92 / 133
エピソード3
サターン7/13
しおりを挟む
俺達はミシェルさんと女子高生の二人、サンジョウ・シズカ、カスガ・シズネ達とは別行動をとることにした。
オフ会に部外者は参加してはならないのだ。
それに彼女たち三人で積もる話があるのだろうし。
……さすがにあの号泣を見て、察せないほど俺達はボンクラではないのだ。
ちなみに、ダブルデートだと思われたジェミニたちは本当にたまたまスケジュールがあっただけらしい。
彼女たちのご両親は仕事の都合もあり、アーススリーからここまで来ることが難しかったため、やもなく二人だけで送ったのだが。
現地ではさすがに心配とのことで保護者として依頼されたらしい。
俺としては信じられない。大学生の男二人に大事な娘を預けるかねぇ……。
しかも二次元ポルノの良さを公然と語るようなキモい奴らに。
いや、その辺はよくわからんし、全ての男がケダモノだとは思わない。サガ兄弟にも両親や親戚がいる。
これは俺の失礼な妄想だろう。むしろ陽キャでイケメン大学生や、昨今のなろう系主人公よりも余程信頼が持てるだろう。
……まあ、仮に下心がワンチャンあったとしても、それは実現できない虚無であると認識しているはずだ。
そう、その辺のマインドは理解できる。俺達はオタクなのだから……。
ましてや、サガ兄弟は『アナザーディメンション』というオタクサークル連合のボスである。
曰く、アナザーディメンションは歴史が古く由緒正しい、日本はおろか世界中にも支部を持つ巨大な大学サークル連合らしいのだ。
そんな彼らが三次元になびいてしまっては教義に反してしまうだろう。
それにオタクサークルが崩壊する原因が何かを彼らはよく理解しているはずだ。
オタサーに姫など不要なのである。
「おや? ところでアイ殿のお姿、ホログラムでござるか? 前のメイド型アンドロイドはどうしたでござるか?」
『ああ、あれは壊れてしまいましてね。マスターに危害を加えてしまったので焼却処分です……』
「むむむ、イチロー殿、もしやメイド型アンドロイドに襲い掛かったのでござるか?
いくらご主人様とメイドの背徳的な情事とはいえ……うらやまけしからんでござる。
でも公私混同、AIには優しくしないと通報案件ですぞ!」
「ふっ、しかもわざわざソレ専用のアンドロイドではなく、汎用アンドロイドでとは……。
マニアックが過ぎますね……。いや、故にプラトニックな関係からの堕落してゆく様を感じるのでしょう。理解はします」
勝手に妄想して、妙に納得する兄弟。
「おい! 誤解だ! 俺を何だと思っている。……マジで事故があったんだよ、詳しく話せないけどな。
でも、そうだな、アイちゃんのアンドロイドが無いのは少し寂しい。
前回は通販で安物を買ったから起こった事故だと思うとしよう」
『マスター、それは違います。あの失態は人工生命体としては次などないほどの禁忌です。
二度と起こらないように、クリステル様から厳しく言われました』
「うん、それは知ってる。俺もその場に居たしな。
でもそれはそれ、肝心な時に俺一人だといろいろとダメな場合もあるだろうし。
まあ、つまりは性能がいいアンドロイドならいいんじゃない? マリーさんみたいなのなら洗脳されることも無いだろうし」
『さあ、どうでしょうか。それに万が一洗脳されたら、マスターの首は一瞬で切断されてたでしょう?』
確かに、非力な汎用アンドロイドだったから助かったが、マリーさんだと瞬殺されてたかもしれん。
「ふむ、たしかに……。そうだな。
まあ、それはおいおい考えるとして、買い物でもしようじゃないか。そういえばサガ兄弟は『クロノス』は詳しいんだろ?
女子達はきっとショッピングやら、お茶したりと楽しんでるはずだ。
なら俺達は俺達で楽しもう。お勧めのオタクスポットを案内してくれよ。
そう、ここから本題なのだが。できれば、セーラー服の美少女で、黒髪のセミロングの戦士風のアンドロイドとかあったらなって……サターン的な意味で」
…………。
「ふふふ、さすがはイチロー殿でござる。
我らアナザーディメンションが崇拝する土星の女神。真のサターンちゃんですな。オッケーですぞ。
ではさっそく、カスタムアンドロイドショップにご案内でござる」
話が早い。さすがはオタクサークルのボスだけのことはある。
「残念ながら我らの真のサターンちゃんは戦艦サターンのAIアバターには採用されませんでした。
アナザーディメンションの組織票をもってしても一次選考で弾かれてしまったのです」
そう言うのは弟のセイジ。
「しかし、代々の先輩方の地道な活動もあり、そのデザインは受け継がれ、マニアックなお店では密かに製品化しているのですぞ。
コードネーム『ファイアフライ』イチロー殿なら、これだけで理解しますな?」
「っ! まじか! 一応、確認をとっておくぞ、版権はクリアしているのか?」
「……イチロー殿。なぜ、某がマニアックな店といったか理解してほしいでござる……」
「そ、そうか。まあ、俺は何も知らないし、いいよな……アイちゃんもいいよな! 俺はぜひ見てみたいんだ」
『はあ、マスター。まあ、同人レベルなら目をつぶるとしましょう。
日系企業はその辺は寛容ですし、トラブルが起きたとしても示談で済ませることはできますか』
「よし、ならば是非もない……ここからが俺の本当の決戦のバトルフィールドだ!」
オフ会に部外者は参加してはならないのだ。
それに彼女たち三人で積もる話があるのだろうし。
……さすがにあの号泣を見て、察せないほど俺達はボンクラではないのだ。
ちなみに、ダブルデートだと思われたジェミニたちは本当にたまたまスケジュールがあっただけらしい。
彼女たちのご両親は仕事の都合もあり、アーススリーからここまで来ることが難しかったため、やもなく二人だけで送ったのだが。
現地ではさすがに心配とのことで保護者として依頼されたらしい。
俺としては信じられない。大学生の男二人に大事な娘を預けるかねぇ……。
しかも二次元ポルノの良さを公然と語るようなキモい奴らに。
いや、その辺はよくわからんし、全ての男がケダモノだとは思わない。サガ兄弟にも両親や親戚がいる。
これは俺の失礼な妄想だろう。むしろ陽キャでイケメン大学生や、昨今のなろう系主人公よりも余程信頼が持てるだろう。
……まあ、仮に下心がワンチャンあったとしても、それは実現できない虚無であると認識しているはずだ。
そう、その辺のマインドは理解できる。俺達はオタクなのだから……。
ましてや、サガ兄弟は『アナザーディメンション』というオタクサークル連合のボスである。
曰く、アナザーディメンションは歴史が古く由緒正しい、日本はおろか世界中にも支部を持つ巨大な大学サークル連合らしいのだ。
そんな彼らが三次元になびいてしまっては教義に反してしまうだろう。
それにオタクサークルが崩壊する原因が何かを彼らはよく理解しているはずだ。
オタサーに姫など不要なのである。
「おや? ところでアイ殿のお姿、ホログラムでござるか? 前のメイド型アンドロイドはどうしたでござるか?」
『ああ、あれは壊れてしまいましてね。マスターに危害を加えてしまったので焼却処分です……』
「むむむ、イチロー殿、もしやメイド型アンドロイドに襲い掛かったのでござるか?
いくらご主人様とメイドの背徳的な情事とはいえ……うらやまけしからんでござる。
でも公私混同、AIには優しくしないと通報案件ですぞ!」
「ふっ、しかもわざわざソレ専用のアンドロイドではなく、汎用アンドロイドでとは……。
マニアックが過ぎますね……。いや、故にプラトニックな関係からの堕落してゆく様を感じるのでしょう。理解はします」
勝手に妄想して、妙に納得する兄弟。
「おい! 誤解だ! 俺を何だと思っている。……マジで事故があったんだよ、詳しく話せないけどな。
でも、そうだな、アイちゃんのアンドロイドが無いのは少し寂しい。
前回は通販で安物を買ったから起こった事故だと思うとしよう」
『マスター、それは違います。あの失態は人工生命体としては次などないほどの禁忌です。
二度と起こらないように、クリステル様から厳しく言われました』
「うん、それは知ってる。俺もその場に居たしな。
でもそれはそれ、肝心な時に俺一人だといろいろとダメな場合もあるだろうし。
まあ、つまりは性能がいいアンドロイドならいいんじゃない? マリーさんみたいなのなら洗脳されることも無いだろうし」
『さあ、どうでしょうか。それに万が一洗脳されたら、マスターの首は一瞬で切断されてたでしょう?』
確かに、非力な汎用アンドロイドだったから助かったが、マリーさんだと瞬殺されてたかもしれん。
「ふむ、たしかに……。そうだな。
まあ、それはおいおい考えるとして、買い物でもしようじゃないか。そういえばサガ兄弟は『クロノス』は詳しいんだろ?
女子達はきっとショッピングやら、お茶したりと楽しんでるはずだ。
なら俺達は俺達で楽しもう。お勧めのオタクスポットを案内してくれよ。
そう、ここから本題なのだが。できれば、セーラー服の美少女で、黒髪のセミロングの戦士風のアンドロイドとかあったらなって……サターン的な意味で」
…………。
「ふふふ、さすがはイチロー殿でござる。
我らアナザーディメンションが崇拝する土星の女神。真のサターンちゃんですな。オッケーですぞ。
ではさっそく、カスタムアンドロイドショップにご案内でござる」
話が早い。さすがはオタクサークルのボスだけのことはある。
「残念ながら我らの真のサターンちゃんは戦艦サターンのAIアバターには採用されませんでした。
アナザーディメンションの組織票をもってしても一次選考で弾かれてしまったのです」
そう言うのは弟のセイジ。
「しかし、代々の先輩方の地道な活動もあり、そのデザインは受け継がれ、マニアックなお店では密かに製品化しているのですぞ。
コードネーム『ファイアフライ』イチロー殿なら、これだけで理解しますな?」
「っ! まじか! 一応、確認をとっておくぞ、版権はクリアしているのか?」
「……イチロー殿。なぜ、某がマニアックな店といったか理解してほしいでござる……」
「そ、そうか。まあ、俺は何も知らないし、いいよな……アイちゃんもいいよな! 俺はぜひ見てみたいんだ」
『はあ、マスター。まあ、同人レベルなら目をつぶるとしましょう。
日系企業はその辺は寛容ですし、トラブルが起きたとしても示談で済ませることはできますか』
「よし、ならば是非もない……ここからが俺の本当の決戦のバトルフィールドだ!」
10
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
日本国 召喚獣管理省 関東庁 召喚獣総合事案即応科。
wakaba1890
ファンタジー
召喚獣。
それは向こう側とされる所から、10歳を迎えた日本人の子供の下に召喚されるモンスターのことである。
初代天皇・神武天皇が日本を建国した際に書かれた絵画には彼は金鵄と呼ばれる金色に輝く鵄(とび)と契約したのが原初となっている。
そして、縄文、弥生、古墳、飛鳥、平安、戦国時代から近代から今に至るまで、時代を動かしてきた人物の側には確かに召喚獣は介在していた。
また、奇妙な事に、日本国に限り、齢10歳を迎えた日本在住の日本人にのみ体のどこかから多種多様な紋章が発現し、当人が念じると任意の場所から召喚陣が現れ、人ならざるモンスターを召喚される。
そして、彼らモンスターは主人である当人や心を許した者に対して忠実であった。
そのため、古来の日本から、彼ら召喚獣は農耕、治水、土木、科学技術、エネルギー、政治、経済、金融、戦争など国家の基盤となる柱から、ありとあらゆる分野において、今日に至るまで日本国とアジアの繁栄に寄与してきた。
そして、建国から今まで、国益の基盤たる彼ら数万種類以上をも及ぶ召喚獣を取り締まり管理し、2600年以上と脈々と受け継がれてきた名誉ある国家職がーーーーー国家召喚獣管理官である。
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ
朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】
戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。
永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。
信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。
この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。
*ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる