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第二十一章 それでもぼくはきみに笑おう
第六話 亡霊と病の虫
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前回のあらすじ
マ 神 降 臨 (しません)
「フムン……それで、治療法はまだないんですね」
「ううん……あると言いますか、あるけど難しいと言いますか」
「必要なものがあるなら言ってほしい。私がなんとか用意する」
「いえ、それがですね……」
医の神官見習いクヴェルコさんは、困ったように少しの間悩んで、それから何か小さな箱を取り出した。
その中にはこれまた小さな紙片が入っていて、真ん中に何か小さなものがついていた。
「これは……うえ。虫?」
「はい。ダニの一種だと思います。仮に紅真蜱と呼んでいます」
それはダニの標本だった。
何かしら粘着性の接着剤で、紙片に張り付けてあるらしい。
名前の通り真っ赤なダニで、色は派手だけどサイズは小さいので、気を付けて見なければ見失ってしまいそうだ。
「しばらくこの村で診察しているうちに発見したんです。医の神の神殿では病原生物の図鑑もそろっているんですけど、このダニは載っていません。新種のダニです」
「フムン。このダニが病気を持ってきたってこと?」
「いえ。ダニが媒介する危険な病気は数多く報告されていますけど、これは別のようです。実際、採血しても、他の検査でも、特別な細菌などは見つかりませんでした」
顕微鏡でもあるのか、あるいは医の神の加護にそういうのがあるのか、医の神官にはそういうのを見抜く技能があるみたいだった。
そして細菌なんかも知識として存在してるんだね。ウイルスについても知っているんだろうか。この世界の医療関係の発展具合はよくわからない。
今後はもう少しそっちにもアンテナ張っておくべきかなあ。
医療関係だけでなく、結構いろんなところで不自然に発達した知識体系とかあるから、安易に中世っぽいファンタジー世界と考えておくとすれ違いが大きいんだよね。
さて、それはともかくとして、このダニは媒介者ではない、とのことだった。
つまりダニが刺すと同時に、ダニの持っている病原体が身体に入って悪さをするという、そういう病気ではないということだね。
私としてはダニが原因って言われたらすぐにそうかと思っちゃったけど。
「このダニは、魔獣、なんだと思います。とても危険なダニです」
「魔獣? こんなに小さいのに?」
「実際魔蟲とされるものは少なくありません。このダニは大きな魔術を使うわけではありませんが、非常に厄介な性質を持っているみたいなんです」
クヴェルコさんは、寝かせておいたリリオの服を、一言断ってからめくった。
真っ白な肌はいま発熱のせいか火照って赤らんでおり……その中でも目立つ赤い発疹が見られた。
そしてそこには、いままさに血を吸っているらしい紅真蜱がいた。
「こいつが……!」
「払っても無駄です。紅真蜱は何匹も取り付いて、血液と同時に魔力を吸い上げるんです」
「そうか、それで……」
「流行初期は数が少なかったんでしょう。病状の進行も穏やかでした。でも数が増えると、一度にたくさんがとりついて、一気に魔力を吸い上げることで、すぐに衰弱させてしまったんだと思います」
「全然気が付かなかった……」
「肌に残る発疹も、ありふれたものです。特別な跡を残すわけではありませんから、わかりづらいんです。すぐに消えてしまいますし。それで、獲物が弱ったら、次々に他の個体がとりついて、血と魔力を吸っていくんです」
「えげつないな……」
クヴェルコさんは丁寧にリリオの着衣を直して、疲れたようにため息をついた。
「いまどれだけ増えているのかはわかりませんが、リリオさんたちがすぐに倒れてしまったということは、救助の人が来ても、村まではたどり着けないかもしれません……」
「なんてことだ……でも、ダニなんでしょ? 殺虫剤とか、そういうのは効かないの?」
「ええ、私たちもそう思いました。ダニが原因であるとわかって、すぐに対処したんです。これでなんとかなるって」
しかし、ならなかったのだろう。
悲痛な表情で、クヴェルコさんは続けた。
「村中を虫除けの香で燻して、肌に塗り薬も塗りました。エヴィアーノさんの手を借りて、祝福された温泉水で洗い流しもしました。夜着や寝具も全て、です」
「じゃあ、この匂いは」
「ええ、その時の名残です。でも、効かないんです。効かなかったんです。こうして捕まえて、直接煙を浴びせて見ても、殺虫剤に浸してみても、死なないんです。薬剤耐性がついているんです。やっと殺せた理由が薬の効果じゃなくて窒息死ですよ。変な笑いが出ちゃいました」
「……スーパーダニってわけだ」
薬剤耐性……殺虫剤なんかの効果に対して、耐える力を持ってしまったってことだね。
殺虫剤界隈はこうした薬剤耐性とのいたちごっこで、近年では薬剤じゃなくて凍らせることで仕留めたりするタイプも開発されてるくらいだ。
これがネズミとかなら、罠にかけたり、駆除したり、そういうことで数は減らせる。頭のいい個体が逃げ切って生き延びてしまうかもしれないけど、大きさという制限があるから、侵入を制限することはできなくはない。
これもいたちごっこだけどね。
でもダニとなると、侵入を完全には防げない。こんなに小さな生き物だ。蚊帳を張ろうと、小さな隙間があればそれで十分だ。
だから、この村の人たちは、ダニが原因であるとわかっても、それを防ぐことができなかったんだ。
でも、変な話だ。
前からいたダニが、薬の使い過ぎで薬剤耐性を身に着けたっていうならわかる。
でも紅真蜱は新種のダニだ。いままでこの辺りにはいなくて、急に発生した不自然な生き物だ。
あるいはよそからやってきて爆発的に繁殖してしまったのか。
それに対して、対症療法であれ処方し続けてきたのだから、責めるのは酷だろう。
「早いうちであれば、村長さんの息子さんのように、他所の村に連絡に走ることもできたんです。でも今では、みんなそんな体力もありません。馬だってやられているから、とても」
でも、まだ生きている。
生きているから、つらい。
クヴェルコさんは悔しそうに言った。
「このダニは、あまりにもむごいんです。紅真蜱の一番厄介なことは、殺さないことなんです」
「殺さない、こと?」
「もし紅真蜱が一度に大量に取りついたら、計算上では人を殺すことだってできるんです。でも、やつらはしないんです。常に衰弱させて、安全な状況で、長く、長く、血と魔力をむさぼって殖え続けるんです。お年寄りも、子どもも、だからまだ死んでいないんです。体が弱いはずの人たちさえ、ずっと苦しみながら、でもまだ生きているんです」
死んでしまうなら、見限ることもできる。
どうしようもないのだと諦めて、自分だけでもと逃げることができる。
でも、死なないのだ。生きているのだ。苦しんでいるのだ。助けを求めているのだ。あまつさえお前だけでも逃げろと言ってくれるのだ。
それを、どうして放っていけるだろうか。
まだ死んでない。どうにかできるかもしれない。治せるかもしれない。
そんな思いを抱かせてしまう。離れられなくしてしまう。それはあまりにもむごい話だった。
そして、そんな思いを振り切って走り出した人たちさえ、おそらくは道半ばで力尽きて倒れてしまうのだ。それではあまりにも、救いがない。
「……そういえば、ウルウさんはなんで大丈夫なんでしょうか?」
「うん? うーん、なんでだろう」
いぶかし気に言われてみても、思い当たることはなかった。
確かに私は《やみくろ》という装備をしている。いつも着てるフード付きの黒いマントみたいなのだ。
これは《衰弱》他いくつかの状態異常を防ぐ効果はあるけど、ダニを防ぐ効果はない。
リリオたちが《衰弱》だけで《病気》とかが出なかったのも、これが紅真蜱によるドレイン攻撃であって状態異常ではなかったからだ。多分。
であれば、私もやられてもおかしくはないんだけど……。
またもそもそして払ってると、クヴェルコさんが「それ」と急に言う。
「え?」
「いま払いましたよね」
「うん? うん、なんかきもいから……」
「それ紅真蜱です……」
「えっ」
なんかもそもそしてきもいあたりを見てみると、なるほど確かになんか虫がいる。気持ち悪くてすぐ払ってしまった。
えっ、きもっ。
もしかしていままでもこれずっとこのきもいダニが這いまわってたのか。
気づくと途端に気持ち悪くなって、ばさばさとマントを振り払ってしまった。
なんかちっちゃい赤いのがパラパラ落ちた。きもっ。え。きもっ。反射的に踏みつぶしたら普通に死んだっぽい。
地味に微妙に経験値入ったっぽい感覚があった。小数点以下の。
「……………」
「…………えーっと」
「ああ。うん……きもい、から、かなあ……私、敏感肌だから……」
「敏感肌……」
まあ、もう少し突っ込んで考えてみると、いくら小さいダニとはいっても、一応これドレイン攻撃だから、回避判定が発動しているのかもしれなかった。
そういえば私この世界であんまり虫に刺されたことないし。
いくら囲まれようが、ダニ程度の攻撃なら普通に回避できるってことなんだろうなあ。
なんか森に入ってからいつも以上に肌がそわそわして払ってばっかりいたけど、そういうことだったんだね。
まあ、そういうゲームシステム的な都合を知らないクヴェルコさんとしては、村を壊滅に追い込んだ凶悪生物がきもいからの一言で無力化されているのを知って、かなりショックだったんだろう。
虚無としか言えない表情で「敏感肌……」と繰り返すクヴェルコさんには悪かったけど、いやでも、これは私にはどうしようもないんだよなあ。
運がよかったってことで何とか収めてほしい。
用語解説
・紅真蜱(ruĝa iksodo)
新種のダニの一種。魔獣ではないかと推測されている。
動物に取り付いて血を吸うと同時に魔力を吸い上げており、体力を大幅に削ってくる。
弱ったところに他の個体が連鎖してとりついていくことで継続的に衰弱させるだけでなく、一定数以上が同じ個体に取り付くことがなく、殺し切らない程度にとどめて獲物の生存時間を伸ばして吸血を続けるという奇妙な習性がある。
生殖器が存在せず、排泄器官もなく、そもそも消化器官も退化しており、血を吸った後は栄養を摂取できるわけでもなく、放置すればそのまま死ぬ。
不明点が多く、自然の生物であるかさえ疑問視されている。
マ 神 降 臨 (しません)
「フムン……それで、治療法はまだないんですね」
「ううん……あると言いますか、あるけど難しいと言いますか」
「必要なものがあるなら言ってほしい。私がなんとか用意する」
「いえ、それがですね……」
医の神官見習いクヴェルコさんは、困ったように少しの間悩んで、それから何か小さな箱を取り出した。
その中にはこれまた小さな紙片が入っていて、真ん中に何か小さなものがついていた。
「これは……うえ。虫?」
「はい。ダニの一種だと思います。仮に紅真蜱と呼んでいます」
それはダニの標本だった。
何かしら粘着性の接着剤で、紙片に張り付けてあるらしい。
名前の通り真っ赤なダニで、色は派手だけどサイズは小さいので、気を付けて見なければ見失ってしまいそうだ。
「しばらくこの村で診察しているうちに発見したんです。医の神の神殿では病原生物の図鑑もそろっているんですけど、このダニは載っていません。新種のダニです」
「フムン。このダニが病気を持ってきたってこと?」
「いえ。ダニが媒介する危険な病気は数多く報告されていますけど、これは別のようです。実際、採血しても、他の検査でも、特別な細菌などは見つかりませんでした」
顕微鏡でもあるのか、あるいは医の神の加護にそういうのがあるのか、医の神官にはそういうのを見抜く技能があるみたいだった。
そして細菌なんかも知識として存在してるんだね。ウイルスについても知っているんだろうか。この世界の医療関係の発展具合はよくわからない。
今後はもう少しそっちにもアンテナ張っておくべきかなあ。
医療関係だけでなく、結構いろんなところで不自然に発達した知識体系とかあるから、安易に中世っぽいファンタジー世界と考えておくとすれ違いが大きいんだよね。
さて、それはともかくとして、このダニは媒介者ではない、とのことだった。
つまりダニが刺すと同時に、ダニの持っている病原体が身体に入って悪さをするという、そういう病気ではないということだね。
