【R18】普通じゃないぜ!

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05 経験は突然に

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「んっ」
 最初は唇を当てるだけのキスだった。早坂の唇はしっとり柔らかい。

 薄い唇が私の唇をパクッと食べるとチュッと音を立ててはなれていく。悪戯をされたみたいで私は声を上げる。

 私の声に小さく笑った早坂は、ゆっくりと肉厚の舌で私の唇をこじ開ける。そして舌を差し込んで私の舌を舐め上げる。その間、私の頬を両手で包み、親指で優しく撫でる。

(親指で撫でられるとゾクゾクする!)

 いつもは画面の先で行われている行為が、まさか自分にこんな形となって起こるなんて。自分の好みのセクシー女優さんを見つめては『あんな風に可愛かったら』とか『綺麗だったら』とか考える事はあったけど。その度、自分を重ねてみる。だけど、自分の姿を鏡で見はガッカリしての繰り返しだった。

(ガッカリする容姿の私が、こんな経験をする日が来るなんて)

 しかも相手は早坂だ。性格はひどく難があるが、容姿は申し分ない。弱みを握られて体を差し出せと言われたのは私なのに、何故か喜んでいる自分がいる。

(ずば抜けているスペックの男性にこんな事されるなんて……それに、もっと乱暴にされてもいいかもとか)

 そんな事まで流石に、早坂には悟られたくない。なのに。

「お前さ、もしかして無理矢理やられたいとか考えてねぇ?」
「えっ!」
 突然キスを止めた早坂にズバリと言い当てられ、頭の天辺から声を上げてしまう。

「ぶはっ。その色気のない声、笑うから止めろよな」
 早坂は吹き出し、ペチリと私の頬を軽く叩いた。
「だって。そ、そ、その……無理矢理なんて」
 私は体を精一杯ねじって、早坂から逃げようとする。けれども早坂はがっちりと私を抱きしめていて逃そうとはしてくれない。
「だってさ、お前の動画の購入履歴は、そういう無理矢理ものが多いよな?」
「そ、ん、な事は」
 あります──なんて、言えない。

 言えないけど、あの購入履歴を見たら雄弁に語っているとしか。私は耳まで赤くして口を閉じてしまう。

「耳まで赤くして……へぇ、そうなんだ無理矢理がいいんだな」
 そう低い声で呟くと早坂は私のTシャツをおもむろにめくり上げた。

 たいして大きくない平均的な乳房が勢いよくめくられた事でフルンと小さく揺れ晒される。下着をつけていなかった事実に早坂は驚いた。

「お前な! 俺がいるのにブラぐらいつけろよな」
「だって……早坂は寝てると思ったから」
「寝てるといいとかそういう問題じゃねぇよ。まぁ、つまり下着をつけていないって事は、こうして欲しかったんだろ?」
 私の言い訳を一刀両断する早坂は、両手で私の乳房を掬い上げる。大きな手の中にすっぽりと入ってしまう乳房に私はドキッとした。

 ぐにゃりと乳房は形を変える。早坂の繊細でありながら男らしい指が食い込んだ。でも、痛いほどではない。

「何だ? 力一杯掴んでいるのに、お前の胸は柔らかいなぁ。ほら、こんなに俺の指が食い込んでさ。やらしー」
 早坂はそんなに力一杯掴んでいるわけではないのだろう。

 女性の胸がどの程度で形を変えるかなんて知っていると思う。だけど、わざとギリギリまで痛くない程度で掴み、さも痛めつけられているかの様に私に見せる。

「や、ヤダ」
 思わず口から出た拒絶の言葉。

 その言葉が自分で自分を煽り立てる。一生縁のない台詞だと思っていたのに。早坂にそれを言わされるとは。

(だって、わざとしているの分かっているのに、何だかそれがかえって恥ずかしいし。それに)
 つんと尖った乳首が今にも触れて欲しいとねだっているのが目に入り、私はいたたまれなくなる。そんな風に言葉で煽られると、体の奥が熱くなってくる。

 膝を擦り合わせてもじもじとする姿を見ながら、早坂は舌を出してぬるりと乳首を舐め上げる。

「ひっ!」
 舐められるのは当然初めてだ。だから舌の熱さに驚いて悲鳴を上げる。すると、ハハと軽く笑った早坂が口を大きく開けて乳房にかぶりついた。そして乳首を口に含んだまま口内で、先をつついて吸い、チロチロと舐める事を繰り返す。

 そしてもう片方の胸は親指と人差し指で乳首をつまみ上げ引っ張る。次には親指でこねる様に押さえ込む。

「あっあっ」

(ばっ馬鹿。何を動画みたいに大声を上げてるのよ私!)

 必死声を抑えようとするのに、早坂は時折乳首を小さく囓って痛みを私に与える。瞬間、口が開いてしまう。痛くしたかと思うと今度は優しく舐るから、またあられもない声を上げてしまう。

 動画ほど大げさではないが、自分が自分ではなくなる様な声に私は驚き、一人歯を食いしばる。

 乳房への愛撫は随分と長く続いたが、早坂はようやく片方の乳首を舐るのを止めた。それから私の体をラグから起こす。自分の膝の上に私を抱きかかえながら首筋にキスを落とした。早坂の前髪が私の肌に触れてくすぐったい。

「声を抑えなくていいのに。この部屋そんなに壁は薄くないだろ?」
 低くて掠れた声の早坂がキスを繰り返しながら呟く。

「だってこんなの。声だけじゃなくて顔も丸見えで恥ずかしい」
 恥ずかしいという声を聞いた早坂は突然私を自分の膝から下ろすと、ベッドに手をつけさせて膝立ちにさせる。

「えっ何?」
 あっという間に体を入れ替えられて驚く。真後ろに回った早坂は背中から覆い被さり、私の左耳元で呟いた。

「恥ずかしいなら後ろからしてやる」
「えっ」
「俺は顔が見えたって、声を聞いたってかまわないんだ。でも、それが恥ずかしいなら」

 ベッドに顔を伏せてろ──

 そう言って私のショートパンツを下着ごと膝下まで落とした。

「えっ、んっ!」
 私は驚いて自分の膝辺りを見る。すると、後ろから回された早坂の右手が、ゆっくりと私の足の付け根に滑り込む。

 ヌル。

 そんな音が聞こえた様な気がする。乳房とキスと早坂の言葉で私は、すっかり自分の入り口を濡らしていた。

(はっ、恥ずかしい!)
 自分で一人エッチをする時だって、こんなにひどく濡れたりはしない。私は慌ててベッドに顔を伏せる。

「うわぁ~すっげぇ濡れてる。俺のが入りそうな勢いだ。そんなに欲しいのか」
 クスクス早坂は笑いながら腰を私の臀部に押しつける。

「あっ……」
 すると熱くて固い早坂自身を感じた。

(す、凄い。何かもの凄く固いモノがある)
 アダルト動画をレンタルするけれども、全部モザイクが入って性器は見えない。実はモザイクなしのものは数回しか見た事がなかった。だから私は思わず腰を引っ込めようとした。

(どうしよう。これがまさか今日、私に入るの?!)
 一人であれこれした事はあるけれども実は処女なんです! とは、今更言えない。

 私は息を飲んだ。だけど早坂は離れていく事を許さない。腰をがっちりと掴んだまま離さなかった。

「こら逃げるなよ。ま、俺も慌てないさ。じっくりな」
「ちっ、が、あっ!」

(違う。そうじゃない。実は私処女なんです! 指は少しだけ、第一関節ぐらいしか入れた事がなくて。そんな貫通するほど奥まで入れた事ないんです!)

 等と今更言えない。だからその入れる時は凄く痛いのよねと、当然聞ける様な状況ではなくなってしまった。

 そんな事を考える間も、早坂は流れる様な動作でたっぷりと濡れた入り口をゆっくりと優しく円を描く様にほぐしていく。そしてその上にあるぷっくりと膨れた花芯をつるり撫でていく。

「あっ、はっ」
 私はうつ伏せになっていたベッドの上で顎を上げて小さく喘いだ。

「ここイイよな? まずはさ」

 ここでイッとく?

 早坂は耳元で呟くと激しく花芯を長い指で弾き始めた。同時に舌を耳の中に差し込んだ。

「あっ! ああっ」
 私は堪らず顎を上げた。

 最初は花芯を下から上に擦り上げる。何度かその動きを繰り返したら左右に弾く様に揺らす。堪らず私は膝を少しずつ開いて、もっと大きく擦ってもらえる様に腰を突き出す。

 そんな私の痴態に、早坂は嬉しそうに笑った。

「ほら、もっと足を開けよ。そうしたら指を入れて、中をかき混ぜて。膨れたところも弄ってやるから」

 その声は熱っぽくって掠れている。だから早坂自身も興奮しているのがよく分かった。

(早坂ってエッチの時こんな意地悪で掠れた声を出すなんて反則だよっ!)

 顔は見えないけど、声がいつも聞いている声色と全く違う。熱っぽくって切なそうな声に私は益々自分を濡らしていく。

 突然、指が二本ゆっくりと差し込まれて私は体を硬直させた。

(えっ?! 指って。そんな奥まで入れた事ないし。もしかして私が処女って気がついていないんだ。そりゃ、アダルト動画を見ておきながら処女とは思わないわよね)

 私は素直に処女である事を告白しようと慌てて振り向く。しかし、早坂の上気した顔が間近にあって驚き告げる事が出来なくなる。

「口開けろよ」
 突然振り向いた私にも早坂は驚かず、唇に吸いついてきた。

「んっんーっ!」
 声が吸い取られた瞬間、ズブリと早坂の長い指が私の中に潜り込んできた。

 私は目を見開いた。早坂の瞳に目一杯驚いた顔の私が映っていた。それぐらい近くに早坂がいる。

(止めて! 痛っ……く、ない? あれっ)

 大人の玩具も興味があったけど、挿入する事が怖くて使った事はない。そんな私は、早坂の指を易々と飲み込む。それも痛みは全く伴わずに。

(これってどういう事? もしかして私が相当淫乱なのか、それとも早坂が上手いの?)

 色々考えをまとめようとしたのだが、すぐに出来なくなってしまった。それは早坂が差し込んだ指を折り曲げて私の膣内で指を出し入れし始めたからだ。

 キスから解放され私は瞳を細めて涙を目尻に溜めた。

「あっ……はっ、そ、んな」
 内壁を擦る様に出し入れし、ゆっくりと動く。

 掻き出すその動きは私の体の奥に少しずつ熱を籠もらせる。堪らない。私は小さく呟きながらベッドのタオルケットを握りしめる。

「凄え……俺の手の平にお前の体液が垂れてくる。そんなに気持ちいいんだ?」
 ヌルヌルと滑りの良さを確かめる様にしながら早坂は笑った。

「そういうのは、恥ずかしいから言わないで欲しいのに。ああっ?!」
 私がお願いをしたのに、早坂は聞かなかった様に指の抽挿を激しくした。すると膣内の一番いいところが擦り上げられ私は悲鳴を上げた。

「そこ、そこは。何か怖いから駄目!」

 激しくなる指の出し入れ。それと同時に大きくなる水音。

 紛れもなく私の体液の音だ。今まで花芯を自分で擦って達する事はあったけど、膣内に指を入れては一度もない。それなのに早坂が見つけた場所がとても気持ちよくて、私は腰を前後に揺らしながら目の前に散る火花に耐えた。

「駄目っ……駄っ!」
「ハハハ。駄目じゃなくてイイの間違いだろ? だって中が凄く動いている。ほらイケよ」
 早坂の声も興奮で上気しているのが分かる。

 それでも最後の方は低くて艶っぽい声で囁いた。長い指は差し込まれたまま、そして親指でぐりっと花芯を押さえつけられる様に擦られた。

 瞬間、全てが弾けた。

「あっ、イっ」

(イッちゃう!)

 ポロリと涙が溢れ、目を閉じたが真っ暗の中火花が散ったのが見えた。

 私は達してしまい大きく何度も息をしながら、力なくその場にぺたりと座り込んだ。

「はーっはーっはーっ」
 キーンと耳鳴りみたいな感じになり、自分の心臓の音しか聞こえなかった。

(す、凄かった。そして気持ちがいいなんて……あれ? でもよく考えたら私が一人達しただけで早坂は?)

 そう思って体をねじって振り向くと、早坂がシャツを脱ぎ、見事に割れている腹筋を晒していた。視線を下に移すとズボンとパンツを膝まで下げて、大きくて太い杭に透明のコンドームを被せているところだった。
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