41 / 92
第四章 カルルク帝国
第41話 カルルク帝国の旅①
しおりを挟む
俺達は装備を一新した。
砂漠用のマントに衣服、そして保存の効く食料も、香辛料は東グプタで買いだめしてあるのでまだ余裕があった。
「シャルロット。問題が発生した」
「ええ、分かってるわ。お金がないのね。さすがに東グプタで豪遊しすぎたかしら」
先ほど貰った討伐任務の報酬を含めてもほとんど残っていない。
お金を稼ぐとは大変なことなのだ。俺達は今さらながら実感したのだった。
「おや、お二方。それでしたら道中でお金を稼げばいいではないですか。
私達は冒険者ですよ? 魔物を狩って、希少な部位を冒険者ギルドに持っていけば換金できます。
まあ微々たるものですが、旅の足しにはなります。
それに東グプタの香辛料をお持ちのようですので。それもお金の代わりになるでしょう。
カルルク帝国では香辛料は貴重なのですよ。
動物の生息する地域は少なく、魔物が徘徊してますし、それに魔物は大抵は美味しくありません。
しかし香辛料があれば美味しく食べられるようになるからです。
ですので、お金に変えなくても魔獣を討伐して食べれば食料の節約にもなりますし、剣の腕もあがるというもの、そういう方向で行きましょう」
こうして俺達の旅は再開された。
次の目的地はカルルク帝国の首都ベラサグンだ。
「ところでルカ様はずっと迷宮都市タラスにいるんですか?」
「はい、あの方はお歳ですし。それに旅はお好きでないようです。今頃は、引きこもって魔法機械の研究をしているかと」
俺は道中、セバスティアーナさんから剣の訓練を受けることにした。
「魔剣と違って、それはただの鉄製の剣です。斬ることを意識して使ってください。
まあ、叩きつけるだけでも充分威力はありますが。それはカイル様の望むことではないでしょう?」
「ああ、剣の使い方を今のうちに習得したい」
「であれば、そうですね。旅の最初ですし、訓練として先日戦ったデスイーターともう一回戦ってみましょうか」
「え? あれは既に討伐したじゃないですか」
「いいえ、まだ数匹はいるはずですよ? 一匹見たらなんとやらですから。
若い盟主は見落としているようですが。まあここは彼女の顔を立てて残りも討伐してしまいましょう。
奴らのいる場所はここに来る前に把握しておりますので。
では参りましょうか」
俺達はセバスティアーナさんに案内されるままに、大きな岩山にきた。
その岩山には洞窟の様な大きな穴が空いている。
「あの穴がデスイーターの住処のようですね、基本的に奴らは単独行動をしますので、また一対一で戦ってみてください」
「あの、セバスティアーナさん。さすがに敵の拠点に俺一人は、無謀だと思います。せめておびき出すための支援攻撃をお願いしたいのですが」
「おお、カイル様、さすがですね、それは良い提案です。戦術を理解しているとは、士官の素質があるようですね」
それはさすがにほめ過ぎだし常識だ。
敵の拠点に単騎で突撃は絵本のレベルだ。そんなのは自殺行為、セバスティアーナさんは俺を試したんだよな。そうだと思いたい。
俺はさっそく新しい剣を鞘から抜く。
いい剣だ。よく鍛えられた鉄の武器。
だが鍛冶屋は悪乗りしたのだろう。完成度は高いけど、重すぎて使える人がいなかった。
俺は素振りをする。
空気の斬れる音がする。美しい音だ。魔剣を持ってた時はなんというか、緊張感が増してそんな音を聞く余裕はなかった。
更に素早く剣を振ると空気の抵抗を感じた。これが普通の剣ということか。俺はしばらく素振りをして精神を落ち着かせていた。
だが、それを邪魔する声が聞こえた。
「いやよ、嫌、嫌、きもいのよ。ガサガサ系は私の嫌いな中で二番目よ。だから無理、無理、無理ですー!」
「シャルロット様。カイル様はそのガサガサ系を退治しようとしているのですよ? ここで頑張らないでどうするんですか。好感度アップのチャンスなのですよ?」
「うるさいわね、それとこれは関係ないでしょ!」
「関係ありますとも、それに、貴方は魔法使いです。遠距離攻撃をすればいいのですよ。簡単でしょ? 奴を住処から追い出すほどの騒音と振動を与える魔法をつかえばいいじゃないですか」
「そ、そうね、たしかにその通りだわ。このままだとただの足手まといになってしまうわね、よし、やるわ!」
何をやるのだろうか。
だが、シャルロットは静かになった。
精神を集中させている。これは遠距離に対して魔法を使おうとしているな。
座標を指定する魔法は距離が遠くなるほど綿密な計算が必要になる。
中級魔法では射程外のこの距離でシャルロットが攻撃魔法をするということは……まさか!
「セバスティアーナさん、今の私では完璧に使えないけど、後方支援にはなると思います。
カイルばかりにいいカッコさせられないしね。今使える私の全力全開、くらえ! 極大火炎魔法、最終戦争、第一章、第一幕『流星群』!」
シャルロットは意識を失った。魔法は失敗だろう。どうして無理をしたんだ。そんなにガサガサ系が嫌なのか。
「カイル様、これは愛です。さて、失敗と決めつけるのはまだ早いですよ。空を見てください」
空を見る。失敗したとはいえ、たしかに魔法は発動した。空に赤い魔法陣が描かれる。くる!
燃える火の玉が一つ、空から振ってきた。それはデスイーターが住む岩山に落ちると、大きな爆発音をとどろかせた。
極大魔法『流星群』は無数の燃え盛る岩石を振らせる恐るべき魔法、それが一つだけ降ってきた。
効果は抜群だ。
この爆音で、一匹のサソリ型の魔物が岩山から出てきた。
逃がすものか。俺は奴の正面に立つ。
このデスイーターは前に戦った奴よりも一回り小さい。
だが、動きは機敏なようだ。
よし、やってやる。俺は剣を構える。
シャルロットはキッチンカーから取り出した、椅子を数個組み合わせた簡易ベッドで横になっている。
さすがセバスティアーナさんだ、キッチンカーの使い方を熟知している。椅子がベッドになるなんて初めて知った。
いや、今はそれはどうでもいい。
シャルロットは安全だ。なら目の前の相手に全力で立ち向かう。
デスイーターは尻尾の毒針を俺に振り下ろす。
俺は剣で毒針をはじき返す。重い攻撃だ。魔剣で受けたときはもっと楽だった。
なるほど、これが本当の実戦なんだ。
今までは魔剣のおかげで楽をさせてもらっていたということだ。
尻尾を剣で弾き、カウンターを喰らわせる。しかし、奴の甲殻に弾かれて傷はあさい。
尻尾を斬れば簡単だと思っていたが。奴は尻尾が最も発達しており一番硬い。
くそ、俺は甘えていたんだ。
「カイル様。剣の使い方で一つ助言を。
相手に対して刃筋を立てて下さい。そして斬るというのを意識してください。
叩きつけてもダメージはありますが。デスイーターのように硬い甲殻を持つ魔物に対しては意識して斬ることが重要です」
なるほど。刃筋を立てる。たしかに、斬るにはそれしかない。
いうのは簡単だが、やるのは難しい。
だが、それが訓練だ。
毒針を回避、剣を構える。斬る。
失敗だ、甲殻が少し欠けただけだ。
つぎ、毒針を回避。斬る。
失敗、
毒針を避ける…………。
斬れた。
デスイーターは尻尾を斬られて、這いつくばっていた。
俺は奴の頭に剣を叩きつけてとどめを刺す。
「よし、やったな!」
いつも通りの掛け声をするが、シャルロットは気を失っていたのだった。
返事がないのは寂しい。セバスティアーナさんは背中の剣を降ろし、左手で腰の高さに持っていた。
「カイル様、やっていません。つがいです。もう一匹います」
俺のうしろからもう一匹のデスイーターが襲ってきた。
しまった、もう一匹いたとは。
次の瞬間、目の前のセバスティアーナさんは消えた。
後を振り返ると、もう一匹のデスイーターはすでに尻尾を斬られていた。
凄い、今の一瞬で。
そして、這いつくばるデスイーターの頭部に地面ごと突き刺さされていた剣は、美しい湾曲した片刃の長剣だった。
斬ることに特化しているのだろう、美しく輝く研ぎ澄まされた刃は波の様な模様を描いている。
「先程の技は、抜刀術という故郷の剣術の一つです。この形状の剣で使うのに適した技ですので、カイル様の持っている真っすぐな剣では難しいでしょう。
ちなみに、これは九番の魔剣、鋼鉄の大刀『ノダチ』といいまして魔剣開放は使えませんが、私の故郷の剣術に関心を持たれたルカ様が造られた一振りです」
強いとは思っていたが、まさかここまでとは、俺は一瞬の出来事に驚愕していた。
砂漠用のマントに衣服、そして保存の効く食料も、香辛料は東グプタで買いだめしてあるのでまだ余裕があった。
「シャルロット。問題が発生した」
「ええ、分かってるわ。お金がないのね。さすがに東グプタで豪遊しすぎたかしら」
先ほど貰った討伐任務の報酬を含めてもほとんど残っていない。
お金を稼ぐとは大変なことなのだ。俺達は今さらながら実感したのだった。
「おや、お二方。それでしたら道中でお金を稼げばいいではないですか。
私達は冒険者ですよ? 魔物を狩って、希少な部位を冒険者ギルドに持っていけば換金できます。
まあ微々たるものですが、旅の足しにはなります。
それに東グプタの香辛料をお持ちのようですので。それもお金の代わりになるでしょう。
カルルク帝国では香辛料は貴重なのですよ。
動物の生息する地域は少なく、魔物が徘徊してますし、それに魔物は大抵は美味しくありません。
しかし香辛料があれば美味しく食べられるようになるからです。
ですので、お金に変えなくても魔獣を討伐して食べれば食料の節約にもなりますし、剣の腕もあがるというもの、そういう方向で行きましょう」
こうして俺達の旅は再開された。
次の目的地はカルルク帝国の首都ベラサグンだ。
「ところでルカ様はずっと迷宮都市タラスにいるんですか?」
「はい、あの方はお歳ですし。それに旅はお好きでないようです。今頃は、引きこもって魔法機械の研究をしているかと」
俺は道中、セバスティアーナさんから剣の訓練を受けることにした。
「魔剣と違って、それはただの鉄製の剣です。斬ることを意識して使ってください。
まあ、叩きつけるだけでも充分威力はありますが。それはカイル様の望むことではないでしょう?」
「ああ、剣の使い方を今のうちに習得したい」
「であれば、そうですね。旅の最初ですし、訓練として先日戦ったデスイーターともう一回戦ってみましょうか」
「え? あれは既に討伐したじゃないですか」
「いいえ、まだ数匹はいるはずですよ? 一匹見たらなんとやらですから。
若い盟主は見落としているようですが。まあここは彼女の顔を立てて残りも討伐してしまいましょう。
奴らのいる場所はここに来る前に把握しておりますので。
では参りましょうか」
俺達はセバスティアーナさんに案内されるままに、大きな岩山にきた。
その岩山には洞窟の様な大きな穴が空いている。
「あの穴がデスイーターの住処のようですね、基本的に奴らは単独行動をしますので、また一対一で戦ってみてください」
「あの、セバスティアーナさん。さすがに敵の拠点に俺一人は、無謀だと思います。せめておびき出すための支援攻撃をお願いしたいのですが」
「おお、カイル様、さすがですね、それは良い提案です。戦術を理解しているとは、士官の素質があるようですね」
それはさすがにほめ過ぎだし常識だ。
敵の拠点に単騎で突撃は絵本のレベルだ。そんなのは自殺行為、セバスティアーナさんは俺を試したんだよな。そうだと思いたい。
俺はさっそく新しい剣を鞘から抜く。
いい剣だ。よく鍛えられた鉄の武器。
だが鍛冶屋は悪乗りしたのだろう。完成度は高いけど、重すぎて使える人がいなかった。
俺は素振りをする。
空気の斬れる音がする。美しい音だ。魔剣を持ってた時はなんというか、緊張感が増してそんな音を聞く余裕はなかった。
更に素早く剣を振ると空気の抵抗を感じた。これが普通の剣ということか。俺はしばらく素振りをして精神を落ち着かせていた。
だが、それを邪魔する声が聞こえた。
「いやよ、嫌、嫌、きもいのよ。ガサガサ系は私の嫌いな中で二番目よ。だから無理、無理、無理ですー!」
「シャルロット様。カイル様はそのガサガサ系を退治しようとしているのですよ? ここで頑張らないでどうするんですか。好感度アップのチャンスなのですよ?」
「うるさいわね、それとこれは関係ないでしょ!」
「関係ありますとも、それに、貴方は魔法使いです。遠距離攻撃をすればいいのですよ。簡単でしょ? 奴を住処から追い出すほどの騒音と振動を与える魔法をつかえばいいじゃないですか」
「そ、そうね、たしかにその通りだわ。このままだとただの足手まといになってしまうわね、よし、やるわ!」
何をやるのだろうか。
だが、シャルロットは静かになった。
精神を集中させている。これは遠距離に対して魔法を使おうとしているな。
座標を指定する魔法は距離が遠くなるほど綿密な計算が必要になる。
中級魔法では射程外のこの距離でシャルロットが攻撃魔法をするということは……まさか!
「セバスティアーナさん、今の私では完璧に使えないけど、後方支援にはなると思います。
カイルばかりにいいカッコさせられないしね。今使える私の全力全開、くらえ! 極大火炎魔法、最終戦争、第一章、第一幕『流星群』!」
シャルロットは意識を失った。魔法は失敗だろう。どうして無理をしたんだ。そんなにガサガサ系が嫌なのか。
「カイル様、これは愛です。さて、失敗と決めつけるのはまだ早いですよ。空を見てください」
空を見る。失敗したとはいえ、たしかに魔法は発動した。空に赤い魔法陣が描かれる。くる!
燃える火の玉が一つ、空から振ってきた。それはデスイーターが住む岩山に落ちると、大きな爆発音をとどろかせた。
極大魔法『流星群』は無数の燃え盛る岩石を振らせる恐るべき魔法、それが一つだけ降ってきた。
効果は抜群だ。
この爆音で、一匹のサソリ型の魔物が岩山から出てきた。
逃がすものか。俺は奴の正面に立つ。
このデスイーターは前に戦った奴よりも一回り小さい。
だが、動きは機敏なようだ。
よし、やってやる。俺は剣を構える。
シャルロットはキッチンカーから取り出した、椅子を数個組み合わせた簡易ベッドで横になっている。
さすがセバスティアーナさんだ、キッチンカーの使い方を熟知している。椅子がベッドになるなんて初めて知った。
いや、今はそれはどうでもいい。
シャルロットは安全だ。なら目の前の相手に全力で立ち向かう。
デスイーターは尻尾の毒針を俺に振り下ろす。
俺は剣で毒針をはじき返す。重い攻撃だ。魔剣で受けたときはもっと楽だった。
なるほど、これが本当の実戦なんだ。
今までは魔剣のおかげで楽をさせてもらっていたということだ。
尻尾を剣で弾き、カウンターを喰らわせる。しかし、奴の甲殻に弾かれて傷はあさい。
尻尾を斬れば簡単だと思っていたが。奴は尻尾が最も発達しており一番硬い。
くそ、俺は甘えていたんだ。
「カイル様。剣の使い方で一つ助言を。
相手に対して刃筋を立てて下さい。そして斬るというのを意識してください。
叩きつけてもダメージはありますが。デスイーターのように硬い甲殻を持つ魔物に対しては意識して斬ることが重要です」
なるほど。刃筋を立てる。たしかに、斬るにはそれしかない。
いうのは簡単だが、やるのは難しい。
だが、それが訓練だ。
毒針を回避、剣を構える。斬る。
失敗だ、甲殻が少し欠けただけだ。
つぎ、毒針を回避。斬る。
失敗、
毒針を避ける…………。
斬れた。
デスイーターは尻尾を斬られて、這いつくばっていた。
俺は奴の頭に剣を叩きつけてとどめを刺す。
「よし、やったな!」
いつも通りの掛け声をするが、シャルロットは気を失っていたのだった。
返事がないのは寂しい。セバスティアーナさんは背中の剣を降ろし、左手で腰の高さに持っていた。
「カイル様、やっていません。つがいです。もう一匹います」
俺のうしろからもう一匹のデスイーターが襲ってきた。
しまった、もう一匹いたとは。
次の瞬間、目の前のセバスティアーナさんは消えた。
後を振り返ると、もう一匹のデスイーターはすでに尻尾を斬られていた。
凄い、今の一瞬で。
そして、這いつくばるデスイーターの頭部に地面ごと突き刺さされていた剣は、美しい湾曲した片刃の長剣だった。
斬ることに特化しているのだろう、美しく輝く研ぎ澄まされた刃は波の様な模様を描いている。
「先程の技は、抜刀術という故郷の剣術の一つです。この形状の剣で使うのに適した技ですので、カイル様の持っている真っすぐな剣では難しいでしょう。
ちなみに、これは九番の魔剣、鋼鉄の大刀『ノダチ』といいまして魔剣開放は使えませんが、私の故郷の剣術に関心を持たれたルカ様が造られた一振りです」
強いとは思っていたが、まさかここまでとは、俺は一瞬の出来事に驚愕していた。
2
お気に入りに追加
75
あなたにおすすめの小説
【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。
氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。
私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。
「でも、白い結婚だったのよね……」
奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。
全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。
一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。
断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。
どうも、死んだはずの悪役令嬢です。
西藤島 みや
ファンタジー
ある夏の夜。公爵令嬢のアシュレイは王宮殿の舞踏会で、婚約者のルディ皇子にいつも通り罵声を浴びせられていた。
皇子の罵声のせいで、男にだらしなく浪費家と思われて王宮殿の使用人どころか通っている学園でも遠巻きにされているアシュレイ。
アシュレイの誕生日だというのに、エスコートすら放棄して、皇子づきのメイドのミュシャに気を遣うよう求めてくる皇子と取り巻き達に、呆れるばかり。
「幼馴染みだかなんだかしらないけれど、もう限界だわ。あの人達に罰があたればいいのに」
こっそり呟いた瞬間、
《願いを聞き届けてあげるよ!》
何故か全くの別人になってしまっていたアシュレイ。目の前で、アシュレイが倒れて意識不明になるのを見ることになる。
「よくも、義妹にこんなことを!皇子、婚約はなかったことにしてもらいます!」
義父と義兄はアシュレイが状況を理解する前に、アシュレイの体を持ち去ってしまう。
今までミュシャを崇めてアシュレイを冷遇してきた取り巻き達は、次々と不幸に巻き込まれてゆき…ついには、ミュシャや皇子まで…
ひたすら一人づつざまあされていくのを、呆然と見守ることになってしまった公爵令嬢と、怒り心頭の義父と義兄の物語。
はたしてアシュレイは元に戻れるのか?
剣と魔法と妖精の住む世界の、まあまあよくあるざまあメインの物語です。
ざまあが書きたかった。それだけです。
子持ちの私は、夫に駆け落ちされました
月山 歩
恋愛
産まれたばかりの赤子を抱いた私は、砦に働きに行ったきり、帰って来ない夫を心配して、鍛錬場を訪れた。すると、夫の上司は夫が仕事中に駆け落ちしていなくなったことを教えてくれた。食べる物がなく、フラフラだった私は、その場で意識を失った。赤子を抱いた私を気の毒に思った公爵家でお世話になることに。
婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪
naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。
「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」
まっ、いいかっ!
持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。

絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。
記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる