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21 来ちゃった
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月曜日の深夜。日曜日に自分のタワーマンションに帰ったはずの和馬が、一週間分の着替えを持ってやって来た。そして、和馬は私の家に上がるなり、キャリーケースに入っていた着替えや私物をそこかしこに並べていく。元々そこにあったかの様にだ。
先日泊まった時、荷物の置き場をあらかじめ確認していたのだとか。自分の荷物があったとしたら何処に置こうかとシミュレーション済みらしい。
「那波ってさ、会社では隙がないって感じなのに。プライベートは結構あけすけだよな。行きずりの男を泊めたら金とか持って逃げられるぞ」
そう言って和馬は通帳などがしまってある引き出しを指さした。
「何でそんなところまでチェックしているのっ! サイテー」
「俺、二日いたからな。狭い部屋だし大体の収納物の位置は覚えたぜ。気をつけろよ」
「そんな行きずりの男なんて家に上げたりしないし!」
「俺を上げたじゃねーか」
「うっ」
(確かにそうだけど。えぇ~そうなるの? 介抱する為だったのに。親切のつもりだったのに)
私は言い返せず、口を真一文字にしするしかなかった。
そんな私の様子を見て、それ見た事かと和馬は笑う。その笑いはいつしか鼻歌に変わる。
和馬は自分の下着をキャリーケースから取り出し、鼻歌を唄いながら私が下着をしまってある引き出しの隣に上手に詰め込んでいく。
「ま。今後は俺がいるから。行きずりの男なんてありえない。大丈夫さ」
「ははは……」
(坊ちゃんはお金に困ってはなさそうだもんね。それにしても、下着をしまう場所まで検討済みとか。どういう事よ)
乾いた笑いしか返す事が出来ない私は、テキパキと動く和馬を呆然と見守るしかなかった。
◇◆◇
和馬は荷物を片付けると、食事は済んでいるからと言ってお風呂に入り、パジャマ代わりのTシャツとスウェットに着替えくつろぐ。
私は状況に混乱しながら冷えた麦茶を和馬の前に差し出しながら尋ねる。
「こういうのは週末って話だったよね?」
和馬は麦茶を飲んで一息つくとベッドを背もたれにして足を伸ばした。悔しいほど足が長い。小さなテーブル越しの向かい側に座る私の方にまで足が届く。
「週末まで待つつもりだったけどさ。昨日自分の家に帰って寝たらびっくりするぐらい眠れなくて」
「え~自分の家なのに?」
私は訝しげに和馬を見つめる。
(嘘つけ。私の部屋ではびっくりするぐらい和馬は何処でも寝ていたくせに)
和馬は週末、私の部屋に来たのは初めてだったくせに馬鹿みたいにリラックスしていた。私が家事をする時は、一緒に手伝ってくれるという良い働きっぷりだが、それ以外はベッドや今みたいにベッドにもたれたままグーグー寝ていたのだ。
和馬は自分の口の前で手を振って私の言葉を否定する。
「マジだって。本当さ。那波の部屋って凄く居心地がいいんだよな。だからさ、来ちゃった」
和馬は可愛く言ってのけるけど行動自体は可愛くない。
「来ちゃったって。馬鹿じゃないの。通勤に一時間ちょっとかかるのよ? 会社まで徒歩十分のタワーマンションに住んでいるお坊ちゃんが、一時間ちょっとの満員電車が簡単に我慢出来るほど甘くないよ」
私はテーブルを小さく叩いた。すると和馬はゆっくりと首を傾げた。
「お坊ちゃんって、お前は随分誤解しているぜ。俺は庶民だぞ」
「お手伝いさんがいた家の何処が庶民よ」
「そうか? 最近家事代行とかあるだろ。そんな感じだぜ?」
「えぇ~根本的に違うから」
「タワーマンションに移ったのは一年前なんだ。それまでは那波と同じぐらい距離が離れたところに住んでいたし。満員電車は経験済みさ。だからそんなに俺の事を心配しなくて大丈夫だぜ?」
「あ、ああ……そう。大丈夫なの。それならいいわね」
私は何故か安心の溜め息をついた。
(違う。安心している場合じゃない。そんな事を言っているのではないのよっ~! でも何でこんな事態になっちゃうの?)
和馬と話していると迷路に入り込んでしまう。上手い具合にごまかされると言うか、結論がひっくり返ってしまうと言うか。
聞きたい事の本質はこんな事じゃない。
(大体さ、おかしいのよ先週、関係を持ってからさ。やたらぐいぐいと強引だし。和馬ってこんな強引な男じゃなかったと思うのに。仕事では意見の相違があって何度か話し合いがあったけど、それ以外は当たり障りのない感じだったはずなのに。それにこの和馬の整った顔も手伝って、柔軟な雰囲気なものだから嫌な気はしない。だから余計隙を与えてしまうのよね)
妙な間が開いた事と私の表情の変化を観察していた和馬がぽつりと呟いた。
「そういえばさ。聞いたんだけど。田中さんが那波に、会いに行ったんだって?」
頬杖をついて和馬が私の顔を見つめる。和馬に言われた事でスポンと忘れていた、給湯室での田中 梨音さんとのやりとりを思い出した。
「あ、うん……よく知ってるね」
聞いたって誰に聞いたのだろう。あの場にいたのは百瀬さんだけど。まさか百瀬さんから聞いたのだろうか。
「知っているも何も。田中さんが俺に直接報告してくれたから『直原さんに会いに行きました。何故直原さんの告白はお受けになったんですか?』ってさ。彼女かなり個性的だからいきなりで驚いただろう?」
和馬がポリポリと鼻の頭を掻きながら苦笑いをした。和馬なりに心配をしてくれているのが分かった。
「確かに驚いたわよ。お金持ちのお嬢様の感性はよく分からないわ。でもさ、陰口を叩かれるよりましかもね」
田中さんがしていたロレックスは、お父さんからの就職祝いなのだとか。百瀬さんが言うには相当なお嬢様らしい。世界が違う田中さんだから私には理解出来ない行動もあるのかもしれない。
察するに、あの個性的な田中さんの事だ、ド直球に和馬に問いただしたのだろう。和馬の前でもあの調子なのであればそれはそれで賞賛に値する。
(だけどそのお嬢様に『何故』と聞かれて和馬は何と答えたのかしら)
「和馬はどんな風に答えたの?」
「何が」
「何故告白を受けたのかって聞かれたんでしょ。どんな風に答えたのかなって」
和馬は私の問いに真顔になった。
先日泊まった時、荷物の置き場をあらかじめ確認していたのだとか。自分の荷物があったとしたら何処に置こうかとシミュレーション済みらしい。
「那波ってさ、会社では隙がないって感じなのに。プライベートは結構あけすけだよな。行きずりの男を泊めたら金とか持って逃げられるぞ」
そう言って和馬は通帳などがしまってある引き出しを指さした。
「何でそんなところまでチェックしているのっ! サイテー」
「俺、二日いたからな。狭い部屋だし大体の収納物の位置は覚えたぜ。気をつけろよ」
「そんな行きずりの男なんて家に上げたりしないし!」
「俺を上げたじゃねーか」
「うっ」
(確かにそうだけど。えぇ~そうなるの? 介抱する為だったのに。親切のつもりだったのに)
私は言い返せず、口を真一文字にしするしかなかった。
そんな私の様子を見て、それ見た事かと和馬は笑う。その笑いはいつしか鼻歌に変わる。
和馬は自分の下着をキャリーケースから取り出し、鼻歌を唄いながら私が下着をしまってある引き出しの隣に上手に詰め込んでいく。
「ま。今後は俺がいるから。行きずりの男なんてありえない。大丈夫さ」
「ははは……」
(坊ちゃんはお金に困ってはなさそうだもんね。それにしても、下着をしまう場所まで検討済みとか。どういう事よ)
乾いた笑いしか返す事が出来ない私は、テキパキと動く和馬を呆然と見守るしかなかった。
◇◆◇
和馬は荷物を片付けると、食事は済んでいるからと言ってお風呂に入り、パジャマ代わりのTシャツとスウェットに着替えくつろぐ。
私は状況に混乱しながら冷えた麦茶を和馬の前に差し出しながら尋ねる。
「こういうのは週末って話だったよね?」
和馬は麦茶を飲んで一息つくとベッドを背もたれにして足を伸ばした。悔しいほど足が長い。小さなテーブル越しの向かい側に座る私の方にまで足が届く。
「週末まで待つつもりだったけどさ。昨日自分の家に帰って寝たらびっくりするぐらい眠れなくて」
「え~自分の家なのに?」
私は訝しげに和馬を見つめる。
(嘘つけ。私の部屋ではびっくりするぐらい和馬は何処でも寝ていたくせに)
和馬は週末、私の部屋に来たのは初めてだったくせに馬鹿みたいにリラックスしていた。私が家事をする時は、一緒に手伝ってくれるという良い働きっぷりだが、それ以外はベッドや今みたいにベッドにもたれたままグーグー寝ていたのだ。
和馬は自分の口の前で手を振って私の言葉を否定する。
「マジだって。本当さ。那波の部屋って凄く居心地がいいんだよな。だからさ、来ちゃった」
和馬は可愛く言ってのけるけど行動自体は可愛くない。
「来ちゃったって。馬鹿じゃないの。通勤に一時間ちょっとかかるのよ? 会社まで徒歩十分のタワーマンションに住んでいるお坊ちゃんが、一時間ちょっとの満員電車が簡単に我慢出来るほど甘くないよ」
私はテーブルを小さく叩いた。すると和馬はゆっくりと首を傾げた。
「お坊ちゃんって、お前は随分誤解しているぜ。俺は庶民だぞ」
「お手伝いさんがいた家の何処が庶民よ」
「そうか? 最近家事代行とかあるだろ。そんな感じだぜ?」
「えぇ~根本的に違うから」
「タワーマンションに移ったのは一年前なんだ。それまでは那波と同じぐらい距離が離れたところに住んでいたし。満員電車は経験済みさ。だからそんなに俺の事を心配しなくて大丈夫だぜ?」
「あ、ああ……そう。大丈夫なの。それならいいわね」
私は何故か安心の溜め息をついた。
(違う。安心している場合じゃない。そんな事を言っているのではないのよっ~! でも何でこんな事態になっちゃうの?)
和馬と話していると迷路に入り込んでしまう。上手い具合にごまかされると言うか、結論がひっくり返ってしまうと言うか。
聞きたい事の本質はこんな事じゃない。
(大体さ、おかしいのよ先週、関係を持ってからさ。やたらぐいぐいと強引だし。和馬ってこんな強引な男じゃなかったと思うのに。仕事では意見の相違があって何度か話し合いがあったけど、それ以外は当たり障りのない感じだったはずなのに。それにこの和馬の整った顔も手伝って、柔軟な雰囲気なものだから嫌な気はしない。だから余計隙を与えてしまうのよね)
妙な間が開いた事と私の表情の変化を観察していた和馬がぽつりと呟いた。
「そういえばさ。聞いたんだけど。田中さんが那波に、会いに行ったんだって?」
頬杖をついて和馬が私の顔を見つめる。和馬に言われた事でスポンと忘れていた、給湯室での田中 梨音さんとのやりとりを思い出した。
「あ、うん……よく知ってるね」
聞いたって誰に聞いたのだろう。あの場にいたのは百瀬さんだけど。まさか百瀬さんから聞いたのだろうか。
「知っているも何も。田中さんが俺に直接報告してくれたから『直原さんに会いに行きました。何故直原さんの告白はお受けになったんですか?』ってさ。彼女かなり個性的だからいきなりで驚いただろう?」
和馬がポリポリと鼻の頭を掻きながら苦笑いをした。和馬なりに心配をしてくれているのが分かった。
「確かに驚いたわよ。お金持ちのお嬢様の感性はよく分からないわ。でもさ、陰口を叩かれるよりましかもね」
田中さんがしていたロレックスは、お父さんからの就職祝いなのだとか。百瀬さんが言うには相当なお嬢様らしい。世界が違う田中さんだから私には理解出来ない行動もあるのかもしれない。
察するに、あの個性的な田中さんの事だ、ド直球に和馬に問いただしたのだろう。和馬の前でもあの調子なのであればそれはそれで賞賛に値する。
(だけどそのお嬢様に『何故』と聞かれて和馬は何と答えたのかしら)
「和馬はどんな風に答えたの?」
「何が」
「何故告白を受けたのかって聞かれたんでしょ。どんな風に答えたのかなって」
和馬は私の問いに真顔になった。
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