リッチさんと僕

 異世界から転生された勇者は冒険のすえについに魔王を倒した。
 
 しかし、彼はその後、人里を離れダンジョンで暮らし始め、そこで天寿を全うした。
 彼の最後を看取ったは、このダンジョンで出会った一人の少年とメイドのみだった。

……時はたち、少年は久しぶりに勇者の墓へ訪れた。

 その墓の前で、ローブをまとった骸骨が一人立っていた。
「驚かしてしまったかな、私は……そうだな、リッチと呼ばれるものだ。安心してほしいこう見えても以前は教師だった。自分で言うのも何だが悪いモンスターではない」
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