17 / 49
一章:転生乙女
17 自己紹介をしました
しおりを挟む
「皆さま、ご入学おめでとうございます。今日からこの貴族クラスの担当教師を務める事になりました、アイネ=ハーマンです。どうぞよろしくお願い致します」
教壇に立たれた男性教師がそのように挨拶をなさいました。
貴族クラスとハーマン教師は仰られましたが、ここはその中でも上位の階級、上級貴族の子息ばかりが集まったクラスになります。そのため王族であらせられるエーデルトラウト様もこの場におられました。しかも私のお隣に。
、、、、、、なぜ私はここにいるのでしょうか、、、?
それもこれも乙女様だから、という理由で片付いてしまっている現状です。
昨日の王子様との顔合わせもそうでしたが、平民であるはずの私の扱いが今では上級貴族の方々と同等、、、というわけなのでしょうね。
、、、落ち着きません。
なにより私に向けられる奇異の目が気になって仕方ありません。
私が乙女様という事は既に学校中に広まっています。そして私が平民出身者という事も知れ渡っています。そもそも隠すつもりもありませんでしたが、その事も相まって様々な方面から注目を集めてしまっているようです。
「ーーーーー平民のくせに、、、」
聞こえるように仰る割には、誰も顔を合わせません。
あくまで独り言、誰に対しての発言であるかは特定はしない。なぜならその方が気が楽だから、ですよね?
自身に対していくらでも言い訳が出来るため、罪悪感というものが薄れてしまうのでしょう。
しかし、ここまであからさまに嫌われるのは前世を含めても初めての事ですね。
、、、、、、少し興味が湧きますね。彼らがどのように私の事を想っているのか、ちょっと聴いてみるのも勉強になるかもしれませんし。
「ーーーーーそれでは皆さま、早速ではありますが、自己紹介も兼ねて、この場にて魔力測定を行いますので、お名前の呼ばれた方から前へといらしてください」
そういえばお母様から聞いた事があります。体内魔力量をある程度の範囲でランク付けを行う事により、魔導士としての素質を見極める魔道具があると。
そして教卓に置かれた水晶玉のようなものこそが、それに該当するのでしょう。
「ーーーーーネモ=ヴィオーラ様」
「、、、うん」
教師に名前を呼ばれ教壇へと向かう少女は少しばかり覚束ない足取りでした。
先程も欠伸をされていましたし、明らかに寝不足のようですね。学校が楽しみ過ぎて眠れなかったのでしょうか?
「僕は、ネモ=ヴィオーラ、、、僕のことはネモって呼んでいいよ、、、あとは、、、ん~、それだけ。よろしく、みんな」
そう挨拶をすると、ネモ様は教師に促され水晶玉に手を触れました。
すると、透き通っていた水晶は白く輝き出し、次に青く発光したかと思うと、黄色くなり、そして赤色へと変わり、そこで光は消えました。
「、、、す、素晴らしいです!!?入学早々、赤魔導士級の魔力を保持していらっしゃるとは!!?」
水晶玉が赤く光ったから赤魔導士なのですね。なんとも分かりやすい判定です。
しかし、赤魔導士とはどれほどのものなのでしょうか?私には馴染みがありませんね。
それでも周りの様子を察するに、凄いことなのは分かりました。
ネモ様はそんな彼らの称賛も意に介さず、またふらふらと歩き始めました。
しかし、席へと戻られる際に段差に躓き、前屈みに体勢を崩されました。
「ーーーーーぉわ、、、、、、ッ!」
それを見ていた私は自身の席から近い事もあり咄嗟に立駆けつけ、ネモ様の小さな身体を受け止めました。
「大丈夫ですか!?」
「あ~、、、ありがと。助かったよ」
