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第七章 ガーディアン
第十話 地下水道
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前回のあらすじ
大人げない勝負の次は、大人げない賭けだった。
《小鼠の細剣冒険屋事務所》の小さな客間の小さなベッドに丸くなるようにして休んだ翌朝、四人は早速身支度を整えた。
シャルロは下水道に潜るということもあって、洒落者な服装は諦めて、汚れてもいい古着に、魔獣の革で造ったらしい革の部分鎧を身にまとった。
ムスコロは分厚い布の服に革の鎧を着こみ、腰には斧と槌、そしてナイフとが下げられていた。
金属製の方が丈夫で安心なのではないかという未来の問いかけに、シャルロは笑った。
確かに基本的には金属製の方が丈夫だが、物によれば魔獣の革の方が強靭なこともある。
シャルロによれば、騎士は金の鎧を、冒険屋は革の鎧を好むという。
金属鎧は硬いが重く、またしなやかさに欠ける。革の鎧は軽く、時とともに体になじむ。
究極的には、どちらとも言えなくなる境界があるようだが、基本的には、正面衝突を基本とする人間対人間の戦争を目的として鍛える騎士は金属鎧、かわしていなして時には逃げることもある冒険屋は革の鎧という理解でよいだろうとのことだった。
もちろん、騎士も時には革鎧を着こむこともあるし、冒険屋も金属鎧で武装することはある。
時と場合によりけり、というのが大事だそうだ。
今回は長い工程ではないし、背負うような荷物は持たず、昼飯くらいが荷物といえる荷物だった。
二人はそれでよいとして、紙月たちのいつものスタイルに小首を傾げたのがシャルロだった。
「ミライ君の鎧はわかるとして……シヅキ君は本当にそれで行くのかい?」
「ああ、汚れても《浄化》で奇麗になるしな」
「そういうことではないんだけど……」
シャルロが苦言を呈したのは、夜会にでも赴くのかという紙月の華やかな服装である。
とんがり帽子にビスチェドレス、足元はピンヒールと、どう考えても冒険に出るような出で立ちではない。
シャルロもてっきり普段着として洒落た着物を着ていると思っていたらしく、まさかそれで冒険までこなすとは思ってもみなかったようだ。
「後方支援、あるいは砲台役としての魔術師だとしても、いくらなんでも警戒が足りないんじゃないかい?」
ムスコロのように感覚がマヒさせられてしまったものはともかく、これは冒険屋としては極めてもっともな疑問であり、極めてもっともな抗議だった。
なにしろ冒険を共にするということは、お互いに命を懸けるということである。
それを御遊び感覚でやられたのではたまったものではない。
しかしこれに困ったのは紙月も同様である。
御遊び感覚どころか、このスタイルこそ、紙月にとっての戦装束なのである。
相手が何者かもよくわからないので属性防御など後回しにした汎用装備ではあるが、それでもこれ一揃いで一財産にもなる歴とした武装なのである。
とはいえ、見た目が確かに頼りないというのは紙月も大いに納得のいくところで、これをどう説明したものかと悩むのである。
「魔法の装備だから大丈夫ってのはダメ?」
「目に見えないものはなかなか信用しづらくてね」
少し考えて、仕方なく、紙月はスカートを少し持ち上げた。
「じゃあちょっと試してくださいよ」
「なんだって?」
「俺の服もやわじゃないから、ちょっと切りかかられたくらいじゃ破けもしませんから」
「すまねえシャルロ、姐さんも喧嘩売ってるわけじゃねえんだ」
剣士に対して、切れないから切ってみろというのだからこれは相当な物言いだったが、しかし本人に全く邪気がないことと、親戚であるムスコロのとりなしもあって、どうにか怒りはこらえた。
こらえたが、気に食わないことに変わりはない。
「よし、いいだろう。試してみよう」
「お手柔らかに」
シャルロがすらりと引き抜いたのは、細剣と呼ばれる細身の刺突剣であった。刃はついているがもっぱら突きを得手とするもので、手元を覆うように椀型の護拳がある。
鎧などの頑丈な標的を相手にするにはいささか頼りなさげではあるが、その剣呑な雰囲気は十分に命をやり取りするに堪えうるように思われた。
刀身は見たことのない、つややかな白い刃でできており、金属よりどこか石を思わせるような輝きだった。
「では、失礼し、て」
ひうん、と音が鳴ったかならないか、瞬きの間にシャルロの矮躯が詰め寄り、紙月が軽く持ち上げたスカートに刃が突き立てられていた。突き立てられていたが、しかし徹ってはいない。貫通していない。
これにはシャルロも愕然とした。
勢いでたたらを踏んだ紙月は、未来に支えられて、踏みとどまった。
「どうです?」
「どうもなにも……驚いたな。これでも、超硬質陶磁の剣なんだよ、こいつは」
剣を納めて、シャルロは屈みこむようにして紙月のドレスを改めたが、貫いていないどころか、繊維のほつれさえも見えない。文字通り毛先ほどさえも傷ついていないのである。
シャルロは何度も驚いたと言いながら、それでも目の当たりにした現実を認めざるを得ないようで、この世ならざる物を見るような目でドレスを眺めるのだった。
シャルロが立ち直るまでに少し時間がかかったが、それでも一行は何とか体裁を整え、地下水道へと向かった。
地下水道の出入口は街中に何カ所もあるが、これらは水道局が管理している。依頼書にあった最寄りの出入り口は小さな建物の中にあって、大きなマンホールのようなものでふさがれていた。
そこで見張りと管理をしているという水道局員は、依頼書を確認し、鍵を開けて入り口を開き、それからセールストークを始めた。
「一応私、水の神官でもありまして。水上歩行や水中呼吸の法術はいかがです?」
「いや、結構」
「暗視の法術とか、照明もありますけど」
「いや、いいんだ」
「そうですか、お気をつけて」
こちらにその気がないとみて取るや、あっさりとしたものである。
金属製の梯子を下りていくと、しばらくして足が床についた。
最初に降りた紙月が早速《光明》を唱えると、中空に光を放つ球体が浮かび上がり、地下水道を眩しく照らした。
それを頼りに全員が降り立ち、一行はまずあたりを見回した。
通路は四人が並んで歩ける程度の広さがあり、狭苦しさはない。端には鉄製の柵がかけられており、見下ろせば堂々と音を立てて暗い水が流れている。
あちこちに沈んでいる古代遺跡の力で浄化がかけられているらしく、思ったよりも水質は悪くなく、匂いもひどくはない。
それでも、落ちれば危ないだろう。
念のために今のうちからバフの類をかけておくことにして、紙月は魔法をかけていった。
水中・水上行動に関する魔法は三つある。
《水中呼吸》、《水上歩行》、《水底歩行》の三つである。
《水中呼吸》は水に潜った時に呼吸ができるようになる《技能》である。泳ぐことができれば、どこまでも泳ぐことができる。
《水上歩行》は水の上を歩くことができるようになる代わりに、水に沈むことができなくなる。
《水底歩行》は水の底を地上と同じように歩くことができ、水中呼吸の効果も得られる魔法だ。ただしこちらは泳ぐことができなくなるという少し変わった効果がある。
四人は少し相談して、《水上歩行》の魔法をかけることにした。一番地上へ復帰しやすいし、何より、濡れずに済むというのは大きかった。
「それじゃあ行きやしょうか」
行く先には、《光明》でも照らしきれない暗黒が大きく口を開いて待っているのだった。
用語解説
・細剣
いわゆるレイピア。
・超硬質陶磁
超硬質セラミックス。古代遺跡の建材や道具などの形で発掘される素材。
金属ではなく陶磁であるため加熱に非常に強く、溶けて曲がったり折れたりしない。
その代わり加工も削り出すほかになく、シャルロの細剣も刀身を削り出し、護拳などは後から取り付けたもの。
百人切っても研ぐ必要がないと言われるほどの強度を誇る。
・《光明》
初等の環境魔法《技能》。洞窟の中など、暗闇を明るく照らす光の玉を生み出す。効果範囲と効果時間は《技能》レベルによる。
覚えておいて損はない、と言いたいところだが、道具で代用できるものなので、他に取りたい《技能》があるならやめておいてもいいだろう。
『人間ちうものは闇を恐れる。光に安堵する。《光明》はその光を生み出す魔法じゃ。じゃからといってこっそり忍び込むのに明々と照らす馬鹿がどこにおる』
・《水中呼吸》
水属性環境魔法《技能》。
水に潜った時に呼吸ができるようになる《技能スキル》である。泳ぐことができれば、《SP》の続く限りどこまでも泳ぐことができる。
高価とは言え道具で代用できるので、取るかどうかはプレイヤー次第。ただし自分だけでなく他人にもかけられる。
『水中でも息ができるというのは大きなアドバンテージじゃな。ただしそれが永久に続くならともかく、魔力次第となると、は、まあ蓋でも閉めてやるかの』
・《水上歩行》
水属性環境魔法《技能》。
《SP》の続く限り水の上を歩くことができるようになる代わりに、水に沈むことができなくなる。
特性上、《水中呼吸》とは併用できない。
道具で代用できるが、こちらは他人にかけられる。
『水の上を歩くってのはひとつの浪漫じゃよな。ただまあ、この術は水に触れることもできんくなるのが難点でな。なに、喉が渇いた? 足元にいくらでもあるじゃろ。飲めればな』
・《水底歩行》
水属性環境魔法《技能》。
水の底を地上と同じように歩くことができ、水中呼吸の効果も得られる魔法。
本格的に水底などを調査したい時に便利な《技能》だ。
ただし泳ぐことができなくなる。
道具で代用できるが、こちらは他人にかけることができる。
『水の底を歩いてみるとな、なんだか地上のことが馬鹿らしくなるほど穏やかな気分になれる。……なれた……なれたはずじゃったんじゃけどなー。誰じゃい人の池に釣り針たらしとんのは』
大人げない勝負の次は、大人げない賭けだった。
《小鼠の細剣冒険屋事務所》の小さな客間の小さなベッドに丸くなるようにして休んだ翌朝、四人は早速身支度を整えた。
シャルロは下水道に潜るということもあって、洒落者な服装は諦めて、汚れてもいい古着に、魔獣の革で造ったらしい革の部分鎧を身にまとった。
ムスコロは分厚い布の服に革の鎧を着こみ、腰には斧と槌、そしてナイフとが下げられていた。
金属製の方が丈夫で安心なのではないかという未来の問いかけに、シャルロは笑った。
確かに基本的には金属製の方が丈夫だが、物によれば魔獣の革の方が強靭なこともある。
シャルロによれば、騎士は金の鎧を、冒険屋は革の鎧を好むという。
金属鎧は硬いが重く、またしなやかさに欠ける。革の鎧は軽く、時とともに体になじむ。
究極的には、どちらとも言えなくなる境界があるようだが、基本的には、正面衝突を基本とする人間対人間の戦争を目的として鍛える騎士は金属鎧、かわしていなして時には逃げることもある冒険屋は革の鎧という理解でよいだろうとのことだった。
もちろん、騎士も時には革鎧を着こむこともあるし、冒険屋も金属鎧で武装することはある。
時と場合によりけり、というのが大事だそうだ。
今回は長い工程ではないし、背負うような荷物は持たず、昼飯くらいが荷物といえる荷物だった。
二人はそれでよいとして、紙月たちのいつものスタイルに小首を傾げたのがシャルロだった。
「ミライ君の鎧はわかるとして……シヅキ君は本当にそれで行くのかい?」
「ああ、汚れても《浄化》で奇麗になるしな」
「そういうことではないんだけど……」
シャルロが苦言を呈したのは、夜会にでも赴くのかという紙月の華やかな服装である。
とんがり帽子にビスチェドレス、足元はピンヒールと、どう考えても冒険に出るような出で立ちではない。
シャルロもてっきり普段着として洒落た着物を着ていると思っていたらしく、まさかそれで冒険までこなすとは思ってもみなかったようだ。
「後方支援、あるいは砲台役としての魔術師だとしても、いくらなんでも警戒が足りないんじゃないかい?」
ムスコロのように感覚がマヒさせられてしまったものはともかく、これは冒険屋としては極めてもっともな疑問であり、極めてもっともな抗議だった。
なにしろ冒険を共にするということは、お互いに命を懸けるということである。
それを御遊び感覚でやられたのではたまったものではない。
しかしこれに困ったのは紙月も同様である。
御遊び感覚どころか、このスタイルこそ、紙月にとっての戦装束なのである。
相手が何者かもよくわからないので属性防御など後回しにした汎用装備ではあるが、それでもこれ一揃いで一財産にもなる歴とした武装なのである。
とはいえ、見た目が確かに頼りないというのは紙月も大いに納得のいくところで、これをどう説明したものかと悩むのである。
「魔法の装備だから大丈夫ってのはダメ?」
「目に見えないものはなかなか信用しづらくてね」
少し考えて、仕方なく、紙月はスカートを少し持ち上げた。
「じゃあちょっと試してくださいよ」
「なんだって?」
「俺の服もやわじゃないから、ちょっと切りかかられたくらいじゃ破けもしませんから」
「すまねえシャルロ、姐さんも喧嘩売ってるわけじゃねえんだ」
剣士に対して、切れないから切ってみろというのだからこれは相当な物言いだったが、しかし本人に全く邪気がないことと、親戚であるムスコロのとりなしもあって、どうにか怒りはこらえた。
こらえたが、気に食わないことに変わりはない。
「よし、いいだろう。試してみよう」
「お手柔らかに」
シャルロがすらりと引き抜いたのは、細剣と呼ばれる細身の刺突剣であった。刃はついているがもっぱら突きを得手とするもので、手元を覆うように椀型の護拳がある。
鎧などの頑丈な標的を相手にするにはいささか頼りなさげではあるが、その剣呑な雰囲気は十分に命をやり取りするに堪えうるように思われた。
刀身は見たことのない、つややかな白い刃でできており、金属よりどこか石を思わせるような輝きだった。
「では、失礼し、て」
ひうん、と音が鳴ったかならないか、瞬きの間にシャルロの矮躯が詰め寄り、紙月が軽く持ち上げたスカートに刃が突き立てられていた。突き立てられていたが、しかし徹ってはいない。貫通していない。
これにはシャルロも愕然とした。
勢いでたたらを踏んだ紙月は、未来に支えられて、踏みとどまった。
「どうです?」
「どうもなにも……驚いたな。これでも、超硬質陶磁の剣なんだよ、こいつは」
剣を納めて、シャルロは屈みこむようにして紙月のドレスを改めたが、貫いていないどころか、繊維のほつれさえも見えない。文字通り毛先ほどさえも傷ついていないのである。
シャルロは何度も驚いたと言いながら、それでも目の当たりにした現実を認めざるを得ないようで、この世ならざる物を見るような目でドレスを眺めるのだった。
シャルロが立ち直るまでに少し時間がかかったが、それでも一行は何とか体裁を整え、地下水道へと向かった。
地下水道の出入口は街中に何カ所もあるが、これらは水道局が管理している。依頼書にあった最寄りの出入り口は小さな建物の中にあって、大きなマンホールのようなものでふさがれていた。
そこで見張りと管理をしているという水道局員は、依頼書を確認し、鍵を開けて入り口を開き、それからセールストークを始めた。
「一応私、水の神官でもありまして。水上歩行や水中呼吸の法術はいかがです?」
「いや、結構」
「暗視の法術とか、照明もありますけど」
「いや、いいんだ」
「そうですか、お気をつけて」
こちらにその気がないとみて取るや、あっさりとしたものである。
金属製の梯子を下りていくと、しばらくして足が床についた。
最初に降りた紙月が早速《光明》を唱えると、中空に光を放つ球体が浮かび上がり、地下水道を眩しく照らした。
それを頼りに全員が降り立ち、一行はまずあたりを見回した。
通路は四人が並んで歩ける程度の広さがあり、狭苦しさはない。端には鉄製の柵がかけられており、見下ろせば堂々と音を立てて暗い水が流れている。
あちこちに沈んでいる古代遺跡の力で浄化がかけられているらしく、思ったよりも水質は悪くなく、匂いもひどくはない。
それでも、落ちれば危ないだろう。
念のために今のうちからバフの類をかけておくことにして、紙月は魔法をかけていった。
水中・水上行動に関する魔法は三つある。
《水中呼吸》、《水上歩行》、《水底歩行》の三つである。
《水中呼吸》は水に潜った時に呼吸ができるようになる《技能》である。泳ぐことができれば、どこまでも泳ぐことができる。
《水上歩行》は水の上を歩くことができるようになる代わりに、水に沈むことができなくなる。
《水底歩行》は水の底を地上と同じように歩くことができ、水中呼吸の効果も得られる魔法だ。ただしこちらは泳ぐことができなくなるという少し変わった効果がある。
四人は少し相談して、《水上歩行》の魔法をかけることにした。一番地上へ復帰しやすいし、何より、濡れずに済むというのは大きかった。
「それじゃあ行きやしょうか」
行く先には、《光明》でも照らしきれない暗黒が大きく口を開いて待っているのだった。
用語解説
・細剣
いわゆるレイピア。
・超硬質陶磁
超硬質セラミックス。古代遺跡の建材や道具などの形で発掘される素材。
金属ではなく陶磁であるため加熱に非常に強く、溶けて曲がったり折れたりしない。
その代わり加工も削り出すほかになく、シャルロの細剣も刀身を削り出し、護拳などは後から取り付けたもの。
百人切っても研ぐ必要がないと言われるほどの強度を誇る。
・《光明》
初等の環境魔法《技能》。洞窟の中など、暗闇を明るく照らす光の玉を生み出す。効果範囲と効果時間は《技能》レベルによる。
覚えておいて損はない、と言いたいところだが、道具で代用できるものなので、他に取りたい《技能》があるならやめておいてもいいだろう。
『人間ちうものは闇を恐れる。光に安堵する。《光明》はその光を生み出す魔法じゃ。じゃからといってこっそり忍び込むのに明々と照らす馬鹿がどこにおる』
・《水中呼吸》
水属性環境魔法《技能》。
水に潜った時に呼吸ができるようになる《技能スキル》である。泳ぐことができれば、《SP》の続く限りどこまでも泳ぐことができる。
高価とは言え道具で代用できるので、取るかどうかはプレイヤー次第。ただし自分だけでなく他人にもかけられる。
『水中でも息ができるというのは大きなアドバンテージじゃな。ただしそれが永久に続くならともかく、魔力次第となると、は、まあ蓋でも閉めてやるかの』
・《水上歩行》
水属性環境魔法《技能》。
《SP》の続く限り水の上を歩くことができるようになる代わりに、水に沈むことができなくなる。
特性上、《水中呼吸》とは併用できない。
道具で代用できるが、こちらは他人にかけられる。
『水の上を歩くってのはひとつの浪漫じゃよな。ただまあ、この術は水に触れることもできんくなるのが難点でな。なに、喉が渇いた? 足元にいくらでもあるじゃろ。飲めればな』
・《水底歩行》
水属性環境魔法《技能》。
水の底を地上と同じように歩くことができ、水中呼吸の効果も得られる魔法。
本格的に水底などを調査したい時に便利な《技能》だ。
ただし泳ぐことができなくなる。
道具で代用できるが、こちらは他人にかけることができる。
『水の底を歩いてみるとな、なんだか地上のことが馬鹿らしくなるほど穏やかな気分になれる。……なれた……なれたはずじゃったんじゃけどなー。誰じゃい人の池に釣り針たらしとんのは』
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