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44 隠れ男尊女卑
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「あっ! 済みません」
私は慌てて机の上に倒れたペン立てを起こす。
しかし、そのペン立ての中、異彩を放っていたイルカのボールペンだけがコロコロと机の上に転がっていった。ボールペンのノックする部分に可愛いイルカがついているからバランスが悪かったのだろう。池谷課長がイルカのボールペンを持ち上げて私が戻したペン立てに戻す。
戻した後、池谷課長はイルカを指でつついていた。愛着をもっている仕草に私は尋ねた。
「可愛いイルカですね。確か、新しく出来た水族館のものですよね」
私が尋ねると、池谷課長はイルカのボールペンを見つめて照れくさそうに笑った。
「呆れるだろ? いい年の男がもつ持ち物じゃないよな」
「そんな事はないですよ。ボールペンは実用的だし気にする必要ないですよ」
私は自然に笑って池谷課長を見つめた。池谷課長もそんな私を見てホッとした様だった。
池谷課長も私が佐藤くんと取って代わろうとしているという疑いを、きつい口調で責めたので普段通り話すきっかけが欲しかったのかもしれない。
だから余計に口が軽くなったのだろう。
「そう言ってもらえるとありがたいやら、余計恥ずかしいやらだな。先週、新しく出来た水族館に行く機会があってな。イルカにするかペンギンにするか悩んで思わず、な」
思わずスッと鋭い瞳を細めた池谷課長。きっと水族館に足を運んだ事を思い出したのだろう。
瞬間、私は残業で百瀬さんと話した会話を思い出した。
『あ~そーなんですぅ。彼氏と先週行ってきたんですぅ。凄く素敵な水族館でしたよぉ』
ゴクリと唾を飲み込む。
(もしかして──)
「イルカにするかペンギンにするか……ですか?」
私は思わず池谷課長の言葉を繰り返して呟いた。
「そうなんだ。イルカも愛嬌があったし、水槽の天井を泳ぐペンギンは凄かったぞ」
『イルカも可愛いですけどぉ~水槽の天井を泳ぐペンギンも可愛かったですよぉ』
「……そう、ですか」
私は呟いて視線を自分の足元に落とした。
池谷課長が一人で水族館に行く事もあるかもしれない。でも『いい年をして』と自分で言うぐらいなのだからこれはそうなのだろう。
「直原は早坂──和馬と付き合い始めたばかり……になるのか」
「……はい」
二課にいた時から、池谷課長は早坂和馬の事を和馬と名前で呼ぶ。早坂三兄弟が社内で揃っているから便宜上名前で呼んでいるのだろう。
嘘の恋人なだけれども。そんな嘘の積み重ねに、私は益々瞳の生気が失われていくのが分かった。
「お勧めだから直原も和馬と一緒に行ってみるといい」
『お勧めですから直原さんも早坂さんと一緒に行ってみてくださいね』
(ああ、何て事なの。このタイミングで、池谷課長の恋人が百瀬さんだという事実を知るのは。そうね、少しだけ……)
少しだけ──の言葉の続きは、浮かばなかった。
辛いとか衝撃的だったとか。そういう感じでもない。当てはまる言葉が見つからない。
池谷課長の隣は、仕事が出来て格好のいいシュッとした女性がお似合いだと思っていたのに。
だけど彼が選んだのはそういう女性ではない。百瀬さんが大きなバストの前で両手を組んで顎に手を当てて言った事を思い出した。
『えー私ですか? うーん、そうですねぇ。出来たら結婚して家に入りたいなって考えています』
(つまり池谷課長は、家庭に入る女性を望んでいて。仕事でも女性は──)
思い起こせば、退職してしまった中村さんの事も、自分に起こった事も冷静に考えたらもっと早く理解出来たのかもしれない。
だけど、池谷課長は私にとっては……憧れで、輝いていて、尊敬していて。そんな人だから、どうしても見抜けなかった。
先日、舞子の相談を受けた時の彼女の言葉を思い出す。
『うちの部長さ、分かりやすいよね? 『お前はここまで』って言われたら、それ以上努力したって今の部長の下では何の芽も出ないわけだし。無駄なわけだし』
(ホントだよ。いっその事、はっきり言ってもらえた方が分かりやすいし。無駄な努力をしなくてもよかったのに)
今の時代に合わない古い考えを、声を大にしている事はためらうだろう。それでも、どうしても考えを変える事が出来ない場合もあるだろう。
(だからって! だからって!! だからって!!! こんなの分かりにくすぎでしょ。どんな隠れキャラだよ!!)
