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私の王子様
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気がつくと真っ白な…天井。
あぁ、またあの白い空間にきてしまったのか。
そう思いゆっくりと起き上がると思っていた真っ白な景色ではなく豪華な客室だった。
天蓋付きの大きなベッドの横には綺麗なお花が生けてある。
ぼーっとする頭で思い出そうと記憶を振り返ろうとしているとノックもなしで勢いよく扉が開かれるとそこには目をまん丸にしたルドーさんがいた。
無言で部屋に入ってくるとそのまま一直線に私の元へ来たと認識したときにはすでにルドーさんの腕の中にいた。
何も言わずに、ただきつく抱きしめてくれるルドーさんはいつものクールでポーカーフェイスではなく小さな声で何度も私の名前と「良かった」という言葉を繰り返している。
その声は震えていて泣いているのかもしれない。
「ルドー…さん?」
私の呼びかけに反応して力を緩めると私の顔を覗き込み、大きな手で顔を撫でてくれる。
温かくてとても安心する、このまましばらく撫でられていたいと自分から頬を寄せてしまう。
「痛むところはないか?」
「痛いところ…はないです。」
「そうか。良かった…本当に良かった。」
また抱きしめられてルドーさんの胸に体を預けていると部屋の外からバタバタと数人が走ってくる足音が聞こえてきた。
その騒がしい足音は部屋の前でピタリと止まり、ノックされた。
「失礼します!アンナ様…!」
「はっはい!」
ルドーさんは執務室で部下の騎士と話をしていたらしいが、私が目覚めたのを魔法で感知すると会話を途中で切り上げ、「アンナが起きた。」と言い残し、わざわざ転移して部屋まで来たそうだ。
一緒にいた何人かの部下の方がお医者さんを呼んだり、この後のスケジュールを調整するために動いてくれていたようだ。
ルドーさんの後を追いかけるように王宮の執務室からこの客室まで急いできたようで皆、息を切らしていた。
ルドーさんが少し離れて、医師に診察してもらい異常がないことを確認されると2.3日は安静に過ごしてから帰るように言われた。
話を聞くとあれから私は1週間も眠っていたそうだ。
毒をくらい、ほぼ即死状態だった私をルドーさんが治癒魔法で応急処置をし上級ポーションをジャバジャバとかけると、すぐに魔物討伐に戻り見たこともない巨大な魔法陣を形成したかと空を見上げれば一瞬で魔物は全て消え去ったそうだ。
近くで見ていた騎士達は圧倒的な魔法攻撃に目の前の出来事が理解が追いつかなかったが、そのまますぐに私の元へ戻ると解毒に取りかかる様子を見てすぐに帰路の準備を始めた。
あの状況から奇跡的に生きていた…
解毒も無事に終わったがなぜか目覚めない私を心配し、必要最低限の執務以外の時間は側に付きそい、私に変化があればすぐに分かるように魔法までかけていたらしい。
誰がどう見ても隠しきれないルドーさんの感情を私も感じる。
「愛している」
「私も…愛してます」
あぁ、またあの白い空間にきてしまったのか。
そう思いゆっくりと起き上がると思っていた真っ白な景色ではなく豪華な客室だった。
天蓋付きの大きなベッドの横には綺麗なお花が生けてある。
ぼーっとする頭で思い出そうと記憶を振り返ろうとしているとノックもなしで勢いよく扉が開かれるとそこには目をまん丸にしたルドーさんがいた。
無言で部屋に入ってくるとそのまま一直線に私の元へ来たと認識したときにはすでにルドーさんの腕の中にいた。
何も言わずに、ただきつく抱きしめてくれるルドーさんはいつものクールでポーカーフェイスではなく小さな声で何度も私の名前と「良かった」という言葉を繰り返している。
その声は震えていて泣いているのかもしれない。
「ルドー…さん?」
私の呼びかけに反応して力を緩めると私の顔を覗き込み、大きな手で顔を撫でてくれる。
温かくてとても安心する、このまましばらく撫でられていたいと自分から頬を寄せてしまう。
「痛むところはないか?」
「痛いところ…はないです。」
「そうか。良かった…本当に良かった。」
また抱きしめられてルドーさんの胸に体を預けていると部屋の外からバタバタと数人が走ってくる足音が聞こえてきた。
その騒がしい足音は部屋の前でピタリと止まり、ノックされた。
「失礼します!アンナ様…!」
「はっはい!」
ルドーさんは執務室で部下の騎士と話をしていたらしいが、私が目覚めたのを魔法で感知すると会話を途中で切り上げ、「アンナが起きた。」と言い残し、わざわざ転移して部屋まで来たそうだ。
一緒にいた何人かの部下の方がお医者さんを呼んだり、この後のスケジュールを調整するために動いてくれていたようだ。
ルドーさんの後を追いかけるように王宮の執務室からこの客室まで急いできたようで皆、息を切らしていた。
ルドーさんが少し離れて、医師に診察してもらい異常がないことを確認されると2.3日は安静に過ごしてから帰るように言われた。
話を聞くとあれから私は1週間も眠っていたそうだ。
毒をくらい、ほぼ即死状態だった私をルドーさんが治癒魔法で応急処置をし上級ポーションをジャバジャバとかけると、すぐに魔物討伐に戻り見たこともない巨大な魔法陣を形成したかと空を見上げれば一瞬で魔物は全て消え去ったそうだ。
近くで見ていた騎士達は圧倒的な魔法攻撃に目の前の出来事が理解が追いつかなかったが、そのまますぐに私の元へ戻ると解毒に取りかかる様子を見てすぐに帰路の準備を始めた。
あの状況から奇跡的に生きていた…
解毒も無事に終わったがなぜか目覚めない私を心配し、必要最低限の執務以外の時間は側に付きそい、私に変化があればすぐに分かるように魔法までかけていたらしい。
誰がどう見ても隠しきれないルドーさんの感情を私も感じる。
「愛している」
「私も…愛してます」
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