「いえ、ネモ様にお怪我が無く良かったです」
「、、、君、僕のこと知ってるの?」
「お名前と、水晶玉を赤く光らせられる方、という事は知っています」
「、、、、、、面白い人だね、君。ビックリして眠気も飛んじゃったよ」
「学校が楽しみだったのですか?」
「へ?」
「あ、いえ、、、違っていたのなら申し訳ありません。ただ、学校に通うのが楽しみで眠れなかったのかなと、勝手に思っていたもので」
「あ~、、、そういう考え方もあるんだ。僕の場合はむしろ逆なのかもしれないね」
ネモ様が悲しそうな顔を見せました。
しかしすぐに口角を上げて、再びお礼の言葉を口にし、席へと戻って行かれました。そして私も席に着きます。
素早くネモ様を受け止めた私の行動に多くの方が驚かれておりましたが、私は悲しげな表情を浮かべたネモ様が気になってしまい、しばらく上の空でした。
そしてネモ様の事を考えていたら、ルクス君の事を思い出しました。
だからなのでしょうか。
ネモ様の悲しげな表情が、ルクス君と重なってしまったのは。
それにしましても、ネモ様は本当に15歳なのでしょうか?背丈だけで人の年齢を測る事が失礼だと承知の上で、私にはネモ様が小学校低学年程に見えたのです。
と、考えていても仕方のない事です。いつかご本人に直接伺える機会があればいいですが。
「ーーーーー乙女様、前へいらしてください」
ルクス君は元気にしていますよね?泣いてなんかいませんよね?
「お、乙女様、、、!!?」
やはりルクス君の日々の成長を見守れないのはとても悲しいです。
長期休暇がひと月ほどあるようですが、その際に戻る事は、、、、、、行きに1ヶ月要する道のりです、、、無理ですね。
「あの、、、乙女様、、、?」
先程から呼ばれているオトメ様という方が、登壇しませんね?この場にいないのでしょうか?
と、辺りをキョロキョロする私に、隣に座られていたエーデルトラウト様が肩を叩きます。
「呼ばれていますよ」
「、、、あ!申し訳ありません!?」
お名前で呼んでくれるのではなかったのですか、、、と少し不満もありながら、私は急いで教壇へと上がりました。
「お時間を取らせてしまい申し訳ありませんでした!私はリビット村出身のカヤ=エリュテイアと申します。皆さまとこれからの学園生活を楽しいものに出来たら良いなと思っております。どうぞよろしくお願いします」
微かにクスクスと笑い声が聞こえます。
しかし、私は気にしません。
強がりではありませんよ?
気にするだけ無駄、という意味です。
「それでは乙女様。魔水晶に手をお触れください」
「はい」
水晶玉に手を付けると、魔力が吸収されるのが分かりました。
この感覚は魔光に魔力を流す時と同じ感覚ですね。魔力を意識していなくても、触れただけで魔力が吸われています。
ただ魔光は意識せず流れる魔力量がとても僅かで子供が手を触れたところで、無意識に全ての魔力を吸われる事はありませんが、、、これは違いますね。
それに一定量流れていったところで、感覚として壁のようなものが水晶の中にあるのが分かりました。
なるほど、、、そういう仕組みですか。
雀の涙程の魔力を流しても、まったく水晶玉に変化はありません。
つまり、この抵抗となる障壁より、多くの魔力を流す事で、内在する魔力量を測っているのですね。
そのようにこの魔水晶に関して色々と探っていると、大きな笑い声が教室に響きました。
「ーーー光ってねーぞあいつ!どんなガキでも水晶光らすくらいできるってのに!!!」
一瞬ヴェンデル様がいらしたのかと思いましたが、また別の方のようですね。
「平民が乙女様ってのはやっぱ間違いじゃねーのか!!!」
舐められているのでしょう。少し遊び過ぎましたね。
私は魔水晶に自分の意思で魔力を大量に流します。
すると魔力による障壁を破壊する感覚が伝わり、水晶が白く輝きました。
うん、、、?今、何かおかしな手応えを感じたような、、、
「ーーーーーあははははは!!!結局は白かよ!やっぱ平民は平民じゃねーか!!!ーーーーーあ、、、?」
水晶玉の輝きが教室いっぱいに広がります。
「ね、ねぇ、、、あれって、、、」
「、、、おい、、、嘘だろ、、、!!!?」
その水晶玉から溢れる光は確かに白い輝きです。
しかし、ーーーーー。
「これで彼らからの疑いも晴れる事でしょう。あの輝きはまさしく、"白銀"の魔導士。初代乙女様のみが見せたという伝説の輝き」
エーデルトラウト様はそのように呟き、不敵な笑みを溢したのでした。
白く煌びやかな粒子が教室を満たし、その空間を幻想的に彩ります。
綺麗ですね。
それにしても半分も魔力を流しましたのに、白く光るのみとは、、、ネモ様は本当に凄い方だったのですね。
白魔導士、、、という事でしょうか。
けれど当の本人がその事実を知ったのは、学園掲示板にて魔力測定の結果が張り出された後の事でした。
「、、、白銀魔導士?」
"白"魔導士ではなく、"白銀"魔導士という呼称になるのですね、、、
教壇に立たれた男性教師がそのように挨拶をなさいました。
貴族クラスとハーマン教師は仰られましたが、ここはその中でも上位の階級、上級貴族の子息ばかりが集まったクラスになります。そのため王族であらせられるエーデルトラウト様もこの場におられました。しかも私のお隣に。
、、、、、、なぜ私はここにいるのでしょうか、、、?
それもこれも乙女様だから、という理由で片付いてしまっている現状です。
昨日の王子様との顔合わせもそうでしたが、平民であるはずの私の扱いが今では上級貴族の方々と同等、、、というわけなのでしょうね。
、、、落ち着きません。
なにより私に向けられる奇異の目が気になって仕方ありません。
私が乙女様という事は既に学校中に広まっています。そして私が平民出身者という事も知れ渡っています。そもそも隠すつもりもありませんでしたが、その事も相まって様々な方面から注目を集めてしまっているようです。
「ーーーーー平民のくせに、、、」
聞こえるように仰る割には、誰も顔を合わせません。
あくまで独り言、誰に対しての発言であるかは特定はしない。なぜならその方が気が楽だから、ですよね?
自身に対していくらでも言い訳が出来るため、罪悪感というものが薄れてしまうのでしょう。
しかし、ここまであからさまに嫌われるのは前世を含めても初めての事ですね。
、、、、、、少し興味が湧きますね。彼らがどのように私の事を想っているのか、ちょっと聴いてみるのも勉強になるかもしれませんし。
「ーーーーーそれでは皆さま、早速ではありますが、自己紹介も兼ねて、この場にて魔力測定を行いますので、お名前の呼ばれた方から前へといらしてください」
そういえばお母様から聞いた事があります。体内魔力量をある程度の範囲でランク付けを行う事により、魔導士としての素質を見極める魔道具があると。
そして教卓に置かれた水晶玉のようなものこそが、それに該当するのでしょう。
「ーーーーーネモ=ヴィオーラ様」
「、、、うん」
教師に名前を呼ばれ教壇へと向かう少女は少しばかり覚束ない足取りでした。
先程も欠伸をされていましたし、明らかに寝不足のようですね。学校が楽しみ過ぎて眠れなかったのでしょうか?