「そうですね。水族館でペアのボールペンを買うのもいいですよね。では失礼します」
私は心の中で精一杯怒りを滲ませそれでも、表面上は微笑み部屋を後にした。
◇◆◇
池谷は直原 那波が部屋を出て行ったのを確認してから、受話器を上げる。五桁の内線番号を押すと直ぐに電話は繋がった。
『はい。大岩です』
凜とした声だった。
「池谷です」
池谷は首のネクタイを少し緩める仕草をしながら名乗った。
社会人としての指導を受けた相手はいくつになっても緊張する。電話の相手は大岩 宗子。入社当時からお世話になっている大先輩だ。開発と営業、畑違いの部署を自らの希望で渡り歩いた現場たたき上げの仕事人だ。
『あら池谷くんじゃない。珍しいわね。って、もうお昼休みよ? 食事ぐらいゆっくりする時間が欲しいんだけど』
「……済みません」
池谷は申し訳ないと掠れた声を上げた。
とにかく大岩は頭が上がらない大先輩だ。その池谷の声を感じ取った大岩はカラカラと笑った。
『冗談よ。そんなに萎縮しないでよ。実は最近、お昼は自分の席で簡単に済ませている事は多くってね』
お昼時間も簡単に済ませている理由が理解出来、池谷は小さく息を吸った。そして、目の間に置いてある直原が作った資料の端を指でめくる。
「簡単に済ませているのは、新しい三課の立ち上げが忙しいからですか?」
池谷が低い声で呟くと大岩が電話口の向こうで小さく溜め息をついたのが聞こえた。
『もうね。部屋とか私の役職とか。そんな事ばっかり決まっていくのに課の内部が全然でね。社内公募もかけたのに、思っている人材が集まらないのよ』
「それは……大岩さんの要求する人材レベルが高すぎだからではないですか? 成長させる事も考えての人材確保でいいのでは?」
『高すぎぃ?! そんな事ないわよ。もちろん成長前提でも考えているわよ。だけど、なかなか今の若い子でタフで情熱的な何かをもっているっていうのはさ……いる様でいないのよね。皆、賢いけれどもクールすぎてさ』
顔は見えない社内内線だが、大岩が笑いながら肩を上げている姿が目に浮かぶ。険しい道を自ら選んで歩いてきた大岩だ。自分と志を同じにしている人材を求めたいのだろう。念願の自分が考えた部署、三課の設立なのだから。
「タフさと情熱ですか。昔から変わりませんね」
大岩らしいと池谷は思った。
自分自身が成長をし続ける。走り続けるのは疲れないか? と聞きたくなるぐらいの大岩だ。きっと彼女を動かすのは『ものづくり』という情熱なのだろう。大岩自身、上司になっても成長し続けるのだ。
尊敬する素晴らしい先輩だ。自分もそうありたいと何度も思った事か。
『何よ池谷くんその口調は。私が古くさいと思ってない?』
「いいえそんな事は。古くさいのはむしろ俺ですよ……」
池谷は溜め息をついた。
上司として成長し続ける──それは自分もそうでありたいと思う。それは古い自分を壊し、新しい自分を受け入れる。そんな事の繰り返しだ。
だが、自分にはどうしても考えを変えられない根幹がある事を、池谷は長い上司生活の中で知ってしまった。昔から長男はこうあるべき男はこうあるべき……という田舎の教えの中、育てられたのが大きいのかもしれない。
女性が続々と上役に進出するのは別に気にならないし、普通に接する事が出来る。なのに、自分の部下となると話は別だ。
池谷は直原の資料を撫でて、大岩に告げた。
「大岩さんに紹介したい社員がいるんです。情熱がある若者ですよ。どうです? 興味はありませんか。これからランチミーティングはいかがですか?」
池谷は張りのある声で大岩の返事を待った。
私は慌てて机の上に倒れたペン立てを起こす。
しかし、そのペン立ての中、異彩を放っていたイルカのボールペンだけがコロコロと机の上に転がっていった。ボールペンのノックする部分に可愛いイルカがついているからバランスが悪かったのだろう。池谷課長がイルカのボールペンを持ち上げて私が戻したペン立てに戻す。
