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第十一章 夜明けの海は
最終話 夜明けの海は
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前回のあらすじ
宿の夜でお勉強。
興味ない人は飛ばしてもよかったんだぜ。
翌朝、私はリンゴンリンゴンとやかましい時計の音に起こされることもなく、しびれを切らした二人に時計の角でぶん殴られてようやく起きました。
私の石頭を何度もぶん殴っておきながら全然壊れる様子もないこの時計、ただものではありません。
私はトルンペートに手伝ってもらって身だしなみを整え、装備を整え、そして心構えを整えました。
いよいよです。まだあと一週間の旅程が残っていますけれど、いよいよ私は母の故郷に辿り着こうとしているのでした。
「ハヴェノについてからの予定は?」
「ハヴェノについてからは、そうですねえ。飛脚に手紙を持たせて先触れをしておいて、組合に顔を出して挨拶をして、それから見物でもしながらぶらりと向かいましょうか。途中でご飯を食べていってもいいかもしれません」
「宿はどうするの?」
「メザーガに紹介状を書いてもらっていますから、部屋は母の実家で借りられるはずです」
私たちは宿を引き払い、まだ薄暗い路地を港へ向かいはじめました。
町壁の向こうから、朝日が夜のとばりに切れ目を入れるように、そしてゆっくりと開いていくように、差し込んできていました。
「メザーガは実の両親を早くに亡くしていて、従兄妹の両親を、つまり私の祖父母を父母のように慕っていたとのことです。祖父母もメザーガが素直に慕ってくれるので、実の子供同然にかわいがったとのことですよ」
「生粋の冒険屋家族が、実の子供同然にかわいがったっていうのはさ」
「止めましょうよウルウ。あんまり想像するといい話が笑い話になりかねないわ」
「笑えるぐらいだといいんだけど」
「人の母の実家をなんだと思ってるんですかあなたたち」
「人外魔境」
「魔人の住処」
「言い返せないのがつらい所ですけれど、想像でものを言うのはやめましょう」
船で一週間離れたこのバージョの町の冒険屋組合でも散々に言われたくらいです。
本拠地であるハヴェノについたらいったいどのような扱いを受けているのでしょう、ブランクハーラ家。
私たちは港近くで、早速朝早くから店を出している屋台を見つけて、さっと朝食を摂っていくことにしました。
米の粉を練って作ったという麺を、たっぷりの汁に浸して食べるフォーという料理はなかなか美味しいものでした。この麺がいわゆる麺のように紐状ではなく、平たいのも面白いところで、また米粉のどこかざっくりとした歯ごたえは小麦の麺とはまた違った食感で楽しいものです。
牛こつからとったという出汁はきれいに澄んでいましたがどっしりとしたコクがあり、中に浮かんでいた骨付きの肉は、とろけるように口の中でほぐれるのでした。
トルンペートは蝦多士という揚げ物を頼んで食べたようでした。これは薄く切った麺麭にエビなどのすり身を挟み込んでたっぷりの油で揚げた料理のようでした。
一口貰うと、ざっくりとした歯ごたえの揚げ麺麭の中から、ほわっと湯気とともにふわふわのすり身が現れ、これがぷりんぷりんと心地よい歯ごたえとともに、口の中で熱々のまま暴れるのでした。
また、エビのすり身だけでなく、魚のすり身や、豚肉を用いたものもあるようで、トルンペートははふはふと火傷しないように気を付けながらも、揚げたてを美味しくいただいているのでした。
ウルウはやっぱり小食で、揚げ甘蕉を一袋買って、それをちまちま食べているところでした。
これは以前退治したバナナワニをずっと小さくしたような果物を、丁度良い大きさに切って油で揚げたもののようでした。
一口貰うと、ふわふわもちもちとした衣からは想像できないほど柔らかくとろっとろにとろけた実が口の中に流れ込み、そしてこの身の甘さと言ったらもう、そこらのお菓子よりもずっと甘いくらいなのでした。かといってくどすぎるということもなく、後を引く甘さです。
ウルウは私が美味しい美味しいと喜ぶと、少し考えて、こう尋ねました。
「リリオ、以前退治した魔獣を覚えてる?」
「バナナワニですね」
「これは?」
「揚げ甘蕉ですね」
ご褒美と言わんばかりにもう一つ口に放り込まれました。
ウルウ自身は納得いかない様子で首を傾げています。
「なんで今回はバナナじゃないんだ? プルプラのいたずらなのか? なんで翻訳されないんだ」
まあ、ウルウにはウルウの悩み事があるのでしょう。わたしにはわからないことみたいなので、そっとしておきます。
そういえば南部には、あれよりは小さいけれどバナナワニが出ると聞きます。この甘蕉と同じように揚げたバナナワニもおいしいそうですけれど、海辺の生き物ではないのかバージョでは見かけませんでした。
