8 / 10
第8話 マンイーターとの戦い(前編)
しおりを挟む
翌朝。
朝早くからギルドマスターが来ていた。
新たなセバスティアーナさんの手紙を持って。
「……予定が狂ったのう、やつらはどうやら寝ずにここまできたようだ。今日の午前中には先遣隊は到着する。二十番の修理が間に合わないな」
ギルドマスター曰く。
騎士団長は先に全軍を城壁の外へ配備しているとのこと。
ルカにはその事後報告と今後についてのことを相談しに来たようだ。
ルカは報告を聞くとそれを追認し、追加で指示を出す。
民間人は出来るだけ外に出ないように。
城壁に近い場所に住んでる者たちは高台にある領主の館へ避難するように。
誘導には治安維持のため冒険者を同行させること。
それを聞いたギルドマスターは大慌てでルカの家を飛び出していった。
「どうしますか?」
俺はお茶を差し出す。ルカはそれを一口飲みながら、ふぅ、と溜息をついた。
「うむ、今考えている。とりあえずカイル少年はノダチを使うしかないか、……とにかく時間がない。君達は騎士団に合流して奴らの迎撃を頼む」
俺達は準備を整えると急いで馬車に乗り城壁の入り口である門の手前まで来た。
そこでギルドマスターに鉢合う。
「ギルドマスター。ここで何を? まさかギルドマスターも戦闘に参加するのですか?」
ギルドマスターは冒険者を引退して20年以上は経っている。身体だって鍛えてないし、申し訳ないけど足手まといに思う。
「いや、それは遠慮しとくよ。避難誘導の指示は全て完了したし、ロートルのやることはもう何もなくてな。それなら今後の為にもこの戦いは見ておこうと思ってな」
「なるほど、出来るだけ問題点を洗い出すということですね。それは立派なことです」
ギルドマスターと俺達は城壁に上ると。外には200名の兵士が隊列を組んでいるのが見えた。
騎士団と冒険者の混成部隊だ。
最前列には盾を構えた重装備の騎士が前線を固め、後列は長い槍を持った軽装の戦士、その後ろに弓兵や魔法使いといった感じの布陣だ。
シャルロットは視界強化の魔法を唱えると地平線の彼方を見る。
「来た! マンイーターの集団、数は、そうね連絡があった通り100匹はいるって感じかしら」
隣にいた騎士団長が戦闘開始の合図とともに掛け声を上げる。
敵の集団と最前線の騎士たちがぶつかる。
戦況は五分五分といったところだ。
それに、マンイーターの動きが鈍い。
夜通し走って疲労がたまっているのだろう。
普段の軽快な動きはなく密集して牽制を繰り返していた。
対する騎士団も密集隊形をとって盾の隙間から槍を突き刺しながら、冷静に敵に対処している。
だが、それは今だけだ。
魔獣は体力の回復が速い、このまま時間が経つと戦況は一変するだろう。
だから俺達にとっては今が最大の勝機だ。
「シャルロット敵集団で最も強そうなのはどいつだ?」
「えっと、そうね、……いた、一回り大きな個体。多分あいつがリーダーね。その周囲の奴らもリーダーよりは小さいけどそれなりの体格のやつが数匹いるわ。まずい、それに対峙してる騎士団が押されているわ。このままだと防衛線が崩れるわよ」
俺にも見えた。身体もそうだが、牙や爪、手足も他と比べてかなり違う。
「よし、俺達はあいつを倒す。じゃあ、ギルドマスターまた後で」
俺達は城壁を降りると駆け足で最前線に向かった。
後ろからシャルロットがついてくる。
シャルロットも足は速い。
魔法使いの欠点である体力の無さを補うために毎日トレーニングをしているからだ。
「シャルロット、敵の真ん中にどでかいのを頼む」
「おっけー、じゃあ私の最高の魔法をお見舞いするわ」
「おい、味方を巻き込むなよ」
「大丈夫、レーヴァテイン家は軍人の家系よ、こういう状況で最適な魔法があるのよ」
シャルロットは足を止めると、一呼吸し、空に向けて両手をあげる。
自身を中心に何重もの魔法陣が展開される。
魔法陣には複雑な文字やら記号が浮かびあがり、それは大きくなりながら上に向かって立体に伸びていく。
「いくわよ、極大火炎魔法、最終戦争、序章第一幕、『流星群』!」
シャルロットは空に向けて、魔法を放つ。
その瞬間に空に巨大な魔法陣が出現する。赤い文字で空に描かれたそれは単純に恐ろしかった。
もっとも彼女からは何回か聞いていたが、それでも今回初めて見たのだ。
驚くのはしょうがない、これが極大魔法というものなのか。
敵集団の中央に、拳よりも一回り大きな、無数の燃え盛る岩石が空から飛来する。
それはまさしく流星群だった。
着弾地点には小規模な爆発が連続で起こり、ババババ、という、花火のような音がした。
何が起こったのか、マンイーターも、騎士団も一瞬その爆音のせいで動きが止まった。
よし、シャルロットの攻撃で、戦場の空気が変った。
ここで俺は皆を鼓舞する。
「皆! 聞こえるか! 俺はカレンとドイルの子、カイル・ラングレン!
これより俺達冒険者チーム、ラングレン兄妹は戦場に参加する。
俺達が奴等に切り込むから腕に自身がある者は続け!」
騎士団から歓声の声があがる。両親には感謝しかない。
俺は22歳の若造なのに、親の名前を言っただけで、ついてきてくれるのだ。
いける。
俺はヘイストの魔法を掛ける、最初から全力だ。
先程のシャルロットの魔法で30匹は倒せただろうか、なら俺も30匹倒す。
そうすれば敵の戦力は半分以下になる、そうすれば俺が役に立たなくなっても騎士団で対処できるだろう。
まずは、先頭の一番デカい奴、あいつがリーダーだろう。
俺は奴めがけて全力で突進し、そのまま鞘からノダチを勢いよく抜く。
鞘から滑りだした刀身はそのままの勢いで敵に向かい、爆音で状況を把握していなかったリーダーは、なんの抵抗もなく刃を受け入れ首を落とした。
抜刀術という技だ。
セバスティアーナさんが教えてくれたこの魔剣の正しい使い方らしい。
リーダーが一瞬で殺され、統制が取れなくなったマンイーター達、後はいつも通りの乱戦だ。
これなら何も問題ない。
無秩序なモンスターがただ、たくさんいるだけだ。
俺はノダチを水平に構え、次にデカい敵に向かって突進する。
全体重を乗せたノダチによる突き技で、心臓を貫かれた敵は絶命した。
魔力が切れるまでヘイストを繰り返し、ひたすら大きな個体を狙い倒した。
さすがに30匹は無理だったが、大きな個体を10匹ほど倒すと。
敵はリーダー格をほとんど失ったため、有象無象の集団になっていた。
それに比べて騎士団の士気は最高潮だ、ばらばらに動くマンイーターを各個撃破し戦闘は俺達の圧勝だった。
「やったな」
「ええ、やったわ」
俺達がいつも通りにハイタッチすると、それを見た騎士団長が勝どきを上げた。
他の騎士団員もそれに続き、戦場は兵士たちの勝利の歓声に埋め尽くされた。
朝早くからギルドマスターが来ていた。
新たなセバスティアーナさんの手紙を持って。
「……予定が狂ったのう、やつらはどうやら寝ずにここまできたようだ。今日の午前中には先遣隊は到着する。二十番の修理が間に合わないな」
ギルドマスター曰く。
騎士団長は先に全軍を城壁の外へ配備しているとのこと。
ルカにはその事後報告と今後についてのことを相談しに来たようだ。
ルカは報告を聞くとそれを追認し、追加で指示を出す。
民間人は出来るだけ外に出ないように。
城壁に近い場所に住んでる者たちは高台にある領主の館へ避難するように。
誘導には治安維持のため冒険者を同行させること。
それを聞いたギルドマスターは大慌てでルカの家を飛び出していった。
「どうしますか?」
俺はお茶を差し出す。ルカはそれを一口飲みながら、ふぅ、と溜息をついた。
「うむ、今考えている。とりあえずカイル少年はノダチを使うしかないか、……とにかく時間がない。君達は騎士団に合流して奴らの迎撃を頼む」
俺達は準備を整えると急いで馬車に乗り城壁の入り口である門の手前まで来た。
そこでギルドマスターに鉢合う。
「ギルドマスター。ここで何を? まさかギルドマスターも戦闘に参加するのですか?」
ギルドマスターは冒険者を引退して20年以上は経っている。身体だって鍛えてないし、申し訳ないけど足手まといに思う。
