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第28話 不死の魔導士(前編)
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俺(僕)はいったいどれだけ戦っただろう。
なにか大事な使命があったようで、長いあいだ廃墟となった王城にいたのだが……。
ある時、その使命も終わったのか、呪縛のようだった何かは解かれ外に出ることにした。
その使命が何なのかは分からなかったが、魂の縛りのような強力な何かという事だけは覚えていた。
まあ、思い出せないのはしょうがないし、なぜ解放されたのかもどうでもいい。
今は醜悪な人間を殺すことが俺たちの使命だと確信しているからだ。
それにしても、醜悪な人間はどこの村や町、それこそ国のどこにでも腐るほどいた。
救えないのは高度に発展した国家ほど汚さはより増していく。
――だから殺した。
やつらはいつの間にか俺(僕)のことを【不死の魔導士ツインズ】と呼んだ。
別に双子というわけではないんだがな……、しかしツインズとはうまいことを言ったものだ。俺(僕)は並列する思考を持ち、二つの魔法を同時に行使することができるからだ。
俺(僕)は対峙する強敵に対しては殺さず無力化に努めた。彼らは穢れていない。純粋な戦士や魔法使いはその魂を見ればわかるのだ。だがそのおかげでツインズと名付けられるくらいに俺たちの能力はばれてしまったか……。
まあ、世界は少しは綺麗になっただろうか。俺(僕)は少しだけ魂が安らかになる達成感のようなものを感じていた。
だが新たな問題ができた。どうやらこの世界には諸悪の根源ともいえる存在。
――魔王がいるらしいのだ。
切っ掛けはエルフの国に訪れた時だった。あれも大概腐りきった連中だった。
人間に媚を売った上位のエルフが下位のエルフを支配するという構造になっていたのだ。
当然その上位の存在は人間の貴族に支配されているのでより歪な支配構造といえる。
一通り汚物を消し去った後、奴らの歴史に少し興味がわいたので調べてみた。
そうしたら俺たちの知らない歴史の記述があった、やつらにとっては世間、特に人間に知られたら都合の悪い事だったのだろう。
昔、氷結の魔女と呼ばれるエルフが暴走し親や親戚関係であった王族を皆殺しにした。それに加え、勇者の子孫と言われている貴族の男を殺したそうだ。
……まあ、勇者の子孫というのは眉唾なのだが、俺の知ってる知識では勇者様は誰とも結婚しなかった。
仮に非公式に結婚して子供がいたとしても。それが堂々と貴族になれるのは現実的な話ではない。
しかしそんなことはどうでもいい。問題はその後、氷結の魔女を討伐したという記述がどこにもないのだ。
その魔女はある辺境の土地に身を隠したという。
その土地はかつてアラクネという人の半身と蜘蛛の半身を持つ伝説の魔獣が発見されたという報告がある場所。
そこは人間にとって不可侵の土地となった場所だったため魔女を追う事が出来なかったのだ。
さらにゴブリンの国で入手した情報によれば。かつての英雄王が幼少の時代を過ごし女神の加護を得たという聖地と合致する。
エルフ、アラクネ、ゴブリン。こいつら、揃いも揃って魔王軍幹部と縁のある種族だ。
俺(僕)は確信した。魔王は生きている。勇者様が討ち漏らしたとは思えないが。瀕死の状態で生きていたとしたら。
そして今まさにその力を蓄えているのだとしたら。
――魔王を倒さなければ。
◆◆◆
「先生、いったいいつになったら私を大人にしてくださるのかしら?」
「誤解を生むような言い方はやめなさい。それに私は大人の女性の身体を作るのに罪悪感がある」
「もう、先生ったらうぶなんだから、可愛い」
幼女にからかわれている骸骨の男、なかなかシュールな絵面だった。
「あら、私はあなたも可愛いと思いますよ。ほら、その身体もまんざらではないのでしょう? せんせーだっこしてー、でしたっけ?」
「ちょ! そんなことここで言わないでよ。もう先生抱っこしてくれなく……は!」
「なんだい、君は変わらないな。生前、君が動けなくなったときはよく抱っこしたものだ。懐かしいよ」
(よかった、先生は難聴系だった)
いつものように何とも言えないほのぼのした空気のなか僕たちは過ごしていました。
しかし……
「――ッ! なに? この憎しみに満ちた魔力」
一瞬で僕たちを取り巻く空気が変わった。
もの凄い魔力を感じる。その禍々しさに全員気づいた。
しかもそれは一直線にこちらに向かってきている。
「なんなの、この魔力量、とても人のものではない。私と先生を合わせてもそれには届かない、それに明らかにこちらに敵意を持ってる?」
「はい、私も感じました。間違いなく我々を狙っているようです。マスターどうしましょうか?」
僕は悩んだ、会ったこともない人に狙われる理由はないし、リッチさんも知らないみたいだ。
「できれば戦いたくないんだ、話せばなんとかならないかな? こちらに敵意がないと説得するとか」
「うむ、確かに初めて感じる魔力だが。魔法使いであるなら、私の知ってる人物かもしれない。話でも聞いてみるか」
「先生……。その見た目で話ができるのですか? 初見で攻撃されちゃいますよ? とりあえずはダンジョンの奥にいてくださいな」
「……うむ、それもそうだな、だが危険になったら私もテレポートで駆けつけるぞ」
「じゃあ、とりあえず僕たち三人で対処しましょう」
方針は決まった。できれば話で解決したい。
でももし説得が失敗して戦闘になったときのために準備はしておくことにした。
そうして、その禍々しい魔力の元凶はやってきた。
それは上空からゆっくりと浮遊しながら降りてきた。
なんだろう全身を黒いフードの付いたローブで覆われていてよくわからないけど。
顔は青白く血の気がない、眼球は黒くその中心は赤く光っている。人間ではないようだ。
「我が名は、不死の魔導士ツインズ、正義の為に死んでもらう!」
そう名乗ったと思ったら、巨大な炎が森に向かって放たれた。
「ああ! エルフさんの森が――」
「いきなり仕掛けてきた! 私、先生を呼んでくる」
ワンドさんはテレポートの魔法で姿を消した。
「マスター、明確な敵対行動を確認しました。これより専守防衛を開始します」
話し合いで解決しようとした僕の案は水泡に帰した。
◆◆◆◆
俺たちは崖を下り、その先の大きな空洞に降りてくると、さっそく違和感を感じた。
明るすぎる。外と変わらない。ここは地下洞窟のはずだ、それにこの森はなんだ、見渡す限り続くではないか。
浮遊魔法でゆっくりと下りながら周囲を見渡す。
――見つけた。小僧に小娘、あとガキが一人。だが、こんな場所にいるのは普通じゃない。それに全員人間じゃないな。
まずは、この異様な魔力を発する森を焼き払うことにした。やはり氷結の魔女がここにいたのは間違いない。
俺たちは広域火炎魔法を放つ。炎の津波が森を飲み込んでいく。
しかし、その瞬間。巨大な魔法陣が出現し、そこから水の壁が噴き上げたかと思えば炎は一瞬で消えた。
ただの水で俺たちの魔法が消せるわけない。どいつがやった?
俺たちは術者を探した。いた、さっきのガキと……、あれは! リッチか。
「なあ、相棒、あのリッチと俺らと比べてどっちが強い?」
(そうだね、生前の僕らが1とするならあれは10だよ。しかも僕たちと同じで無詠唱魔法を使ってる)
「そうか、だが今の俺たちにその数字は意味がねえ、だろ?」
(そのとおりさ、でも油断は禁物だよ、それに、あのおチビさん、テレポートが使えるようだし高位の魔法使いだよ)
――しかしあのリッチの魔法陣どこかで……。
その直後、強烈な痛みを感じた。
「ち、なんだこれは!」
(まずいよ、どこからか攻撃されてる、しかも防御結界を貫通させるほどの威力だ)
俺たちは原因を探す。メイド服の女がいる方から『ヴァァァァァ!』という、まるでドラゴンの咆哮のような音が聞こえた。
「このダメージはそうか高速の金属片だ。やつはアースドラゴンのブレスを放てるとでもいうのか」
(まずい、このままくらい続けると回復魔法が追い付かなくなるよ)
俺たちの身体はハチの巣のような穴が開きつつも、回復魔法で修復を繰り返していた。だがそれも限界がきそうだ。
「わかってる、ならば前方に結界を集中してくれ。接近戦に持ち込む」
前方に防御魔法を集中展開するも、それは貫通してくる。しかしこのまま突っ込むしかない。攻撃有るのみだ。
俺はドラゴン女の懐に飛び込むと、真っすぐに伸ばした四本の指を魔力で強化し、みぞおちを狙って突き刺した。
が、しかし、突き刺さらなかった。逆に指が折れてしまった。
「かってーな。お前、さては魔導人形だな? は、笑えるぜ。メイド服の魔導人形とは恐れ入った。お前の主はそうとう好き者のようだ」
(気を付けて、あれはただの魔導人形じゃない。さっきの攻撃で気づいたけど、高い物理魔法防御力もあるみたいだ)
さすがは魔王の幹部といったところか、いや魔王の幹部にこんな奴いたっけ? いや昔と今は違うのかもしれない。伝説が真実とは限らないしな。
「――ッ!」
女は俺から距離を取りながら。杖? いや、細長い筒のようなものから、複数の金属片をばらまいてきた。
「はは! さっきのドラゴンブレスはヤバかったがそれは大したことないな」
どうやらこれは防御結界を破るには威力が足りていない。
たまに強力な一発が混ざることがあるがこの程度なら問題はない。
それに二発ごとにインターバルがあるようだ。
――なるほど、少し奴のからくりが分かってきた。
その瞬間、女は持ってる筒を手放し、何を思ったかスカートをまくり上げた。
「おいおい、この期に及んで何の真似――――!」
ち、まただ。この女、中に武器を隠してやがった。また高速の金属を飛ばしてくる。
しかも俺めがけて突進してきただと? 何をたくらんでる接近戦に分があるとでも?
なんだあれは! ノコギリ? いや知らない。やつは腹から何か異様な武器を取り出して俺に向かって振り下ろした。その武器はまるで獣のような咆哮をあげていた。
――瞬間、俺の視界は二つに裂かれて意識を失った。
「さっきから、戦闘中にしゃべりすぎですよ? 馬鹿にしてるのですか?」
なにか大事な使命があったようで、長いあいだ廃墟となった王城にいたのだが……。
ある時、その使命も終わったのか、呪縛のようだった何かは解かれ外に出ることにした。
その使命が何なのかは分からなかったが、魂の縛りのような強力な何かという事だけは覚えていた。
まあ、思い出せないのはしょうがないし、なぜ解放されたのかもどうでもいい。
今は醜悪な人間を殺すことが俺たちの使命だと確信しているからだ。
それにしても、醜悪な人間はどこの村や町、それこそ国のどこにでも腐るほどいた。
救えないのは高度に発展した国家ほど汚さはより増していく。
――だから殺した。
やつらはいつの間にか俺(僕)のことを【不死の魔導士ツインズ】と呼んだ。
別に双子というわけではないんだがな……、しかしツインズとはうまいことを言ったものだ。俺(僕)は並列する思考を持ち、二つの魔法を同時に行使することができるからだ。
俺(僕)は対峙する強敵に対しては殺さず無力化に努めた。彼らは穢れていない。純粋な戦士や魔法使いはその魂を見ればわかるのだ。だがそのおかげでツインズと名付けられるくらいに俺たちの能力はばれてしまったか……。
まあ、世界は少しは綺麗になっただろうか。俺(僕)は少しだけ魂が安らかになる達成感のようなものを感じていた。
だが新たな問題ができた。どうやらこの世界には諸悪の根源ともいえる存在。
――魔王がいるらしいのだ。
切っ掛けはエルフの国に訪れた時だった。あれも大概腐りきった連中だった。
人間に媚を売った上位のエルフが下位のエルフを支配するという構造になっていたのだ。
当然その上位の存在は人間の貴族に支配されているのでより歪な支配構造といえる。
一通り汚物を消し去った後、奴らの歴史に少し興味がわいたので調べてみた。
そうしたら俺たちの知らない歴史の記述があった、やつらにとっては世間、特に人間に知られたら都合の悪い事だったのだろう。
昔、氷結の魔女と呼ばれるエルフが暴走し親や親戚関係であった王族を皆殺しにした。それに加え、勇者の子孫と言われている貴族の男を殺したそうだ。
……まあ、勇者の子孫というのは眉唾なのだが、俺の知ってる知識では勇者様は誰とも結婚しなかった。
仮に非公式に結婚して子供がいたとしても。それが堂々と貴族になれるのは現実的な話ではない。
しかしそんなことはどうでもいい。問題はその後、氷結の魔女を討伐したという記述がどこにもないのだ。
その魔女はある辺境の土地に身を隠したという。
その土地はかつてアラクネという人の半身と蜘蛛の半身を持つ伝説の魔獣が発見されたという報告がある場所。
そこは人間にとって不可侵の土地となった場所だったため魔女を追う事が出来なかったのだ。
さらにゴブリンの国で入手した情報によれば。かつての英雄王が幼少の時代を過ごし女神の加護を得たという聖地と合致する。
エルフ、アラクネ、ゴブリン。こいつら、揃いも揃って魔王軍幹部と縁のある種族だ。
俺(僕)は確信した。魔王は生きている。勇者様が討ち漏らしたとは思えないが。瀕死の状態で生きていたとしたら。
そして今まさにその力を蓄えているのだとしたら。
――魔王を倒さなければ。
◆◆◆
「先生、いったいいつになったら私を大人にしてくださるのかしら?」
「誤解を生むような言い方はやめなさい。それに私は大人の女性の身体を作るのに罪悪感がある」
「もう、先生ったらうぶなんだから、可愛い」
幼女にからかわれている骸骨の男、なかなかシュールな絵面だった。
「あら、私はあなたも可愛いと思いますよ。ほら、その身体もまんざらではないのでしょう? せんせーだっこしてー、でしたっけ?」
「ちょ! そんなことここで言わないでよ。もう先生抱っこしてくれなく……は!」
「なんだい、君は変わらないな。生前、君が動けなくなったときはよく抱っこしたものだ。懐かしいよ」
(よかった、先生は難聴系だった)
いつものように何とも言えないほのぼのした空気のなか僕たちは過ごしていました。
しかし……
「――ッ! なに? この憎しみに満ちた魔力」
一瞬で僕たちを取り巻く空気が変わった。
もの凄い魔力を感じる。その禍々しさに全員気づいた。
しかもそれは一直線にこちらに向かってきている。
「なんなの、この魔力量、とても人のものではない。私と先生を合わせてもそれには届かない、それに明らかにこちらに敵意を持ってる?」
「はい、私も感じました。間違いなく我々を狙っているようです。マスターどうしましょうか?」
僕は悩んだ、会ったこともない人に狙われる理由はないし、リッチさんも知らないみたいだ。
「できれば戦いたくないんだ、話せばなんとかならないかな? こちらに敵意がないと説得するとか」
「うむ、確かに初めて感じる魔力だが。魔法使いであるなら、私の知ってる人物かもしれない。話でも聞いてみるか」
「先生……。その見た目で話ができるのですか? 初見で攻撃されちゃいますよ? とりあえずはダンジョンの奥にいてくださいな」
「……うむ、それもそうだな、だが危険になったら私もテレポートで駆けつけるぞ」
「じゃあ、とりあえず僕たち三人で対処しましょう」
方針は決まった。できれば話で解決したい。
でももし説得が失敗して戦闘になったときのために準備はしておくことにした。
そうして、その禍々しい魔力の元凶はやってきた。
それは上空からゆっくりと浮遊しながら降りてきた。
なんだろう全身を黒いフードの付いたローブで覆われていてよくわからないけど。
顔は青白く血の気がない、眼球は黒くその中心は赤く光っている。人間ではないようだ。
「我が名は、不死の魔導士ツインズ、正義の為に死んでもらう!」
そう名乗ったと思ったら、巨大な炎が森に向かって放たれた。
「ああ! エルフさんの森が――」
「いきなり仕掛けてきた! 私、先生を呼んでくる」
ワンドさんはテレポートの魔法で姿を消した。
「マスター、明確な敵対行動を確認しました。これより専守防衛を開始します」
話し合いで解決しようとした僕の案は水泡に帰した。
◆◆◆◆
俺たちは崖を下り、その先の大きな空洞に降りてくると、さっそく違和感を感じた。
明るすぎる。外と変わらない。ここは地下洞窟のはずだ、それにこの森はなんだ、見渡す限り続くではないか。
浮遊魔法でゆっくりと下りながら周囲を見渡す。
――見つけた。小僧に小娘、あとガキが一人。だが、こんな場所にいるのは普通じゃない。それに全員人間じゃないな。
まずは、この異様な魔力を発する森を焼き払うことにした。やはり氷結の魔女がここにいたのは間違いない。
俺たちは広域火炎魔法を放つ。炎の津波が森を飲み込んでいく。
しかし、その瞬間。巨大な魔法陣が出現し、そこから水の壁が噴き上げたかと思えば炎は一瞬で消えた。
ただの水で俺たちの魔法が消せるわけない。どいつがやった?
俺たちは術者を探した。いた、さっきのガキと……、あれは! リッチか。
「なあ、相棒、あのリッチと俺らと比べてどっちが強い?」
(そうだね、生前の僕らが1とするならあれは10だよ。しかも僕たちと同じで無詠唱魔法を使ってる)
「そうか、だが今の俺たちにその数字は意味がねえ、だろ?」
(そのとおりさ、でも油断は禁物だよ、それに、あのおチビさん、テレポートが使えるようだし高位の魔法使いだよ)
――しかしあのリッチの魔法陣どこかで……。
その直後、強烈な痛みを感じた。
「ち、なんだこれは!」
(まずいよ、どこからか攻撃されてる、しかも防御結界を貫通させるほどの威力だ)
俺たちは原因を探す。メイド服の女がいる方から『ヴァァァァァ!』という、まるでドラゴンの咆哮のような音が聞こえた。
「このダメージはそうか高速の金属片だ。やつはアースドラゴンのブレスを放てるとでもいうのか」
(まずい、このままくらい続けると回復魔法が追い付かなくなるよ)
俺たちの身体はハチの巣のような穴が開きつつも、回復魔法で修復を繰り返していた。だがそれも限界がきそうだ。
「わかってる、ならば前方に結界を集中してくれ。接近戦に持ち込む」
前方に防御魔法を集中展開するも、それは貫通してくる。しかしこのまま突っ込むしかない。攻撃有るのみだ。
俺はドラゴン女の懐に飛び込むと、真っすぐに伸ばした四本の指を魔力で強化し、みぞおちを狙って突き刺した。
が、しかし、突き刺さらなかった。逆に指が折れてしまった。
「かってーな。お前、さては魔導人形だな? は、笑えるぜ。メイド服の魔導人形とは恐れ入った。お前の主はそうとう好き者のようだ」
(気を付けて、あれはただの魔導人形じゃない。さっきの攻撃で気づいたけど、高い物理魔法防御力もあるみたいだ)
さすがは魔王の幹部といったところか、いや魔王の幹部にこんな奴いたっけ? いや昔と今は違うのかもしれない。伝説が真実とは限らないしな。
「――ッ!」
女は俺から距離を取りながら。杖? いや、細長い筒のようなものから、複数の金属片をばらまいてきた。
「はは! さっきのドラゴンブレスはヤバかったがそれは大したことないな」
どうやらこれは防御結界を破るには威力が足りていない。
たまに強力な一発が混ざることがあるがこの程度なら問題はない。
それに二発ごとにインターバルがあるようだ。
――なるほど、少し奴のからくりが分かってきた。
その瞬間、女は持ってる筒を手放し、何を思ったかスカートをまくり上げた。
「おいおい、この期に及んで何の真似――――!」
ち、まただ。この女、中に武器を隠してやがった。また高速の金属を飛ばしてくる。
しかも俺めがけて突進してきただと? 何をたくらんでる接近戦に分があるとでも?
なんだあれは! ノコギリ? いや知らない。やつは腹から何か異様な武器を取り出して俺に向かって振り下ろした。その武器はまるで獣のような咆哮をあげていた。
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