いつか食べてみたいものですね。
私たちは手早く朝食を済ませて、目的の船に乗り込みました。
そして乗り込んで早々に義手に義足に眼帯に三角帽と、いかにも海賊という風貌の人物と遭遇して思わず抜剣しかけました。
「待て待て。社長のプロテーゾだ」
「えっ、ハヴェノで忙しくしてるんじゃ」
「忙しいから息抜きしているんだ。海賊騒ぎ以来、帝都から五月蠅く連絡が来てな」
海賊もといプロテーゾさんは、そのいかにも悪役な恰好とは裏腹に、実に紳士的に私たちを甲板に案内してくれました。
「ここが君たちのもっぱらの仕事場だ。暇だったら、邪魔にならん程度なら訓練していてもいいし、舷側に寝椅子でも持ってきて昼寝しててもいい。ただし賊が現れたり、魔獣が出たら、働きぶりは見させてもらうぞ」
まだ出航まで時間はあるし、船室で休んでいてもいいと言われましたけれど、私たちは朝日に照らされてキラキラと光る海の様子に心を奪われ、もうしばらくここで海を見せてもらうことにした。
「すぐに飽きると思うがね」
「すぐに飽きるから、今のうちに新鮮な心地をたっぷり味わっておくんですよ」
「成程……君はいい旅人になる」
プロテーゾさんがあちこちに指示を出しながら姿を消して、私たちは改めて海を眺めました。
「奇麗なもんだねえ」
「それに潮の匂いも、すごいですねえ」
「どこまで続いているのかしら」
「どこかの陸地まで」
「ウルウは浪漫がないわね」
この先に、ハヴェノが、母の実家が待っているのでした。
メザーガは言いました。覚悟して行くようにと。
それがどんな意味を持っているのかはわかりません。
でも、私はもう一人ではありません。
ウルウと、トルンペートと、三人でなら、きっとどこまでも行けることでしょう。
夜明けの海に、私たちは新たな冒険を予感するのでした。
「あっ、ごめん、そろそろきつい」
「船酔い早っ!」
用語解説
・フォー
米粉を練って作った平らな麺。またそれを用いた料理。
我々の世界ではベトナムあたりでよく食べられる。
・蝦多士
食パンでエビのすり身を包んであげたもので、我々の世界ではハトシなどと呼ばれ、東南アジアや長崎などで食べられる。
・甘蕉
バナナ。なぜこれは現地語に翻訳され、バナナワニは翻訳されないのか。謎である。
木に成るように見えるが、実は木ではなく分類としては草にあたる。
・プロテーゾ(Protezo)
ハヴェノでも一、二を争う大きな海運商社の社長。
見た目はどう見ても海賊の親分でしかない。
海の神の熱心な信者で、いくつかの加護を得ている。
義肢はすべて高価な魔法道具である。
宿の夜でお勉強。
興味ない人は飛ばしてもよかったんだぜ。
翌朝、私はリンゴンリンゴンとやかましい時計の音に起こされることもなく、しびれを切らした二人に時計の角でぶん殴られてようやく起きました。
私の石頭を何度もぶん殴っておきながら全然壊れる様子もないこの時計、ただものではありません。
私はトルンペートに手伝ってもらって身だしなみを整え、装備を整え、そして心構えを整えました。
いよいよです。まだあと一週間の旅程が残っていますけれど、いよいよ私は母の故郷に辿り着こうとしているのでした。
「ハヴェノについてからの予定は?」
「ハヴェノについてからは、そうですねえ。飛脚に手紙を持たせて先触れをしておいて、組合に顔を出して挨拶をして、それから見物でもしながらぶらりと向かいましょうか。途中でご飯を食べていってもいいかもしれません」
「宿はどうするの?」
「メザーガに紹介状を書いてもらっていますから、部屋は母の実家で借りられるはずです」
私たちは宿を引き払い、まだ薄暗い路地を港へ向かいはじめました。
町壁の向こうから、朝日が夜のとばりに切れ目を入れるように、そしてゆっくりと開いていくように、差し込んできていました。
「メザーガは実の両親を早くに亡くしていて、従兄妹の両親を、つまり私の祖父母を父母のように慕っていたとのことです。祖父母もメザーガが素直に慕ってくれるので、実の子供同然にかわいがったとのことですよ」
「生粋の冒険屋家族が、実の子供同然にかわいがったっていうのはさ」
「止めましょうよウルウ。あんまり想像するといい話が笑い話になりかねないわ」
「笑えるぐらいだといいんだけど」
「人の母の実家をなんだと思ってるんですかあなたたち」
「人外魔境」
「魔人の住処」
「言い返せないのがつらい所ですけれど、想像でものを言うのはやめましょう」
船で一週間離れたこのバージョの町の冒険屋組合でも散々に言われたくらいです。
本拠地であるハヴェノについたらいったいどのような扱いを受けているのでしょう、ブランクハーラ家。
私たちは港近くで、早速朝早くから店を出している屋台を見つけて、さっと朝食を摂っていくことにしました。