「いや、それは遠慮しとくよ。避難誘導の指示は全て完了したし、ロートルのやることはもう何もなくてな。それなら今後の為にもこの戦いは見ておこうと思ってな」
「なるほど、出来るだけ問題点を洗い出すということですね。それは立派なことです」
ギルドマスターと俺達は城壁に上ると。外には200名の兵士が隊列を組んでいるのが見えた。
騎士団と冒険者の混成部隊だ。
最前列には盾を構えた重装備の騎士が前線を固め、後列は長い槍を持った軽装の戦士、その後ろに弓兵や魔法使いといった感じの布陣だ。
シャルロットは視界強化の魔法を唱えると地平線の彼方を見る。
「来た! マンイーターの集団、数は、そうね連絡があった通り100匹はいるって感じかしら」
隣にいた騎士団長が戦闘開始の合図とともに掛け声を上げる。
敵の集団と最前線の騎士たちがぶつかる。
戦況は五分五分といったところだ。
それに、マンイーターの動きが鈍い。
夜通し走って疲労がたまっているのだろう。
普段の軽快な動きはなく密集して牽制を繰り返していた。
対する騎士団も密集隊形をとって盾の隙間から槍を突き刺しながら、冷静に敵に対処している。
だが、それは今だけだ。
魔獣は体力の回復が速い、このまま時間が経つと戦況は一変するだろう。
だから俺達にとっては今が最大の勝機だ。
「シャルロット敵集団で最も強そうなのはどいつだ?」
「えっと、そうね、……いた、一回り大きな個体。多分あいつがリーダーね。その周囲の奴らもリーダーよりは小さいけどそれなりの体格のやつが数匹いるわ。まずい、それに対峙してる騎士団が押されているわ。このままだと防衛線が崩れるわよ」
俺にも見えた。身体もそうだが、牙や爪、手足も他と比べてかなり違う。
「よし、俺達はあいつを倒す。じゃあ、ギルドマスターまた後で」
俺達は城壁を降りると駆け足で最前線に向かった。
後ろからシャルロットがついてくる。
シャルロットも足は速い。
魔法使いの欠点である体力の無さを補うために毎日トレーニングをしているからだ。
「シャルロット、敵の真ん中にどでかいのを頼む」
「おっけー、じゃあ私の最高の魔法をお見舞いするわ」
「おい、味方を巻き込むなよ」
「大丈夫、レーヴァテイン家は軍人の家系よ、こういう状況で最適な魔法があるのよ」
シャルロットは足を止めると、一呼吸し、空に向けて両手をあげる。
自身を中心に何重もの魔法陣が展開される。
魔法陣には複雑な文字やら記号が浮かびあがり、それは大きくなりながら上に向かって立体に伸びていく。
「いくわよ、極大火炎魔法、最終戦争、序章第一幕、『流星群』!」
シャルロットは空に向けて、魔法を放つ。
その瞬間に空に巨大な魔法陣が出現する。赤い文字で空に描かれたそれは単純に恐ろしかった。
もっとも彼女からは何回か聞いていたが、それでも今回初めて見たのだ。
驚くのはしょうがない、これが極大魔法というものなのか。
敵集団の中央に、拳よりも一回り大きな、無数の燃え盛る岩石が空から飛来する。
それはまさしく流星群だった。
着弾地点には小規模な爆発が連続で起こり、ババババ、という、花火のような音がした。
何が起こったのか、マンイーターも、騎士団も一瞬その爆音のせいで動きが止まった。
よし、シャルロットの攻撃で、戦場の空気が変った。
ここで俺は皆を鼓舞する。
「皆! 聞こえるか! 俺はカレンとドイルの子、カイル・ラングレン!
