翼の民

天秤座

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幼少~少年時代

23 好奇心

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 2人は風呂から上がり、脱衣場に戻るとタオルで身体を拭きながら話す。

「ふーっ、さっぱりしたぁ」
「サッパリ、サッパリー!」
「お風呂どうだった?」
「キモチヨカッタ!」
「明日もまた入りたい?」
「ウン!」
「じゃあ、家の向かいの川から水汲むの手伝ってね?」
「ワカッタ! テツダウ!」
「『手伝う』の意味分かって言ってる?」
「イッショニナニカスルコトダロ?」
「そそ。ティナも頭いいね?」
「へへッ……」


 2人が脱衣場で身体を拭いていると、グレイスが着替えを持って入って来た。

「ありゃ、ちょっと遅かったか。あたしも一緒に入りたかったよ」
「あ、お母様。ごめん、お先しちゃっちゃ・・
「……あんたまだその言葉使い直んないのかい?」
「? コトバヅカイ?」
「そうなのよ。この子ったら『ちゃった』が言えなくてね、『ちゃっちゃ』になんのよ」
「いいじゃない、みんなには何となく伝わってんだから」
「他の言い回しはちゃんと『った』になんのにさ、何でソコだけちゃんと言えないのさ?」
「あたしに聞かれても分かんないよ」
「ちゃんと直さないと。どっかで赤っ恥かいても知らないよ?」
「はーい」
「はいよ、これ2人の着替え」
「ありがとうお母様」
「アリガトウ、クリスノカアサン」

 クリスとティナはグレイスから着替えを受け取った。


 着替えを渡したグレイスは2人の脱いだ服を洗濯カゴに入れ、服を脱ぎながら話す。

「さてと。あたしもお風呂入ろうかね」
「クリスノカアサン、コレカラオフロカ?」
「そうだよ。みんなで入りたかったけどしょうがない、ひとりで入るよ」
「ジャアオレ、クリスノカアサント、マタオフロハイッテモイイカ?」
「え? 今入ったばっかりじゃないのさ?」
「オレ、クリスノカアサントモ、オフロハイリタイ」
「あらまぁ! 嬉しいねぇ! じゃあ、一緒に入ろっか?」
「ウン! オレ、クリスノカアサンノカラダアラウ!」
「あはっ! 本当に可愛い娘っ子だこと! じゃあクリス、ティナちゃん借りるよ?」
「……あたしも入る」
「へっ? 何だいあんた、ティナちゃん取られるかもって嫉妬してんのかい?」
「し、してないってば! たまには日頃の感謝を込めてお付き合ぇぃ…お付き合い」
「肝心なトコで噛んでんじゃないよ」
「くぅーっ……失敗」

 こうして母と娘、新しい娘の3人は和気藹々わきあいあいと仲良く風呂に入る。


 風呂へ入るとティナは早速、先程クリスが洗ってくれた行為を見よう見まねでグレイスへする。

「クリスノカアサン、キレイニスルー」
「ありがとうティナちゃん」
「コウユカケテ……ゴシゴシット」
「うーん、気持ちいいねぇ。ティナちゃん上手だよぉ?」
「カミノケモ……ゴシゴシー」
「嬉しいねぇ……まるでお姫様になった気分だよ」
「へぇ……ティナって自分にされてた事、ちゃんと見てたんだ?」
「クリスニサレテ、キモチヨカッタ! オレモクリスノカアサンニシテ、キモチヨクスル!」
「じゃあ、あたしもお母様洗ってあげよっかな?」
「あはは! 2人に洗われるなんて、ホントにお姫様だねこりゃ」

 グレイスはクリスとティナに全身を洗われ、子供時代に親から洗われていた事を思い出しながら、身を委ねた。


 ティナが湯をかき回して温度をならし、クリスが木桶で湯を汲み、グレイスへとかける。

 
 グレイスはサッパリしながら2人へ話す。

「ありがとね? おかげで気持ちよかったよ」
「クリスノカアサン、キレイニナッタカ?」
「うんうん! もうすっかり美人になったよ?」
「自分で美人って……それ言っちゃう?」
「…………」
「ん? ティナちゃんどうしたの? あたしになんか付いてるかい?」

 ティナはしゃがみこみ、グレイスの股間をじっと凝視していた。


 ティナはグレイスの股間を見ながら、首をかしげて話す。

「クリスノカアサン、ナンデソコニカミノケ、ハエテルンダ?」
「ん? ああ、ここに生えてる毛はね、髪の毛じゃないよ?」
「クリスニモハエテルケド……オレ、ハエテナイ」
「そりゃそうさ。ティナちゃんまだ子供だもん」
「……あんた、あたしのアソコの毛も気になってたの?」
「オレ、コドモダカラ…ケガハエテナイノカ?」
「うんといっぱい食べて、うんと身体おっきくなったらね、ティナちゃんにもしっかりと生えてくるよ?」


 ティナは自分の股間を両手でさすりながら話す。
 グレイスとクリスは、子供の素朴な疑問に困惑しながら返す。

「ナンデオッキクナッタラ、ココニケガハエルンダ?」
「そりゃぁ…………まぁ…何でだろね?」
「何でか分かんないけどね、生えてくんのよ」
「ワカンナイケド、ハエテクルノカ?」
「頭と一緒でさ、大事な部分だから毛を生やして守るんじゃないのかね?」
「あ、お母様それ…あたしも納得」
「ココ、ダイジナブブンナノカ?」
「そりゃもう大事だよ? おしっこ出来なくなっちゃうでしょ?」
「おしっこするとこにばい菌入らない為に、毛を生やして守ってるのかもね?」
「エ? ジャアオレ、イマバイキンカラマモラレテナイノカ?」
「ごめんよティナちゃん。何で生えてるのかはね、あたしもクリスもよく分かってないんだよ」
「そそ。ホントは違う役目してるんだろうけど、生えてる理由って分かんないのよ」
「フーン……ソウナノカ」
「そのうちティナちゃんも生えてくっからさ、安心してよ」
「生えたら安心とか変でしょ、お母様……」
「ほいじゃ剃るかい?」
「剃ってもまた生えくるもん。いちいち剃ってらんないよ」

 ティナはグレイスやクリスのように毛が生えてない自分の股間を、不思議そうに見つめ続けた。




 風呂から上がり、着替えたクリスとティナは部屋へと戻る。

 クリスはティナを椅子に座らせ、後ろから髪をブラシでとかしてあげながら話す。

「ティナの髪って、本当に綺麗な黒髪ねぇ」
「カミノケ、サラサラー、キモチイイー」
「うーん。この髪、ちょっと羨ましいな。あたしクセ毛だから……」
「オワッタラオレモクリスノカミ、ヤルー」
「ありがとう、よろしくね?」
「ウン!」

 クリスは念願だった妹が出来て、ティナが可愛くて仕方が無いようであった。


 髪をとかし終えた2人は、それぞれ寝床へ横になる。

 クリスとティナは横向きになり、お互いの顔を見ながら話す。

「さて…っと。そろそろ寝るわよ」
「……ナンカオレ、ドキドキシテテネムレナイ」
「? 何で?」
「ダッテ、モリニイタラコンナコトニナラナカッタ」
「谷に来て良かった?」
「ウン。スゴクヨカッタ!」
「そかそか。でもさ、早く寝ないと明日起きれないよ?」
「ネムレナイ……ドキドキシテテネムレナイ……」
「じゃあさ、楽しい事考えてごらん?」
「タノシイコト?」
「何でもいいよ。楽しい事考えて、気持ち良くなったら眠くなるから」
「ウン、ワカッタ。タノシイコト……タノシイコト……」
「今日の出来事なんか楽しかったんじゃない? 美味しいものいっぱい食べてさ?」
「…………」
「お風呂にも入ってさ?」
「…………」
「新しいお母さんが出来てさ?」
「…………」
「何よりも美人なお姉ちゃんが出来て……ティナ?」
「……スゥ……スゥ…………」
「えっ? もう寝ちゃっちゃ・・のっ? 速っ!」
「……スゥー…………スゥー…………」
「……さっきまでドキドキして眠れないって言ってたの……どこの誰?」

 部屋の窓から差し込む月の光は、あどけないティナの寝顔を優しく照らしていた。


 クリスは幸せそうな顔をしながら眠るティナを、目を細めながら見つめる。



 暫くティナの寝顔を見つめていたクリスにもようやく睡魔が訪れる。

「ふあぁ……あっ。さて、そろそろあたしも寝るか」
「ン……カアサン……」
「ん? どうしたのティナ?」
「…………」
「……寝言…か」
「…カアサン………オッパイ……」
「……ぷっ。どんな夢見てんのよこの子?」

 ティナは口をすぼめ、まるで乳首に吸い付いているようにチュッチュッと音を立てる。


 クリスはティナの口元を見て、急に母性がムクムクと湧き上がる。

「………おっぱいかぁ」
「……ン……ン…………」
「……おっぱい吸われるって……どんな気分になるのかな?」

 クリスはベッドからもそっと起き上がり、ティナの横に添い寝を始める。


 やがて好奇心に負け、自分の服をたくし上げると、胸をポロンとさらけ出す。

 自分の右乳首を恐る恐るティナの口元に近付けながらクリスは呟く。

「ちょっと……実験」
「……ン…チュッ……チュッ……」
「うっ!? ひっ!? ひゃっ!?」

 ティナの唇は、近付けられたクリスの乳首に勢いよく吸い付いた。


 ティナに乳首を吸われたクリスは堪らず小さな悲鳴を上げる。

「いやっ、これ駄目っ。くすぐったいっ。あっ、くっ、くくくく……」
「チュッ……チュッ……」
「うっ……うふふっ……あはははははは……あーっもう駄目っ、こんなの耐えられないっ。あははははっ」

 クリスはこそばゆさを堪えきれず、ティナの唇から乳首を離した。


 クリスは胸を服の中にしまいながら呟く。

「うーん…実験してみて分かった、これはキツイわ。
 お母さんって、こんなくすぐったいの我慢して赤ちゃんにおっぱいあげてるのかな?
 いやーこれ、あたしには無理だわ。くすぐったいの我慢出来ないや。
 でも、母になったら愛する赤ちゃんの為に、我慢するんだろうなぁ……。
 いつかあたしも……あのくすぐったさを我慢出来るようになるのかなぁ?
 まっ、今悩んでもしゃーないか。そん時になったらだね。
 いつかきっと、素敵なお婿さん貰ってうんと可愛い赤ちゃん作ろうねっ、クリス?
 おーっ………なんちゃって」



 クリスはベッドに戻ると横になり、目を瞑った。

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