米の粉を練って作ったという麺を、たっぷりの汁に浸して食べるフォーという料理はなかなか美味しいものでした。この麺がいわゆる麺のように紐状ではなく、平たいのも面白いところで、また米粉のどこかざっくりとした歯ごたえは小麦の麺とはまた違った食感で楽しいものです。
牛こつからとったという出汁はきれいに澄んでいましたがどっしりとしたコクがあり、中に浮かんでいた骨付きの肉は、とろけるように口の中でほぐれるのでした。
トルンペートは蝦多士という揚げ物を頼んで食べたようでした。これは薄く切った麺麭にエビなどのすり身を挟み込んでたっぷりの油で揚げた料理のようでした。
一口貰うと、ざっくりとした歯ごたえの揚げ麺麭の中から、ほわっと湯気とともにふわふわのすり身が現れ、これがぷりんぷりんと心地よい歯ごたえとともに、口の中で熱々のまま暴れるのでした。
また、エビのすり身だけでなく、魚のすり身や、豚肉を用いたものもあるようで、トルンペートははふはふと火傷しないように気を付けながらも、揚げたてを美味しくいただいているのでした。
ウルウはやっぱり小食で、揚げ甘蕉を一袋買って、それをちまちま食べているところでした。
これは以前退治したバナナワニをずっと小さくしたような果物を、丁度良い大きさに切って油で揚げたもののようでした。
一口貰うと、ふわふわもちもちとした衣からは想像できないほど柔らかくとろっとろにとろけた実が口の中に流れ込み、そしてこの身の甘さと言ったらもう、そこらのお菓子よりもずっと甘いくらいなのでした。かといってくどすぎるということもなく、後を引く甘さです。
ウルウは私が美味しい美味しいと喜ぶと、少し考えて、こう尋ねました。
「リリオ、以前退治した魔獣を覚えてる?」
「バナナワニですね」
「これは?」
「揚げ甘蕉ですね」
ご褒美と言わんばかりにもう一つ口に放り込まれました。
ウルウ自身は納得いかない様子で首を傾げています。
「なんで今回はバナナじゃないんだ? プルプラのいたずらなのか? なんで翻訳されないんだ」
まあ、ウルウにはウルウの悩み事があるのでしょう。わたしにはわからないことみたいなので、そっとしておきます。
そういえば南部には、あれよりは小さいけれどバナナワニが出ると聞きます。この甘蕉と同じように揚げたバナナワニもおいしいそうですけれど、海辺の生き物ではないのかバージョでは見かけませんでした。
いつか食べてみたいものですね。
私たちは手早く朝食を済ませて、目的の船に乗り込みました。
そして乗り込んで早々に義手に義足に眼帯に三角帽と、いかにも海賊という風貌の人物と遭遇して思わず抜剣しかけました。
「待て待て。社長のプロテーゾだ」
「えっ、ハヴェノで忙しくしてるんじゃ」
「忙しいから息抜きしているんだ。海賊騒ぎ以来、帝都から五月蠅く連絡が来てな」
海賊もといプロテーゾさんは、そのいかにも悪役な恰好とは裏腹に、実に紳士的に私たちを甲板に案内してくれました。
「ここが君たちのもっぱらの仕事場だ。暇だったら、邪魔にならん程度なら訓練していてもいいし、舷側に寝椅子でも持ってきて昼寝しててもいい。ただし賊が現れたり、魔獣が出たら、働きぶりは見させてもらうぞ」
まだ出航まで時間はあるし、船室で休んでいてもいいと言われましたけれど、私たちは朝日に照らされてキラキラと光る海の様子に心を奪われ、もうしばらくここで海を見せてもらうことにした。
「すぐに飽きると思うがね」
「すぐに飽きるから、今のうちに新鮮な心地をたっぷり味わっておくんですよ」
「成程……君はいい旅人になる」
プロテーゾさんがあちこちに指示を出しながら姿を消して、私たちは改めて海を眺めました。
「奇麗なもんだねえ」
「それに潮の匂いも、すごいですねえ」
「どこまで続いているのかしら」
「どこかの陸地まで」
「ウルウは浪漫がないわね」
この先に、ハヴェノが、母の実家が待っているのでした。
メザーガは言いました。覚悟して行くようにと。
それがどんな意味を持っているのかはわかりません。
でも、私はもう一人ではありません。
ウルウと、トルンペートと、三人でなら、きっとどこまでも行けることでしょう。
夜明けの海に、私たちは新たな冒険を予感するのでした。
「あっ、ごめん、そろそろきつい」
「船酔い早っ!」
用語解説
・フォー
米粉を練って作った平らな麺。またそれを用いた料理。
我々の世界ではベトナムあたりでよく食べられる。
・蝦多士
食パンでエビのすり身を包んであげたもので、我々の世界ではハトシなどと呼ばれ、東南アジアや長崎などで食べられる。
・甘蕉
バナナ。なぜこれは現地語に翻訳され、バナナワニは翻訳されないのか。謎である。
木に成るように見えるが、実は木ではなく分類としては草にあたる。
・プロテーゾ(Protezo)
ハヴェノでも一、二を争う大きな海運商社の社長。
見た目はどう見ても海賊の親分でしかない。
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