリズムで激しく擦り弾いた。
「イクっ、イッ……」
足と両腕に鳥肌が立つ。瞳を閉じると瞼の裏に小さな火花が散った。私は腰をグッと突き出し、ベッドから浮かせると軽くブルブルと全身を震わせる。そうしようと思ったわけではない。自然とそうなって、フワリと体が浮いた感覚に襲われる。本来、和馬を受け入れる部分がグニャッと動いたのが自分でも分かった。そして、お腹の奥で熱が弾けてじわりと染み出した。
キスを繰り返している間、和馬はゆっくりと動いて自分のシャツのボタンを外したり、私のデニムパンツのファスナーを下ろしたりと、少しずつ脱いで脱がされていく。ロングワンピースの下にデニムワイドパンツを穿いていたけど、和馬に脱がされる。更に、ロングワンピースはカシュクールタイプだったから、腰の紐を解くと下半身部分も合わせて前が開いてしまう作りだった。腰紐を解かれると、まるで着物襦袢の前がはだけたみたいになってしまった。
あられもない格好だと、顔から火が出る思いをするはずだが、今はそんな事など気にならなかった。体の奥に快楽が溜まって熱く燃えるのを待っている。
和馬は私の足をM字に開かせると、左膝の内側から足の付け根に向かって舌をゆっくり這わせる。付け根まで滑らせた舌は私の肌より熱い。和馬に熱があるのかと思うぐらいだ。ショーツも脱がせて欲しいのに。デニムワイドパンツを簡単に取り払った割には、下着には手をかけようとしない。
「ふっ……うっ」
漏れる声を抑える為に、私は手の甲で口元を押さえる。
「別に大声を上げてもいいぜ。この部屋は端にあるから誰にも聞こえやしないさ」
和馬は掠れた声でそう言うと、長い指でショーツの上から固くなりつつある小さな突起を押さえた。とっさの事で声をこらえてしまう。
「んんっ」
長く節々がはっきりしている指で、布の上から優しく押さえると上下に擦ってみせる。ショーツの下はじっとりと湿気が籠もりつつある。散々キスをしたおかげで、和馬を迎え入れようとゆっくりと濡れ始めている。ショーツの上からでもぬかるんでいるのが分かった和馬は、意地悪に笑ってショーツに手をかけた。
「キスだけで気持ちよかった?」
和馬はショーツを剥ぎ取るとベッドの下である畳の上に落とすと、上目遣いで私を見つめた。ゆっくりと両足を広げていく。
「うん……気持ちいいよ」
和馬を見つめながら素直に答える。『好きだ』とか直接の言葉はないけど、和馬も私を好きでいてくれる。私を見てくれている。そう思うと、余計に感じて気持ちがいい。『後片付けどうしよう?』とか『シーツとか大丈夫かな?』とか、細かい事も気になるけど……それよりも和馬と触れ合いたかった。そんな素直な私に、和馬はスッと瞳を細めて笑った。
足の付け根にある隠れた部分を晒す様に、茂みに長い指を添えると左右にゆっくりと広げる。敏感な部分を広げて和馬はゆっくりと顔を近づける。散々唇を吸ったり絡めたりした肉厚な舌で、濡れて雫が溢れる辺りから、固くなり始めた敏感な突起に向かって舐め上げる。
「ああっ」
興奮し始めたばかりでまだ閉じた分も、直接刺激を与えられると震えてしまう。何度か同じ道をたどり肉厚な舌で舐られると、お腹の奥に熱が籠もり腰が小さく跳ね上がる。
それを合図に和馬が赤く色づき始めた敏感な突起に、尖らせた舌を這わせる。下から上へ何度も行き来する。和馬の舌の動きに、熱が集まりじっとしていられなくなる。腰が勝手に動いてしまいそうだけど、和馬にしっかりと押さえつけられて自由に動く事が出来ない。
「あああっそこっ」
お腹の奥に溜まる熱は快感。逃す為に動きたくても動く事が出来ない。思わず両手を伸ばし私を押さえる和馬の手を握るけど、びくともしない。あっという間に昇っていこうとする私の体。腰をひねってみたり、顔を横に向けてみたり、色々動いてみるが和馬が手を緩める事はなかった。
「っっ、駄目、ヤダ、ああっ」
快楽に流される啼き声に、和馬が長い舌で舐りながら体液が溢れる入り口に、息を吹きかける。
(和馬……笑ってる)
私の声を聞く度に瞳を細めている和馬だった。私の反応を楽しんでいるのが分かった。
和馬は垂れた自分の唾液ごと優しく突起を吸い上げた。それはチュッ……と小さく音がする程度の刺激だった。
「あっ!」
思わず果ててしまいそうになり小さく叫ぶ。しかし吸い上げたのは小休止だったみたいで、私は中途半端に手放される事になる。散々嬲られた突起は、これでもかと赤く熟れ固くなったところでパッと和馬は離れてしまったのだ。
「あ……」
私が残念な声を上げると、和馬が自分の口を手の甲で拭いながら体を起こす。
「イキ損ねた?」
意地悪そうに笑った唇は赤く濡れていた。白い歯が見えて滴る色っぽさに益々興奮してくる。
「……急に止めなくったって、あっ」
私もカシュクールワンピースの前をはだけたまま、膝を立てて体を起こす。起こしながら、和馬の下半身に自然に視線を移した。
そこにはズボンの前を大きく突っ張って苦しそうにしている和馬の陰茎が見えた。和馬も私の痴態を見て興奮しているのだと思うと嬉しくなってくる。和馬は私の視線が何を見ているのか理解して、笑いながら顔を歪ませた。
「イテテ。ここまで勃起するとファスナーも下げづらいんだよな……っ」
そう言いながら息を止めたり溜め息をついたりしながら、腰を後ろに引くとズボンのファスナーを下げていく。目の前に派手なボクサーパンツが登場する。赤と紫の色をした三角が幾何学模様となっているデザインだった。
「……シャツとかズボンとかシンプルだったのに」
何故そんなに派手なパンツなのだろう。派手なボクサーパンツの下、はっきりと隆起した大きな陰茎が縁取られている。
「本当はさ、シャツもこれぐらい派手なのが好きなんだけどさ。着るとほらアレな感じで……まぁそんな話はいいや。まだまだ楽しもうぜ?」
和馬は苦労してズボンを脱ぐと、ボクサーパンツの上から自分の陰茎を根元から先まで二度ほど撫で、ベッドの上で立ち上がる。自分で自分の性器を撫でるその姿に思わずときめいて、じっくり見つめてしまった。そんな私を見て、和馬は笑う。今更恥ずかしいもないのだが、興奮している姿を見られてしまい、いたたまれなくなり俯く。
(じっくり見ちゃった……)
ボクサーパンツがどうとかそういう事じゃなくて、形そのものが縁取られてるのって丸見えよりいやらしい。そんな事を考えている私の後ろに和馬は回り込むと、壁に背中をも垂れかけ私を抱き込んでしまった。
(今度は後ろなの?)
途中で放り出された上に和馬の勃起を目の当たりにし、興奮冷めやらない私だった。それなのにまさか後ろに回り込まれると思っていなかったので、不満気味に和馬を見上げる。
「そんな顔をするなよ。ほら」
和馬は軽く笑いながら、ブラカップのついた黒のタンクトップをベロリと捲り上げ、私の小さな胸を解放した。
「あっ」
胸の突起は既に『触れて欲しい』と主張をしている。私の後ろからそれを見つけた和馬がゆっくりと胸を掬い上げる。
「あっ」
脇の下を撫でられる。胸のラインに大きな手が這うだけでビクンと体が動いてしまう。私は膝を立てて、腰を丸める様に座り背中にいる和馬に体重を預ける。和馬の鎖骨当たりに頭をもたれかけ、顔を上げる。そこには優しく笑う和馬の顔があった。
「口開けて、もう少し顎を上に……そう」
和馬に言われるがまま口を開いて顎を上げると、直ぐに和馬の顔が傾いて落ちてくる。私の唇の隙間から舌が差し込まれ、深くてゆっくりとしたキスが始まる。
(今日は凄くキスがたくさん。優しくて心地よくて……何だか……このままずっと、したい)
吸い付く様なキスだけじゃない。優しくて情熱的で離れがたいキス。乱暴なキスよりも威力が凄くて、ふやけてしまいそう。
「!」
うっとりした時だった。和馬の両手が私の胸をやわやわと掬い上げ、パッと離れる。そして右手で右乳房を持ち上げると、左手で中心にあるプクリと膨れた乳首の周り、乳輪を人差し指でくるくると撫でる。
円を描くので下の方を撫でた時少しだけ乳首に指が触れその度にビクリと体を震わせてしまう。指の腹だけでスッと撫でられ円を何度も描くのに、一番刺激が欲しい乳首には直接触れてくれない。ひたすら乳輪やその周りを撫でるだけだ。
「んっ、ふっ、んっ」
口はキスで塞がれているから溢れる声も和馬の口内に消えていく。私の籠もった声に合わせて、和馬も「ん」と返事をくれる。漏れる声も和馬の方が淫靡な感じがする。その声に私が鼻息が荒くなっていく。
(もっと触って欲しいのに……口も塞がれてたら何も言えない)
さっき下半身を弄られ達する事が出来なかった分、発散出来ない快楽が熱となりお腹の中に溜まっていく。私は腰をビクビクと前後に動かしてしまう。膝立てて擦り合わせるけれども、それだけではどうにもならない。かすかに触れる乳首への愛撫が突然止まる。それと同時に和馬の唇が、私から離れていく。
「何で……」
(何もかも止めちゃうのよ!)
そんな風に恨みがましく和馬を見上げる。和馬は軽く笑って熱の籠もった溜め息をついた。
「はぁ。睨むなよ。ゆっくり、じっくりだよ」
「だってこんなの恥ずかしいよ。一人だけどうにかなりそうだし……」
私が恨みがましく呟くと、和馬は頭を優しく撫でた。
「そっか、じゃぁさ……那波の良いところたくさん触ってやるさ」
熱の籠もった瞳で見つめられると、それだけで見惚れてしまう。和馬が私の立てている膝を両手で割る。そして大胆に足の付け根を広げてみせる。
「あっ!」
再び大きく開脚させ、私の足の付け根に和馬は右手を伸ばした。和馬の手は掌も大きく、何よりその指が細くて長い。そのくせ節々だけははっきりしている男らしい指。その指がひどくぬかるんだ部分に少し埋まる様に入り込む。
「ああっ! ちょっと急には」
突然入り口を指で掻き出される様に撫でられ、私は背中を丸める。思わず和馬の足の付け根に伸ばされた腕を両手で握りしめる。
「ヌルヌルだな、ほら」
粘着のある水音が聞こえて掻き出す様な指の動き。するとその粘液を指に纏って、上にある敏感な突起に擦りつける。
「あああー!」
まさかそんなに突起が潰される程、押さえ込まれると思っていなかった。だから思わず大声を上げてしまう。甘い刺激を与える和馬は、ぷっくり熟れた部分を確かながら押さえる。
「ココとココ、那波のイイところだろ?」
「え? あっああ!」
そう言うと突然和馬は潰したはずの膨らみを優しくつまむと、形を確かめながら上下に左右に指で弾き擦り始めた。
手放されてしまった愛撫とは違う刺激だけど、触れる様な触れない様な微妙な触り方は、体液が塗り込まれて滑りをよくして、直ぐに快感に繋がった。何度も小声を上げて小さく喘ぐ事だけを繰り返していく私。そんな私を見ながら和馬は左手で乳房を持ち上げると、乳首を人差し指で転がす様に擦り始める。
「あっ、そこ、駄目っ、駄目っ」
同時に擦られるなんて! 私は首を反って和馬の肩口に頭部を押さえつける様に預けた。私の体重を預けるけれど、和馬はびくともしない。私の小さな悲鳴の様な呟きを聞いた和馬は、喉の辺りを鳴らしていた。その和馬の喉仏が視界に入る。少し視線を上げると興奮して恍惚としている和馬の顔が見えた。嬉しそうにも見えるけど、細められた瞳がとても淫らだった。
おかしいぐらい尖った乳首に、パンパンに膨れた敏感な下半身を同時に弄られ私は腰をガクガクと震わせる。
「ヤダ、イヤ、イッちゃう、イッちゃう、イク、イクっ」
壊れた機械みたいにイヤとイクを繰り返す私に、和馬は耳元に唇を這わせる。そして、今まで聞いた事がない艶っぽい声で呟いた。
「いいぜ。ほら」
そう言って右手も左手もどちらの指も同じリズムで激しく擦り弾いた。
「イクっ、イッ……」
足と両腕に鳥肌が立つ。瞳を閉じると瞼の裏に小さな火花が散った。私は腰をグッと突き出し、ベッドから浮かせると軽くブルブルと全身を震わせる。そうしようと思ったわけではない。自然とそうなって、フワリと体が浮いた感覚に襲われる。本来、和馬を受け入れる部分がグニャッと動いたのが自分でも分かった。そして、お腹の奥で熱が弾けてじわりと染み出した。
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