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エピソード3
フェイタルフェイト19/31
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俺は医療キットを持ち、シースパイダーのハッチから外に出る。
「オーケー。ミシェルン。ハッチを閉じてくれ。ちなみに敵は居ないんだよね?」
「はいですー、索敵エリア内で適性な生命体は確認されていませんですー」
俺はアースイレブンの大地に足を着ける。
問題ない。
重力や大気圧はやや地球よりも大きいが、ほとんど誤差の範囲内。
それにユニバーサルクロークはこの大地に適応されている。
スーパーマンってほどでは無いけど。仮に現地生物に襲われてもある程度は対処できるらしい。
「見せてもらおうか! スターナイツ社製のフェーズ5・ユニバーサルクロークの性能とやらを!」
俺は有名なロボットアニメのちょっと強い人のセリフを暗唱しつつ、勇気をもらう。
その時、装甲車のエンジンの音が聞こえた。
「団長……なんとか動きましたぜ。でもこれじゃあ……」
「おう、カルロ、ご苦労。……くやしいが、俺達は負けたんだ。あいつら、自然を冒とくしやがって。クソ野郎、今度会ったら、ただじゃおかねぇ……」
「団長さん。怪我はないですか? 医療キットを持ってきました。
ナノバイオバンテージとかスタップ細胞造血剤があります。出血の酷い方は居ませんか?」
俺は装甲車の方に駆け寄り、医療キットが入ったケースを開ける。
「おう、船長さんか……わざわざ助けに来てくれたってのに悪りぃな、せっかくだが今は必要ねぇ……。
必要だった奴らはもう一人も残ってねえのさ……だが、できれば水をくれないか?」
……俺は医療キットから、経口補水液を取り出すと、この場に居る人達に手渡す。
一気に飲み干す彼等。久しぶりの水分補給だったのだろう。
「団長さん! 何があったんですか?」
「分からねぇ……何も分からねぇんだ! そう、俺達はこの先にある怪しい洞窟を見つけた。
そこまでは順調だった。部隊も集合させて、突入準備をしていた。だが……くそっ! なんだあれは。あんなのは見たことがねえ!」
「何かに襲われたってことですか? マードックさんが言ってた、オーバードとかいう巨人のことですか?」
「巨人? ……ああ、旦那はそんなこと言ってたが、そうじゃねえよ……。
それ以前に……俺達は今、なんで襲われてないんだ? なあ。アンタたちがアレを倒してくれたのか?」
団長さんの言ってることは支離滅裂だ。百戦錬磨と思われるレッドドワーフの団長さんでさえも、こうなってしまう場面に遭遇した?
『イチローさん! 早くシースパイダーに戻って下さい! 突然、脳波パッシブセンサーに千を越える知的生命体の反応です。私達は囲まれています!』
「え?」
さっきまで周りには何もないって言ってたのに?
「来やがった! クソ! 前もこうだった。
奴らはおかしいんだよ! 自然動物じゃなかったんだ! あれは人を殺すために作られたバケモンだったんだ!」
団長さんは、ペットボトルを投げ捨て。アサルトライフルを手に取る。
「ゆるせねぇー。野郎! ぶっ殺してやるー!」
団長さんの掛け声とともに、装甲車のエンジンが大きくうなる。団長さんは装甲車に乗った部下に大きな声で命令する。
「お前等! 弔い合戦だ! 奴らは自然動物なんかじゃねぇ。森に向かって、ありったけの弾丸をお見舞いしてやれ!」
「皆さん! 落ち着いてください! 今は撤退を考えないと!」
ドドドンッ! ドドドンッ!
不意に後方のシースパイダーから銃撃が始まる。背面ウエポンラックに搭載された12.7ミリガンポッドから火が噴く。
『イチローさん! 大変です! 奴ら一斉にこちらに近寄ってきてます。
……でもこれって、さっきまで大人しかった恐竜でしょ? どうなってんの? アイさん! 状況は!』
『ええ、現地の野生動物と思われていた恐竜ですが、いきなり知能が人間並みに上がりました。
理由は不明ですが、まずはマスター達は安全な場所に避難してください!』
「団長さん! とりあえず移動しましょう。ここだと囲まれてしまいます!」
相手の数が多い、このままではやられる。
「……そうだ、まさにこれだった。まさか俺達が保護すべき現地生命体に襲われるなんて想定外だったんだ!」
…………。
昨日までの俺には信じられない光景だった。
まさに映画で見た光景。恐竜たちが人間を襲ってくるのだ!
