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エピソード3
フェイタルフェイト6/31
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三日後。
レッドドワーフの揚陸用舟艇が眼下の雲海からアマテラスへ帰還する。
任務期間の半分を終え、アースイレブンからレッドドワーフの皆さんが一時的に戻ってきたのだ。
俺とミシェルンは貨物搬入デッキにて彼等を待っていた。
ミシェルンは暖かいコーヒーを入れたサーバーをボディーの背面に付けている。
ミシェルンタイプは背面に様々なドリンクを格納できる仕様だ。
共通部品の多いサンバタイプとの明確な違いである。
ちなみにサンバタイプでもやろうと思えば料理も作れるし、ミシェルンも掃除は出来る。
汎用蜘蛛型ロボットの凄さはそこであるが、ではなぜ2タイプあるのか。
それは技術的な問題ではない。
トイレ掃除もするお掃除ロボットが料理を作っても良いのだろうかと。
また、逆もしかりである、つまりは風評の問題である。
ちなみに人間だってトイレ掃除をするし、料理も作るけどそれはそれ。
要は理屈ではなく、気分の問題なのだ。
メーカーとしては、2タイプ用意すれば良いだけの事で売り上げも上がるしウィンウィンなのだろう。
そんなことを思っていると、貨物搬入デッキの扉が開く。
ちなみにアマテラスは宇宙船であり、空気を遮断するために扉は二重構造である。
エアロックの内側の扉が開き、レッドドワーフの団員さん達がぞろぞろと入ってきた。
「ご苦労さまです。お風呂を用意してますので皆さん身体を温めてください」
俺はミシェルンのコーヒーサーバーから湯気の上る熱々のコーヒーを紙コップに注ぐと団員達に手渡す。
皆さんお疲れのようだ、それに全員ずぶ濡れだ。
ミシェルンは団員たちにふかふかのタオルを配る。
まだ地上では大雨が続いている。ブーツは泥だらけでアマテラスの貨物搬入デッキは泥の足跡でいっぱいだった。
それは良い、お掃除ロボットのサンバはきっと大喜びだろう。
団長さんは暖かいコーヒーを受け取ると久しぶりのインスタントでない本物のコーヒーの香りに目を細める。
「ありがてー。じゃあさっそく風呂を頂こうか。まったく、こんな大雨が続くなんて思わなかったぜ!」
「ですよね、ちょうど雨期らしいとのことですが、ここまで連日の大雨は珍しいそうですよ、ちなみに明日から晴れるそうです」
「そうか、そいつは朗報だ。この大雨じゃあ、調査が思ったより進まなくてな。
怪しげな洞窟を見つけたまではいいが、この大雨でさすがに中の調査は出来なかったんだ」
さすがはプロフェッショナル集団だ、この環境でもちゃんと成果を上げている。
「へえ、洞窟ですか、興味深いですね。おっと、団長さんもずぶ濡れですね、お話は後でゆっくり聞きましょう」
この三日間、レッドドワーフの皆さんは大雨の中で活動してたんだよな。
肉体派の仕事は本当に大変だと思う。俺には出来ない仕事だよなぁ。
……いや、人にはそれぞれに役目がある。
今、俺にできる仕事はこれだ。
「おーいサンバ君よ、風呂の準備は万全か?」
俺は宿泊施設の大浴場にいるサンバへ通信コンソール越しに聞いた。
『もちろんっす。大浴場はビカビカに磨いて、お湯は少し熱めに設定しておいたっす。
温泉の素もばっちり入れておいたっす。船長さんのリクエスト通りに疲労回復効果のある炭酸のシュワシュワするやつっす。
我ながら完璧っすよ、コジマ重工製ベストセラーお掃除ロボットは常に快適な環境を提供するっす!』
うん、良い感じだ。
福祉船アマテラスは元観光船、下手なクルーズ船よりも快適にお客さんをおもてなしするのだ。
…………。
風呂から上がったら宴会場にご案内である。
今日は日本の老舗旅館スタイルにしている。
立食形式は疲れるし、団結力をモットーとしている彼等にはテーブルごとで席を分けるよりも大広間で膳を並べるスタイルの方が良いだろう。
明日は一日休みである。
酒飲みの彼等には和室で靴を脱いでゆっくりとくつろいでもらいたいのだ。
日本人のおもてなし精神である。
それに血気盛んな連中の手綱を握るには美味い飯と美味い酒しかないのだ。
ちなみに未成年の女子であるミシェルさんには、血気盛んな彼らに顔をみられてはマズいので部屋にいるようにお願いしたが、本人の希望で厨房で仕事をしてもらっている。
いくらベストセラー調子ロボットのミシェルンがいるとはいえ100人分の料理、しかも懐石料理は手間がかかるのだ。
しかし以外なことにミシェルさんは料理スキルが高いようだ。
この間食べた高級寿司を見事に再現している。もちろん本物の江戸前には劣るのだが、俺の様な素人には分からないレベルの出来栄えである。
まさに適材適所。
ちなみに何もできない俺としては、せいぜい酒が切れないようにお酌して回る位しかできないが……。
だがしかし、年上の人に酒を注いで愚痴を聞く、これも社会では大事な仕事よ。
かつて飲みニケーションというのを嫌う若者がいたが、あれを拒絶すると人間関係に軋轢が生まれるのだ。
ネット番組のインフルエンサーに影響を受けた新社会人がハブにされて退職したなんてよく聞く話だしな。
惑わされてはいけない。
インフルエンサーなんて連中は総じて、気持ちのいいことを言って、バズってウハウハ。
だが決してその発言に対する責任は負わないのである。
それって効率悪くないっすか? という言葉は3024年現在では聞かない。
社会の全てが効率的になっているが故に、人との繋がりこそが今は重要なのだ。
レッドドワーフの揚陸用舟艇が眼下の雲海からアマテラスへ帰還する。
任務期間の半分を終え、アースイレブンからレッドドワーフの皆さんが一時的に戻ってきたのだ。
俺とミシェルンは貨物搬入デッキにて彼等を待っていた。
ミシェルンは暖かいコーヒーを入れたサーバーをボディーの背面に付けている。
ミシェルンタイプは背面に様々なドリンクを格納できる仕様だ。
共通部品の多いサンバタイプとの明確な違いである。
ちなみにサンバタイプでもやろうと思えば料理も作れるし、ミシェルンも掃除は出来る。
汎用蜘蛛型ロボットの凄さはそこであるが、ではなぜ2タイプあるのか。
それは技術的な問題ではない。
トイレ掃除もするお掃除ロボットが料理を作っても良いのだろうかと。
また、逆もしかりである、つまりは風評の問題である。
ちなみに人間だってトイレ掃除をするし、料理も作るけどそれはそれ。
要は理屈ではなく、気分の問題なのだ。
メーカーとしては、2タイプ用意すれば良いだけの事で売り上げも上がるしウィンウィンなのだろう。
そんなことを思っていると、貨物搬入デッキの扉が開く。
ちなみにアマテラスは宇宙船であり、空気を遮断するために扉は二重構造である。
エアロックの内側の扉が開き、レッドドワーフの団員さん達がぞろぞろと入ってきた。
「ご苦労さまです。お風呂を用意してますので皆さん身体を温めてください」
俺はミシェルンのコーヒーサーバーから湯気の上る熱々のコーヒーを紙コップに注ぐと団員達に手渡す。
皆さんお疲れのようだ、それに全員ずぶ濡れだ。
ミシェルンは団員たちにふかふかのタオルを配る。
まだ地上では大雨が続いている。ブーツは泥だらけでアマテラスの貨物搬入デッキは泥の足跡でいっぱいだった。
それは良い、お掃除ロボットのサンバはきっと大喜びだろう。
団長さんは暖かいコーヒーを受け取ると久しぶりのインスタントでない本物のコーヒーの香りに目を細める。
「ありがてー。じゃあさっそく風呂を頂こうか。まったく、こんな大雨が続くなんて思わなかったぜ!」
「ですよね、ちょうど雨期らしいとのことですが、ここまで連日の大雨は珍しいそうですよ、ちなみに明日から晴れるそうです」
「そうか、そいつは朗報だ。この大雨じゃあ、調査が思ったより進まなくてな。
怪しげな洞窟を見つけたまではいいが、この大雨でさすがに中の調査は出来なかったんだ」
さすがはプロフェッショナル集団だ、この環境でもちゃんと成果を上げている。
「へえ、洞窟ですか、興味深いですね。おっと、団長さんもずぶ濡れですね、お話は後でゆっくり聞きましょう」
この三日間、レッドドワーフの皆さんは大雨の中で活動してたんだよな。
肉体派の仕事は本当に大変だと思う。俺には出来ない仕事だよなぁ。
……いや、人にはそれぞれに役目がある。
今、俺にできる仕事はこれだ。
「おーいサンバ君よ、風呂の準備は万全か?」
俺は宿泊施設の大浴場にいるサンバへ通信コンソール越しに聞いた。
『もちろんっす。大浴場はビカビカに磨いて、お湯は少し熱めに設定しておいたっす。
温泉の素もばっちり入れておいたっす。船長さんのリクエスト通りに疲労回復効果のある炭酸のシュワシュワするやつっす。
我ながら完璧っすよ、コジマ重工製ベストセラーお掃除ロボットは常に快適な環境を提供するっす!』
うん、良い感じだ。
福祉船アマテラスは元観光船、下手なクルーズ船よりも快適にお客さんをおもてなしするのだ。
…………。
風呂から上がったら宴会場にご案内である。
今日は日本の老舗旅館スタイルにしている。
立食形式は疲れるし、団結力をモットーとしている彼等にはテーブルごとで席を分けるよりも大広間で膳を並べるスタイルの方が良いだろう。
明日は一日休みである。
酒飲みの彼等には和室で靴を脱いでゆっくりとくつろいでもらいたいのだ。
日本人のおもてなし精神である。
それに血気盛んな連中の手綱を握るには美味い飯と美味い酒しかないのだ。
ちなみに未成年の女子であるミシェルさんには、血気盛んな彼らに顔をみられてはマズいので部屋にいるようにお願いしたが、本人の希望で厨房で仕事をしてもらっている。
いくらベストセラー調子ロボットのミシェルンがいるとはいえ100人分の料理、しかも懐石料理は手間がかかるのだ。
しかし以外なことにミシェルさんは料理スキルが高いようだ。
この間食べた高級寿司を見事に再現している。もちろん本物の江戸前には劣るのだが、俺の様な素人には分からないレベルの出来栄えである。
まさに適材適所。
ちなみに何もできない俺としては、せいぜい酒が切れないようにお酌して回る位しかできないが……。
だがしかし、年上の人に酒を注いで愚痴を聞く、これも社会では大事な仕事よ。
かつて飲みニケーションというのを嫌う若者がいたが、あれを拒絶すると人間関係に軋轢が生まれるのだ。
ネット番組のインフルエンサーに影響を受けた新社会人がハブにされて退職したなんてよく聞く話だしな。
惑わされてはいけない。
インフルエンサーなんて連中は総じて、気持ちのいいことを言って、バズってウハウハ。
だが決してその発言に対する責任は負わないのである。
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