戻した後、池谷課長はイルカを指でつついていた。愛着をもっている仕草に私は尋ねた。
「可愛いイルカですね。確か、新しく出来た水族館のものですよね」
私が尋ねると、池谷課長はイルカのボールペンを見つめて照れくさそうに笑った。
「呆れるだろ? いい年の男がもつ持ち物じゃないよな」
「そんな事はないですよ。ボールペンは実用的だし気にする必要ないですよ」
私は自然に笑って池谷課長を見つめた。池谷課長もそんな私を見てホッとした様だった。
池谷課長も私が佐藤くんと取って代わろうとしているという疑いを、きつい口調で責めたので普段通り話すきっかけが欲しかったのかもしれない。
だから余計に口が軽くなったのだろう。
「そう言ってもらえるとありがたいやら、余計恥ずかしいやらだな。先週、新しく出来た水族館に行く機会があってな。イルカにするかペンギンにするか悩んで思わず、な」
思わずスッと鋭い瞳を細めた池谷課長。きっと水族館に足を運んだ事を思い出したのだろう。
瞬間、私は残業で百瀬さんと話した会話を思い出した。
『あ~そーなんですぅ。彼氏と先週行ってきたんですぅ。凄く素敵な水族館でしたよぉ』
ゴクリと唾を飲み込む。
(もしかして──)
「イルカにするかペンギンにするか……ですか?」
私は思わず池谷課長の言葉を繰り返して呟いた。
「そうなんだ。イルカも愛嬌があったし、水槽の天井を泳ぐペンギンは凄かったぞ」
『イルカも可愛いですけどぉ~水槽の天井を泳ぐペンギンも可愛かったですよぉ』
「……そう、ですか」
私は呟いて視線を自分の足元に落とした。
池谷課長が一人で水族館に行く事もあるかもしれない。でも『いい年をして』と自分で言うぐらいなのだからこれはそうなのだろう。
「直原は早坂──和馬と付き合い始めたばかり……になるのか」
「……はい」
二課にいた時から、池谷課長は早坂和馬の事を和馬と名前で呼ぶ。早坂三兄弟が社内で揃っているから便宜上名前で呼んでいるのだろう。
嘘の恋人なだけれども。そんな嘘の積み重ねに、私は益々瞳の生気が失われていくのが分かった。
「お勧めだから直原も和馬と一緒に行ってみるといい」
『お勧めですから直原さんも早坂さんと一緒に行ってみてくださいね』
(ああ、何て事なの。このタイミングで、池谷課長の恋人が百瀬さんだという事実を知るのは。そうね、少しだけ……)
少しだけ──の言葉の続きは、浮かばなかった。
辛いとか衝撃的だったとか。そういう感じでもない。当てはまる言葉が見つからない。
池谷課長の隣は、仕事が出来て格好のいいシュッとした女性がお似合いだと思っていたのに。
だけど彼が選んだのはそういう女性ではない。百瀬さんが大きなバストの前で両手を組んで顎に手を当てて言った事を思い出した。
『えー私ですか? うーん、そうですねぇ。出来たら結婚して家に入りたいなって考えています』
(つまり池谷課長は、家庭に入る女性を望んでいて。仕事でも女性は──)
思い起こせば、退職してしまった中村さんの事も、自分に起こった事も冷静に考えたらもっと早く理解出来たのかもしれない。
だけど、池谷課長は私にとっては……憧れで、輝いていて、尊敬していて。そんな人だから、どうしても見抜けなかった。
先日、舞子の相談を受けた時の彼女の言葉を思い出す。
『うちの部長さ、分かりやすいよね? 『お前はここまで』って言われたら、それ以上努力したって今の部長の下では何の芽も出ないわけだし。無駄なわけだし』
(ホントだよ。いっその事、はっきり言ってもらえた方が分かりやすいし。無駄な努力をしなくてもよかったのに)
今の時代に合わない古い考えを、声を大にしている事はためらうだろう。それでも、どうしても考えを変える事が出来ない場合もあるだろう。
(だからって! だからって!! だからって!!! こんなの分かりにくすぎでしょ。どんな隠れキャラだよ!!)
