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第2話
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――王様との謁見
ここエフタル王国で一番偉い人は誰だろうか。
そう、王国だから王様だ。それは当たり前のことなのだが。
最高権力者である王様のなんとまあ、醜い、いや外見の話だ、性格は良いし頭もそれなりだ。外見に関してはあくまで吾輩の好みの問題であり、つまり個人の感想であーる。
しかし国王就任の時に描かれたであろう、王座の後に飾られているバカデカい肖像画はやせておりイケメンに見える。
ということは顔のベースは悪くないはずなのだが、すべて贅肉のせいだ、まあ、デブは努力次第ということで差別にはあたらないだろう、だからディスるのだ。
きっと奥様方もそう思っているはずだし。
しかしだ、こんなデブちんに会うために、吾輩は一時間ほどのメイクアップをしたのかと思うと情けないし、セバスちゃんに申し訳がない。しかしそうでもしないとセバスちゃんは不機嫌だ。
今朝も久しぶりにメイドの仕事が出来ましたと、それはニコニコしていたのを思い出した。
それにしても、吾輩が正装をするのはいつ以来か、前回はたしか辺境伯に就任したときに同じ服を着た記憶が。
いやいや、それだけではないはずだ、たしか公爵の息子が結婚したとかで着たこともあった、最低でも三回は着ているはず。うむ、セバスちゃんが喜ぶのも納得か。
これからはもっと着てもいいだろう。公爵家や王家の者どもがもっと結婚すればよいのだ。そうすれば我が意思に反して着ざるを得ないのだからな。
喜ぶセバスちゃんの可愛い顔を浮かべていると、太ったカエルの顔が重なる。
おっと、王様のおなりだ。
「さてと、ルカ殿、貴殿に来てもらったのには訳があってな、貴殿の発明である魔法機械は我々の富を多いに増やしてくれた――」
うーん、椅子が欲しい、王様、これはつらいぞ、褒めてるのか罰してるのか分からない。吾輩を褒めてくれるのはよい、よいのだが。
なぜ吾輩は同じポーズでこの赤絨毯の上で悶絶していなければならんのだ。
「――こほん、で、そういうことから、若手の貴族から一つ提案があったのだ。
我らは豊かになった、だが、貧しい者たちまでには行き足らぬと、ここらでひとつ魔獣の森に侵攻しようとの意見があっての。
そこで貴殿にも参加してほしいのだ」
「はえ? 王様よ、吾輩に遠征に参加せよと? 吾輩は戦闘向きではないのですが?」
冗談じゃない、デブのお前がダイエットとして行けばいいじゃろがい! なんで吾輩が今さら魔獣討伐せねばならんのだ。
「いやいや、ご謙遜を、知ってますぞ? かつての貴殿の魔法学院での異名を、魔獣殺しのレスレクシオンと言われておったそうではありませんか、私は知っておりますぞ。
きっと最前線でご活躍されることでしょう、ぐふふふ」
横にいる大臣が前に出て語りだす。こいつ、キモイ、しかも、知った顔だ、そうだ、こいつの名前は、……もやし野郎だ! ……ふう、そうかあの時の復讐か……。
学生時代にもっと優しくしとくべきだったか。そうか、もやしスケルトンで、おかっぱ頭の出っ歯君は王国の大臣になったのか。
……セバスちゃんの言うとおりだな、嫌いな奴ほど身近に置けか……。
なにやら出っ歯大臣は魔獣討伐作戦の重要性とか語りだした。どうやら本格的な作戦で、吾輩への私情で招集されたというわけではなかった。
まあ、こいつとしては学生時代の劣等感から、こき使ってやろうと思ってのことなのだろうが。
「吾輩は乗り気ではないのですがね、ふう、王様の命令とあれば、でもブランクは長いので出来るだけ支援に徹しますがよいですか?」
もやしスケルトン大臣君は無視して吾輩は王様に返事をした。あいつは陰険なのだ、吾輩が嫌いなら直接言えというのだ。
「もちろんじゃよ。レスレクシオン辺境伯、それに今回は魔法機械を多数持ち出すからな、専門家が必要なのだよ」
ふむ、魔法機械を持ち出すか。うむ、ならばよい。それならそう言え、最初の一言で! まったく話が長いのだ。デブに出っ歯!
ここエフタル王国で一番偉い人は誰だろうか。
そう、王国だから王様だ。それは当たり前のことなのだが。
最高権力者である王様のなんとまあ、醜い、いや外見の話だ、性格は良いし頭もそれなりだ。外見に関してはあくまで吾輩の好みの問題であり、つまり個人の感想であーる。
しかし国王就任の時に描かれたであろう、王座の後に飾られているバカデカい肖像画はやせておりイケメンに見える。
ということは顔のベースは悪くないはずなのだが、すべて贅肉のせいだ、まあ、デブは努力次第ということで差別にはあたらないだろう、だからディスるのだ。
きっと奥様方もそう思っているはずだし。
しかしだ、こんなデブちんに会うために、吾輩は一時間ほどのメイクアップをしたのかと思うと情けないし、セバスちゃんに申し訳がない。しかしそうでもしないとセバスちゃんは不機嫌だ。
今朝も久しぶりにメイドの仕事が出来ましたと、それはニコニコしていたのを思い出した。
それにしても、吾輩が正装をするのはいつ以来か、前回はたしか辺境伯に就任したときに同じ服を着た記憶が。
いやいや、それだけではないはずだ、たしか公爵の息子が結婚したとかで着たこともあった、最低でも三回は着ているはず。うむ、セバスちゃんが喜ぶのも納得か。
これからはもっと着てもいいだろう。公爵家や王家の者どもがもっと結婚すればよいのだ。そうすれば我が意思に反して着ざるを得ないのだからな。
喜ぶセバスちゃんの可愛い顔を浮かべていると、太ったカエルの顔が重なる。
おっと、王様のおなりだ。
「さてと、ルカ殿、貴殿に来てもらったのには訳があってな、貴殿の発明である魔法機械は我々の富を多いに増やしてくれた――」
うーん、椅子が欲しい、王様、これはつらいぞ、褒めてるのか罰してるのか分からない。吾輩を褒めてくれるのはよい、よいのだが。
なぜ吾輩は同じポーズでこの赤絨毯の上で悶絶していなければならんのだ。
「――こほん、で、そういうことから、若手の貴族から一つ提案があったのだ。
我らは豊かになった、だが、貧しい者たちまでには行き足らぬと、ここらでひとつ魔獣の森に侵攻しようとの意見があっての。
そこで貴殿にも参加してほしいのだ」
「はえ? 王様よ、吾輩に遠征に参加せよと? 吾輩は戦闘向きではないのですが?」
冗談じゃない、デブのお前がダイエットとして行けばいいじゃろがい! なんで吾輩が今さら魔獣討伐せねばならんのだ。
「いやいや、ご謙遜を、知ってますぞ? かつての貴殿の魔法学院での異名を、魔獣殺しのレスレクシオンと言われておったそうではありませんか、私は知っておりますぞ。
きっと最前線でご活躍されることでしょう、ぐふふふ」
横にいる大臣が前に出て語りだす。こいつ、キモイ、しかも、知った顔だ、そうだ、こいつの名前は、……もやし野郎だ! ……ふう、そうかあの時の復讐か……。
学生時代にもっと優しくしとくべきだったか。そうか、もやしスケルトンで、おかっぱ頭の出っ歯君は王国の大臣になったのか。
……セバスちゃんの言うとおりだな、嫌いな奴ほど身近に置けか……。
なにやら出っ歯大臣は魔獣討伐作戦の重要性とか語りだした。どうやら本格的な作戦で、吾輩への私情で招集されたというわけではなかった。
まあ、こいつとしては学生時代の劣等感から、こき使ってやろうと思ってのことなのだろうが。
「吾輩は乗り気ではないのですがね、ふう、王様の命令とあれば、でもブランクは長いので出来るだけ支援に徹しますがよいですか?」
もやしスケルトン大臣君は無視して吾輩は王様に返事をした。あいつは陰険なのだ、吾輩が嫌いなら直接言えというのだ。
「もちろんじゃよ。レスレクシオン辺境伯、それに今回は魔法機械を多数持ち出すからな、専門家が必要なのだよ」
ふむ、魔法機械を持ち出すか。うむ、ならばよい。それならそう言え、最初の一言で! まったく話が長いのだ。デブに出っ歯!
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