これより俺達冒険者チーム、ラングレン兄妹は戦場に参加する。
俺達が奴等に切り込むから腕に自身がある者は続け!」
騎士団から歓声の声があがる。両親には感謝しかない。
俺は22歳の若造なのに、親の名前を言っただけで、ついてきてくれるのだ。
いける。
俺はヘイストの魔法を掛ける、最初から全力だ。
先程のシャルロットの魔法で30匹は倒せただろうか、なら俺も30匹倒す。
そうすれば敵の戦力は半分以下になる、そうすれば俺が役に立たなくなっても騎士団で対処できるだろう。
まずは、先頭の一番デカい奴、あいつがリーダーだろう。
俺は奴めがけて全力で突進し、そのまま鞘からノダチを勢いよく抜く。
鞘から滑りだした刀身はそのままの勢いで敵に向かい、爆音で状況を把握していなかったリーダーは、なんの抵抗もなく刃を受け入れ首を落とした。
抜刀術という技だ。
セバスティアーナさんが教えてくれたこの魔剣の正しい使い方らしい。
リーダーが一瞬で殺され、統制が取れなくなったマンイーター達、後はいつも通りの乱戦だ。
これなら何も問題ない。
無秩序なモンスターがただ、たくさんいるだけだ。
俺はノダチを水平に構え、次にデカい敵に向かって突進する。
全体重を乗せたノダチによる突き技で、心臓を貫かれた敵は絶命した。
魔力が切れるまでヘイストを繰り返し、ひたすら大きな個体を狙い倒した。
さすがに30匹は無理だったが、大きな個体を10匹ほど倒すと。
敵はリーダー格をほとんど失ったため、有象無象の集団になっていた。
それに比べて騎士団の士気は最高潮だ、ばらばらに動くマンイーターを各個撃破し戦闘は俺達の圧勝だった。
「やったな」
「ええ、やったわ」
俺達がいつも通りにハイタッチすると、それを見た騎士団長が勝どきを上げた。
他の騎士団員もそれに続き、戦場は兵士たちの勝利の歓声に埋め尽くされた。
1
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
異世界転生はどん底人生の始まり~一時停止とステータス強奪で快適な人生を掴み取る!
夢・風魔
ファンタジー
若くして死んだ男は、異世界に転生した。恵まれた環境とは程遠い、ダンジョンの上層部に作られた居住区画で孤児として暮らしていた。
ある日、ダンジョンモンスターが暴走するスタンピードが発生し、彼──リヴァは死の縁に立たされていた。
そこで前世の記憶を思い出し、同時に転生特典のスキルに目覚める。
視界に映る者全ての動きを停止させる『一時停止』。任意のステータスを一日に1だけ奪い取れる『ステータス強奪』。
二つのスキルを駆使し、リヴァは地上での暮らしを夢見て今日もダンジョンへと潜る。
*カクヨムでも先行更新しております。
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
100倍スキルでスローライフは無理でした
ふれっく
ファンタジー
ある日、SNSで話題に上がっていた [ Liberty hope online ] 通称リバホプと呼ばれているMMORPGのオンラインゲームが正式にサービスを開始した。
そのプレイヤーの一人である月島裕斗は、誰も倒す事が出来なかった期間限定のボスモンスターに挑み続け、長期にわたる激戦の末に勝利する。しかしその直後、過度な疲労によって深い眠りへと落ちてしまった。
次に目を覚ますと、そこは見知らぬ世界。さらにはゲームで使っていたアバターの身体になっていたり、桁違いなステータスやらおかしなスキルまで……。
これは、 美少女として異世界に転生した彼(?)のほのぼのとした日常……ではなく、規格外な力によって様々な出来事に巻き込まれる物語である。
※表紙イラストはテナ様より。使用、転載の許可は事前に得ています。
日本帝国陸海軍 混成異世界根拠地隊
北鴨梨
ファンタジー
太平洋戦争も終盤に近付いた1944(昭和19)年末、日本海軍が特攻作戦のため終結させた南方の小規模な空母機動部隊、北方の輸送兼対潜掃討部隊、小笠原増援輸送部隊が突如として消失し、異世界へ転移した。米軍相手には苦戦続きの彼らが、航空戦力と火力、機動力を生かして他を圧倒し、図らずも異世界最強の軍隊となってしまい、その情勢に大きく関わって引っ掻き回すことになる。
30年待たされた異世界転移
明之 想
ファンタジー
気づけば異世界にいた10歳のぼく。
「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」
こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。
右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。
でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。
あの日見た夢の続きを信じて。
ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!
くじけそうになっても努力を続け。
そうして、30年が経過。
ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。
しかも、20歳も若返った姿で。
異世界と日本の2つの世界で、
20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる