転生オトメ恋世界

夢見月まひわ

文字の大きさ
上 下
33 / 49
二章

33 学園長にお会いしました

しおりを挟む
 イルミナ教師の仰った通り私はすぐに学園長室へと呼ばれ、ハーマン教師、イルミナ教師と共に学園長室に訪れたのでした。
 そこにいらしたのは黒髪の女性です。

「ーーーーーやぁ、このように面と向かって話をするのは初めてだね。ただ、今はもっと早くに会っておけば良かったと後悔しているよ。ゆえに知っているとは思うが、改めて名乗らせてもらおう。私がここ王立ラウグス魔導学園を統括する学園の長、ディーランド=メルモルだ」

 魔女装束に身を包んだ女性はそのように名乗りました。

「お目にかかれて光栄です、メルモル学園長。私はカヤ=エリュテイアと申します。メルモル学園長には私の入学申請の変更手続きや寮の申請にてとてもご助力頂いたとエーデルトラウト様より聞き及んでおります。その節は本当にありがとうございました。また、お礼が遅くなってしまったこと、誠に申し訳ございません」
「構わないよ。乙女様の入学ほど名誉な事はないからね。っと、まぁお互いに募る話もあるだろうが、本題に入るとしよう。もちろん第二王子ことヴェンデル=ラウグス君に関してだが、まずはカヤ君、君は彼の今回の行動についてどの様に感じた?それを聞かせて欲しい」
「、、、そうですね。大事おおごとになってしまいましたのでお話致しますが、ヴェンデル様は以前にも私に向けて魔法を放った事があります。そのため私に向けて魔法を放った事に関しては何も疑問に思う事はありません。しかし今回そのような行動に出られた状況が、ヴェンデル様にとってあまりにも都合の良いものとなっていた事に不自然さを感じました。それにヴェンデル様が持たれていたあの剣、あれは勝負の途中でどなたかによりあの場へと投げ込まれた物です。その方を特定する事は出来ませんでしたが」
「なるほど、、、となるとカヤ君の意見も大方二人と似たようなもののようだね」

 メルモル学園長が教師二人に視線を向けると、イルミナ教師が私に対してこのように仰りました。

「あんたは知らないと思うが実はあの時、あの場所には二つの結界が張られていたんだ。一つは結界外からの音を遮断するもの。もう一つは結界内に人を入れないためのもの。しかもそのどちらも広範囲に展開されていた。そんな高度な結界を広範囲に渡って展開するのに赤魔導士級の実力者が少なくとも10人は必要になるだろう。そんな数、あのバカ王子が一人で集められたとは考えにくい。何を思ってかは知らんが、奴の手助けをしていた連中がいるのは間違いないはずだ」
「ーーーーーというわけで第三者の存在がいるのは濃厚だ。ヴェンデル君はカヤ君も知っての通り、かなり気性は荒い。だが勝てない勝負に挑むような性格でもない。以前のカヤ君との間に起きた諍いについて、私は陛下から直接聞いている。『ヴェンデルの魔法は乙女様に一切通用しなかった』と。それからたった一月あまり。その差を埋める実力を彼が身に付けたとは到底思えない。だから彼の行動は誰かの口車に乗せられてのものじゃないかと推測している」

 ヴェンデル様の思惑を助長し、手助けをする事で成せる事とはどのようなものでしょうか?

 そのように考えて、至る答えは単純明快なものでした。

『潰れろーーーーーッ!!!』
『死ねーーーーー!!!』
『殺す、、、殺す、、、殺してやる!!!』



 私は"命"を狙われているのでしょうか、、、、、、
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

もう死んでしまった私へ

ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。 幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか? 今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!! ゆるゆる設定です。

【完結】婚約破棄されたので、引き継ぎをいたしましょうか?

碧桜 汐香
恋愛
第一王子に婚約破棄された公爵令嬢は、事前に引き継ぎの準備を進めていた。 まっすぐ領地に帰るために、その場で引き継ぎを始めることに。 様々な調査結果を暴露され、婚約破棄に関わった人たちは阿鼻叫喚へ。 第二王子?いりませんわ。 第一王子?もっといりませんわ。 第一王子を慕っていたのに婚約破棄された少女を演じる、彼女の本音は? 彼女の存在意義とは? 別サイト様にも掲載しております

私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?

新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。 ※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!

婚約破棄されたら魔法が解けました

かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」 それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、王太子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。 「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」 あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。 「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」 死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー! ※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です

出勤したら解雇と言われました -宝石工房から独立します-

はまち
恋愛
出勤したら代替わりをした親方に解雇と言われた宝石加工職人のミカエラは独り立ちを選んだ。 次こそ自分のペースで好きなことをしてお金を稼ぐ。 労働には正当な報酬を休暇を!!!低賃金では二度と働かない!!!

皇太子の子を妊娠した悪役令嬢は逃げることにした

葉柚
恋愛
皇太子の子を妊娠した悪役令嬢のレイチェルは幸せいっぱいに暮らしていました。 でも、妊娠を切っ掛けに前世の記憶がよみがえり、悪役令嬢だということに気づいたレイチェルは皇太子の前から逃げ出すことにしました。 本編完結済みです。時々番外編を追加します。

兄を溺愛する母に捨てられたので私は家族を捨てる事にします!

ユウ
恋愛
幼い頃から兄を溺愛する母。 自由奔放で独身貴族を貫いていた兄がようやく結婚を決めた。 しかし、兄の結婚で全てが崩壊する事になった。 「今すぐこの邸から出て行ってくれる?遺産相続も放棄して」 「は?」 母の我儘に振り回され同居し世話をして来たのに理不尽な理由で邸から追い出されることになったマリーは自分勝手な母に愛想が尽きた。 「もう縁を切ろう」 「マリー」 家族は夫だけだと思い領地を離れることにしたそんな中。 義母から同居を願い出られることになり、マリー達は義母の元に身を寄せることになった。 対するマリーの母は念願の新生活と思いきや、思ったように進まず新たな嫁はびっくり箱のような人物で生活にも支障が起きた事でマリーを呼び戻そうとするも。 「無理ですわ。王都から領地まで遠すぎます」 都合の良い時だけ利用する母に愛情はない。 「お兄様にお任せします」 実母よりも大事にしてくれる義母と夫を優先しすることにしたのだった。

異世界は『一妻多夫制』!?溺愛にすら免疫がない私にたくさんの夫は無理です!?

すずなり。
恋愛
ひょんなことから異世界で赤ちゃんに生まれ変わった私。 一人の男の人に拾われて育ててもらうけど・・・成人するくらいから回りがなんだかおかしなことに・・・。 「俺とデートしない?」 「僕と一緒にいようよ。」 「俺だけがお前を守れる。」 (なんでそんなことを私にばっかり言うの!?) そんなことを思ってる時、父親である『シャガ』が口を開いた。 「何言ってんだ?この世界は男が多くて女が少ない。たくさん子供を産んでもらうために、何人とでも結婚していいんだぞ?」 「・・・・へ!?」 『一妻多夫制』の世界で私はどうなるの!? ※お話は全て想像の世界になります。現実世界とはなんの関係もありません。 ※誤字脱字・表現不足は重々承知しております。日々精進いたしますのでご容赦ください。 ただただ暇つぶしに楽しんでいただけると幸いです。すずなり。

処理中です...