「そうですね。水族館でペアのボールペンを買うのもいいですよね。では失礼します」
私は心の中で精一杯怒りを滲ませそれでも、表面上は微笑み部屋を後にした。
◇◆◇
池谷は直原 那波が部屋を出て行ったのを確認してから、受話器を上げる。五桁の内線番号を押すと直ぐに電話は繋がった。
『はい。大岩です』
凜とした声だった。
「池谷です」
池谷は首のネクタイを少し緩める仕草をしながら名乗った。
社会人としての指導を受けた相手はいくつになっても緊張する。電話の相手は大岩 宗子。入社当時からお世話になっている大先輩だ。開発と営業、畑違いの部署を自らの希望で渡り歩いた現場たたき上げの仕事人だ。
『あら池谷くんじゃない。珍しいわね。って、もうお昼休みよ? 食事ぐらいゆっくりする時間が欲しいんだけど』
「……済みません」
池谷は申し訳ないと掠れた声を上げた。
とにかく大岩は頭が上がらない大先輩だ。その池谷の声を感じ取った大岩はカラカラと笑った。
『冗談よ。そんなに萎縮しないでよ。実は最近、お昼は自分の席で簡単に済ませている事は多くってね』
お昼時間も簡単に済ませている理由が理解出来、池谷は小さく息を吸った。そして、目の間に置いてある直原が作った資料の端を指でめくる。
「簡単に済ませているのは、新しい三課の立ち上げが忙しいからですか?」
池谷が低い声で呟くと大岩が電話口の向こうで小さく溜め息をついたのが聞こえた。
『もうね。部屋とか私の役職とか。そんな事ばっかり決まっていくのに課の内部が全然でね。社内公募もかけたのに、思っている人材が集まらないのよ』
「それは……大岩さんの要求する人材レベルが高すぎだからではないですか? 成長させる事も考えての人材確保でいいのでは?」
『高すぎぃ?! そんな事ないわよ。もちろん成長前提でも考えているわよ。だけど、なかなか今の若い子でタフで情熱的な何かをもっているっていうのはさ……いる様でいないのよね。皆、賢いけれどもクールすぎてさ』
顔は見えない社内内線だが、大岩が笑いながら肩を上げている姿が目に浮かぶ。険しい道を自ら選んで歩いてきた大岩だ。自分と志を同じにしている人材を求めたいのだろう。念願の自分が考えた部署、三課の設立なのだから。
「タフさと情熱ですか。昔から変わりませんね」
大岩らしいと池谷は思った。
自分自身が成長をし続ける。走り続けるのは疲れないか? と聞きたくなるぐらいの大岩だ。きっと彼女を動かすのは『ものづくり』という情熱なのだろう。大岩自身、上司になっても成長し続けるのだ。
尊敬する素晴らしい先輩だ。自分もそうありたいと何度も思った事か。
『何よ池谷くんその口調は。私が古くさいと思ってない?』
「いいえそんな事は。古くさいのはむしろ俺ですよ……」
池谷は溜め息をついた。
上司として成長し続ける──それは自分もそうでありたいと思う。それは古い自分を壊し、新しい自分を受け入れる。そんな事の繰り返しだ。
だが、自分にはどうしても考えを変えられない根幹がある事を、池谷は長い上司生活の中で知ってしまった。昔から長男はこうあるべき男はこうあるべき……という田舎の教えの中、育てられたのが大きいのかもしれない。
女性が続々と上役に進出するのは別に気にならないし、普通に接する事が出来る。なのに、自分の部下となると話は別だ。
池谷は直原の資料を撫でて、大岩に告げた。
「大岩さんに紹介したい社員がいるんです。情熱がある若者ですよ。どうです? 興味はありませんか。これからランチミーティングはいかがですか?」
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