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空の帰り道は気をつけて
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時間を忘れて練習していたせいで外はすっかり暗くなったどころが夜も遅い。
ルドーさんに頭を下げて急いで帰る準備をした。
「すみません!こんな時間まで。お腹も空きましたよね?早く帰りましょう!」
「あぁ。大丈夫だ、送って行く。」
「いいです!1人で帰れます。ルドーさんも早く帰って休んでください!」
「こんなに夜遅くに女性1人で帰すわけには行かないだろう。これでも騎士だぞ」
「そうですが…私なら空をぴゅーん!って帰れますし。」
「そのぴゅーん!も安全とは限らない。飛行中に落とされたり、連れさられることもある。それに、降りたときに襲われることもゼロではないんだから」
「それは…そうですけど。」
「それに、アンナは家で作って食べるのか?」
「あー、もう遅いのでどこかで食べて帰ります」
「なら私に付き合え。そのまま送る。」
「ごはん!どこにいきますか?」
「アンナは食べ物に弱すぎないか?どこでもアンナの好きなものでいい」
「だって…1人で食べるより誰かと一緒の方が美味しいですし!それにシェア出来るから色々食べれるし!」
私は久しぶりに働いていたレストランへ行きたいとお願いするとルドーさんと何を頼むか話しながら向かった。
レストランはピークを過ぎていて空席が少しあったのですぐに席に着けた。
大好きなビーフシチューとふわふわのパン
たくさんのキノコがソース代わりにのせられたサラダ
トマトと人参のポタージュ
そして海鮮パスタも追加した
ルドーさんがいるおかげでいつもよりたくさん選べて嬉しい
1人だとサラダとビーフシチューとパン
これでお腹は限界だ。
2人でシェアして食べ進め、疲れた体を美味しい食べ物で満たされる幸福感を噛み締めているとサービスだと言ってアイスを出してくれた。
「ありがとうございました!また来ますー!」
満腹になりお礼を言って店をでた。
「ルドーさん!ありがとうございます!練習に付き合ってもらってご飯まで。」
「どういたしまして。さぁ、帰るか、どうする?
飛ぶか?それとも馬車でゆっくり帰るか?」
「飛びましょー!星も綺麗だし食後の運動です!」
少し歩き、人混みを抜けるとフワっと浮かぶ。
私はまだルドーさんみたいにすぐに飛行できないのだ。
一度体を浮かせて少しずつ風を操り体を前に進めて…風に乗ったらやっと飛行できる。
空高く飛ぶときもまた少しずつ…高度を上げる必要がある。
前に何も考えず急上昇してしまい、気圧を調整するための空気を操作する魔法の処理が追いつかず耳が死んだ。
これも慣れるとほぼ無意識で出来るようになり、急上昇や急降下をしても違和感なく飛べるらしいがまだまだ練習が必要みたいだ。
ゆっくり上がる私に付き合って待ってくれるルドーさん。
そして先ほどはぴゅーん!といかにも速い速度のように表現したが実際にはノロノロと進む私の速度は最高でも原付きバイクくらいのスピードだ。
もちろん馬車よりも速いが、理想は車くらい60~80キロで飛ぶのが目標だ。
ルドーさんくらいになると…新幹線くらいの速さで飛ぶことも可能だそうだ。
ルドーさんに手を繋いでもらい、魔法を補助してもらうと一気に空高く上昇して雲の上まできた。
「すごーい!星がちかい!綺麗ー」
「雲がない分、明るく見えるな。ちなみにここまで上空にくるとかなり寒い。温度調整も同時にしないと凍死するから気をつけて」
「自然の風と温度と気圧と…飛行中の向かい風の打ち消しと。えっと…たぶん無理です。そんな同時に魔力操作できない」
「これも慣れると無意識で出来る」
「ルドーさんの無意識って凄すぎて分からないです。これって…今、手を離したら私ってらどうなります?」
「大丈夫じゃないか?ある程度できるなら自然と環境に合わせて体が魔力操作しているはずだ。」
「じゃ、離してみますよ?ダメだったら助けてくださいね?」
「あぁ」
そしてルドーさんの手を離してみると…
「えっ……。ルドーさんの嘘つきぃぃぃぃぃー!」
私はそのまま急降下…というか落下していた
環境に合わせて魔力操作…はたぶんされている。
寒さも感じないし耳も痛くない。
でも落ちている!!
私は飛ぼうとするがパニックになりどうすればいいか分からなくなっていた。
普段ならば、風魔法を使い…と簡単なはずが落下の恐怖で何も出来なかった。
目をギュッと瞑りルドーさんの名前を叫ぶ。
すぐに耳元でゴーゴー鳴っていた音も止まり、ふわっと包み込まれた。
ルドーさんに抱えられたのだと分かるとギュッと落ちないように必死にしがみついた。
「ルドーさんの嘘つきぃ。」
「まさか飛ぶことまで止めると思わないだろう。環境に合わせて魔力操作が勝手に行われるのと飛行魔法は別だ。
飛ぶ気がなくなれば落ちるのは当たり前だろう?
頭の中空っぽにしすぎだ」
「だって…。」
「それに落ちても地面までかなり距離もあるし焦らず飛べば問題ない」
「出来ませんでした。怖くて…頭真っ白になって」
「まぁ、私も悪かったがこういうこともある。他人に落とされそうになったとき、咄嗟の判断でも自分を浮かせられないと大怪我に繋がるからそれももっと練習しないとな。しばらく飛ぶのも禁止だ。」
「はい。」
そのまま抱き抱えられたまま家まで送ってもらい、恐怖と自信をなくしたことでシクシクと泣いてしまっていた。
家に着いた頃にはポーション作りの疲れと泣き疲れたのかそのまま寝てしまい、ルドーさんを困らせた。
家に入れず、私に声をかけて少し待ったが起きる気配もなく、しがみついた手も離れない。
途方に暮れたルドーさんはそのまま来た空を引き返し、自分の家に向かった。
ルドーさんに頭を下げて急いで帰る準備をした。
「すみません!こんな時間まで。お腹も空きましたよね?早く帰りましょう!」
「あぁ。大丈夫だ、送って行く。」
「いいです!1人で帰れます。ルドーさんも早く帰って休んでください!」
「こんなに夜遅くに女性1人で帰すわけには行かないだろう。これでも騎士だぞ」
「そうですが…私なら空をぴゅーん!って帰れますし。」
「そのぴゅーん!も安全とは限らない。飛行中に落とされたり、連れさられることもある。それに、降りたときに襲われることもゼロではないんだから」
「それは…そうですけど。」
「それに、アンナは家で作って食べるのか?」
「あー、もう遅いのでどこかで食べて帰ります」
「なら私に付き合え。そのまま送る。」
「ごはん!どこにいきますか?」
「アンナは食べ物に弱すぎないか?どこでもアンナの好きなものでいい」
「だって…1人で食べるより誰かと一緒の方が美味しいですし!それにシェア出来るから色々食べれるし!」
私は久しぶりに働いていたレストランへ行きたいとお願いするとルドーさんと何を頼むか話しながら向かった。
レストランはピークを過ぎていて空席が少しあったのですぐに席に着けた。
大好きなビーフシチューとふわふわのパン
たくさんのキノコがソース代わりにのせられたサラダ
トマトと人参のポタージュ
そして海鮮パスタも追加した
ルドーさんがいるおかげでいつもよりたくさん選べて嬉しい
1人だとサラダとビーフシチューとパン
これでお腹は限界だ。
2人でシェアして食べ進め、疲れた体を美味しい食べ物で満たされる幸福感を噛み締めているとサービスだと言ってアイスを出してくれた。
「ありがとうございました!また来ますー!」
満腹になりお礼を言って店をでた。
「ルドーさん!ありがとうございます!練習に付き合ってもらってご飯まで。」
「どういたしまして。さぁ、帰るか、どうする?
飛ぶか?それとも馬車でゆっくり帰るか?」
「飛びましょー!星も綺麗だし食後の運動です!」
少し歩き、人混みを抜けるとフワっと浮かぶ。
私はまだルドーさんみたいにすぐに飛行できないのだ。
一度体を浮かせて少しずつ風を操り体を前に進めて…風に乗ったらやっと飛行できる。
空高く飛ぶときもまた少しずつ…高度を上げる必要がある。
前に何も考えず急上昇してしまい、気圧を調整するための空気を操作する魔法の処理が追いつかず耳が死んだ。
これも慣れるとほぼ無意識で出来るようになり、急上昇や急降下をしても違和感なく飛べるらしいがまだまだ練習が必要みたいだ。
ゆっくり上がる私に付き合って待ってくれるルドーさん。
そして先ほどはぴゅーん!といかにも速い速度のように表現したが実際にはノロノロと進む私の速度は最高でも原付きバイクくらいのスピードだ。
もちろん馬車よりも速いが、理想は車くらい60~80キロで飛ぶのが目標だ。
ルドーさんくらいになると…新幹線くらいの速さで飛ぶことも可能だそうだ。
ルドーさんに手を繋いでもらい、魔法を補助してもらうと一気に空高く上昇して雲の上まできた。
「すごーい!星がちかい!綺麗ー」
「雲がない分、明るく見えるな。ちなみにここまで上空にくるとかなり寒い。温度調整も同時にしないと凍死するから気をつけて」
「自然の風と温度と気圧と…飛行中の向かい風の打ち消しと。えっと…たぶん無理です。そんな同時に魔力操作できない」
「これも慣れると無意識で出来る」
「ルドーさんの無意識って凄すぎて分からないです。これって…今、手を離したら私ってらどうなります?」
「大丈夫じゃないか?ある程度できるなら自然と環境に合わせて体が魔力操作しているはずだ。」
「じゃ、離してみますよ?ダメだったら助けてくださいね?」
「あぁ」
そしてルドーさんの手を離してみると…
「えっ……。ルドーさんの嘘つきぃぃぃぃぃー!」
私はそのまま急降下…というか落下していた
環境に合わせて魔力操作…はたぶんされている。
寒さも感じないし耳も痛くない。
でも落ちている!!
私は飛ぼうとするがパニックになりどうすればいいか分からなくなっていた。
普段ならば、風魔法を使い…と簡単なはずが落下の恐怖で何も出来なかった。
目をギュッと瞑りルドーさんの名前を叫ぶ。
すぐに耳元でゴーゴー鳴っていた音も止まり、ふわっと包み込まれた。
ルドーさんに抱えられたのだと分かるとギュッと落ちないように必死にしがみついた。
「ルドーさんの嘘つきぃ。」
「まさか飛ぶことまで止めると思わないだろう。環境に合わせて魔力操作が勝手に行われるのと飛行魔法は別だ。
飛ぶ気がなくなれば落ちるのは当たり前だろう?
頭の中空っぽにしすぎだ」
「だって…。」
「それに落ちても地面までかなり距離もあるし焦らず飛べば問題ない」
「出来ませんでした。怖くて…頭真っ白になって」
「まぁ、私も悪かったがこういうこともある。他人に落とされそうになったとき、咄嗟の判断でも自分を浮かせられないと大怪我に繋がるからそれももっと練習しないとな。しばらく飛ぶのも禁止だ。」
「はい。」
そのまま抱き抱えられたまま家まで送ってもらい、恐怖と自信をなくしたことでシクシクと泣いてしまっていた。
家に着いた頃にはポーション作りの疲れと泣き疲れたのかそのまま寝てしまい、ルドーさんを困らせた。
家に入れず、私に声をかけて少し待ったが起きる気配もなく、しがみついた手も離れない。
途方に暮れたルドーさんはそのまま来た空を引き返し、自分の家に向かった。
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