私としてはダニが原因って言われたらすぐにそうかと思っちゃったけど。
「このダニは、魔獣、なんだと思います。とても危険なダニです」
「魔獣? こんなに小さいのに?」
「実際魔蟲とされるものは少なくありません。このダニは大きな魔術を使うわけではありませんが、非常に厄介な性質を持っているみたいなんです」
クヴェルコさんは、寝かせておいたリリオの服を、一言断ってからめくった。
真っ白な肌はいま発熱のせいか火照って赤らんでおり……その中でも目立つ赤い発疹が見られた。
そしてそこには、いままさに血を吸っているらしい紅真蜱がいた。
「こいつが……!」
「払っても無駄です。紅真蜱は何匹も取り付いて、血液と同時に魔力を吸い上げるんです」
「そうか、それで……」
「流行初期は数が少なかったんでしょう。病状の進行も穏やかでした。でも数が増えると、一度にたくさんがとりついて、一気に魔力を吸い上げることで、すぐに衰弱させてしまったんだと思います」
「全然気が付かなかった……」
「肌に残る発疹も、ありふれたものです。特別な跡を残すわけではありませんから、わかりづらいんです。すぐに消えてしまいますし。それで、獲物が弱ったら、次々に他の個体がとりついて、血と魔力を吸っていくんです」
「えげつないな……」
クヴェルコさんは丁寧にリリオの着衣を直して、疲れたようにため息をついた。
「いまどれだけ増えているのかはわかりませんが、リリオさんたちがすぐに倒れてしまったということは、救助の人が来ても、村まではたどり着けないかもしれません……」
「なんてことだ……でも、ダニなんでしょ? 殺虫剤とか、そういうのは効かないの?」
「ええ、私たちもそう思いました。ダニが原因であるとわかって、すぐに対処したんです。これでなんとかなるって」
しかし、ならなかったのだろう。
悲痛な表情で、クヴェルコさんは続けた。
「村中を虫除けの香で燻して、肌に塗り薬も塗りました。エヴィアーノさんの手を借りて、祝福された温泉水で洗い流しもしました。夜着や寝具も全て、です」
「じゃあ、この匂いは」
「ええ、その時の名残です。でも、効かないんです。効かなかったんです。こうして捕まえて、直接煙を浴びせて見ても、殺虫剤に浸してみても、死なないんです。薬剤耐性がついているんです。やっと殺せた理由が薬の効果じゃなくて窒息死ですよ。変な笑いが出ちゃいました」
「……スーパーダニってわけだ」
薬剤耐性……殺虫剤なんかの効果に対して、耐える力を持ってしまったってことだね。
殺虫剤界隈はこうした薬剤耐性とのいたちごっこで、近年では薬剤じゃなくて凍らせることで仕留めたりするタイプも開発されてるくらいだ。
これがネズミとかなら、罠にかけたり、駆除したり、そういうことで数は減らせる。頭のいい個体が逃げ切って生き延びてしまうかもしれないけど、大きさという制限があるから、侵入を制限することはできなくはない。
これもいたちごっこだけどね。
でもダニとなると、侵入を完全には防げない。こんなに小さな生き物だ。蚊帳を張ろうと、小さな隙間があればそれで十分だ。
だから、この村の人たちは、ダニが原因であるとわかっても、それを防ぐことができなかったんだ。
でも、変な話だ。
前からいたダニが、薬の使い過ぎで薬剤耐性を身に着けたっていうならわかる。
でも紅真蜱は新種のダニだ。いままでこの辺りにはいなくて、急に発生した不自然な生き物だ。
あるいはよそからやってきて爆発的に繁殖してしまったのか。
それに対して、対症療法であれ処方し続けてきたのだから、責めるのは酷だろう。
「早いうちであれば、村長さんの息子さんのように、他所の村に連絡に走ることもできたんです。でも今では、みんなそんな体力もありません。馬だってやられているから、とても」
でも、まだ生きている。
生きているから、つらい。
クヴェルコさんは悔しそうに言った。
「このダニは、あまりにもむごいんです。紅真蜱の一番厄介なことは、殺さないことなんです」
「殺さない、こと?」
「もし紅真蜱が一度に大量に取りついたら、計算上では人を殺すことだってできるんです。でも、やつらはしないんです。常に衰弱させて、安全な状況で、長く、長く、血と魔力をむさぼって殖え続けるんです。お年寄りも、子どもも、だからまだ死んでいないんです。体が弱いはずの人たちさえ、ずっと苦しみながら、でもまだ生きているんです」
死んでしまうなら、見限ることもできる。
どうしようもないのだと諦めて、自分だけでもと逃げることができる。
でも、死なないのだ。生きているのだ。苦しんでいるのだ。助けを求めているのだ。あまつさえお前だけでも逃げろと言ってくれるのだ。
それを、どうして放っていけるだろうか。
まだ死んでない。どうにかできるかもしれない。治せるかもしれない。
そんな思いを抱かせてしまう。離れられなくしてしまう。それはあまりにもむごい話だった。
そして、そんな思いを振り切って走り出した人たちさえ、おそらくは道半ばで力尽きて倒れてしまうのだ。それではあまりにも、救いがない。
「……そういえば、ウルウさんはなんで大丈夫なんでしょうか?」
「うん? うーん、なんでだろう」
いぶかし気に言われてみても、思い当たることはなかった。
確かに私は《やみくろ》という装備をしている。いつも着てるフード付きの黒いマントみたいなのだ。
これは《衰弱》他いくつかの状態異常を防ぐ効果はあるけど、ダニを防ぐ効果はない。
リリオたちが《衰弱》だけで《病気》とかが出なかったのも、これが紅真蜱によるドレイン攻撃であって状態異常ではなかったからだ。多分。
であれば、私もやられてもおかしくはないんだけど……。
またもそもそして払ってると、クヴェルコさんが「それ」と急に言う。
「え?」
「いま払いましたよね」
「うん? うん、なんかきもいから……」
「それ紅真蜱です……」
「えっ」
なんかもそもそしてきもいあたりを見てみると、なるほど確かになんか虫がいる。気持ち悪くてすぐ払ってしまった。
えっ、きもっ。
もしかしていままでもこれずっとこのきもいダニが這いまわってたのか。
気づくと途端に気持ち悪くなって、ばさばさとマントを振り払ってしまった。
なんかちっちゃい赤いのがパラパラ落ちた。きもっ。え。きもっ。反射的に踏みつぶしたら普通に死んだっぽい。
地味に微妙に経験値入ったっぽい感覚があった。小数点以下の。
「……………」
「…………えーっと」
「ああ。うん……きもい、から、かなあ……私、敏感肌だから……」
「敏感肌……」
まあ、もう少し突っ込んで考えてみると、いくら小さいダニとはいっても、一応これドレイン攻撃だから、回避判定が発動しているのかもしれなかった。
そういえば私この世界であんまり虫に刺されたことないし。
いくら囲まれようが、ダニ程度の攻撃なら普通に回避できるってことなんだろうなあ。
なんか森に入ってからいつも以上に肌がそわそわして払ってばっかりいたけど、そういうことだったんだね。
まあ、そういうゲームシステム的な都合を知らないクヴェルコさんとしては、村を壊滅に追い込んだ凶悪生物がきもいからの一言で無力化されているのを知って、かなりショックだったんだろう。
虚無としか言えない表情で「敏感肌……」と繰り返すクヴェルコさんには悪かったけど、いやでも、これは私にはどうしようもないんだよなあ。
運がよかったってことで何とか収めてほしい。
用語解説
・紅真蜱(ruĝa iksodo)
新種のダニの一種。魔獣ではないかと推測されている。
動物に取り付いて血を吸うと同時に魔力を吸い上げており、体力を大幅に削ってくる。
弱ったところに他の個体が連鎖してとりついていくことで継続的に衰弱させるだけでなく、一定数以上が同じ個体に取り付くことがなく、殺し切らない程度にとどめて獲物の生存時間を伸ばして吸血を続けるという奇妙な習性がある。
生殖器が存在せず、排泄器官もなく、そもそも消化器官も退化しており、血を吸った後は栄養を摂取できるわけでもなく、放置すればそのまま死ぬ。
不明点が多く、自然の生物であるかさえ疑問視されている。
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