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第九章 ワン・ストーミー・ナイト
第二話 内職
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前回のあらすじ
嵐に備える《巨人の斧冒険屋事務所》一行。
やりすぎた。
こうして事務所をすっかり閉めてしまうと、事務所の広間にはやることもない筋肉ダルマどもがひしめくこととなった。
普段は自室で寝ていたり、依頼で外に出ていたりして、一堂に会するという機会がなかなかない面子がそろうのは壮観であったが、何しろ荒くれぞろいの《巨人の斧冒険屋事務所》である。非常に暑苦しいことこの上ない光景である。
このむくつけき筋肉ダルマどもが自室に行かず何故こうして広間に集まっているかと言えば、内職の為であった。
嵐で冒険の依頼をこなすことができないといっても、何しろ冒険屋というものは十分に貯蓄のある連中ばかりではない。暇だからと言って暇をそのままに持て余す余裕などと言うものは基本的にないのである。
そこで依頼がない時には冒険屋というものは内職にいそしむのが常であった。
一角を見れば、縄を綯う者たちがいた。摘まれた藁や麻など、素材はさまざまで、太さも、細縄もあれば、太縄もある。
紙月や未来にはあまりなじみがないが、縄というものは生活の上でも冒険の上でも何かと用を足すものである。また消耗品であるから、ありすぎて困るということもそうそうない。
自分で使うこともあるし、なんなら現地で自然の素材から作り出すことを要求されるときもある男たちは、手馴れた様子で縄を綯っていく。
また別の一角では彫り物をしている連中が、小刀や、それ専用の彫り刀を握っていた。
彫り物は様々で、洗濯板を彫るものもあれば、木彫りの人形を彫るものもいた。何人かで組んで、ひとりは荒く彫り、ひとりは細かく彫り、一人はやすりをかけ、そしてまた一人が油を塗りこんだり、塗料を塗ったりして、数人がかりで流れ作業を行う者たちもあった。
また内職ではなく、装備の点検を行う者たちも多かった。
自分の命を懸けるものであるから、普段から細かく点検はしているが、こうしてたっぷり時間が取れる時でないとできない点検もある。
あるものは繕い物をし、あるものは刃を研ぎ、あるものは精霊晶の様子を検め、買い替え時を探っていた。
みなこのような事態にも、そして手仕事にも慣れているようで、広間は雑然としていながら、お互いに邪魔をするということがない。
きっとこの嵐の間は、どの事務所でも、またどの家々や店々でも同じような光景が広がることだろう。
紙月などもどっかりと腰を下ろして、また買い集めてきたらしい精霊晶に3Dクリスタル加工を施している。
精霊晶の種類が増え、また形も整いサイズも大きいあたり、くずではなく純正品らしい。彫刻の腕前も上がっているし、売り上げがいいのだろう。
これらは見ているだけでも面白かったが、しかしただぼうっと眺めていても、すぐに飽きてしまう。
誰かの真似でもしてみようかとムスコロの手元を見てみると、この男、もうあまり意外でもないが、手先が器用である。
手のひらに乗るような小さな木切れを手に取って、ノミでざっくりとあたりを取った後は、布を巻いた細身のナイフで、ひたすらコツコツ彫る。彫る。彫る。
それで輪郭ができ、詳細が彫られ、気づけば鬣も立派な獅子の顔が彫り出されてくる。何かと聞けば、根付のようなものであるらしい。
たいていのものは彫れるようだが、早く数が作れるから、こうした根付や、ベルトのバックル飾り、またちょっとした飾りに使えそうな細々としたものをもっぱら彫っているようである。勿論この早く数が作れるというのはこの男が恐ろしく器用で、手馴れているからの話であって、未来がすぐすぐ真似できるようなものでもない。
こうしたものは一袋いくらという形で店に売りに出されるらしい。
「ムスコロさん器用だねえ」
「まあ、慣れですな。慣れ」
「マトリョーシカとか彫れるんじゃない?」
「まと……なんですって?」
マトリョーシカ人形とはロシアの民芸品で、胴体の部分で上下に分けることができる。中は空洞で、その中にさらに小さなマトリョーシカ人形が入っている。そのマトリョーシカ人形も上下に開けられ、また中にはさらに小さな人形が入っている、といった入れ子構造の品である。
人形自体の造作はのっぺりとしたものだが、表面は色とりどりの絵の具で彩色されており、歴代指導者をコミカルに描いたものや、動物を模したものなどもある。
説明を聞いて、ムスコロは早速手ごろな大きさの材木を取って、彫り出し始めた。まず丸っこいあたりをつけて、一番外側の人形を彫り出す。そしてダルマのような形に仕上がると、軽く磨いて、少し考えて胴を二つに割った。
割って、その中身を彫りぬくように慎重に切り出し、抜けたものからさらに小さな中身を彫り出していく。
本来のマトリョーシカ人形もこのようなやり方であるのかは未来も知らないのだが、ムスコロの頭の中にはどうやったらどうなるのかという工程表がすでにざっと浮かんでいるようで、時々手を止めて眺めるが、考え込むということがなく、手が早い。
やがて五つの中身をくりぬくとそれぞれの表面を奇麗に磨き上げ、接合部となる部分を何度も合わせながら、慎重に形を整える。
そうしてふうとやっと一息ついたころに、ムスコロの手元で人形の上下がぴったりと合わさった。色こそ塗られていないが、確かにマトリョーシカ人形である。
「細工としちゃ面白いもんですが、思ったよりは簡単なもんですな」
それはできる人間だから言えることである。
ムスコロが人形に油を塗って、吸わせて、乾かしている間、未来も彫刻に挑戦してみた。木切れに《魔法の盾》の紋章を刻んでみようとしたのである。
しかし鎧を着てやろうとすると手先の感覚がわからず彫り過ぎてしまい、では脱ぐとどうかというと手が小さすぎて彫り刀を握るのも難しい。
ようやくそれらしい盾のような形を彫り終えたころには、ムスコロの手元で《白亜の雪鎧》姿をデフォルメした絵が塗りつけられた人形が完成していた。
「あー……最初の内は、墨で表に絵を描いて、あたりをつけるといいですな」
その絵の時点で、軽くくじける未来であった。
用語解説
・内職
内職はこの時代、重要な稼ぎの一つだった。
冒険屋たちも常に依頼があるという訳ではなく、貯蓄もそうたまるような仕事ではないから、暇があれば内職にいそしみ、小金を稼いでいた。
・
嵐に備える《巨人の斧冒険屋事務所》一行。
やりすぎた。
こうして事務所をすっかり閉めてしまうと、事務所の広間にはやることもない筋肉ダルマどもがひしめくこととなった。
普段は自室で寝ていたり、依頼で外に出ていたりして、一堂に会するという機会がなかなかない面子がそろうのは壮観であったが、何しろ荒くれぞろいの《巨人の斧冒険屋事務所》である。非常に暑苦しいことこの上ない光景である。
このむくつけき筋肉ダルマどもが自室に行かず何故こうして広間に集まっているかと言えば、内職の為であった。
嵐で冒険の依頼をこなすことができないといっても、何しろ冒険屋というものは十分に貯蓄のある連中ばかりではない。暇だからと言って暇をそのままに持て余す余裕などと言うものは基本的にないのである。
そこで依頼がない時には冒険屋というものは内職にいそしむのが常であった。
一角を見れば、縄を綯う者たちがいた。摘まれた藁や麻など、素材はさまざまで、太さも、細縄もあれば、太縄もある。
紙月や未来にはあまりなじみがないが、縄というものは生活の上でも冒険の上でも何かと用を足すものである。また消耗品であるから、ありすぎて困るということもそうそうない。
自分で使うこともあるし、なんなら現地で自然の素材から作り出すことを要求されるときもある男たちは、手馴れた様子で縄を綯っていく。
また別の一角では彫り物をしている連中が、小刀や、それ専用の彫り刀を握っていた。
彫り物は様々で、洗濯板を彫るものもあれば、木彫りの人形を彫るものもいた。何人かで組んで、ひとりは荒く彫り、ひとりは細かく彫り、一人はやすりをかけ、そしてまた一人が油を塗りこんだり、塗料を塗ったりして、数人がかりで流れ作業を行う者たちもあった。
また内職ではなく、装備の点検を行う者たちも多かった。
自分の命を懸けるものであるから、普段から細かく点検はしているが、こうしてたっぷり時間が取れる時でないとできない点検もある。
あるものは繕い物をし、あるものは刃を研ぎ、あるものは精霊晶の様子を検め、買い替え時を探っていた。
みなこのような事態にも、そして手仕事にも慣れているようで、広間は雑然としていながら、お互いに邪魔をするということがない。
きっとこの嵐の間は、どの事務所でも、またどの家々や店々でも同じような光景が広がることだろう。
紙月などもどっかりと腰を下ろして、また買い集めてきたらしい精霊晶に3Dクリスタル加工を施している。
精霊晶の種類が増え、また形も整いサイズも大きいあたり、くずではなく純正品らしい。彫刻の腕前も上がっているし、売り上げがいいのだろう。
これらは見ているだけでも面白かったが、しかしただぼうっと眺めていても、すぐに飽きてしまう。
誰かの真似でもしてみようかとムスコロの手元を見てみると、この男、もうあまり意外でもないが、手先が器用である。
手のひらに乗るような小さな木切れを手に取って、ノミでざっくりとあたりを取った後は、布を巻いた細身のナイフで、ひたすらコツコツ彫る。彫る。彫る。
それで輪郭ができ、詳細が彫られ、気づけば鬣も立派な獅子の顔が彫り出されてくる。何かと聞けば、根付のようなものであるらしい。
たいていのものは彫れるようだが、早く数が作れるから、こうした根付や、ベルトのバックル飾り、またちょっとした飾りに使えそうな細々としたものをもっぱら彫っているようである。勿論この早く数が作れるというのはこの男が恐ろしく器用で、手馴れているからの話であって、未来がすぐすぐ真似できるようなものでもない。
こうしたものは一袋いくらという形で店に売りに出されるらしい。
「ムスコロさん器用だねえ」
「まあ、慣れですな。慣れ」
「マトリョーシカとか彫れるんじゃない?」
「まと……なんですって?」
マトリョーシカ人形とはロシアの民芸品で、胴体の部分で上下に分けることができる。中は空洞で、その中にさらに小さなマトリョーシカ人形が入っている。そのマトリョーシカ人形も上下に開けられ、また中にはさらに小さな人形が入っている、といった入れ子構造の品である。
人形自体の造作はのっぺりとしたものだが、表面は色とりどりの絵の具で彩色されており、歴代指導者をコミカルに描いたものや、動物を模したものなどもある。
説明を聞いて、ムスコロは早速手ごろな大きさの材木を取って、彫り出し始めた。まず丸っこいあたりをつけて、一番外側の人形を彫り出す。そしてダルマのような形に仕上がると、軽く磨いて、少し考えて胴を二つに割った。
割って、その中身を彫りぬくように慎重に切り出し、抜けたものからさらに小さな中身を彫り出していく。
本来のマトリョーシカ人形もこのようなやり方であるのかは未来も知らないのだが、ムスコロの頭の中にはどうやったらどうなるのかという工程表がすでにざっと浮かんでいるようで、時々手を止めて眺めるが、考え込むということがなく、手が早い。
やがて五つの中身をくりぬくとそれぞれの表面を奇麗に磨き上げ、接合部となる部分を何度も合わせながら、慎重に形を整える。
そうしてふうとやっと一息ついたころに、ムスコロの手元で人形の上下がぴったりと合わさった。色こそ塗られていないが、確かにマトリョーシカ人形である。
「細工としちゃ面白いもんですが、思ったよりは簡単なもんですな」
それはできる人間だから言えることである。
ムスコロが人形に油を塗って、吸わせて、乾かしている間、未来も彫刻に挑戦してみた。木切れに《魔法の盾》の紋章を刻んでみようとしたのである。
しかし鎧を着てやろうとすると手先の感覚がわからず彫り過ぎてしまい、では脱ぐとどうかというと手が小さすぎて彫り刀を握るのも難しい。
ようやくそれらしい盾のような形を彫り終えたころには、ムスコロの手元で《白亜の雪鎧》姿をデフォルメした絵が塗りつけられた人形が完成していた。
「あー……最初の内は、墨で表に絵を描いて、あたりをつけるといいですな」
その絵の時点で、軽くくじける未来であった。
用語解説
・内職
内職はこの時代、重要な稼ぎの一つだった。
冒険屋たちも常に依頼があるという訳ではなく、貯蓄もそうたまるような仕事ではないから、暇があれば内職にいそしみ、小金を稼いでいた。
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