団長さん達は装甲車の影に隠れながら、他の団員と共にアサルトライフルで恐竜達を相手に戦っている。
正確に頭部に命中された徹甲弾は5メートルを越える肉食恐竜にも効果はあった。
脳に直接ダメージを負ったらいかなる生命体でも生きてはいられないのだろう。
そう、やつらはロボットではなく生き物であるのは確かだった。
そして、十メートルを越える、ティラノサウルスの様な生き物が現れた。
「カルロ! でたぞ! レールガンをお見舞いしろ!」
……だが、そのとき、装甲車はその場で大爆発を起こした。
一瞬だけ、その光景が目に焼きついた。
団長さんや他の団員たちが、一瞬の光と立ち上る煙に包まれる姿を。
俺はその爆風に巻き込まれてしまった。
いくらフェーズ5のユニバーサルクロークとはいえ、その場に踏みとどまれるほど万能ではない。
風に吹かれる木の葉の様に、俺の身体はジャングルの中に吹き飛ばされた……。
「オーケー。ミシェルン。ハッチを閉じてくれ。ちなみに敵は居ないんだよね?」
「はいですー、索敵エリア内で適性な生命体は確認されていませんですー」
俺はアースイレブンの大地に足を着ける。
問題ない。
重力や大気圧はやや地球よりも大きいが、ほとんど誤差の範囲内。
それにユニバーサルクロークはこの大地に適応されている。
スーパーマンってほどでは無いけど。仮に現地生物に襲われてもある程度は対処できるらしい。
「見せてもらおうか! スターナイツ社製のフェーズ5・ユニバーサルクロークの性能とやらを!」
俺は有名なロボットアニメのちょっと強い人のセリフを暗唱しつつ、勇気をもらう。
その時、装甲車のエンジンの音が聞こえた。
「団長……なんとか動きましたぜ。でもこれじゃあ……」
「おう、カルロ、ご苦労。……くやしいが、俺達は負けたんだ。あいつら、自然を冒とくしやがって。クソ野郎、今度会ったら、ただじゃおかねぇ……」
「団長さん。怪我はないですか? 医療キットを持ってきました。
ナノバイオバンテージとかスタップ細胞造血剤があります。出血の酷い方は居ませんか?」
俺は装甲車の方に駆け寄り、医療キットが入ったケースを開ける。
「おう、船長さんか……わざわざ助けに来てくれたってのに悪りぃな、せっかくだが今は必要ねぇ……。
必要だった奴らはもう一人も残ってねえのさ……だが、できれば水をくれないか?」
……俺は医療キットから、経口補水液を取り出すと、この場に居る人達に手渡す。
一気に飲み干す彼等。久しぶりの水分補給だったのだろう。
「団長さん! 何があったんですか?」
「分からねぇ……何も分からねぇんだ! そう、俺達はこの先にある怪しい洞窟を見つけた。
そこまでは順調だった。部隊も集合させて、突入準備をしていた。だが……くそっ! なんだあれは。あんなのは見たことがねえ!」
「何かに襲われたってことですか? マードックさんが言ってた、オーバードとかいう巨人のことですか?」
「巨人? ……ああ、旦那はそんなこと言ってたが、そうじゃねえよ……。
それ以前に……俺達は今、なんで襲われてないんだ? なあ。アンタたちがアレを倒してくれたのか?」
団長さんの言ってることは支離滅裂だ。百戦錬磨と思われるレッドドワーフの団長さんでさえも、こうなってしまう場面に遭遇した?
『イチローさん! 早くシースパイダーに戻って下さい! 突然、脳波パッシブセンサーに千を越える知的生命体の反応です。私達は囲まれています!』
「え?」
さっきまで周りには何もないって言ってたのに?
「来やがった! クソ! 前もこうだった。
奴らはおかしいんだよ! 自然動物じゃなかったんだ! あれは人を殺すために作られたバケモンだったんだ!」
団長さんは、ペットボトルを投げ捨て。アサルトライフルを手に取る。
「ゆるせねぇー。野郎! ぶっ殺してやるー!」
団長さんの掛け声とともに、装甲車のエンジンが大きくうなる。団長さんは装甲車に乗った部下に大きな声で命令する。
「お前等! 弔い合戦だ! 奴らは自然動物なんかじゃねぇ。森に向かって、ありったけの弾丸をお見舞いしてやれ!」
「皆さん! 落ち着いてください! 今は撤退を考えないと!」
ドドドンッ! ドドドンッ!
不意に後方のシースパイダーから銃撃が始まる。背面ウエポンラックに搭載された12.7ミリガンポッドから火が噴く。
『イチローさん! 大変です! 奴ら一斉にこちらに近寄ってきてます。
……でもこれって、さっきまで大人しかった恐竜でしょ? どうなってんの? アイさん! 状況は!』
『ええ、現地の野生動物と思われていた恐竜ですが、いきなり知能が人間並みに上がりました。
理由は不明ですが、まずはマスター達は安全な場所に避難してください!』
「団長さん! とりあえず移動しましょう。ここだと囲まれてしまいます!」
相手の数が多い、このままではやられる。
「……そうだ、まさにこれだった。まさか俺達が保護すべき現地生命体に襲われるなんて想定外だったんだ!」
…………。
昨日までの俺には信じられない光景だった。
まさに映画で見た光景。恐竜たちが人間を襲ってくるのだ!
団長さん達は装甲車の影に隠れながら、他の団員と共にアサルトライフルで恐竜達を相手に戦っている。
正確に頭部に命中された徹甲弾は5メートルを越える肉食恐竜にも効果はあった。
脳に直接ダメージを負ったらいかなる生命体でも生きてはいられないのだろう。
そう、やつらはロボットではなく生き物であるのは確かだった。
そして、十メートルを越える、ティラノサウルスの様な生き物が現れた。
「カルロ! でたぞ! レールガンをお見舞いしろ!」
……だが、そのとき、装甲車はその場で大爆発を起こした。
一瞬だけ、その光景が目に焼きついた。
団長さんや他の団員たちが、一瞬の光と立ち上る煙に包まれる姿を。
俺はその爆風に巻き込まれてしまった。
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