「僕は、ネモ=ヴィオーラ、、、僕のことはネモって呼んでいいよ、、、あとは、、、ん~、それだけ。よろしく、みんな」
そう挨拶をすると、ネモ様は教師に促され水晶玉に手を触れました。
すると、透き通っていた水晶は白く輝き出し、次に青く発光したかと思うと、黄色くなり、そして赤色へと変わり、そこで光は消えました。
「、、、す、素晴らしいです!!?入学早々、赤魔導士級の魔力を保持していらっしゃるとは!!?」
水晶玉が赤く光ったから赤魔導士なのですね。なんとも分かりやすい判定です。
しかし、赤魔導士とはどれほどのものなのでしょうか?私には馴染みがありませんね。
それでも周りの様子を察するに、凄いことなのは分かりました。
ネモ様はそんな彼らの称賛も意に介さず、またふらふらと歩き始めました。
しかし、席へと戻られる際に段差に躓き、前屈みに体勢を崩されました。
「ーーーーーぉわ、、、、、、ッ!」
それを見ていた私は自身の席から近い事もあり咄嗟に立駆けつけ、ネモ様の小さな身体を受け止めました。
「大丈夫ですか!?」
「あ~、、、ありがと。助かったよ」
「いえ、ネモ様にお怪我が無く良かったです」
「、、、君、僕のこと知ってるの?」
「お名前と、水晶玉を赤く光らせられる方、という事は知っています」
「、、、、、、面白い人だね、君。ビックリして眠気も飛んじゃったよ」
「学校が楽しみだったのですか?」
「へ?」
「あ、いえ、、、違っていたのなら申し訳ありません。ただ、学校に通うのが楽しみで眠れなかったのかなと、勝手に思っていたもので」
「あ~、、、そういう考え方もあるんだ。僕の場合はむしろ逆なのかもしれないね」
ネモ様が悲しそうな顔を見せました。
しかしすぐに口角を上げて、再びお礼の言葉を口にし、席へと戻って行かれました。そして私も席に着きます。
素早くネモ様を受け止めた私の行動に多くの方が驚かれておりましたが、私は悲しげな表情を浮かべたネモ様が気になってしまい、しばらく上の空でした。
そしてネモ様の事を考えていたら、ルクス君の事を思い出しました。
だからなのでしょうか。
ネモ様の悲しげな表情が、ルクス君と重なってしまったのは。
それにしましても、ネモ様は本当に15歳なのでしょうか?背丈だけで人の年齢を測る事が失礼だと承知の上で、私にはネモ様が小学校低学年程に見えたのです。
と、考えていても仕方のない事です。いつかご本人に直接伺える機会があればいいですが。
「ーーーーー乙女様、前へいらしてください」
ルクス君は元気にしていますよね?泣いてなんかいませんよね?
「お、乙女様、、、!!?」
やはりルクス君の日々の成長を見守れないのはとても悲しいです。
長期休暇がひと月ほどあるようですが、その際に戻る事は、、、、、、行きに1ヶ月要する道のりです、、、無理ですね。
「あの、、、乙女様、、、?」
先程から呼ばれているオトメ様という方が、登壇しませんね?この場にいないのでしょうか?
と、辺りをキョロキョロする私に、隣に座られていたエーデルトラウト様が肩を叩きます。
「呼ばれていますよ」
「、、、あ!申し訳ありません!?」
お名前で呼んでくれるのではなかったのですか、、、と少し不満もありながら、私は急いで教壇へと上がりました。
「お時間を取らせてしまい申し訳ありませんでした!私はリビット村出身のカヤ=エリュテイアと申します。皆さまとこれからの学園生活を楽しいものに出来たら良いなと思っております。どうぞよろしくお願いします」
微かにクスクスと笑い声が聞こえます。
しかし、私は気にしません。
強がりではありませんよ?
気にするだけ無駄、という意味です。
「それでは乙女様。魔水晶に手をお触れください」
「はい」
水晶玉に手を付けると、魔力が吸収されるのが分かりました。
この感覚は魔光に魔力を流す時と同じ感覚ですね。魔力を意識していなくても、触れただけで魔力が吸われています。
ただ魔光は意識せず流れる魔力量がとても僅かで子供が手を触れたところで、無意識に全ての魔力を吸われる事はありませんが、、、これは違いますね。
それに一定量流れていったところで、感覚として壁のようなものが水晶の中にあるのが分かりました。
なるほど、、、そういう仕組みですか。
雀の涙程の魔力を流しても、まったく水晶玉に変化はありません。
つまり、この抵抗となる障壁より、多くの魔力を流す事で、内在する魔力量を測っているのですね。
そのようにこの魔水晶に関して色々と探っていると、大きな笑い声が教室に響きました。
「ーーー光ってねーぞあいつ!どんなガキでも水晶光らすくらいできるってのに!!!」
一瞬ヴェンデル様がいらしたのかと思いましたが、また別の方のようですね。
「平民が乙女様ってのはやっぱ間違いじゃねーのか!!!」
舐められているのでしょう。少し遊び過ぎましたね。
私は魔水晶に自分の意思で魔力を大量に流します。
すると魔力による障壁を破壊する感覚が伝わり、水晶が白く輝きました。
うん、、、?今、何かおかしな手応えを感じたような、、、
「ーーーーーあははははは!!!結局は白かよ!やっぱ平民は平民じゃねーか!!!ーーーーーあ、、、?」
水晶玉の輝きが教室いっぱいに広がります。
「ね、ねぇ、、、あれって、、、」
「、、、おい、、、嘘だろ、、、!!!?」
その水晶玉から溢れる光は確かに白い輝きです。
しかし、ーーーーー。
「これで彼らからの疑いも晴れる事でしょう。あの輝きはまさしく、"白銀"の魔導士。初代乙女様のみが見せたという伝説の輝き」
エーデルトラウト様はそのように呟き、不敵な笑みを溢したのでした。
白く煌びやかな粒子が教室を満たし、その空間を幻想的に彩ります。
綺麗ですね。
それにしても半分も魔力を流しましたのに、白く光るのみとは、、、ネモ様は本当に凄い方だったのですね。
白魔導士、、、という事でしょうか。
けれど当の本人がその事実を知ったのは、学園掲示板にて魔力測定の結果が張り出された後の事でした。
「、、、白銀魔導士?」
"白"魔導士ではなく、"白銀"魔導士という呼称になるのですね、、、
0
お気に入りに追加
18
あなたにおすすめの小説
もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。
完結 そんなにその方が大切ならば身を引きます、さようなら。
音爽(ネソウ)
恋愛
相思相愛で結ばれたクリステルとジョルジュ。
だが、新婚初夜は泥酔してお預けに、その後も余所余所しい態度で一向に寝室に現れない。不審に思った彼女は眠れない日々を送る。
そして、ある晩に玄関ドアが開く音に気が付いた。使われていない離れに彼は通っていたのだ。
そこには匿われていた美少年が棲んでいて……
【完結】婚約破棄されたので、引き継ぎをいたしましょうか?
碧桜 汐香
恋愛
第一王子に婚約破棄された公爵令嬢は、事前に引き継ぎの準備を進めていた。
まっすぐ領地に帰るために、その場で引き継ぎを始めることに。
様々な調査結果を暴露され、婚約破棄に関わった人たちは阿鼻叫喚へ。
第二王子?いりませんわ。
第一王子?もっといりませんわ。
第一王子を慕っていたのに婚約破棄された少女を演じる、彼女の本音は?
彼女の存在意義とは?
別サイト様にも掲載しております
王が気づいたのはあれから十年後
基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。
妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。
仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。
側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。
王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。
王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。
新たな国王の誕生だった。
私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。
※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!
婚約破棄されたら魔法が解けました
かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」
それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、王太子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。
「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」
あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。
「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」
死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー!
※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です
懐妊を告げずに家を出ます。最愛のあなた、どうかお幸せに。
梅雨の人
恋愛
最愛の夫、ブラッド。
あなたと共に、人生が終わるその時まで互いに慈しみ、愛情に溢れる時を過ごしていけると信じていた。
その時までは。
どうか、幸せになってね。
愛しい人。
さようなら。
出勤したら解雇と言われました -宝石工房から独立します-
はまち
恋愛
出勤したら代替わりをした親方に解雇と言われた宝石加工職人のミカエラは独り立ちを選んだ。
次こそ自分のペースで好きなことをしてお金を稼ぐ。
労働には正当な報酬を休暇を!!!低賃金では二度と働かない!!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる