【R18】ライフセーバー異世界へ

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060 私が出来る特別な事 その2

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 私は必死にザックの熱い塊を舐る事を繰り返す。たっぷりのだ液を舌で塗り込む様にして、エラが張っている根元の窪んだ入り口をしつこく舐めながら吸いあげる。それから幹の根元に下がって再び上に登る。

 瞳を閉じてゆっくりとザックの息づかいだけを感じて、ピクッとたまに動く腹筋や熱い塊の動きを感じながら、彼が感じていると思う場所を探す。

 経験が豊富なザックは私の稚拙な動きでは、大きな快感は得られないだろう。
 けれども私は彼に感じて欲しかった。好きだから。
 ピクピクと手の中で大きく跳ねる様に動くザックの分身。少しでも気持ち良いと思ってくれるかな。

 そこで私は1度顔を上げてザックの顔を下から見上げる。ザックは相変わらず両手を頭に組んで、顔の半分を枕に埋めていた。片目で私をジッと見つめている。
 必死になって繰り返す行為が少しだけ彼を上気させた様で、荒い息を繰り返していた。
「ねぇ……」

 す き

 私はザックが先ほど口だけ動かしたのを真似して気持ちを伝える。ザックの片目が大きく見開かれて、口が少し開いたのが見えた。それから息を飲んでから、ゴクンと唾を飲み込んでいた。

 そんなザックを見つめながら私は、もう大きくて飲み込めない、ぼってりとしたエラの張りだした先を、ゆっくりと口いっぱいにふくんでみた。
 先から出ている苦い様な酸味のあるザックの体液が口の中に広がる。大きくて先の方しか口にふくめない。これを喉元まで飲み込む事なんて私には出来ない。だからせめて歯が当たらない様に飲み込めるところまでユルユルと頭を下げてみる。添えた左手で根元を少し強めに握ってしまう。
「っ!」
 ザックが両足を突っ張ったのが分かった。ザックの後頭部に回った腕がギュッと自分の頭を抱える様に閉じていた。それから片側に半分埋めた顔を起こして軽く左右に振った。ああ、分かる……私も快感から逃れたい時頭を左右に振ってみる時があるもの。

 ジュルっと音を立ててザックの先の方だけを吸いあげて私はもう一度頑張って出来るだけ深く飲み込んでみる。いてしまわない様にゆっくりと、ゆっくりと……頭を上下に動かしてみる。
「はっ、あっ……」
 ザックが堪らないといった感じで声を上げる。ああ、凄く艶っぽい声がする。チラリと盗み見する様にザックを見上げる。
 何回か頭を上下したところで、ザックはとうとう頭の後ろに回していた両手をはずした。そのまま真っすぐ私の頭を掴もうとしたが途中で自分の両手を止めて拳を作ると震えながら自分のおでこに作った拳を押し当てていた。

 ああ、それではザックの顔が見えないよ。
 先ほどまで耐える様な顔が見えていたのに! 
 私はゆっくりそれでもリズミカルに吸いあげていた口を思わずはずしてしまった。派手な吸着音を立てて口からザック自身をはなして大きく溜め息をついた。
 その反動でザックの強張りが勢いよく臍に反り返っていた。

「あっ! はぁ……」
 ザックが思わず堪えていた声を張った。それから大きく体を震わせると、何か耐える様に浅い息を繰り返した。最後に深い息を1つ吐いて、肩の力を抜いた。その顔は何故か呆然としている。

 何故そんな顔をしているの?
 
 気が付くと私の口元は自分のだ液で顎の辺りまでベトベトだった。私は自分の顎元を拭いながらザックを見つめる。その拭う姿をザックがジッと見つめて口を少し開けて紅潮した顔で見ていた。

 私は正気に戻った様な感覚に陥って、急激に自分のしている事が恥ずかしくなった。
「ごめん……上手くなくて……その」
 何を謝っているのだか。益々恥ずかしくなる。いたたまれなくなってザックから視線を逸らすが、あっという間に世界が回転した。
「きゃっ」
 気が付けば回転して私はベッドを背に天井を見つめていた。
 あっという間にザックと体が入れ替わっていて、気が付けばザックが私の足の間に自分の体を差し入れていた。
 そう、私は素っ裸でザックの目の前で足を大きく広げていた。
「え──」
 次の瞬間恐ろしい衝撃がやって来た。ザックがあっという間に私に沈み込んだのだ。
 今までにない大きさを保ったザックの熱い杭がねじ込まれる。
 ずるんと音を立てて飲み込んでしまう。恥ずかしい事に私はザックの分身を優しく撫でながら自分が興奮して蜜を滴らせ濡れていたのだ。
 
「ああっ!」
 驚いて喉を反らす。
 見上げるとザックが歯を食いしばっている。垂れ目がちな目を細めて怒っていた。

 何故怒っているの? そう聞きたいのにザックが私の自由を奪う。

 足を抱え込む様にして大きな体が私の上にのし上がる。少し腰を乱暴にザックが2、3度動かすとブルッと体を震わせて深い溜め息をついた。

「……!!」
 私の1番奥にザックの熱い杭の先が到達する。気持ちが良くて声が出なかった。

 昇り詰める、弾ける直前で止められる。

 やだっ、止めないでよ。この快感は我慢出来ない。早く、早く、連れていって! 私は目を細めてザックの背中に手を回して息を荒くして縋る。かきむしる様に背中に爪を立てる。
 それなのに、ザックが私の耳元で唸り声を上げる。
「このっ……こっちがおかしくなる! イキそうなところでいきなり口をはなすとか。どんなだよっ!」
「だ、だって。ザックが顔を隠すからっ! ヒッ」
 ああ、ザックは昇り詰める寸前だったのか。それも分からず私は手放してしまったので、ザックが怒鳴った。

 それから、ザックは仕返しとばかりに焦らす様にゆっくりと腰を動かしはじめた。激しくして欲しいと思っていたけれど、ゆっくりな動きに私は大声を上げる。
「アーッ! アアッ」
 ザックが昨日あの花火の中で私を抱いた時、『ナツミは激しくされるよりゆっくりと責められる方が弱い』、と言った通りで、私はユルユルと動くザックに我慢が出来ず簡単に昇り詰める。
 
 目の前に火花が幾つか散って、音が聞こえなくなる。聞こえるのは自分の心臓の音と、耳元に流れる血液の音──ノイズの様な血液の流れに自分の声までもが聞こえない。


 ザックは腰を揺らしながら苦しそうに呻いた。
「確かに舐めて欲しいって言ったけど……」
 何処でそのやり方を覚えたんだ!


 ザックが言葉を発していたけれども、全く聞こえない。ザックが苦しそうに声を張っていたのが分かった。もの凄く怒られている様に感じた。
 だけれど、私ときたら、相変わらずお腹から広がる様に全身が気持ち良くて何が何だか分からない。自然と涙が溢れた。
 滑りが異常に良くなる私とザックが繋がる部分。それは私が自分の溢れた蜜のせいだと分かるのはもう少し落ち着いてからだった。

「ああ……ヒック、ザックっ、ザック……」
 ようやく自分の声が聞こえたと思ったら、しゃくり上げる涙声だった。わけが分からなくなってザックの名前を呼ぶ。ザックが泣き出した私の顔を見て、ベロリと舌で乱暴に涙を吸いあげた。
「あっ、はぁ。ザック、ごめんなさい。ごめん、へ、たくそで……」
 それを聞いたザックが苦笑いになって、優しくキスをしてくれた。啄む様な優しいキス。なのに繋がっている下半身の動きはちっとも止めてくれない。


「はぁ。下手くそどころか──」
 技術が上手いか? と聞かれると確かに
 それでも、ナツミの視線と表情と。必死に俺のいいところを探そうとする姿が目に焼きつく。

 俺が教えようとしたのに、気が付いたらされるがままの自分。イキそうなところを手放された瞬間、頭によぎったのが「誰にを教えて貰ったか──」なんて。

 自分は散々他の女を抱いてきて、その話をナツミは無理矢理聞いてきているはずなのに。逆の立場になった途端こんな事になるなんて。
 ナツミだって俺が初めてではない事ぐらい分かっているはずなのに。甘え方が間違っているのは分かっているのに。
 ナツミにして貰う行為が、気持ち良すぎておかしくなる。だから、イケなかった反動がこんなにも──

 ザックは言葉を飲み込んでナツミを責め立てる。自分自身も頂点が分からなくなるぐらい気持ちがいい。1度体にもぐり込んで少しで達する自分は何だ。たちっぱなしって笑えるだろ。
 そうだ、ウツの媚薬なんて話にならない。気持ち1つでこんなに変わるなんて。そうではなくてもナツミとの体の相性は抜群だ。


 誰がナツミに教えたんだ? 誰にやった事があるんだ? 気になるけれども返ってきた答えによっては、再びナツミを責め立ててしまうかもしれない。


「ぷっ。んぁ、ああっ。私だけまたイッちゃうからぁ」
 下半身から水音が大きく聞こえる。泡立っている様な音も合わせて聞こえる。
「ナツミごめん。優しく出来なくて。俺今日おかしいみたいだ」
 ザックが呟いている。
「何で? ザックは優しいよ。私こそ、下手くそでごめんなさいっ──アッ」
 私は再び達してしまう。
 ザックがキスで口を塞いでくれて悲鳴の様な声を吸いあげる。少し息が整ったところで、ザックが腰をユルユル動かしながら囁いてくれた。
「謝らなくてもいい。スッゴく良かった……」
「ホント?」
 私は嬉しくなって声を上げてザックの首に飛びついた。
「……ザック大好き」
「うん。俺も……んっ!」
 そしてザックが達し信じられない量の精を吐き出した。



 ザックと私の体液でぐちゃぐちゃになったシーツの上で抱き合う。駄目だイキすぎて体を動かすのが辛い。もう腕を上げる事すら億劫だ。
「それで、イク寸前に手をはなすから……」
 寸止めは辛いから、とザックが私の背中を撫でながら口を尖らせる。

 一生たたなくなりそうで怖いぐらいの気持ち悪さ、なのだそうだ。

「ごめんなさい。ザックが顔を隠すから見たくなって。どんな顔してるのかなって」
「バッ、馬鹿っ。男のイク顔見て何が楽しいんだ」
 ザックが赤くなって視線を逸らした。金髪の髪の毛がぐちゃぐちゃになっているけれども、それも格好いい。しかし、ザックのイイところは外見だけではないのだよね。
「だって、嬉しいよ。私がする事でもザックが気持ち良くなってくれるんだなって」
「え?」
「私だってザックに気持ち良くなって欲しい。いつも私ばかりで。何度も……その、昇り詰めて気持ち良いって言うか……」
 ザックと抱き合うと色々な自分が発見出来て驚きだ。
 恐ろしく底なし沼の様な快楽だったり、天をも突き抜ける様な気持ち良さだったり。
 しかし、その行為もザックとだからだと思うのだよね。もごもご話す私をザックが力一杯抱きしめる。
「俺もナツミを抱くのも抱かれるのも凄く気持ちがいい。気がおかしくなるぐらい……だから今度は俺が言うからその、出来たら手をはなさないで欲しい……」
「うん分かった。今度は、はなさない」
 私は笑ってザックの背中を抱き返した。
「なぁ、ナツミ。その、舐めるのって……」
 誰に教えて貰った? なんて聞けるわけがない。ザックは言葉を飲み込んだ。
 急にナツミの過去が気になりはじめたのだが、そんな事を聞いてどうするつもりだろう。

「ん? なぁに?」
 何かザックが言いかけたので私は頭を上げてザックを見上げる。
「……いや、何でもない。次回楽しみだなぁ~って思って」
「楽しみにしなくても。ねぇ、今度はザックの顔見せてね……」
 私はモジモジしながら聞いてみる。ザックは恐ろしく色っぽいと思う。
「こだわるなぁ……」
 分かったよ。とザックが笑って私の頭に1つキスを落とした。
 少ししたら私とザックは疲れて眠り落ちてしまった。
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