109 / 210
第九章 ワン・ストーミー・ナイト
第四話 写本
しおりを挟む
前回のあらすじ
飯レポ……飯レポ?
ほとんど強制イベントのような昼食を終わらせて、冒険屋たちはみなもそもそと内職に戻っていった。
紙月もまた精霊晶いじりに戻り、しかし彫刻にすっかり挫折してしまった未来は困った。
何事も継続して初めて上達するということはわかっているのだが、集中力というものはそんなに長続きするものではないのだ。未来の彫刻に対する集中力はすっかり品切れしてしまったと言っていい。
これがもう少し彫刻に慣れてくると、この形は飽きたから違う形にしよう、などという風に集中力を操作できるようになってくるのだが、残念ながら未来にはまだその境地は程遠かった。
手元で木切れをころころと転がして溜息をつく未来に気付いたムスコロは、少しの間ふぅむと考えて、それからいったん席を外した。
戻ってきた頃には、何冊かの本を抱えている。
「兄さん」
「なに?」
「彫り物に飽きたなら、今度は写本はどうです」
フムン。
未来はムスコロの持ってきた本と紙束を受け取った。
そう言えば事務所に来たばかりの頃、暇を持て余しては写本をしていたものだ。
最近はちょっとさぼっていたから、丁度良いかもしれない。
「確か前も、写本をしてなすったでしょう」
「そうだね。最近、さぼってた」
「写本の内職ってだけでなく、字の練習ってのは大事ですぜ」
「冒険屋にも?」
「勿論」
ムスコロが言うには、上手な字の練習というものはしておいてまず損がないという。
達者な字を書くようになると、こいつは教養があるなとまず目で見てわかる。字の練習に時間が取れたということであるし、読み書きをすれば理解力も深まるし、単純に知識も増える。
そうすると商人たちからはまず一目置かれる。学のない依頼人でも、そのくらいは察する。
荒事が多い冒険屋稼業と言えども、気が利くものと気が利かないものではどちらが優遇されているかと言えば、決まっている。教養があると見なされれば、この気が利くものの方に分類される。
そうすれば仕事が増えるし、仕事の内容自体も難しくて依頼料の高いものになってくる。
地味なことのように思えるが、そうしたところからも冒険屋の実力というものは磨かれていくのである。
「そっか。ありがとう、ムスコロさん」
「いえいえ」
彫り物に戻るムスコロを見送って、未来は受け取った本の表紙を見た。
ムスコロも最初の頃のように、子供向けの易しい物ばかりを見繕ってはこなかった。むしろ大人向けか、大人でもちょっと難しいように思われる本である。
これは安易に未来を大人扱いしているのではなく、いままで読んできた本から、このくらいは読めるだろうと判断したのである。
それにもの知らずな所のある未来たちに必要とも思ったのだろう。
まず未来は一冊目を手に取って、ゆっくりと読み始めた。いきなり写本に移ることはない。
中身がわかっていなければ写す手もつっかえつっかえになるし、そうなると筆跡はゆがみ、全体ががたがたとする。
まず読んで、理解する。それが大事だ。
一冊目は図鑑のようなものだった。図鑑と言っても絵図の類はほとんどないから、動物誌や博物誌と言った方がいいかもしれない。
前書きを読み進めていくに、これはどうも帝国内で確認できる魔獣について記したもののようだった。
魔獣というものは、その生態として魔法を扱うことのできる動植物の総称である。動物だけでなく植物も含まれていて、特別に植物の魔獣を語るときは魔木や魔草などと呼ぶ。
よく冒険屋の仕事として魔獣や害獣の討伐や駆除というものがあるが、これもごっちゃになった概念である。
害獣と言うのは読んで字のごとく人の生活に害をなす動植物の総称で、害をなすならば魔獣も害獣の一部ではある。逆に、魔獣であっても、害をなさないならば、害獣ではない。
魔獣という区分の中にも害獣とそうでないものがあり、害獣という区分の中にも魔獣とそうでないものがあるのである。
ただ、一般的な区別として、害獣と魔獣であれば魔獣の方が危険なものとして扱われる。甲種だの乙種だのという危険度の区別においても、乙種の魔獣という場合と、乙種の害獣という場合では、前者の方が全然危険であるとされる。
こういったごちゃごちゃに入り混じった呼び方は、人々が自然に呼んでいるうちに入り組んでしまったもので、統一しようにも、難しいところがある。
この本では、魔法を使う動植物という区分で魔獣を扱い、害獣であるかどうかは区別していないようだった。
例えば北部などに棲むという熊木菟という魔獣の説明があった。
これは主に四つ足、時に二足で立ち上がる熊のような体躯をした羽獣で、つまり未来たちの言い方をすれば熊のニッチに適応したフクロウだった。
体長は雄で二メートル少し。三メートルもざらであるという。体重は餌次第ではあるが、三百キログラムから、時には五百キログラム以上のものもいるという。
この巨体に似合わず、熊木菟は森の暗殺者とも呼ばれる。
それというのも、この魔獣は風精と非常に親和性が高く、おおよそ円状に周囲の空気に干渉し、伝わる音を遮断してしまうのである。そして音の消えた中でひっそりと接近し、気づかれる前に攻撃を仕掛けてくるのだという。
この異能は特に冬の雪山で恐ろしいほど冴え渡り、もともと音が吸われがちな雪山でじわりじわりとこの領域に侵入すると、標的は気付くこともなくいつのまにか刈り取られてしまうのだという。
そしてこの無音の結界にうまく気付けても、この魔獣は遠距離からの攻撃手段を持ち合わせており、油断できない。
標的が結界に気付いて警戒すると、熊木菟は即座に結界に回していた魔力を手元に引き戻し、風精を刃のように固めて飛ばしてくるのである。
これは個体の栄養状態や魔力の強さにもよるが、まるで鋸の歯のついた鉄球で殴りつけられでもしたように、重武装の冒険屋でもずたずたに引き裂かれてしまうという。
これをうまくかわしても、なにしろ熊の仲間であるから身体能力も高い。走りは人よりも早く、特に山道を登るときに力強く、木登りも得意であるため山の中では逃げ場がないという。
丈夫な羽毛はなかなかな矢や剣を通さず、太い腕は細い木の幹などへし折ってしまうほどで、よく死者が出るのだとか。
未来などは読んでいてどんな化物だと思ったものだが、これでも危険度としては乙種の魔獣であるというから、甲種である幼体の地竜と言うのも大概化物だったわけである。もちろん、甲種とか乙種と言うのは環境や相性にもよるので、あの地竜の幼体より熊木菟の方が簡単な相手であるとは限らないのだが。
また、どれほど危険な動物であるのかという説明だけでなく、その解剖学的な解説や、生態などの調査結果も記されていた。
いったいどうやって調べたのか未来には見当もつかないが、冬眠中に卵を産むことや、春になるころにその卵が孵ること、熊木菟の雛がふわふわで、「およそこの世のものとは思われぬほどの愛らしさ(原文ママ)」であることなどが事細かに記されていた。
「……なかなか読ませるね」
一冊目でこれだけ面白いのならほかの本はどうだろうかと未来は手を伸ばした。
用語解説
・魔獣
動植物の中でも特に精霊と親和性の高いもの、魔術を扱うものを指す。
魔木、魔草なども広義には含む。
・害獣
動植物の中でも人の生活に害をもたらすものを指す。
草木なども広義には含む。
・熊木菟(urso-strigo)
羽獣の魔獣。風の魔力に高い親和性を持つ。大気に干渉して周囲の音を殺し、巨体に見合わぬ静けさで行動する森の殺し屋。風の刃を飛ばす遠距離攻撃の他、大気の鎧をまとうなど非常に強力。肉は特殊な処理をしなければ、不味い。
飯レポ……飯レポ?
ほとんど強制イベントのような昼食を終わらせて、冒険屋たちはみなもそもそと内職に戻っていった。
紙月もまた精霊晶いじりに戻り、しかし彫刻にすっかり挫折してしまった未来は困った。
何事も継続して初めて上達するということはわかっているのだが、集中力というものはそんなに長続きするものではないのだ。未来の彫刻に対する集中力はすっかり品切れしてしまったと言っていい。
これがもう少し彫刻に慣れてくると、この形は飽きたから違う形にしよう、などという風に集中力を操作できるようになってくるのだが、残念ながら未来にはまだその境地は程遠かった。
手元で木切れをころころと転がして溜息をつく未来に気付いたムスコロは、少しの間ふぅむと考えて、それからいったん席を外した。
戻ってきた頃には、何冊かの本を抱えている。
「兄さん」
「なに?」
「彫り物に飽きたなら、今度は写本はどうです」
フムン。
未来はムスコロの持ってきた本と紙束を受け取った。
そう言えば事務所に来たばかりの頃、暇を持て余しては写本をしていたものだ。
最近はちょっとさぼっていたから、丁度良いかもしれない。
「確か前も、写本をしてなすったでしょう」
「そうだね。最近、さぼってた」
「写本の内職ってだけでなく、字の練習ってのは大事ですぜ」
「冒険屋にも?」
「勿論」
ムスコロが言うには、上手な字の練習というものはしておいてまず損がないという。
達者な字を書くようになると、こいつは教養があるなとまず目で見てわかる。字の練習に時間が取れたということであるし、読み書きをすれば理解力も深まるし、単純に知識も増える。
そうすると商人たちからはまず一目置かれる。学のない依頼人でも、そのくらいは察する。
荒事が多い冒険屋稼業と言えども、気が利くものと気が利かないものではどちらが優遇されているかと言えば、決まっている。教養があると見なされれば、この気が利くものの方に分類される。
そうすれば仕事が増えるし、仕事の内容自体も難しくて依頼料の高いものになってくる。
地味なことのように思えるが、そうしたところからも冒険屋の実力というものは磨かれていくのである。
「そっか。ありがとう、ムスコロさん」
「いえいえ」
彫り物に戻るムスコロを見送って、未来は受け取った本の表紙を見た。
ムスコロも最初の頃のように、子供向けの易しい物ばかりを見繕ってはこなかった。むしろ大人向けか、大人でもちょっと難しいように思われる本である。
これは安易に未来を大人扱いしているのではなく、いままで読んできた本から、このくらいは読めるだろうと判断したのである。
それにもの知らずな所のある未来たちに必要とも思ったのだろう。
まず未来は一冊目を手に取って、ゆっくりと読み始めた。いきなり写本に移ることはない。
中身がわかっていなければ写す手もつっかえつっかえになるし、そうなると筆跡はゆがみ、全体ががたがたとする。
まず読んで、理解する。それが大事だ。
一冊目は図鑑のようなものだった。図鑑と言っても絵図の類はほとんどないから、動物誌や博物誌と言った方がいいかもしれない。
前書きを読み進めていくに、これはどうも帝国内で確認できる魔獣について記したもののようだった。
魔獣というものは、その生態として魔法を扱うことのできる動植物の総称である。動物だけでなく植物も含まれていて、特別に植物の魔獣を語るときは魔木や魔草などと呼ぶ。
よく冒険屋の仕事として魔獣や害獣の討伐や駆除というものがあるが、これもごっちゃになった概念である。
害獣と言うのは読んで字のごとく人の生活に害をなす動植物の総称で、害をなすならば魔獣も害獣の一部ではある。逆に、魔獣であっても、害をなさないならば、害獣ではない。
魔獣という区分の中にも害獣とそうでないものがあり、害獣という区分の中にも魔獣とそうでないものがあるのである。
ただ、一般的な区別として、害獣と魔獣であれば魔獣の方が危険なものとして扱われる。甲種だの乙種だのという危険度の区別においても、乙種の魔獣という場合と、乙種の害獣という場合では、前者の方が全然危険であるとされる。
こういったごちゃごちゃに入り混じった呼び方は、人々が自然に呼んでいるうちに入り組んでしまったもので、統一しようにも、難しいところがある。
この本では、魔法を使う動植物という区分で魔獣を扱い、害獣であるかどうかは区別していないようだった。
例えば北部などに棲むという熊木菟という魔獣の説明があった。
これは主に四つ足、時に二足で立ち上がる熊のような体躯をした羽獣で、つまり未来たちの言い方をすれば熊のニッチに適応したフクロウだった。
体長は雄で二メートル少し。三メートルもざらであるという。体重は餌次第ではあるが、三百キログラムから、時には五百キログラム以上のものもいるという。
この巨体に似合わず、熊木菟は森の暗殺者とも呼ばれる。
それというのも、この魔獣は風精と非常に親和性が高く、おおよそ円状に周囲の空気に干渉し、伝わる音を遮断してしまうのである。そして音の消えた中でひっそりと接近し、気づかれる前に攻撃を仕掛けてくるのだという。
この異能は特に冬の雪山で恐ろしいほど冴え渡り、もともと音が吸われがちな雪山でじわりじわりとこの領域に侵入すると、標的は気付くこともなくいつのまにか刈り取られてしまうのだという。
そしてこの無音の結界にうまく気付けても、この魔獣は遠距離からの攻撃手段を持ち合わせており、油断できない。
標的が結界に気付いて警戒すると、熊木菟は即座に結界に回していた魔力を手元に引き戻し、風精を刃のように固めて飛ばしてくるのである。
これは個体の栄養状態や魔力の強さにもよるが、まるで鋸の歯のついた鉄球で殴りつけられでもしたように、重武装の冒険屋でもずたずたに引き裂かれてしまうという。
これをうまくかわしても、なにしろ熊の仲間であるから身体能力も高い。走りは人よりも早く、特に山道を登るときに力強く、木登りも得意であるため山の中では逃げ場がないという。
丈夫な羽毛はなかなかな矢や剣を通さず、太い腕は細い木の幹などへし折ってしまうほどで、よく死者が出るのだとか。
未来などは読んでいてどんな化物だと思ったものだが、これでも危険度としては乙種の魔獣であるというから、甲種である幼体の地竜と言うのも大概化物だったわけである。もちろん、甲種とか乙種と言うのは環境や相性にもよるので、あの地竜の幼体より熊木菟の方が簡単な相手であるとは限らないのだが。
また、どれほど危険な動物であるのかという説明だけでなく、その解剖学的な解説や、生態などの調査結果も記されていた。
いったいどうやって調べたのか未来には見当もつかないが、冬眠中に卵を産むことや、春になるころにその卵が孵ること、熊木菟の雛がふわふわで、「およそこの世のものとは思われぬほどの愛らしさ(原文ママ)」であることなどが事細かに記されていた。
「……なかなか読ませるね」
一冊目でこれだけ面白いのならほかの本はどうだろうかと未来は手を伸ばした。
用語解説
・魔獣
動植物の中でも特に精霊と親和性の高いもの、魔術を扱うものを指す。
魔木、魔草なども広義には含む。
・害獣
動植物の中でも人の生活に害をもたらすものを指す。
草木なども広義には含む。
・熊木菟(urso-strigo)
羽獣の魔獣。風の魔力に高い親和性を持つ。大気に干渉して周囲の音を殺し、巨体に見合わぬ静けさで行動する森の殺し屋。風の刃を飛ばす遠距離攻撃の他、大気の鎧をまとうなど非常に強力。肉は特殊な処理をしなければ、不味い。
0
お気に入りに追加
106
あなたにおすすめの小説
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話
ラララキヲ
恋愛
長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。
しかし寝室に居た妻は……
希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──
一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……──
<【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました>
◇テンプレ浮気クソ男女。
◇軽い触れ合い表現があるのでR15に
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾は察して下さい…
◇なろうにも上げてます。
※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
【完結】おじいちゃんは元勇者
三園 七詩
ファンタジー
元勇者のおじいさんに拾われた子供の話…
親に捨てられ、周りからも見放され生きる事をあきらめた子供の前に国から追放された元勇者のおじいさんが現れる。
エイトを息子のように可愛がり…いつしか子供は強くなり過ぎてしまっていた…
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
30年待たされた異世界転移
明之 想
ファンタジー
気づけば異世界にいた10歳のぼく。
「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」
こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。
右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。
でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。
あの日見た夢の続きを信じて。
ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!
くじけそうになっても努力を続け。
そうして、30年が経過。
ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。
しかも、20歳も若返った姿で。
異世界と日本の2つの世界で、
20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。
妹しか愛していない母親への仕返しに「わたくしはお母様が男に無理矢理に犯されてできた子」だと言ってやった。
ラララキヲ
ファンタジー
「貴女は次期当主なのだから」
そう言われて長女のアリーチェは育った。どれだけ寂しくてもどれだけツラくても、自分がこのエルカダ侯爵家を継がなければいけないのだからと我慢して頑張った。
長女と違って次女のルナリアは自由に育てられた。両親に愛され、勉強だって無理してしなくてもいいと甘やかされていた。
アリーチェはそれを羨ましいと思ったが、自分が長女で次期当主だから仕方がないと納得していて我慢した。
しかしアリーチェが18歳の時。
アリーチェの婚約者と恋仲になったルナリアを、両親は許し、二人を祝福しながら『次期当主をルナリアにする』と言い出したのだ。
それにはもうアリーチェは我慢ができなかった。
父は元々自分たち(子供)には無関心で、アリーチェに厳し過ぎる教育をしてきたのは母親だった。『次期当主だから』とあんなに言ってきた癖に、それを簡単に覆した母親をアリーチェは許せなかった。
そして両親はアリーチェを次期当主から下ろしておいて、アリーチェをルナリアの補佐に付けようとした。
そのどこまてもアリーチェの人格を否定する考え方にアリーチェの心は死んだ。
──自分を愛してくれないならこちらもあなたたちを愛さない──
アリーチェは行動を起こした。
もうあなたたちに情はない。
─────
◇これは『ざまぁ』の話です。
◇テンプレ [妹贔屓母]
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾もあるかも。
◇なろうにも上げてます。
※HOTランキング〔2位〕(4/19)☆ファンタジーランキング〔1位〕☆入り、ありがとうございます!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる