翼の民

天秤座

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只今謹慎中

246 娘達の休日

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 翌朝、朝食を終えるとカーソン達は部屋へと戻る。

 外出の身支度を整え、部屋から出るとロビーでセラン達が来るのを待った。

 セラン達も朝食の食器洗いを終え、自分達の部屋へと戻る。

 外出の身支度を整えると、ロビーへ駆けてきてカーソン達へ頭を下げた。

「お待たせしましたっ!」
「準備は万全かしら?」
「はいっ!」
「では、少しおめかしをしましょうね?」
「わぁっ、いいんですかっ? お願いしますっ」

 ローラは手にしていたポーチから、化粧道具を取り出す。

 セランから順にポラン、レニタの唇へ口紅を塗ってあげた。


 お互いを見比べ、ちょっとだけ大人っぽくなった顔に喜ぶセラン達。

 ローラは化粧筆と口紅をポーチにしまい、セラン達へ話しかける。

「ほら。紅を差しただけでも見違えるほどの美人になりましたわよ?」
「ありがとうございますローラさんっ!」
「ねぇねぇセラ! 服と一緒にお化粧品も買おうよ!」
「姉ちゃん私も欲しいっ!」
「うんうん! 買っちゃおっか!」
「あらあら。そんなお気に召しましたか?」
「はいっ!」

 母ソシエの化粧品を拝借し、真似事をした事のあるセラン達。

 ローラが自分達を女として認識し、口紅を差してくれた事に感激する。

 そして今日は服と共に、女らしさを磨く自分用の化粧品を買おうと決心した。


 カーソンは、キャッキャとはしゃぐセラン達へ話しかける。

「じゃあ、そろそろ行くか?」
「はいっ! よろしくお願いします!」
「ライラさん、ソシエさん、行ってきます」
「本当にすみません。行ってらっしゃいませ」
「すみませんカーソンさん。こちらを……」

 ソシエは申し訳なさそうな顔をしながら、カーソンへ1通の封筒を手渡した。

 封筒を受け取ったカーソンは、首をかしげながらソシエへ聞く。

「ん? 何ですこれ?」
「私達をトラストへ連れてきて下さった時の、護衛完了書です」
「……あ」
「これをギルドへ提出しないと、任務失敗になるのですよね?」
「俺もすっかり忘れてました。ははは」
「今まで放置してしまい、本当に申し訳ございません」

 ソシエはカーソン達に深々と頭を下げた。

 カーソンは封筒の中に、完了報告書とは別の何かが入っているのに気付き、左の掌に封筒をひっくり返す。

 封筒から中銀貨が1枚、掌にコロンと落ちてきた。

「ん? 100ゴールド?」
「護衛して下さった時の報酬です」
「あ、じゃあこれは要りません。お返ししますよ」
「いいえ。どうかお納め下さい」
「……うん、分かりました。じゃあ、確かに受け取ります」
「ああっ、良かったです」

 ソシエはドラツェンからトラストまでの護衛依頼報酬、100ゴールドをカーソンへ受け取らせてホッとしている。

 カーソンは要らないと返しても絶対に拒まれるだろうと思い、何かしら別のカタチとして返そうと素直に受け取った。


 クリスは外出用のリュックから手紙を取り出しながら、ライラへ聞く。

「ライラさん? ちょっといいですか?」
「はい、何でしょう?」
「お昼のレストランと宿って、両方じゃ大変じゃないですか?」
「忙しいですが、大変ではありませんよ?」
「本当に?」
「ソシエさんやセラン達が居てくれてこそですけどもね?
 厨房もシマさん達が入ってくれるので、負担が軽くなります。
 ひとりだけだったら、宿屋だけでも出来たかどうか。あはは!
 でも何より、皆さんにお会いしてなければ本当に首吊ってました」
「ライラさんの料理の腕なら、きっと宿屋も上手くいってましたよ?」
「そうでしょうか? こんな目的地から離れた不便な場所ですよぉ?
 カーソンさん達がココを離れたら、あっという間に潰れちゃうかも」
「それはないない、大丈夫ですって」

 ライラは今の繁盛ぶりが、カーソンパーティが常宿にしてくれた恩恵だと思っている。

 クリスはライラの宿が早々潰れる事は無いと励ましながら、ライラへ相談する。

「ライラさん。良かったらこれ、作ってみて貰えませんか?」
「作る? あっ! お料理か何かのレシピですかっ?」
「うんうん、ですです」
「おおっ! クリスさんの故郷のお料理ですか?」
「いえいえ、そんなのじゃないです」
「拝見させて頂きますね?」

 クリスから受け取った手紙を開封し、ライラはアイスクリームの作り方が書かれたメモを読む。

「ええっと……アイスクリーム? 初めて聞く名ですね?」
「ユアミ村って所で売っていた食べ物なんですけどね?
 あまりにも美味しくて、あたしも作り方覚えたんです。
 もし良かったら、ライラさんもそれ作ってみて下さいね?」
「へぇ。冷たい食べ物って発想が斬新っ! 作ってみますね!」
「あんまり宿がヒマそうだったら、売り物にどうかなぁ……って。
 そしたら、あっという間に忙しくなっちゃっちゃ・・んで。
 作り方書いたこの紙、渡そうと思ってた事自体を忘れちゃってました」
「これは……売れそうな予感がしますよっ!」

 こうしてライラの手に、アイスクリームのレシピが伝わった。

 この後、宿でアイスクリームが販売される事となる。

 宿を改装し、店の外からでも買い求められる様に店を構えて大々的に売り出すと、爆発的な評判となり毎日朝から晩まで店の前は大行列となる。

 セラン、ポラン、レニタ姉妹が看板娘の『アイスクリームショップ』として、街の人々から長く愛されるのは、これより少し先の話。



 カーソン達はセラン達を連れ、宿を出る。

「おっ買いものっ! おっ買いものぉ!」

 トラストに来て以来、初めて休みを貰えた娘達は上機嫌でカーソン達の先頭を歩く。

 セランとポランはティコの手を引っ張り、レニタは背中を押しながらじゃれていた。


 クリスは下世話な話とは思いつつも、セラン達へ給料の額を聞く。

「ねえセラン? お給料いくら貰ったの?」
「えっとね、300ゴールドっ!」
「そんなに貰ったの? ライラさんも太っ腹だね!」
「その他にも、皆さんやお客さん達から頂いたお小遣いもっ」
「おぉっ、そかそかぁ」
「だから私達ね、そのお金で綺麗になって皆さんに見て貰うのっ」
「あはは。うんうん、女の子はそうじゃないとね?」

 貰ったお金を自分の容姿に投資すると語るセラン達。

 クリスは微笑みながらも、自分とセラン達を比較する。

 最近は武具にばかり投資し、自分の容姿には一切投資していないと気付く。

 ローラに施されたセラン達の唇に、女性としての魅力を感じたクリス。

 使う使わないは別として、自分も化粧品のひとつくらいは買っておこうと思っていた。



 服屋の前に着いたカーソン達は、セラン達を店に入れる。

「さあ着いたぞ。好きなの買ってこい」
「ティコ姉ちゃんっ。また服選んでちょうだいっ!」
「今度はわたしじゃなくて、自分好みのを買ったらどぉ?」
「いいって思っても、似合ってるかどうか分かんないもん」
「ティコ姉ちゃんに見て貰って、いいって思ったの買うっ!」
「よぉっし! じゃあ、好きに選んでみてねっ」

 セラン達に引っ張られ、ティコは店の奥へと姿を消した。


 クリスはカーソンの手を引き、セラン達とは別の方向へと向かい話す。

「さ、あたし達も服選ぼ。あんたどうせまた適当に選ぶんでしょ?」
「適当ってワケじゃないぞ。動きやすいの選んでるぞ」
「だからいつもヘンテコな色柄のやつ買ってんでしょうが」
「そんなに変か?」
「その今着てる、あちこちに亀が描いた服。そんなのどこで見つけたのよ」
「オストで買った。この亀可愛いだろ?」
「確かに可愛いけどさぁ……あんたが着るとなんか変」
「変とかひどい」
「今日はあたしが選んであげるから、一緒に来なさい」
「ん、分かった」
「あたしね、あんたには水色系が似合うかなって思ってんの」

 クリスは楽しそうに、カーソンの服を選び始める。

 イザベラ達も、思い思いに服を選ぶ。

「お姉様。これなどは如何です?」
「ちょっとそれ、派手すぎじゃない?」
「そうでしょうか? この赤い薔薇柄、素敵ですわよ?」
「花柄なんて、私の趣味じゃないわ」
「そうですか? では、これは?」
「虎の柄って……ローラあなたちゃんと真面目に選んでくれてるの?」
「お姉様には、誰よりも目立って頂きたいですわ」
「やめてよ。でも、お揃いで着るならいいわよ?」
「えっ、それは……ちょっと恥ずかしいですわ」
「何よそれ。私だけを辱める気?」

 イザベラに奇抜な服を勧めるローラ。

 勧めてみるもお揃いで着るのは恥ずかしいと言い、イザベラから怒られた。
 

 ソニアは下着を見繕い、店員に声をかける。

「胸がでかいとこんな時困る。これの大きいサイズは無いか?」
「はい。その前に採寸させて頂いても宜しいでしょうか?」
「むっ? 私の大きさを測るのか?」
「はい。大きさに合わせたものをご用意致します」
「脱がねばならんのか?」
「いいえ。そのままで構いません」
「そうか。では頼む」
「はい。では、どうぞ此方へ」

 店員に連れられ、ソニアは試着室の隅で胸の採寸を始めた。



 セラン達は店の縫製コーナーで、メモ用紙を見せながら店員にお願いしている。

「すみません。ここに、これを刺繍して貰えませんか?」
「はい、かしこまりました。少々お時間を頂いても宜しいでしょうか?」
「どれくらいで出来ますか?」
「夕方までお時間を頂ければ、仕上げさせて頂きます」
「はい、よろしくお願いします。いくらですか?」
「10着に刺繍のお代込みで、200ゴールドでございます」
「ポラは70ゴールドね。レニは60ゴールドでいいよ」
「ほい70。よろしく」
「んっと……はい60」

 セランは妹達から代金を預かり、自分の負担金70ゴールドを添えて店員へ200ゴールドを渡した。

「ありがとうございます。では、こちら3番の預かり札をどうぞ」
「はい。じゃあ夕方に、取りに来ますね」
「ご来店の際は、そちらの預かり札を提示なさって下さいね?」
「はいっ」
「夕方より少し早めには、出来上がっているかと思われます」
「分かりました」

 自分達の服選びを中断し、縫製コーナーで何かを依頼したセラン達。 

 ティコは何を頼んだのだろうかと聞く。

「ねぇ? 何をお願いしたの?」
「えへへ、秘密っ」
「本当はね、これをお願いしに来たかったの」
「自分達の服よりもねっ」
「えっ? 自分達の服よりも大事な事だったの?」
「うん。忘れないうちに頼んでおかなくちゃ」
「出来上がるのに、時間かかっちゃうみたいだし」
「じゃあティコ姉ちゃん。一緒に服選ぼっ?」
「うんうん。好きに組み合わせてみてねっ?」

 セラン達はティコを連れ、再び自分達の服選びを再開した。



 それぞれ自分の気に入った服を買うと、揃って店を出る。

 ティコに見立てて貰い、気に入った服を買ったセラン達はご機嫌で紙袋を抱えている。

 カーソンは何処かで昼食にしようと、セラン達へ聞く。

「それじゃあ、どっかでお昼ゴハン食べに行こうか」
「あとでもう1回、ここに来てもいいですか?」
「今、ちょっと作って貰ってるものがあるんです」
「夕方前には出来るみたいなんですっ」
「ああ、いいよ。じゃあまた来ようか」

 飲食街方面へ移動しようとするカーソンへ、ティコは話しかける。

「ねえカーソン様? 東の市場へ行ってみませんか?」
「ん? ああ、いま収穫祭やってるんだっけ?」
「食べ物売る屋台も沢山あるそうですよっ」
「……あ、そこらの店で食べるよりいいかもな? 
 ライラさんより旨い店なんて、そうそうないもんな」
「屋台ならその雰囲気で、美味しく食べれそうですものねっ」
「うんうん、そうだな」

 屋台での食事へ乗り気のカーソンに、イザベラとローラも同調する。

「屋台のゴハンか……いいわね」
「トレヴァでは、クリスに止められましたものね」
「そうそう、ちゃんとしたところで食べましょうってね」
「何が売られているのか、楽しみですわ」

 屋台から提供される食事が楽しみだと語る女王2人を見ながら、クリスとソニアは小声で話す。

「もう、あのお2人に下賎な食べ物とか関係ないですよね?」
「ああ。旨いか不味いかだけで構わんだろう」
「隊長は大丈夫ですか?」
「人間の作る食い物は、何でも旨い。今日も楽しみだ」
「隊長の胃袋も、人間にやられちゃいましたか」
「パンだけは許せんがな?」
「あはは、そこだけはどうしようもありませんよね」

 人間が創作した数々の料理に、すっかり虜となってしまったソニア。

 パンだけは不味いと言われ、クリスは苦笑いする事しか出来なかった。



 東の市場で開催中の収穫祭。

 今年の収穫に感謝と、来年も豊作であるようにとの願いを込めた祭り。

 市場に居を構える店舗が合同で企画し、様々な催し物を行なっていた。


 特設された広場の中央では牛、豚、羊がそれぞれ丸々の姿で焼かれている。

 焼けた部位を包丁で削ぎ落し、木製の皿に取り分けるか切ったパンで挟むかで売っている。

 客はそれぞれ好みの肉へと並び、買い求めていた。

 更には広場を丸く囲むように屋台が連なり、店主達が自慢の料理を売り込んでいる。


 広場に隣接する会場には、飲食用の椅子テーブルが立ち並ぶ。

 その周囲には食事以外の玩具販売や遊戯ゲーム的な、子連れの層を狙う屋台も並んでいた。


 その場の活気と食べ物の匂いに、カーソンは興奮しながら話す。

「うほーっ! あの丸焼き旨そうっ!」
「セラン達よりも、あんたが喜んじゃってどうすんのよ」
「お肉っ! お肉ぅーっ!」
「あぁ……ティコももうひとりいたわ」
「買ってから、あそこの椅子テーブルで食うんだよな?」
「うん、そうみたいだね」
「俺買ってくる! 荷物これと食べる場所取り頼むな!」
「あっ! ちょっと待てっ!」
「まずは牛っ! 牛だよなっ!」
「もうっ。ごめんセラン、荷物それ預かるからカーソンあいつの事手伝ってやって?」
「はいっ」

 カーソンは自分の荷物をクリスに押し付け、牛肉を買い求める行列へ並びに駆け出す。

 セランもクリスへ荷物を預け、牛肉の行列に並んだカーソンを手伝いに向かった。


 クリスはその場で次々と指示を出す。

 全員分の荷物と食事する場所の確保を、ソニアと女王2人へ任せる。

 ティコとポランを羊肉の列へと並ばせに向かわせる。

 余裕があれば周辺の屋台も物色するようにと指示し、自身はレニタと共に豚肉の列へと並んだ。




 席を確保し、座って待つイザベラとローラの元へ、牛の焼肉を買ってきたカーソンとセランが合流する。

「お待たせしました! 牛肉です!」
「パンに挟んでるものも買ってきました!」
「あら、美味しそうね。ありがとう」
「あれ? ソニアさんは?」
「屋台の品揃えを見に行きましたわよ?」
「そうですか。俺も何売ってるのか気になってました」

 席で話し込んでいると、クリス達もやって来た。

「お待たせ! 豚肉買ってきたよ」
「こっちは羊肉ですっ」
「おっ、流石っ! そのままのとパンのと両方買ったか!」
「あんたの考えはお見通しよ……って、あれっ?」
「ソニア様は、どちらへ?」
「あっちの屋台に行ってるみたいだ」
「じゃあわたし、お手伝いに行きますねっ」
「ポラ、レニ。ティコ姉ちゃんと一緒に行こ」
「ほいきたっ」
「うんっ」

 ティコとセラン達はソニアを追い、屋台コーナーへと駆け出した。


 テーブルに並ぶ焼肉の皿を眺めながら、イザベラとローラは話す。

「美味しそう……なんだけど、これを素手で食べるの?」
「素手でも構いませんが……出来ればフォークが欲しいですわね」
「あ、大丈夫ですよ。いつも持ち歩いてます」
「こういう場でも売ってますけど、いちいち買ってられませんし」
「えっ? あなた達、フォーク持ち歩いているの?」
「ええ、まあ。こういう時に重宝しますし」
「長年冒険者やってて身に着いた、習慣です」
「このようなお祭りに、偶然遭遇した時用にですか?」
「はい、そうです。ナイフとスプーンも持ってきてます」
「お揃いじゃないですけど、全員分ありますよ」
「じゃあ、ソニアには魔力で伝えておくわね」
「フォークの有り無しで、躊躇っているかも知れませんものね」

 カーソンとクリスは、自分達のリュックからナイフとスプーン、フォークを取り出す。

 イザベラとローラは、常時携行している2人へ関心しながら魔力でソニアへ伝えた。



 屋台から買い求めてきたソニア達が帰ってくる。

 ソニアはテーブルに置かれているナイフやフォーク、スプーンを見ながら話す。

「持ってきてくれていて助かった。見てくれこれを」
「おおっ!? すごい!」
「海鮮焼きの盛り合わせですね!」
「ああ。素手では食えぬかと悩んでいたところだった。
 食器があると連絡を頂き、迷わず海鮮全種類を買ってきた」
「スプーンもあるとの事で、スープも買ってきましたっ」
「あらエビ! いいわねぇ美味しそう!」
「イカもタコもありますわね! 流石ですわソニア!」
「此方は店主に薦められた、ホタテという貝だそうです」
「随分と大きな貝ね? それも美味しそう!」
「ささ、皆さん。冷めないうちに召し上がりましょうよ!」
「はーいっ!」


 カーソン達はフォークを手に、買ってきた料理へと手を伸ばす。


(こんだけ並んでるのに……野菜がひとつも……まぁ、いっか)

 クリスはテーブル狭しと並ぶ、野菜類がひとつもない料理群を見渡しながら微笑んだ。
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